ありがとう4年生! 連勝を守り切り、笑顔で引退

アイスホッケー

 早大アイスホッケー部らしい一戦だった。これまで、47大会連続負けなし(※)の早慶定期戦(早慶戦)。4年生の引退試合となる早慶戦は、慶大のDFに阻まれながらも早大が得点を重ね、8-4で勝利した。MVP賞にはDF務台慎太郎(スポ4=北海道・駒大苫小牧)が選ばれた。
 ※引き分け1を挟む

 ※開会式、閉会式、スーパーOB戦、OB戦、高校戦については現役戦の下に記載しております。また、フィギュア部門のエキシビションについては別途記事を公開予定です

開会式で会場にスティックを掲げるFW林風汰(教4=東京・早実)

 両校の応援が響く、ホーム・ダイドードリンコアイスアリーナ。第1ピリオド、序盤から早大が攻める時間が長く続くものの、得点は動かない。そんな中、DF金井和(文構4=東京・早実)がペナルティーを取られ、キルプレーのピンチを迎えてしまう。弟のFW金井真(スポ3=北海道・苫小牧東)に声をかけられ、ペナルティーボックスに入ったDF金井和が祈る中、GK千葉琉矢(スポ3=北海道・武修館)やDFの守りでパックをディフェンディングゾーンから出し、多くのシュートを打たせず2分間をしっかりと守り切った。その後は早大がシュートを打つ場面が増え、ついに9分58秒。スピードのある攻撃の中で、FW木綿宏太(スポ4=北海道・駒大苫小牧)からパスを受けたFW林幹汰(文2=東京・早実)がパックを相手DFとGKの隙間に差し込み、シュート。先制点は早大が獲得し、FW林幹汰は二十歳のバースデーゴールに大きなガッツポーズを見せた。さらに、パワープレーの場面でゴール裏のFW共田野安(国教=カナダ・ジョージエリオットセカンダリースクール)が出したパスをFW木綿がシュート。パックは相手GKに弾かれたが、すかさずFW大塚鵬蓉(スポ3=埼玉栄)が叩き込んだ。点差を2点に広げ、このまま主導権を握りたい早大だったが、早大の守備をすり抜けた慶大主将・DF笹山大智がフリーで放ったシュートがGK千葉の肩口に。慶大は主将の1点に大きく湧いた。その後、キルプレーを守り、第1ピリオド残り3分を切ったころ、兄のFW林風汰(教4=東京・早実)、弟のFW林幹がつないだパックにゴール前にいたFW田中裕人(スポ2=滋賀・光泉カトリック)が合わせ、追加点。終了間際にはDF務台慎太郎(スポ4=北海道・駒大苫小牧)が攻め込み、相手GKと一対一になる場面も見られたが阻まれ得点とはならなかった。

FW田中の得点を喜ぶFW林風

 さらに点差を広げたい第2ピリオド。静かな立ち上がりだったが、スピードのあるFW川本周平(スポ3=北海道・白樺学園)がGKと一対一の場面で着実に得点し、追加点を獲得した。その後は慶大にパックを持たれる時間も増え、9分46秒に1点を返されてしまう。ベンチの控えGK、飯見拓未(社1=東京・早実)からの励ましの声にGK千葉はうなずき返すが、続く得点も慶大に入った。15分59秒、キルプレーの場面。ゴール前の混戦から外に出たパックを打たれ、体制が崩れていたGK千葉の頭上を通過し、点差はわずか1点に。会場のボルテージも高まっていく。その後、流れを取り返すためにはいいタイミングといえるパワープレーのチャンスを迎えた早大は、2分間を丁寧に使った。パワープレー中の得点はなかったが、終了直後にFW清水朝陽(社1=北海道・武修館)のシュートがわずかな隙間を突き刺し、ゴール。5ー3で第2ピリオドを終えた。

