1月5・6日に苫小牧市ハイランドスポーツセンターで行われた、日本学生氷上競技選手権(インカレ)。大学生にとっては最重要であるともいえるこの大会に、早大からは、伊藤誠悟(スポ4=長野・屋代)、篠原孝尚主将(人4=長野・佐久長聖)、清水凜(スポ2=福島・安積)、鈴木柊香(スポ2=北海道・帯広三条)の4名全員が出場した。伊藤は男子1500m、5000mに、篠原主将は男子5000mと10000mに、清水は女子1500mと3000mに、鈴木は女子1500mと3000mに出場し、それぞれの滑りをみせた。
伊藤は、1日目に1500m、2日目に5000mに出場。1500mも5000mも、ラップタイムをキープすることは難しく、1500mは5位、5000mは6位という結果となった。「1種目は表彰台に乗りたかった」と悔しさは見せていたが、人数が少ないなりに応援しあって「チーム」を感じることができたと、個人競技でありつつも「チーム」の感覚を認識できたようだ。
大会2日目、5000メートルに出場する伊藤
篠原主将は、1日目に10000m、2日目に5000mに出場。以前から、太ももの裏やおしりを使うことでより良いスケーティングになると練習を積んできていたが、年末ごろから少しずれが生じてしまっていた様で「うまく使えていなかった」と振り返った。その言葉通り、10000m、5000m共に10位という結果となり、「何とかして入賞をしたかった」と悔しさをにじませた。
大会1日目、10000メートルに出場する篠原主将
清水は、1日目に1500m、2日目に3000mに出場。女子は12位以内に入ればポイント獲得となるため、12位以内を目標にしていたという。しかし、結果は1500mも3000mも13位と、一歩及ばず。本人も「あと一歩!」と思った部分もあったが、応援もいつも以上に聞こえており、幸せを感じた大会だった、とうれしさを表現してくれた。現地入りした後に出会った小中学生などの姿を見て、スケートに対する情熱を再確認したという清水。今後の滑りにそれがいい影響をもたらしてくれることを期待したい。
大会2日目、3000メートルに出場する清水
鈴木も、1日目に1500m、2日目に3000mに出場した。以前、全日本学生選手権では3000mで優勝していた鈴木。インカレでも優勝を目指していたため、この結果に対しては「素直に悔しかった」と語る。しかし、その一方でインカレは地元北海道で開催されており、今年は有観客だったために家族などたくさんの人が応援してくれた、と強い気持ちで、気持ちのこもったレースができたのだろう。
大会2日目、3000メートルに出場する鈴木
いよいよシーズンの終わりが近づいてきている。また、伊藤、篠原主将両名は選手として最後の大会も控えている。それぞれが感じていた「チーム」の力、「応援」の力を自身の力に変えて、最後まで悔いの残らない様に滑りきってほしい。
(記事、写真 紀洲彩希)
※掲載が遅れてしまい、申し訳ありません
結果
▽男子1500メートル
伊藤 1分52秒64 5位
▽男子5000メートル
伊藤 7分05秒53 6位
篠原 7分13秒45 10位
▽男子10000メートル
篠原 15分10秒60 10位
▽女子1500メートル
清水 2分14秒70 13位
鈴木 2分09秒77 5位
▽女子3000メートル
清水 4分47秒10 13位
鈴木 4分31秒21 2位
コメント
伊藤誠悟(スポ4=長野・屋代)
――最後のインカレとなるかと思いますが、改めましてこの大会いかがでしたか?
最後のインカレとしては、悔しさも残りますが、自分の持っている力を出せた大会になったと思います。私たちは少人数ですが、共に応援しあってチームを再認識することもできたかと思います。
――1500のスピード強化、5000の体力強化の観点で見ると、この大会ではいかがでしたか?
5000mに関しては戦略ミスもあり、十分に評価できませんが、今大会では改善してきていたことを発揮できませんでした。1500mは、改善されてきたとおもいます。
――1500mでは5位、5000mでは6位でした。「順位」としてはどのように感じていますか?
1種目は表彰台に乗りたいと思っていたので、両方とも悔しい結果です。しかし、高いレベルで競い合うことができ、他大学の選手たちにも感謝したいです。
――最後に、引退までのこり大会も少なくなってきましたが、その中での目標や意気込みをお願いします
ここまでのスケート人生の集大成として、最後の最後まで自己ベストを目指します。残された時間は少ないですが、後輩たちにも良い刺激を与え、関係者に感謝をしながら過ごしたいと思います。
篠原孝尚主将(人4=長野・佐久長聖)
――最後のインカレとなるかと思いますが、改めまして、この大会いかがでしたか?
