連載第2回は、男子クロスカントリー競技の宇田彬人(スポ4=福井・勝山)、田中聖土(スポ4=秋田・花輪)、山下陽暉(スポ1=富山・南砺平)だ。インカレを締めくくる種目、クロスカントリーリレーに出場する3名の活躍は必須だろう。上級生と下級生、学年を超え、お互いに何を思うのか。
※この取材は9月28日に行われたものです。
(優勝の)実感なかった。(田中)
冗談交じりに語る
――さくねんは男子総合優勝ということでしたが反響はありましたか
宇田優勝してすぐは、なんかね、あんまり。
田中実感なかったよね。5月の祝勝会で、OBの方が自分たちの思ってる以上に喜んでくれていて、讃えてもらって、そこでやっと反響は少し感じましたね。
――スキーを始められたのはいつ頃ですか
宇田僕は小学校低学年くらいですね。兄二人がやっていたので。親もやってました。
田中僕は始めたのは幼稚園のときくらいで、始めたのは僕も親の影響ですね。
山下僕も小1から始めたのは親の影響です。
――家族がやっていないとスキーはなかなか始める機会が少なそうですね
宇田あーでも、小学校のときに体育の授業でやるよね。
田中・山下
あー、確かに。
――公立の小学校にスキーの授業があるのはかなり珍しいと思うのですが
宇田やっぱ雪降る地域だからね。
田中冬とかなれば、いつも雪積もってるんで。まぁ、授業では先頭引っ張れますね(笑)。経験者なんで。
――スキー以外のスポーツはされていましたか
田中僕は、陸上とサッカーやってました。スキーのためにやってた感じです。小学校のときに地元のスポーツ少年団みたいなのに通っていて、サッカーは自分でやりたいって言って始めました。陸上は部活です。ばしっとスキーに決めたのは、中学校入学するときです。中学では冬だけスキー部でした。
山下小学校のときは、僕もスポーツ少年団と、相撲とサッカーとドッチボールと陸上してました。結構いろいろな競技やらしてもらいました。小学校4年生くらいからスキーに集中しました。
宇田僕はこれも親の影響で小学校中学校はバトミントンやってました。
上級生と下級生
仲の良さをアピールする田中(左)と山下(右)
――1年生と上級生は仲がいいですか
山下…いいです。よく喋らせてもらってます。
田中いや、言わされてんじゃん(笑)。
山下いやいや、本当です(笑)。結構フレンドリーな感じです。…あ、それはちょっと変ですかね?
田中いいよ(笑)。言いたいこと言えよ?
山下はい。
――下級生から見て上級生はいかがですか
山下やっぱ、かっこいいですよね。僕は、クロカンの先輩たちはもともと知っている部分があったので、なんか、すごい、すごいなと思っていました。
宇田すごいすごいな?(笑)
田中すごいすごいな…。
山下あ、すみません(笑)。その、全日本とか大人も混じった大会で上位に食い込んだり優勝したりして、インカレの種目でも個人で優勝されていて、男子の総合優勝にクロカンのお二人が貢献されているのがカッコよかったです。
――山下さんからみて、特に宇田さんと田中さんの印象はいかがですか
山下イメージですよね…。
田中ドキドキするな、これ(笑)。
山下聖土さんはきょねんフリー種目でほぼ上位とられていて、僕全然勝てなかったんで勝ちたいって思います。ライバル視していて目標にしています。人としては場の雰囲気を盛り上げてくれて、楽しいです。ムードメーカーみたいな感じです。練習も盛り上げてくれて、それでいて、ストイックで背中で引っ張って行ってくれて、自分も頑張ろうって思えます。性格も優しくて話しかけやすいです。完璧です。
田中そうなのかな(笑)。本当に思ってる?嘘言っちゃダメなんだよ?
