部員全員が出場したインカレ 大会新記録を残した伊藤主将をはじめ皆が収穫と課題を見つける大会に

スピードスケート

 1月5~7日に明治北海道十勝オーバルで行われた第94回日本学生氷上競技選手権(インカレ)。早大からは、伊藤誠悟(スポ3=長野・屋代)、篠原孝尚(人3=長野・佐久長聖)、清水凜(スポ1=福島・県立安積)、鈴木柊香(スポ1=北海道・帯広三条)の4名が出場した。伊藤主将は男子1500mと5000mに、篠原は男子5000mと10000mに、清水は女子1500m、3000mに、鈴木は女子1500mに出場し、それぞれの結果を残した。

 北京オリンピックの選考会にも出場していた伊藤主将は、1日目に1500メートル、2日目に5000メートルに出場。1500メートルは大会新記録を更新するも、2位に。5000メートルはあまり調子が出なかったのか、18位となった。しかしスタートの仕方など前回の大会に比べるとよくなっていると、成長したところがあることも確かなようだ。

大会1日目、1500メートルに出場する伊藤主将

 一方、昨年12月26日に行われた青森・2021‘みちのく競技会で大会新記録、自己新記録を出した篠原。1日目に出場した10000メートルでは、再び自己ベストを更新。目標の入賞には届かなかったが、「今できる精一杯の滑りはできた」と語ってくれた。2日目に出場した5000メートルは、コーチにも「実はあまり調子がよくない」と言われていた様に自分の力を十分に出し切ることができずに25位となった。

大会2日目、5000メートルに出場する篠原

 そして、初のインカレとなった清水。自己ベストの更新を目標に挑んだ今大会。1500メートルでは惜しくも自己ベスト更新とはならなかったが、良い滑りをしてくれた。2日目の3000メートルにも出場し、「しっかりと競技を最後まで滑りきることができた」とよい経験にはなったようだ。

女子3000メートルを滑る清水

 同じく初のインカレであった鈴木。鈴木はシーズンを通していい結果を出すことを目標としていたが、出場した1500メートルではあまり良い結果とはならなかった。また、今回は1種目しか出場していないこともあり、「あまり大会に参加した感じがしない」と言いながらも、インカレの雰囲気は肌で感じることができたようだった。

女子1500メートルを滑る鈴木

 伊藤主将、篠原は、来年は4年生に。また、清水、鈴木は大学デビューではなくなり、「経験したことのある」大会への出場となる。国民体育大会冬季大会スケート競技会(国体)にも選出されている頼もしい1年生たちの成長を含め、皆がより一層の練習を重ね、より良い結果を出してくれるのが楽しみだ。

(記事、写真 紀洲彩希)

結果

▽男子1500メートル


伊藤 1分48秒68 2位


▽男子5000メートル


伊藤 7分00秒47 18位


篠原 7分10秒50 25位


▽男子10000メートル


篠原 14分18秒88 9位


▽女子1500メートル


清水 2分11秒08 18位


鈴木 2分10秒49 17位


▽女子3000メートル


清水 4分38秒36 16位


コメント

伊藤誠悟主将(スポ3=長野・屋代)

――試合を振り返ってみていかがですか

 自分の持っているものを発揮できたかなとは思っています。

――以前スタートの速さを課題としてらっしゃいましたが今回はいかがでしたか

 この前よりも速く入って、その後も全部速かったので、加速力もスピードも体力も全て上がっているかなと思います。

――インカレまでの調整で意識したことはありますか

 年末にオリンピック選考会があって、そこから少し疲れが溜まっているなと思ったので、軽めにしながらレースに合わせていました。

――今後の目標を教えてください

 来月までにシーズンが続くので、そこでまたさらにベストを更新できるようにしたいです。また、来年のインカレではもっといい結果で終われるようにしたいと思っています。

篠原孝尚(人3=長野・佐久長聖)

――試合を振り返ってみていかがですか

 1日目の10000メートルは目標の8位入賞というので進めていたのですが、結果9位ということで目標達成には至りませんでした。しかし、自己ベストは出せたので今できる精一杯の滑りはできたのかなという感じです。

――インカレまでで意識して練習してきたことはありますか

 10000メートルだと、自分はどちらかというと後半が得意なタイプなので、前半からでもきちんと滑れるように、自分のリズムを早く取れるようにというのを意識して練習していました。