人生最後の全国大会だったので、なんとかして入賞したかったのですが達成できず、悔しさが残りました。
――監督から、「篠原が5000mでポイントとるのは初」とのお話がありましたが、その辺に関してはいかがでしょう?
実力さえ出せればポイントは取れると思っていたので、特別なにかは思わなかったです。
――以前おっしゃっていた、太ももの裏やおしりを上手く使える様に、という点では、この大会はいかがでしたか?
年末くらいから少しスケーティングのタイミングがずれてしまっていて、上手く使えていなかったです。
――5000m、10000m共に10位でした。「順位」としてはどのように感じていますか?
5000mは満足していますが、10000mは満足できていないです。
清水凜(スポ2=福島・安積)
――改めまして、この大会はいかがでしたか?
今回のインカレでは、ポイントが獲得できる12位以上を目標に臨みました。1500mでは、同走の選手が前回の学生選手権でも同走で勝った相手だったので、今回も勝つことができれば目標が達成できると思いスタートしましたが、300m通過後の加速や積極的な攻めが上手くいかず、相手に先行されたままフィニッシュする結果となりました。最終的に自分は13位で、同走の相手が12位ということで、相手に勝っていれば…!という悔しさが残るレースとなりました。
3000mでは、同走の選手が棄権ということで、独走でのレースとなりました。同走を見ながら(利用しながら)レースができないということで、自分のペースでいくしかないと思ってレースしました。結果、タイムは納得のいくものではなかったですし、順位も1500mと同様で13位ということで、「あと一歩」を痛感する数字ではありましたが、思い返すと、リンクの外からの応援がいつも以上に聞こえてきて、色んな方に背中を押された時間だったなと、悔しさよりもレースができる幸せを味わうことができた大会になりました。
――インカレに合わせた調整という観点的には、いかがでしたか?
インカレ前は、10日程前から現地入りして滑っていたのですが、1人での練習だったので、心が辛かったです。学業と両立させながら競技を行っていく上で、まだまだ競技者として大会にピークを合わせる事はしっかりできていないので、その点が私の課題です。10日ほど苫小牧にいた期間中、OBの方が運営している小中学生のスケートチームのお手伝いをしました。一緒に練習に混ぜてもらって、楽しく滑る彼らの姿に、改めてスケートを楽しむことに気づかされた思い出があります。競技に対する想いは人それぞれですが、やはり根本にあるのは楽しい気持ちやもっとやりたいという情熱なんだとこの経験を通して思いました。
――1500m、3000m共に13位という結果でしたが、「順位」としてはどのように感じていますか?
先ほども述べたように、「あと一歩」だったという風に感じています。しかし、あまり気にしていないです。「順位」は、周りの選手のコンディションや出ている選手のレベルも年によって異なるため、相対的な指標としては不安定な部分があるからです。順位よりも、自分がこの大会に向けてどうしてきたのか、この大会で何をやろうとしたのか、という「目的」の方が重要だと考えています。13位はあと一歩を痛感する数字ではありますが、まだまだ自分の目的が13番目なだけで、もう少し自分のやりたい事や大会に向けてどうしたいかをはっきりさせれば、自ずとその一歩を超えられるのではないかと思います。
鈴木柊香(スポ2=北海道・帯広三条)
――改めて、「インカレ」という大会にしっかりと参加し、ポイントも獲得しました。いかがでしたか?
昨年は体調不良で2種目滑ることができませんでした。改めてインカレは特有の雰囲気があって、ここで勝つことの難しさを痛感した大会になりました。
――今年は観客も入っている大会でしたが、その点はなにか感じたことなどはありましたか?
地元北海道ということもあり家族をはじめ、たくさんの人が応援に来てくれました。改めて私はたくさんの人に応援していただいているのだと感じて、より一層気持ちのこもったレースになったと思います。
――屋外リンクでも強い気持ちを持てるとおっしゃっていましたが、実際はどうでしたか?
レース直前はとても緊張しましたが、強い気持ちでレースに臨めたと思います。最後まで諦めずに滑り切れたと感じています。
――1500m 5位、3000m 2位という「結果」に関してはどう思っていますか?
1500mは約2ヶ月ぶりのレースで少し不安はありましたが、落ち着いてプラン通りのレースができました。5位という結果も今の実力通りだったと思います。
3000mは優勝しか狙っていなかったので率直に悔しかったです。そんなに簡単に勝つことはできないし、まだまだ私にはやることで溢れているのだと感じました。
それと同時にこの負けを意味のあるものにできるよう、強くなりたいという気持ちがより大きくなりました。