山下知ってます(笑)。思ってます。宇田さんは、始め怖いイメージがあったんですけど、合宿とか一緒に話すうちに、宇田さんのお茶目な部分が見れて(笑)。僕の名前呼んで、ちょっかい出してくれるみたいな(笑)。僕的にはそれがコミュニケーション取れてるみたいで嬉しいです。
宇田生意気だなー(笑)。
田中このあと逆言うんでしょ?怖いなー(笑)。
――これをふまえて、山下さんの印象を教えてください
田中変人だよな(笑)。
山下えーそうですか。変人なのかな…。
田中陽暉は宇田と一緒で全日本のメンバーだし、一緒にいないので難しいけど、きょねんレースで負けたこともあったので、スキーになってしまえば、先輩として抜かれないようにね。まぁ、ライバルでいいのかな。
山下ありがとうございます。ちょっと嬉しいです。
宇田まぁでも、一番期待してますね。
田中リレーは陽暉に活躍してもらわないとね。スーパールーキーだしな(笑)。
山下リレーは、先輩たちにもしトップでバトン渡せれば必ず守り抜いてくれるっていう安心感が本当にあるんですよね。100パーセント。僕がしっかりトップで渡せれば、絶対優勝できます。頼もしい先輩方です。
宇田…期待してるぞ。
――4年生同士、お互いの印象はいかがですか
田中ハングリーな男ってことは変わらない。俺はもっとやれるみたいな。4年生になって、きょねんより一緒にいる機会が少なくて。でもストイックです。
宇田まぁ、一番近い、ライバルなのかなぁ。あ、陽暉はまだ違うけど。
田中でもライバルのライバルはライバルだよ?(笑)。
宇田みんなライバルじゃん(笑)。まだだよ。
山下ことしの成績で、ライバルと認めてもらえるように頑張ります(笑)。
――夏休みは何をされていましたか
田中ずっと練習してましたね。合宿の合間もずっと。夏休みこそ、集中して練習します。もし練習がなかったら、だいたいゴロゴロしてますね。
山下地元帰って、友達と会ってました。一番の思い出は福井の芝政ワールドっていう、大きいプールに行ったことですね。地元ではしっばまさ〜っていう歌がよくテレビで流れてるんですけど(笑)。免許持ってる友達と車で行って、遊びまくったのが、1日オフで一番楽しかったです。
宇田実家に帰ったんですけどゴロゴロが一番多いかな。最初一週間は、なんだろ、母親とカフェ行ったりしました(笑)。お母さんと一緒にティータイムです。お母さんがカフェとか好きで、新しいカフェできたから行こうみたいな(笑)。
宇田あ、でも俺も親と出かけるよ。4年生にもなると家にほとんどいないから、やっぱ久しぶりに帰ると喜ぶよね、親(笑)。喫茶店とか一緒に行ったり。
宇田カフェ行ってコーヒーと甘いもの食べる。
田中たまにするよ、インスタ映え的なね。
一同(笑)。
田中大学にも通わせてもらってて、お金かかるスポーツなので、家族サービスと言ったら上からですけど、一緒には過ごしますね。
まずは、個人のベストパフォーマンスを
個人の頑張りが大事
――さくねんの総合優勝についてどうお考えですか
田中総合優勝自体は意識してなくて、自分の種目、競技で優勝者を早稲田から出せたことは嬉しかったです。総合優勝ではあるんですけど、最終結果は同点で、リレー上位のおかげで優勝決まったんで、最終結果同点の時点でまだ勝ちきってない。だから、他大学より1点でも多く取りたかったし、スッキリしてないです。ことしは、得点上回って勝ちたい、僕個人としては。…ちょっと格好つけました(笑)。
宇田4年間1回もリレーで優勝したことないんで優勝したいですね。
――ことしのインカレの目標をお願いします
山下インカレでは、個人で先輩方に勝って、その上で優勝もしたいです。はい。
田中みんな、総合優勝を目標にはしていますけど、そこまで強く意識はしてないと思います。自分のベストパフォーマンスをしたらそこに順位が付いてくるみたいな。それがたまたま優勝かもしれないし。だから個人個人がのびのびやっていくのが一番だと思いますね。ギスギスするんじゃなくて。
宇田インカレは頑張って、みんなで優勝しようみたいなのありますけど、僕は個人で優勝できればいいかなと思っています。逆らうようですけど。
田中こういう性格なんですよ、こいつ(笑)。
宇田みんなであっちでワイワイやってるなーくらいです(笑)。自分は個人で頑張ります。それがチームの優勝につながると思うんで。あれだけ得点化されると意識はしちゃいますけどね。
田中みんなで優勝するためには、みんなでベストパフォーマンスしなくちゃね。
――意気込みをお願いします
田中リレー優勝して卒業したいね。
宇田確かに。
山下優勝に貢献。
宇田俺は毎年決まってる。楽しむ。これだけ。
――ありがとうございました!
(取材・編集 藤田さくら)
終始笑いが絶えない
◆田中聖土(たなか・まさと)(※写真左)
1995(平7)年4月25日生まれ。178センチ。秋田・花輪高出身。スポーツ科学部4年。尊敬する人物はジャッキーチェーン。明るく冗談を言って常に周りを笑わせるムードメーカーな田中選手。しかし、練習に打ち込むそのストイックさは人一倍です。
◆山下陽暉(やました・はるき)(※写真中)
1999(平11)年3月11日生まれ。170センチ。富山・南砺平高出身。スポーツ科学部1年。尊敬する人物は同期の岡村彗胤。先輩にいじられてもニコニコとしていて、愛されキャラの山下選手。期待のルーキーとして大注目の選手です。
◆宇田彬人(うだ・あきひと)(※写真右)
1995(平7)年7月25日生まれ。180センチ。福井・勝山高校出身。スポーツ科学部4年。尊敬する人物は武井壮。強面な見た目に反して、寮でスイートポテトを作ったり、ミスターハングリーお茶目と名付けられたりと、意外にも可愛らしい宇田選手です。