――以前、上位とのラップタイム差を課題だとおっしゃっていて、前回の結果からみるとかなり良くなっていたように感じられましたが、いかがでしたか

 そうですね。優勝とか表彰台レベルになると違いますが、5位くらいまでは目指せるタイムで滑れていると思うので、もう少し頑張ればさらなる改善ができるのかなと思います。

――今後の目標を教えてください

 今後の目標としては、大きな大会があと二つあるので、そこで来年度の第1戦目の全日本距離別選手権の資格を取れるように頑張りたいと思っています。

清水凜(スポ1=福島・県立安積)

――初めてのインカレ、いかがでしたか

  自分の目標としては自己ベストを更新して少しでも上の順位に入ることだったのですが、タイムも自己ベストには届かず、結果としてもあまり胸を張れるものではなかったのです。初めてのインカレということでスタートラインに立って、しっかり競技を最後まで滑りきることができたのが、今回自分が全力でできたことだったのでそこは来年への経験として受け止めようかなと思っています。

――インカレまでの間に意識して練習していたことはありますか

  練習は夏場から先輩方と一緒に、あとはほかの大学の方と一緒に結構ハードな練習を積んできたのでフィジカル的な面ではすごく自信はあったのですが、どうしてもレース感がまだ足りなかったです。ほかのメンバーは全日本選抜とかにいって結構経験を積んでいたのですが、自分はその資格がなかったので、地元に帰って小さなローカル大会に自主的に参加する様にして、少しでも大会のレース慣れをしようかなという風にはしていました。

――インカレを終えてみて、収穫や課題はありますか

  課題は、やはり1500メートルも3000メートルも自分の入りのスピードがまだまだ足りていない、たぶんそこは思い切りというか、自信をもって力を発揮する力の出し方なのですが、そこをもう少し、陸トレとかでも瞬発力というか、力の出し方をもっと体に覚えさせるようなトレーニングを今後できていければいいなと思っています。
逆に、今シーズンで見てみると微妙な差ではあるのですけどラップは後半落ちなくなってはいるので、そこはポジティブにとらえて、自分は後半落ちないぞ、大丈夫だっていう少しの自信にはなっています。

――今後の意気込みをお願いします

  まだシーズンは終わっていなくて、1月25日には国体が始まって、自分は福島県代表として参加するので、そこで入賞を目指して、少しでも福島のポイントになればいいなと思いますし、自分の自信にもつなげられるようなレースをその国体ですることです。その2週間後くらいには今シーズン最後のエムウェーブ競技会があるので、そこでもう一度自分の力を出し切って自己ベストを更新して今シーズンを終われればいいなと思っています。

鈴木柊香(スポ1=北海道・帯広三条)

――初めてのインカレ、いかがでしたか

  インカレはほかの大会とはまたちょっと違う雰囲気があるというか、インカレにかけてみんなやってきているので、少しピリピリした雰囲気というか、そういうのを味わうのが初めてでした。あまり大会に参加した感じはしないのですが、インカレってそれくらいみんなの思いが強い大会なので、そこで結果を出せる選手になりたいなと改めて思いました。

――実際に滑ってみて、どう感じましたか

  私は、今年はインカレを目指してやっていたというよりかは、このシーズンを通していい結果を出していけたらなという感じだったのですが、インカレで結果を出せる選手が本当に強い選手だと思います。ここ一番で力を発揮できる選手になれるようにいろいろ練習をしてきたとは思うのですが、結果的にはあまりよくなかったのがちょっと残念だったなという感じではあります。

――インカレを通して学んだことや気づいた事はありますか

  今年はある程度学生の中でもいい記録を出している方だったのですが、やっぱりここで勝負できないと意味がないというか、本当に自分に足りない部分はここで結果を出すという勝負強さが自分には足りないなと気づけたので、これを生かして来年以降シーズンを通して頑張りたいなと思いました。

――今後の意気込みを教えてください

  次の大会が国体で北海道代表なのですが、今までは北海道には速い選手がたくさんいて選ばれたことがなくて、今年初めて選んでもらって、初めて出られる大会なので、代表に恥じないようにいい結果を出せるようにしていきたいです。全日本の大会など記録を狙える大会があるので、もう一回仕切りなおして頑張っていきたいなと思います。