フェースオフに挑むFW木綿

パスを出そうとするDF務台主将

 2点差はあったものの、決して油断はできない状況で迎えた第3ピリオド。後がない慶大が果敢に攻め入り、早大も疲れはあるが、攻撃のチャンスをうかがい続ける。パワープレーの場面、ゴールの真横にいたFW上山響平(スポ2=北海道・駒大苫小牧)がシュート。パックは相手GKとゴールポストの間をすり抜け、ゴールネットを揺らした。普段どおり、あまり感情を顔に出さないFW上山に、ベンチに戻ったFW清水が熱く抱きついていた。そのFW清水が、早大にさらに追加点を挙げる。リンク中央から自力で持ち上げ、スピードのあるシュートをビームのごとくゴールに突き刺した。この日最も盛り上がった得点は、8点目、第3ピリオド13分21秒だ。FW林幹が自陣で得たパックを、兄のFW林風へ。4年生で最後の早慶戦となるFW林風は、自身がゴールする選択肢もあっただろうが、そのままゴール付近まで近づき、相手GK、DFを寄せると、ゴール前に上がっていたFW林幹に託した。わずかな隙間を通ったパスをFW林幹が押し込み、パックはゴールへ。客席の林兄弟の母親も、うれしそうに写真を撮っていた。

FW林風(兄)を称えるFW林幹(弟)

声を出すDF金井和

 点差が離れる中で早大には余裕が生まれ、失点なく試合が進んでいく。残り時間が1分48秒になり、両校がペナルティーで1人ずつ下がっているタイミングで、早大がタイムアウトを取得。残りの4対4の守る時間をDF務台、DF金井和、FW木綿、FW林風の4年生4人に託す決断をする。

 思えば、これまでの4年間、彼らはさまざまな「守るべきもの」を背負ってきた。2022年度の早大は、決して「今年の早大は強い」と期待される代ではなく、リーグの残留さえも心配する声があったほどだ。残さなければいけない試合の結果だけではなく、コロナ禍以前を知る最後の学年として、早大アイスホッケー部らしさ、文化を継承しなければならない責任もあった。自分の活躍ではなく、チームのことを最優先に考え続けた4人。これまで公式戦ではなかなかそろうことのできなかった4年生は、ベンチの後輩に笑顔で送り出され、笑顔で氷上に立った。

 2分弱を交代なく守ることは容易ではない。残り時間14秒、試合終了まであとわずかというところで、失点してしまった。しかしそれも「笑いあり涙あり」だとDF松下剛(商3=東京・早実)は表現した。キルプレーが終わり、5人目に追加されたFW鎌田悠希(スポ3=北海道・駒大苫小牧)はプレー再開前に4年生全員の肩を叩いて回った。副将として、4年生を一番そばで支えてきたのはFW鎌田だ。そして、残りの14秒は得点が動かず、勝利。早大の連勝を守り切った。まさに、今季の集大成の1試合であった。

 試合後、DF務台主将は「自分は今日の試合、特に何もしていない」と語った。しかし、4年生はいつも「いかにして後輩の力を引き出すか」を考えてきた。フィールドプレーヤーの全員が氷に載り、下級生や1セット目以外の選手の得点が目立った結果は、早大アイスホッケー部が、4年生が、ここまで作り上げてきたことが実を結んだ証明だ。会場の温かい拍手に包まれながら、早大スケート部ホッケー部門の一シーズンが幕を閉じた。

勝利を喜ぶ選手たち

応援部との集合写真に納まる選手たち。真っさきに応援部を呼び、感謝を伝えた

 

☆開会式・閉会式
 スモークなどの演出で盛大に行われる開会式は、早慶戦の目玉の一つだ。両校選手が順番に登場し、部旗を運ぶ旗手は主務のDF松下剛(商3=東京・早実)が務めた。

部旗を掲げるDF松下

 閉会式は優勝旗の授与、MVPの表彰などが行われた。MVPはDF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)が選ばれた。堤広利監督(平10人卒=東京・早実)はMVPの選出理由を、「DF務台はしっかりチームを支えてくれていますし、今日のゲームでも要所要所を締めて、キャプテンらしいプレーをしてくれました。そういった意味で、間違いなくDF務台」と語る。副賞はディナークルージング4人分。間違いなく4年生の4人分だが、副賞が発表されると、「自分が行く」と何人もの下級生が手を上げていた。

