男女ともに総合得点2位で折り返し

スキー

 大会3日目はクロスカントリー競技が行われた。結果、男子は30キロ・フリーで西田順風(人3=北海道・留萌)が3位。女子は2位に本山育未(スポ4=新潟・小出)、3位に古谷沙理副将(スポ4=北海道・倶知安)が入ったのを始め、入賞圏内に4人が滑り込む。また大学別のポイントを見ると、男子が2点差の2位で東海大の後を追随。一方の女子も前日から順位を上げて2位となった。先を行く日大との差はわずか1点だ。きょうで全日本学生選手権(インカレ)の前半戦が終了。あしたからはいよいよ後半戦に突入する。勢いこのままに、あす以降も早大勢の活躍に期待したい。

★西田が3位で表彰台に!

序盤から好位置をキープした西田

 男子は30キロ・フリーが行われた。早大からは3選手が出場。1周10キロのコースを3周するこの競技で、序盤レースを引っ張ったのは早大勢だった。1年生の佐藤友樹(スポ1=新潟・十日町)が積極的な滑りでトップに躍り出ると、西田順風(人3=北海道・留萌)もその後に続く。2周目途中に東海大の選手が抜け出す形となるが、2位集団で粘り強く前を追った西田。本人がポイントとして挙げたラスト3キロでのスパートに成功すると、確実に上位を狙っていく。ゴール前の直線に入ると最後の力を振り絞り2位争いを演じたが、惜しくも3位。尽力の結果か、フィニッシュ後には倒れこむシーンも見られた。大会前に体調を崩し、万全とは言えないコンディションの中での健闘に、「接戦で3番ということで悔しいですけど、表彰台に上れたことは良かった」と振り返った。視線はすでに先へと向いており、「クラシカルスプリントはトップを狙っているので、1位を取りにいきたい」と力を込める。ノルディック世界選手権出場のため、レンディング陽主将(スポ4=長野・飯山北)、宮沢大志(スポ3=新潟・十日町)を欠くなど人手不足も否めない男子クロスカントリー勢。厳しい戦いも予想されるが、インカレ総合優勝を目指し、西田がけん引する。

(記事 荒巻美奈、写真 近藤万里奈)

★多数入賞も悔しさにじむ

前へと向かう本山

 吹雪の昨日とは打って変わり、晴天の中行われたクロスカントリー女子10キロ・フリー。2位に本山育未(スポ4=新潟・小出)、3位に古谷沙理副将(スポ4=北海道・倶知安)がランクインしたほか、半藤成実(スポ1=長野・飯山)、村田愛美(スポ2=新潟・小出)らワセダの出場5選手中4人が入賞を果たした。レースは序盤から本山、古谷が先頭集団を引っ張り、終盤まで首位争いを演じたが、最後の下り坂から石井翔子(龍谷大)の猛追を受け惜しくも後退。2位、3位には食い込んだものの、念願のワンツーフィニッシュはかなわなかった。本山も「1位を取れなかったことがどう振り返っても悔しい」と結果に対し悔しさをにじませる。客観的にとらえれば今回の結果は上々だが、この結果でも悔いが残ってしまうほど、ワセダのクロスカントリーは層が厚い。きょう以上の成績を残せる可能性も十分にあるはずだ。この悔しさを力に変えることができるか。あす以降のレースへ期待が高まる。

(記事 北川翔一、写真 荒巻美奈)

3位に入った西田

早大から4人が入賞した

結果

▽男子総合暫定順位

1位 東海大 25点
2位 早大 23点
3位 日大 22点
3位 東農大 22点
5位 東洋大 7点

▽男子30キロ・フリー

3位 西田順風(人3=北海道・留萌)1時間17分48秒70
11位 佐藤友樹(スポ1=新潟十日町)1時間18分51秒80
31位 藤田佑平(スポ2=北海道旭川大高)1時間22分08秒10

▽女子暫定総合順位

1位 日大 33点
2位 早大 32点
3位 東海大 19点
4位 龍谷大 11点
5位 法政大 7位

▽女子10キロ・フリー

2位 本山育未(スポ4=新潟・小出) 30分8秒90
3位 古谷沙理(スポ4=北海道・?知安) 30分25秒00
6位 半藤成実(スポ1=長野・飯山) 30分38秒70
7位 村田愛美(スポ2=新潟・小出) 30分38秒70
15位 横川郁美(スポ4=富山・南栃総合高平) 31分21秒30

