【連載】『総活躍』第4回 小林諭果

スキー

 連載4回目に登場していただくのは女子ジャンプの小林諭果(スポ4=岩手・盛岡中央)。最後のインカレとなることし。4年生として感じていることや、今後の夢について語っていただいた。

※この取材は10月8日に行われたものです。

応援されることが力になる

終始笑顔で質問に答える小林

――昨シーズンをふり返っていかがでしたか

昨シーズンはケガをしていて、復帰できたのがほんとにシーズン終盤だったので、試合という試合に出られなかったんですけど、3試合出場して納得のできる結果ではなかったですが、競技に復帰できたことが嬉しかったシーズンでした。

――どちらをケガしたのですか

左ひざの半月板を断裂して手術を行って、10月に手術をして復帰できたのが2月の後半だったので、ほとんどシーズン1ヶ月くらいしかない状態でした。

――ケガは練習中にしたのですか

そうですね、ケガは気づいたら痛いなと思って(笑)。知らないうちに歩いてたらどんどん痛くなっちゃってっていう感じで。なにかをしてっていう訳ではなかったです。

――雪の無い時期の普段の練習はどんなことをなさっていますか

平日は陸上でのウェイトトレーニングや走ったりとか体幹鍛えたりとかして、週末は極力飛びに行くようにしています。サマージャンプのトレーニングを新潟、長野などに行って練習しています。

――1回の練習でどのぐらい飛びますか

ジャンプは一日十本とか午前午後だったらもっと飛んだりします。

――合宿はありましたか

今季はスキージャンプの部門が今1人ケガをしていて私ひとりなので、試合が夏場あったので、それに合わせて大会に向けてっていうかたちで、はやめに入って練習とかはしていたんですけど、大きな合宿はしていないです。

――練習を経て、今強くなったと実感する部分はありますか

今季はあんまり練習が充実したっていう程には取り組めなくて、不安が残る状態で夏の試合にのぞんだんですけど、結果がついてきてくれたので、やってたことは間違ってないのかなと思います。自信になりました。

――さくねんの対談では脚力が弱点と言っていましたがいかがですか

進化しているといいんですけど、まだ実感できてないです(笑)。

――自分の強みはなんだと思いますか

やっぱジャンプ競技って最後メンタル勝負になるんですけど、実は意外とネガティブでメンタル弱いけど、時間が経ったら忘れられるポジティブさもあるところですかね(笑)。

――今まで指導を受けていて心に残った言葉とかありますか

言葉じゃないんですけど、今の監督がコーチで、あんまりよくない時もそんなにけなさないっていうか、ずっと褒めて伸ばすタイプなので、それが嬉しくて今まであんまり落ち込まずに競技を続けてこれてます。あと、試合で2本飛ぶんですけど、1本目悪くても、「まぁいいよ次頑張れ」みたいな(笑)。応援されることが私の力になります。

――監督が新しくなりましたが、チームの雰囲気はいかがですか

監督が結構よくチームにも顔を出してくれるので、私の部門のコーチでもあるのでよく顔を合わすんですけど、ほんとにいい意味で変わってきているなと感じます。チームの声を聞いて活かしてくれていると思います。

――同期の4年生の存在というのはいかがですか

主将山元豪なんですけど、主将が不在なことが多くてまとまりがないなって思われる学年かもしれないんですけど(笑)、でも4年間一緒にいて、今になってはなくてはならない存在なので頼りにしています。成田さんも頼りにしています(笑)。副将なので責任ある立場にいて、いろいろ悩んでくれているので、私はなにも力にはなれていないんですけど、4年生で話し合いをする場を設けてはいるので、良いチームにしていければなと思います。

――4年生として意識していることはありますか

私が一年生の時に思っていた4年生像とはやっぱり全然違うっていうか、とにかく違うんです(笑)。自分がやりたいようにやっているから後輩たちにはなんだこいつって思われているかもしれないですね(笑)。背中で見せる先輩ということで(笑)。やっぱりあんまりまとまりがあるっていうチームではないと思うので、4年生同士でなんでも言い合える仲にして、後輩からも何でも言ってもらえたらなとは思っています。1個上が卒業して、頼る人がいなくなったので、結構不安ではありました。でも半年過ごして、あっという間だな、さみしいなってもう思っています(笑)。

――後輩から刺激を受けることもありますか

はい、もちろんです。アルペンの松本達樹(スポ3=北海道・札幌第一)もそうですけど、世界で戦っている選手もいるので、練習とか見ていてやっぱすごいなと思って、自分も頑張らなきゃなと思うことはあります。

――スキーを始めたきっかけはお兄様と以前言っていましたがご兄弟の存在はどのようなものですか

やっぱり、弟もいるんですけど、お兄ちゃんも弟も二人とも尊敬しています。年下なんですけど(笑)。二人のように世界で戦えるようになりたいなと思うし、最後はやっぱ同じ場所で戦えたらいいなっていうのが私の今の一番の目標です。ケガをした時とかも連絡とかこまめにくれて、やっぱりその言葉がすごく嬉しくて頑張ろうって思えたので、一方的に尊敬してます、一方的に(笑)。

――一緒に練習したり遊びに行ったりとかはしますか

社会人になって、兄弟二人とも札幌に住んでいるので、なかなか会う機会がなくて、大会とかにいっても兄弟どっちかが海外遠征行ってていなかったりとかで、なかなか一緒になれないです。今回遠征で海外行かせてもらえたときは、お兄ちゃんが一緒にいたのでそれは嬉しかったです。

――出身地岩手のふるさと自慢はありますか

焼肉屋さんで食べる冷麺は格別です。みなさんぜひ食べてください(笑)。あんまり好きじゃないんですけど(笑)。あとはもう、広くて、山がきれいです(笑)。ぜひお越しください!