クルージングに行きたいFW大塚(旗の奥)と笑う部員たち

☆大OB戦、OB戦、高校戦
 早慶の熱い戦いを繰り広げるのは現役生だけではない。50歳以上のスーパーOB戦、50歳未満のOB戦、そして高校戦も早慶戦の見どころだ。スーパーOB戦は4ー3で勝利を収めた。FW仲見颯太(スポ2=北海道・苫小牧東)の父、仲見真樹氏(平6卒)のセーブが幾度となくピンチを救い、中野浩一元監督(昭54卒)などの得点で勝利。ピリオド間には慶大選手と話す場面も見られるなど、和気あいあいとプレーしていた。
 OB戦は4ー4で引き分けとなった。堤広利監督(平10人卒=東京・早実)や、松浦駿コーチ(平24スポ卒=北海道・釧路工)など、現役チームのスタッフ陣や、平成30年~令和2年ごろに卒業したOBが集結。松浦駿コーチは特に存在感を見せ、スーパーOB戦から続投となった仲見氏も奮闘したが、勢いのある慶大OBと拮抗(きっこう)した。OB戦のスコアは2試合分を合わせ、8-7で稲門会の勝利となった。

シュートを放つ中野元監督

パックをねらう矢島雄吾氏(平31卒)

 高校戦は、人数が少ないながらもスキルのある早大と、高校から始めた選手もいる、人数の多い慶応の対戦が見どころとなる。早実アイスホッケー部は今年度で部としての活動の終了が決まっているため、最後の早慶戦だった。5月に開催された春の早慶戦は引き分けで終わっているため、なんとしても勝利して終わりたい一戦だ。序盤から早実の攻撃が続くが、相手GKの好セーブで得点にはつながらず。しかし終始アタッキングゾーンでパックを回し、試合が進むに連れて早実のペースに。少ない人数でも疲れに負けず、8-4で快勝した。

試合後の早実高の選手たち

☆その他のイベント
 アイスホッケーの早慶戦は公式戦から独立して行っているため、当日の運営はマネジャーが中心に担う。事前準備では主務・副務も多くの仕事をこなし、監督やコーチは見守る側に回る。今大会では多くの新企画が準備され、タトゥーシールのコーナーやカラーボールを投げてのプレゼント企画など、随所にエンターテイメント性が発揮されていた。当日はスケート部フィギュア部門の選手や、早慶戦支援会などが運営を手伝い、応援部が会場を盛り上げる。アナウンスは放送研究会が担うなど、早大の学生のパワーが詰まったイベントだった。

(記事 田島璃子、写真 落合俊、横山勝興、岡すなを、田島璃子)

 

結果
早大 ピリオド 慶大
3(16) 1st 1(7)
2(14) 2nd 2(11)
3(12) 3rd 1(12)
8(42) 4(30)
※( )内はシュート数
 

得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 GS
早大 09:59 林幹 木綿 EQ
早大 13:27 大塚 共田 木綿 PP1
慶大 14:31 笹山 EQ
早大 17:39 田中 林幹 林風 EQ
早大 24:16 川本 EQ
慶大 29:46 小島 EQ
慶大 35:59 荘敬 長谷部 PP1
早大 38:55 清水 金井真 鎌田 EQ
早大 47:37 上山 鎌田 棚橋 PP1
早大 49:54 清水 EQ
早大 53:21 林幹 林風 EQ
慶大 59:45 有馬 振津 笹山 PP1
 

早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
大塚 木綿 林風 務台 沼田
川本 清水 鎌田 棚橋 松下
平林 共田 金井真 有賀 金井和
上山 江島 田中
  仲見 林幹  
GK千葉 B-GK 飯見
コメント

堤広利監督(平10人卒=東京・早実)

――早慶戦を終えて、試合の結果としてはどのように捉えていますか

点数も取れましたし、内容的にも後半に行くに従って良くなっていったので、本当に集大成にふさわしい内容だったかなと思います。

――最後は4年生だけが出る時間帯もありました

そうですね。4年生だけで出そうと決めていました。あえてセットを崩して。ちょっと(残り時間は)長かったですが、「頑張れ」というメッセージでした。

――MVPにはDF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)を選ばれました

MVPは得点を取るFWが選ばれがちですが、やっぱりDF務台はしっかりチームを支えてくれていますし、今日のゲームでも要所要所を締めて、キャプテンらしいプレーをしてくれました。そういった意味で、間違いなくDF務台だと。

――アイスホッケーの早慶戦は公式戦とは独立したかたちで、学生主体でやる特殊な試合です。学生にとってどのような意義があると考えていますか

やはり、リーグ戦とは違う特別な試合だと思っています。企画から運営まで、全てマネジャーを中心に学生主体でやっていますし、大人はほとんど手を出していません。そういった意味で経験になると思いますし、社会に出てから生きると思います。