コメント

◇クロスカントリー
古谷沙理副将(スポ4=北海道・倶知安)
――きょうのレースを振り返って
今シーズンで一番緊張しました。10キロでマススタートだったので、周りとの兼ね合いとか駆け引きとかもあって。その中で何人か速い人が他の学校にいて、その人たちを前に出さないように頭を使いながら走っている中で、ワセダの選手がいると安心感があったりといった感じで。最後2周目の登りで気持ちが少し弱くなってしまったので、少し離されてしまって。それで5位に落ちてしまったときに、心が弱くなって折れてしまいそうになったんですけど、表彰台には絶対に上がらないといけないと思ったので頑張りました。
レースのポイントは
登りの最後でついていけなかったところですね。
――今日がインカレの初戦でしたが、このインカレにかける思いは
大学で競技をしている上で、大学の名前を背負って走る唯一の機会で、4年間言い続けている男女アベック優勝を達成する最後の機会でもあるので、絶対に皆で勝ちたいと思って挑みました。
――今日の調子は
国体からのこの大会だったので疲れている部分もあったんですけど、年間を見ていて気持ちよく走れるようになってきたので、そういう意味では調子も良かったと思います。
――今日のコースのコンディションは
最近吹雪が続いていたんですけど、今日は雪が降っていなくて、風はすごく強かったんですけど天候的には良かったです。
――本山さんと競っていましたが
競っていたというよりも、私としては一緒に走っていたという意識のほうが強くて。もちろん負けたくないっていう気持ちはあったんですけど、最後はちょっと離れてしまって、その時にはもう育未に任せたって思いました。
――今日は早大から4人が入賞しましたが、女子クロスカントリー陣の雰囲気は
今年は9人という多い人数でずっと練習してきて、夏からインカレで誰が走っても入賞できるようなチームにしたいなっていうことで皆で頑張ってきたので、良いスタートを切れたんじゃないかなと思います。
――3位という結果についてどう思われますか
インカレの10キロレースは3回目で、初めて入賞したという面で自分の中では4年間の成長を感じられたんですけど、トップを他の学校に取られたという点では悔しいですし、理子(柏原理子、長野・飯山)が走れていない中でワセダでトップを取れなかったっていうのが悔しいです。
――明日のスプリントへの意気込みは
明日は絶対に勝ちます。
――最後のインカレですがこの大会への意気込みをお願いします
1年生のときは総合優勝できてなくて、ずっと優勝するためにやってきていたんですけど、きょねんやっと優勝することができて、でもまだアベック優勝は達成することができていなくて。それを今年達成するために、あとスプリントとリレーしか自分たちにはないんですけど、アルペンの人たちと男子にも頑張ってもらって、皆で最後に史上初をとりたいと思います.

本山育未(スポ4=新潟・小出)
――きょうの試合を振り返って
出し切った結果がこれだったので普通に悔しいです。
――2位という好成績だったが
やっぱりワセダで、沙理(古谷)と私でワンツー取りたかったですし、もし仮に理子(柏原、スポ4=長野・飯山南)が出てたとしたら、1位、2位、3位を取りたかったですし、そこしか狙ってなかったので。絶対的に、1位を取れなかったことがどう振り返っても悔しいというのは変わらないです。ただ板が本当に滑っていて、出し切った結果これだったので、まあ後悔はないのかなと思います。
――レース展開について
出たり越されたりの繰り返しだったのですが、2周目の最後の最後のまでレースを引っ張って進められたので、その点ではかなり積極的なレースができたのかなと思います。でも最後の4・5キロまで先頭で、そこから下りが続くのですが、そこで差をつけられて追い付けなかったので。もがいてももがいても縮まらなくてその距離が。行くのであればもっと初めから抜かさないといけなかったのですが、もっと最初の方から飛び出していればなとは思います。
――終盤まで古谷選手と首位争いを繰り広げたが、心境は
お互い勝ちたいですし、お互いどちらが勝っても悔しいし嬉しいし、多分。こうやってチームメイトと争えるのは本当に幸せなことで、ずっと4年間やってきた仲ですし、ライバルでもあり、何でも話せる関係なので。そういう同期と最後にこうやって1位争いできたことは本当に幸せなことだと思います。

西田順風(スポ3=北海道・留萌)
――きょうの調子は
絶好調です。
――先日まで体調不良だったということだが
5日前にかかってずっと寝ていたので、きのう初めてスキーに乗りました。
――体力的な影響もあったのでは
1週間休んだわりにはそんなに悪くはなかったです。
――試合への不安は
きのう軽くスキーに乗ってみてそんなに悪い感じはしなかったのでもしやと思って(笑)。いけるぞって思いました。
――万全とは言えないコンディションの中で残した3位という結果について
2番に入れるかなと思いながら走っていたのですが、接戦で3番ということで悔しいですけど、表彰台に上れたことは良かったと思います。
――きょうのレース展開を振り返って
きょうはけっこう想像通りにいきました。最初は集団なのでついていくだけついていって、残り3キロくらいで一気にスパートをかけてと思っていました。そこで後ろを離せたことがよかったと思います。
――30キロの中でのポイントは
やっぱりスパートをかけたところあたりなので27キロ地点くらいですかね。
――ゴール後に倒れ込んだが、ブランクの影響もあるのか
いや、そういうわけではないのですが、まあ30キロ走りきったので、ゴールした後は倒れてもいいかなと(笑)。
――特に力を入れて臨みたい競技は
特にあさってのクラシカルスプリントはトップを狙っているので、1位を取りにいきたいなと思ってます。
――現在のチーム状況は
まあリレーが(クロスカントリーの選手のみで)組めないっていうのもありますし、苦しいといえば苦しいですし、最大で5人出場できるところを5人出場できないというのも不利になると思うので。
――今後に向けて
男子でだと、陽さん(レンティング、スポ4=長野・飯山北)、大志(宮沢、スポ3=新潟・十日町)やコンバインドだと渡部善斗(スポ3=長野・白馬)がいない中でもしっかり成績を出していきたいなと。アルペン、ジャンプ、コンバインド全て含めて、がっつりいきたいなと思います。