――遠征が多くあると思いますが、寒さ対策などで持っていく物とかありますか

ほんとに寒いの嫌いで、結構荷物に練習着とかいっぱい詰め込むんですけど、3分の2ぐらい着ないで終わったりします。あといつも長い着圧ソックス持ち歩いています。

――海外遠征は好きですか

遠征はあんまり行かないんですけど、やっぱその土地を感じられるっていうか、ごはんは美味しくてもまずくても経験かなと思って、結構いろんなものを食べるようにしています。好きですね。

――今まで一番美味しかったものはなんですか

ことし初めてロシアに行ったんですけど、タンが出てきました。結構リアルでベロベロっとしたものもついていて(笑)。うわ、これまじかって思って食べたんですけど意外と美味しくて、見た目じゃないなと思いました。

――遠征で困ったエピソードなどありますか

やっぱり遠征先は、特に海外では、あんまり洗濯機がある場所にたどり着いたことが無くて、いつも手洗いとかなのでそれがちょっと大変だなと思います。

――普段息抜きで行うことやマイブームなどはありますか

もうひたすら寝てます。ひたすら寝て、あとは映画とかドラマ見たりしてます。結構いろんなの見てて、元気になれるマンマミーアとか好きですね。落ち込んだ時とか見てます。マイブームはカメラを持ってお出かけすることです。

自分を持つことを大切にしていきたい

さくねんのインカレは悔しい結果となった

――競技の話に戻ります。ジャンプ競技の魅力を教えてください

やっぱり空を飛ぶ感覚っていうのはスキージャンプ特有っていうかなかなかないと思うので、それが魅力だと思います。とっても気持ちいいです。でも怖さもあります(笑)。高いのも怖いし、久しぶりに飛ぶとどうしても恐怖心が最初はやっぱりあるので、いつまでも慣れないです。

――試合中意識することはありますか

試合中は、いっぱいいろんなことを考えると失敗する事がよくあるので、練習中はアドバイス受けたことだけを考えるように飛んでいます。あとはアプローチに乗るのがとても下手なので、アプローチを意識しています。

――これから世界で活躍するうえで必要だと感じることはありますか

今回海外のW杯に参加させていただいて、コーチにも言われたんですけど、やっぱまだまだ体幹が弱いので、体幹トレーニングを今後もっと強化していくべきだなと思ったのと、怖気づいちゃうっていうか、会場に行くと周囲を気にしてしまうのでもっと自分を持つことを大切にしていきたいなと思います。

――W杯の舞台はいかがでしたか

国内戦は出たことあったんですけど、海外は初めてで、かなり緊張しました。でも慣れてる仲間の日本チームの人たちがいたので、試合期間は楽しみながら試合にのぞめてよかったです。

――今季の目標を教えてください

復帰してなかなか結果も出せていないので、とりあえずは国内表彰台を目標にW杯メンバーに選ばれて、シーズン通して30番以内に入れるぐらいの結果を出せるようにすることと、インカレ優勝します。

――さくねんのインカレでは女子総合5連覇をなさいましたがいかがでしたか

早稲田スキー部女子の総合力というか、個々の力が集まって素晴らしい結果になったと思います。私は何もできなかったんですけど、身近でチームが頑張る姿を見ててかっこよかったです。

――個人でもジャンプで2位という結果を残されていましたが

前の年は優勝していたのでことしも勝ちたい気持ちだったんですけど、復帰戦第1戦目だったので空回りをしてしまって、2位という結果はあんまり納得できていないです。

――ことしのインカレでは女子総合6連覇がかかっていますがいかがですか

ことしの他の競技がどれぐらいレベルなのか私にはわからないんですけど、成し遂げられる目標だと思っているので、ぜひみなさんに頑張っていただきたいです(笑)。私も頑張ります!

――これからの夢はありますか

卒業しても競技を続けさせていただく環境への進路が決まったので、大学四年生としてきちんと結果を残して、来年からにつなげたいと思います。あとオリンピックに出ることは、目標で夢だし、そのオリンピックの場に兄弟もそろって立てたらなっていうのが私の一番の夢です。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

早稲田大学スキー部一丸となって頑張ります。応援よろしくお願いします!

――ありがとうございました!

(取材・編集 松富リサ)

4年間を振り返って書いていただきました

◆小林諭果(こばやし・ゆか)

1994(平6)年5月16日生まれ。169センチ。岩手盛岡中央高出身。スポーツ科学部4年。全日本ナショナルチームメンバー。素敵な笑顔が印象的なインタビューでした。インカレでは表彰台で笑顔が見れるのを楽しみにしています!