――監督に就任してから約半年がたち、シーズンを終えてみて、振り返っていかがですか

いろいろ難しさはありましたが、非常に良いチームだったと思います。伝統を引き継いでいけたら、と思っています。

DF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――終わってみて、引退の実感はありますか

この後(世界ユニバーシティー冬季大会で)海外に行かなければいけないので、ちょっと慌てていて、今はそっちに意識がいっています。いい舞台でホッケーができて、最後を締めくくれて良かったなと思います。

――試合全体を振り返っていかがですか

結構苦しい展開になるかなと思っていたんですが、第2ピリオドでやっぱり1点差に詰められて、流れが悪くなってしまって。ただ、その後はしっかり失点せず、点数を重ねることができて、勝利で締めくくれたっていう点では良かったのかなと思います。

――MVPに選ばれた感想は

自分は今日の試合特に何もしていなくて、後輩たちが点数を取って勝ってくれたので、忖度(そんたく)ではないですが、キャプテンだから頂けたのかなと思っています。

――副賞はクルージングでしたが、どういうメンバーでいきますか

(笑)。4人って聞いたので、同期4人で時間を見つけて行けたらなと思います。

――引退してからやりたいことはありますか

これからもアイスホッケーを競技者として続けていくので、さらに高みを目指して、成長して、長く現役生活を続けられるように頑張れたらなと思います。

――早大での4年間はどのような4年間でしたか

振り返ると、コロナだったり、活動が制限される中で難しいこともありましたが、早稲田のスクールカラーの中で自分の力を成長させながら、なおかつ仲間といろいろなことを乗り越えられたっていう点で、心身ともに成長できた、いい時間を過ごせたなと思います。

 

FW木綿宏太副将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――引退の実感はありますか

自分はまだホッケーを続けるので、早稲田(でのプレー)は終わりましたけど、引退っていう感じはしないです。

――続ける先は

プロチームです。

――試合の結果を振り返っていかがですか

反則が多かったなって。でも、自分たちがやろうとしてきたシンプルなプレーが終始できたと思います。失点は仕方ないので。後輩たちが頑張ってくれたので良かったです。

――ご自身の活躍としては

早慶戦初ゴールを狙っていたんですけどね…。早慶戦では決めたことがなくて。悔しいですけど、自分っぽいなって(笑)。どの年代の時も、最後の試合で点を決めたことがないんです。自分らしいなって。

――引退してからやりたいことはありますか

とりあえず、遊びます。遊んで、彼女作ります。

――彼女はまだ募集中ですか

全然です。今日を持ちまして、FW川本周平(スポ3=北海道・白樺学園)に焼肉をおごることが決まりましたので、1年間の契約だったので、焼肉はおごりたいと思います。

――早大での4年間はどのような4年間でしたか

楽しい時もありましたし、苦しい時もありましたし。人間として、ホッケー選手として成長させてくれた4年間だったと思います。こんなに苦しさと楽しさを味わったのは、コロナとかもあって、自分たちぐらいしかいないと思うので。これから生きてくるんじゃないかなと思います。

DF金井和(文構4=東京・早実)

――試合を終えて、引退の実感はありますか

あんまり。自分は16年くらいホッケーをやっているんですが、この時点ではちょっと湧いていないです。でも、最後はやりきったっていう実感があります。

――試合の結果を振り返っていかがですか

早稲田のホッケーは貫き通せましたし、途中ちょっと追いつかれて苦しい展開もありましたが、ベンチでもポジティブに声をかけて。こういう場面を何回も乗り切ってきたので、その声がけで、最後ちゃんと点差もつけてゲームが終われました。

――具体的な、良かった部分はどこですか

攻撃は、明らかに早稲田が足が動いていたのと、ちゃんと最後シュートまで行って、相手のGKにプレッシャーをかけられたというのが良かったと思います。守りに関しても、DF陣がちゃんとラインを上げて、前でプレッシャーを掛けていたので、結果的に相手はダンプインしか選択肢がなくて。うちの守る時間が少なく、攻める時間が多いホッケーができたのかなと思います。

――引退後にやりたいことはありますか

職業の関係上、ホッケーができるのかまだわからないんですけど、後輩たちの試合にはもちろん顔を出したいと思っています。どこかしらでホッケーに携われたらな、と思っています。