村田愛美(スポ2=新潟・小出)
――きょうのレースを振り返って
きょねん出場することができなかったので、ことしは本当に入賞したくて1年間頑張って来ました。入賞できたことは自分にとってプラスだったし、嬉しかったのですが、レース内容を見ると、途中で転んでしまったり、前に行きたくても行けなくて上手く抜け出せなかったりして、やはりもう少し上位で入賞したかったな、という思いはあります。
――このインカレに臨むにあたっての意気込みは
やはりきょねん出場できなかったことがとても悔しくて、ワセダはチームがみんな強いので、その中で1年間まずはインカレに出ることが目標でした。その次に入賞できたらいいな、と思っていました。
――きょうのコースのコンディションは
板がすごく滑りました。滑りやすかったです。
――ご自身の調子は
悪くはなかったのですが、マススタートで全員一斉だったため前半バタバタしてしまって、2周目少し疲れてしまったので、最後は気持ちで走りました。
――レース終盤、半藤選手(成美、スポ1=長野・飯山)と競っていらっしゃいましたが、その時の心境は
インカレはチームで戦うので、同じチームの人がそこにいる、というのは良いことなのですが、やはり抜きたかったな、という思いはありますね。
――今後の意気込みを
これからもっと上を目指して、優勝できるように、1年間トレーニングしていきたいと思います。

佐藤友樹(スポ1=新潟・十日町)
――きょうのレースを振り返って
 不甲斐ないです。情けないです。
――11位という結果については
 本当に悔しいというか、もう少し考えて滑ればしっかりポイントも取れたと思うので、そこはやっぱりしっかり準備ができていなかったのかなと思います。
――最初はトップでそこからだんだん順位を落としました
 前に出て走るっていうのは、かなり実力がある選手じゃないとそのまま引っ張っていくというのは難しいにも関わらず、あまりプランを考えずにそのまま流れで前に他の選手に出されてしまったので、自分の良いリズムを作れなくて、その疲れが後半に出てばててしまったんだと思います。
――優勝した東海大の宇田選手についてはどう思われますか
 やっぱり何よりも技術的な面でも体力的な面でも自分とは差が大きいと思いますし、あれだけ一人で滑って行って、あんなに差をつけて優勝するというのは30キロという距離もあるので、持久力、筋力ともに優れているんだなと思います。
――今回が初めてのインカレでしたがどのような気持ちで臨まれましたか
 今までは個人で自分のレースって感じだったんですけど、インカレは大学の名前を背負って大学ごとの戦いでもあるので、個人競技ではあるんですけど団体競技みたいな感じもありました。実際に滑ってみてすごくたくさんの方から応援してもらって、自分がいま競技に出ているのもたくさんの人たちのおかげなんだなと感じました。それだけに本当にポイントを取りたかったですね。
――次のレースへの意気込みは
 まず今回のレースは本当に準備不足で、行き当たりばったりなレースになってしまったので、次のレースはプランをしっかりと考えて、最善のレースができるようにひとつひとつ今からできる準備したいと思います。

半藤成実(スポ1=長野・飯山)
――きょうのレースを振り返って
とりあえず入賞できてよかったです。
――初めてのインカレはどうでしたか
ワセダに入った時に、4年生がすごく強い方々ばかりなので4年生にくっついていたんです。今までの大会や練習でもとても意識していて、まだ差は大きいですけどちょっとずつでも縮めていけたらと思っています。そういう思いがずっと続いていて、それがこの結果につながったのだと思います。4年生の存在がとても大きかったです。
――このインカレにかける思いは
4年生が大好きなんですよ。4年生と一緒の最初で最後のインカレだったので、ポイントをとって4年生と笑顔で終われたらという思いが本当に強かったです。
――コースのコンディションはいかがでしたか
風が強かった、というくらいですね。あとは人が多かったので、人をうまく利用することができました。
――きょうの調子は
国体が調子悪くて、そこで正直このままじゃまずいと思ったんです。だからこっちに来てからまるまる2日間休みました。精神的にリフレッシュできて、またスキーがしたいと思えたので、久しぶりのスキーが今日は楽しかったです。
――最後は村田さん(愛美、スポ2=新潟・小出)と競っていましたがその時の気持ちは
正直愛美さんだと気づいていなくて他の大学の選手だと思っていたので、これは負けちゃいけないと必死で走っていました。
――6位という結果について
すごく嬉しいです。10キロという距離は苦手でフリーというのもすごく苦手なので、入賞できたことが自分の中で自信になっています。
――この先の試合への意気込みは
明日はスプリントでこれは得意な方なので、また4年生にくっついておいしいところを取りたいと思います。