三村主将、シーズン開幕戦は悔しさの残る結果に

スピードスケート

 スピードスケートシーズンの到来を告げる全日本距離別選手権(距離別)がことしも長野市オリンピック記念アリーナ(エムウェーブ)にて開催された。シーズン開幕戦ながらW杯前半戦へ向けた代表選考も兼ねられており、日本中から多くの有力選手がエントリー。多くの観客や報道陣も入る注目の大会だ。早大からは三村亨太主将(スポ4=北海道・釧路北陽)が1日目の5000メートルと3日目のマススタートレースに出場。5000メートルは20位とふるわなかったものの、マススタートレースでは7位に入る健闘を見せた。

 まず1日目の5000メートルに出場した三村。自身の得意とする距離であるだけになんとか上位に食い込みたかったが、レース後半にやや失速してしまう。タイムが伸びず6分56秒63でフィニッシュ。最終順位は20位で、5000メートルの上位8名が出場できる10000メートルへの出場はならず。この大会に照準を合わせていただけに、悔しさをにじませた。そのような中でも、「(夏の練習では)コーナーリングの部分に力を入れていたので、コーナーリングはだいぶ良くなってきている」と話すように、成長も実感。スケーティングの部分を見直し、次につなげていきたいところだ。

安定したコーナーリングを見せる三村

 1日あけて迎えた大会最終日。三村は最後の種目であるマススタートレースに臨んだ。タイムで競い合う他の種目と一味違い、着順で順位が決定されるため、レース中の駆け引きが重要になる。三村は序盤、集団の後方で待機し機会をうかがう。8周を終えレースも後半に差し掛かったころ、勝負に出た。日本トップクラスの選手であるウィリアムソン師円(日本電産サンキョー)に続いて前へと仕掛けていく。12週目で3位につけて1ポイントを挙げ、このまま流れに乗りたい三村だったがその後は足が続かず、結果は7位。レース後に「抜け出したときに足を使ってしまったのでついていけなかった」と振り返るように、惜しくも表彰台には届かなかった。

マススタートレースでは後半に仕掛けた

 得意とする5000メートルでは思うようなタイムを記録できなかったが、マススタートレースでは上位に食い込む健闘を見せた三村。課題も見つかったが、夏の間に取り組んできた練習の成果が出るなど、収穫もあった今大会。まだシーズンは始まったばかり。今後の期間で少しずつ課題を修正し、1月に控える日本学生氷上競技選手権では目標とする表彰台にのぼりたい。

(記事 進藤翔太、写真 中村ちひろ)

結果

▽男子5000メートル

三村 6分56秒63 20位



▽男子マススタートレース

三村 1ポイント 7位

コメント

三村亨太主将(スポ4=北海道・釧路北陽)



~1日目終了時~

――レースを終えたいまの率直な感想を教えてください

率直に言うと、めちゃくちゃ悔しいですね。今年度は練習量も増やして、万全な体制で臨もうと思って試合に出たので。今回の大会に照準を合わせていたのですが、なかなか合わなくて、タイム的にもちょっと物足りなかったので、悔しいです。

――昨年の同じ大会に比べてタイムは縮みましたが

それでもまだ全然足りないですね。一昨年のこの大会ではきょうのタイムよりも10秒くらい早かったですし、まだまだ物足りないのでもう一回やり直して、インカレ(日本学生氷上競技選手権)ではちゃんと走れるように頑張りたいと思います。

――インカレでのタイムや順位など、具体的な目標はありますか

インカレでは3位以内に入りたいですね。

――この大会に向けてのタイム目標などはあったのでしょうか

この大会では6分40秒くらい、一昨年のタイムを更新するくらいのタイム設定でやってたんですけど、なかなかうまくいかなかったので、仕方ないなと。

――タイムが伸びなかった原因は何だったのでしょうか

原因として考えられるのはピーキングの調整がうまくいかなかったのと、スケーティング自体に少し問題があったのかなと。まずはもう一度見直してみたいと思います。

――夏はどんな練習をしていたのでしょうか

今年は体力系の練習に加えて、技術系の練習を多く入れていました。コーナーリングの部分に力を入れていたので、コーナーリングはだいぶ良くなってきていると思います。なのでなおさらこの結果に終わってしまったのが悔しいですね。

――あさってのマススタートレースはどんなレースにしたいですか

マススタートレースは昨年から始まった種目で私もそんなに出たことはないので、いろいろと試しながら挑戦したいなと思います。



~2日目終了時~

――7位という結果はどう捉えられていますか

まさか7番になれるとは思っていなかったので。けっこうびっくりしています。予想外に頑張れたので、良かったかなと思います。

――レースプランとしてはどんなものがあったのでしょうか

マークしている選手がいて、その人についていったんですけど、(集団の中の位置が)後ろ過ぎたので途中でマークする選手を変えていこうと思っていました。

――具体的にどの選手をマークしていたのですか

最初はワセダの先輩の小田先輩をマークしていて、その後はウィリアムソン師円(日本電産サンキョー)にマークを変えました。(ウィリアムソン師円の)後ろにいれば3番以内に入れるなと思ったので。でも後ろついてみたらめちゃくちゃ速くて(笑)。やばいなと思っていたらついていけなくなってしまいましたね。

――後半のところで離されてしまったように見えました

そうですね。抜け出したときに足を使ってしまったのでついていけなかったですね。そこで消費しちゃって、という感じです。

――レース運びとしてはプラン通りだったのでしょうか

そうですね。ただ、最後までついていって、ラストのところで仕掛けていけば勝てるかなと思ったんですけど、予想より上の速さで。

――マススタートレースは普段のレースと少し違うと思うのですが、きょう走ってみていかがでしたか

自分はレース展開が下手なので、その部分の勉強にはなったかなと思います。良い経験になったので、きょねんよりはうまくなったかなと思います。

――今シーズンはこの後どんな予定になっているのでしょうか

再来週に帯広で協議会があったりして毎週大会が続いていくので、それに向けて調整しながら練習していきたいと思います。

――次のレースに向けての意気込みをお願いします

次は今回だめだった5000メートルでいろいろと反省点が出ているので、それを修正してインカレ(日本学生氷上競技選手権)では良い結果を残せるように一戦一戦大切にして頑張っていきたいと思います。