二回目好タイムを出した河野
ついに全日本学生選手権(インカレ)が岩手県安比高原で開幕した。早大スキー部として初陣を切ったのは男子アルペン競技の大回転。雪が降り続き、強い風も吹く最悪のコンディションであったが、その厳しい状況の中で河野恭介(スポ3=長野・飯山北)、井上賢之介(スポ3=福島・猪苗代)が昨季に引き続き入賞。以前から活躍する二人が安定した力強さを発揮する結果となった。学校対抗の獲得ポイント数では早大がトップに立ち、幸先のいいスタートとなった。
午前に行われた1本目は、雪に見舞われ厳しいコンディションとなった。レース終了後に「昨季よりは良い状態で迎えられた」(井上)と語ったように、井上は順調な滑り出しをみせる。49秒39の好タイムで4位につけた。一方の河野は「(雪質などの条件が)自信のない条件」と語ったものの、今シーズンの好調を維持。49秒48とトップとは0秒64差の7位につけた。また、期待の大きいルーキー安藤佑太朗(スポ1=北海道・北照)はレース途中で転倒し、まさかの失格。ルーキーイヤーにして悔しい結果となった。1本目終了時トップに立ったのは東海大の成田秀将。今シーズン常に表彰台に乗るほどの強さを誇る成田が早大勢の前に立ちはだかった。
4位入賞を果たした井上
2本目の滑走時には向かい風が吹き、さらに悪天候の中でのレースとなった。それでも普段と同じ滑りをすることを心がける早大の選手たち。特に活躍が光ったのは河野であった。コースが1本目より大きな回転となり他の選手がタイムを落としたが、河野は58秒04と2本目のみの結果ではトップに立つ。1本目終了時の7位という結果を大幅に覆し、総合では3位に上り詰めた。井上も安定した滑りをみせ58秒58で総合4位。昨季より順位を3つ上げ、手ごたえを感じるレースとなった。しかし安藤と同年代の清野嵩悠(社1=山形中央)、そして荒井章吾(スポ1=北海道・富良野)はタイムが伸びず、それぞれ19位、25位に終わった。
河野は次のレースである回転に向けて、「滑れば優勝できると思っていますし、しないとだめだと思います」と目標を語った。大回転で優勝できなかった悔しさを晴らすことができるか注目だ。また学校対抗戦では2位の東海大と1点差とその差は狭く、予断を許せない状況。インカレ総合優勝を狙う早大にとっては今後行われる競技でも好成績を残すことが必至である。
(記事 松下優 写真 北川翔一、荒巻美奈 )
結果
▽男子暫定総合順位
1位 早大 15点
2位 東海大 14点
3位 日大 11点
4位 近畿大 6点
4位 東洋大 6点
5位 中央大 4点
▽男子大回転
3位 河野恭介(スポ3=長野・飯山北)1分47秒52
4位 井上賢之介(スポ3=福島・猪苗代)1分47秒97
19位 清野嵩悠(社1=山形中央)1分50秒07
25位 荒井章吾(スポ1=北海道・富良野)1分50秒74
43位 尾形峻(スポ2=群馬・嬬恋)1分53秒24
DQ 安藤佑太朗(スポ1=北海道・北照)
※記録は2本合計タイム
コメント
河野恭介(スポ3=長野・飯山北)
――ことしはどんな思いで臨みましたか
出るからには勝ちたいので。それはどのレースでも同じなので。それと、今年からアルペンチーフになったので、インカレっていうのはすごく変わったレースで普通のレースと斜面とか雪質とか条件も全然違うのでそういう所で今まで結果が出せてなかったのでそういうところでも夏場からチーフとしてやってきたことは形として残したかったので良かったです。
――調子の方はいかがでしたか
僕は絶好調で。体も絞ったりしたので回転種目に関してはことしは調子が良くて成績も出ていていい感じです。
――本日は悪天候となりましたが滑りへの影響は
そんな悪天候だとは思わなかったです。よくある感じです。
――1本目を終えて2本目に向けての気持ちは
ことしは練習でもあんな条件でやることがなかったので滑ってみないとわからないなといったなかで滑ってみて、タイム見てなんとも言えないなと思って。とても自信がない条件だったので無事にゴールで来てよかったと思いました。
――ご自身の結果について
2本目トップというのはうれしかったんですけど、あのパターンで速いっていうのはあの条件でしか通用しないと思うので次につながるかって言ったらあの場だけだと思うので、複雑ですね。3位という結果はよくやったかなと思います。練習量も足りなくてあまり自信が持てる状態ではなかったので、探り探り滑りながらいい状態に持って行けたので1日でこうやって滑りがまとまったのはラッキーかなと思いました。
――回転への意気込みを教えてください
僕は世界ランクも出ている学生の中で一番上なので、滑れば優勝できると思っていますし、しないとだめだと思います。この後に大事な試合も続くので、それに向けて頑張りたいと思います。
井上賢之介(スポ3=福島・猪苗代)
――ことしはどんな思いで臨みましたか
僕は毎年そうなんですけど、優勝は狙っていて、3年目なので1年生のときよりもプレッシャーは感じていて緊張はもちろんしていたんですけど、いつもよりも自分のパフォーマンスができたらなって感じでした。
――調子の方はいかがでしたか
いつもスロースターターなんですけど、きょねんよりは非常に良い状態で迎えられたかなと思っています。
――本日は悪天候となりましたが滑りへの影響は
風は強かったですね。かなり視界は悪かったです。でも皆一緒なので。晴れてれば気分が良いってだけで、天候が悪いからって気分が落ちることもないです。
――1本目を終えて2本目に向けての気持ちは
タイム差があんまりなかったので油断もできないし上も狙える状況だったという感じで、1本目と変わらずしっかりと自分の滑りをすればいいかなという感じでいました。
――ご自身の結果について
きょねんは2本目がすごく緊張しちゃって動けなかったんですけど、今回は荒れた中でも
それなりに動けてたかなと思うのできょねんよりはちょっと成長したかなって思います。
4位という順位は悔しいですけど、とりあえずポイントという意味では取れてよかったか
なっていう思いもあります。
――回転への意気込みを教えてください
僕は入賞です。