――早大での4年間はどのような4年間でしたか

コロナもあったので、いろいろありましたし…。今の4年生が少ない中で、インカレやリーグ戦ではあまり結果こそ残せなかったですが、いいかたちで終われたので、自分のホッケー人生には悔いはないです。このチームでやれたことに誇りに思っています。

FW林風汰(教4=東京・早実)

――引退の実感は

ないです! 率直なところ、ないです! 全く。

――試合を振り返っていかがですか

めちゃくちゃほっとしました。

――林兄弟の連携もたくさん見られましたね

13、17が2回も並ぶと思っていなかったので、いい試合でした。

――いつも観戦にきて、早スポにも声をかけてくださるお母様にひとこと

本当に迷惑ばっかりかけていたので、感謝しかないです。今まで本当にありがとうございましたって、心の底から伝えたいです。

――引退してからやりたいことはありますか

酒飲みたいっす。あと、卒論を終わらせたい。したいことというか、したくないことです。卒論!

――早大での4年間はどのような4年間でしたか

自分らしく、元気に楽しく最後アイスホッケーを引退できたので、結果、良かったなと思います。あとは仲間と先輩、後輩に恵まれました。1年生の時も、2年生の時も、3年生の時も。コロナがなんだかんだっていう話になっちゃうと思うんですが、コロナがあろうがなかろうが、いい4年間だったので、悔いはないです。

FW鎌田悠希副将(スポ3=北海道・駒大苫小牧)

――試合の結果を振り返っていかがですか

途中、面白い展開になったところもあったので、見てる人は結構楽しめたんじゃないかなと思います。

――最上級生になりますが、意気込みは

Aマークを着けていたとはいえ、4年生に頼っていた部分がありました。それが、今度自分が4年生になるんだって。実感はまだそんなに湧いていないですが、自覚は徐々に持っていかなきゃなって思っています。

DF松下剛(商3=東京・早実)

――早慶戦が終わった今の気持ちを教えてください

この1年は、主務としての1年間だったので、達成感がすごいです。勝ちましたし、シーズンをきっちり終えられて、達成感がすごいです。

――旗手を務めた感想は

幼い頃、自分が海外から日本に帰ってきて、初めて見た試合が早慶戦で。ずっと夢の舞台だったので、そこで旗手務めさせてもらったというのは、忘れられない経験になりました。

――試合の結果を振り返っていかがですか

最後失点しちゃいましたけど、でも、きっちり勝てましたし、笑いあり涙ありの、いい感じの結果だったと思います。

――「しごでき」と褒められる松下選手ですが、準備期間で一番大変だったことは

協賛の獲得ですね。下級生に(仕事を)振るんですが、言うこと聞かない下級生ばっかりなので。そこが大変でした。

――ついに最上級生になりますね

まだ実感はわかないですが、来年は100周年ですし、部として競技で結果を残さないといけないと思います。キャプテンをサポートしていけるように、頑張りたいと思います。

MG神谷明里(運営主管、国教2=カナダ・ラングレーセカンダリースクール)

――まず、終わってみていかがですか

反省点ばかりですが、最後4年生が閉会式で笑っていたので良かったかなと。

――盛大に転んだと聞きましたが

慶応の入場でバタバタして、次が早稲田だって言う時にてんやわんやしていたら、サブリンクの中央でど派手に転んで。小指に全体重が乗って、今、小指が真っ青です。小指をいたわりながらやっていました。

――早慶戦の良さはどこにあると思いますか

最近SNSでも話題になったんですが、日本で一番盛り上がるアイスホッケーの試合なんじゃないかって。アイスホッケーっていう単語も初めて聞く人が訪れて、「面白いかも」って思ってもらえる試合なのが早慶戦の良さなのかなと思います。もちろん、4年生の卒業を華やかに飾るっていう本来の目的もありますが。

――チケットの売れ行きは

具体的な数はまだ分からないですが、コロナ以降はじめてのフルでの観客動員だったので、会場全体に結構お客さんが入っていて、応援部と一緒にハリセンを叩いているのを見て結構ぐっと来ました。

――試合の結果としては

試合をあんまり見られていないっていうのが正直なところなんですけど、ひとまず勝ってくれたので。よかった。ですが、結果が全てではないと思うので、4年生が思う存分、最後の早慶戦で暴れてくれていたらいいなと思います。