【連載】インカレ直前特集『夜が明ける前に』 第3回 GK千葉琉矢(スポ3=北海道・武修館)✕FW江島陸人(国教3=東京・早稲田)✕FW清水朝陽(社1=北海道・武修館)

アイスホッケー

 第3回は、昨年から「対談をやらせてくれ」と熱望していたGK千葉琉矢(スポ3=北海道・武修館)、夏に留学から帰ってきたFW江島陸人(国教3=東京・早稲田)、そして1年生のFW清水朝陽(社1=北海道・武修館)が登場。関東大学リーグ戦(秋リーグ)を振り返り、そして日本学生氷上競技選手権(インカレ)を展望する。

食事中の食堂での対談だったため、マイクに向かって話す選手たち

――右隣の人の他己紹介をお願いします

千葉 江島陸人くんで、国際教養学部に所属していて、22番です。特筆すべきプレーは、エジマリック・ソニック・ファイヤー・シュートです。性格は、異常です。それは僕でした。すみません。江島くんは、不思議ちゃんな感じもしますけど、実は内に秘めてる思い、パッションが熱い男であります。

江島 そうなんだ。

千葉 そうだよん。

江島 清水朝陽くん、1年生。背番号27番、FW。プレーの特徴でいうと、結構朝陽は、自分からプレーの起点となることが多いかな。いろんなプレーメイキングをするかなって。性格で言うと、今、同部屋で過ごしてるんですけど、学年は2つ離れてるけど、お互いフランクに話したりできてるかなって。

清水 わーお。

江島 過ごしやすいです。

清水 (千葉について)背番号81番。

千葉 武修やん。(千葉・清水は同じ武修館高出身)

清水 背番号11番の、千葉琉矢選手。スポーツ科学部?

千葉 政治経済学部(正しくはスポーツ科学部)。

清水 プレーは、GKなので…、アグレッシブなキーパー。

江島 おー、いいね。

清水 声を出すとか、みんなを盛り上げるとか、チームのためにやってくれることが多い人で。性格は、さっき異常って自分で言ってた通りです。高校の時から異常です。でも、大学生になって、社会にもまれて、多少大人の対応もできるようになった感じがします。かっこいいです。

江島 最後にほめるパターンね。

――最近の寮での過ごし方を教えてください

千葉 寮での過ごし方は、朝起きて、朝練終わって、1回授業に行くか迷って、一瞬寝て、起きて、授業行って、授業から帰ってきて、ちょっと就活して、その後にドラマ見て寝るっていう感じです。

――趣味などはありますか

千葉 趣味、就活です。人より、頑張ろうっていう気持ちだけがあります。気持ちだけです。行動には移してません。

江島 なんだかんだやってるでしょ。

清水 なんだかんだね。

江島 趣味か…。

千葉 趣味ってないよな。

江島 俺と朝陽(清水)は(同部屋なので)どちらかが寝ている時は、2人とも寝てる、みたいな。それで、一緒のタイミングで起きる。だから…

千葉 趣味は「なし」です!

風汰さんかなぁ(江島)

落ち着いた口調の江島

――部内で付き合いたい人は

千葉 僕が部内で付き合うとしたら、木綿さん(FW、宏太副将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)ですね。自分が女だったら、ですよね?

一同 (笑)。

千葉 木綿さんは女性の扱いが本当に上手なので、幸せにしてくれるんじゃないかなって3年間過ごして思います。あと、一緒にいてすごく楽しそうなので。木綿さんにします。

江島 風汰さん(FW、林、風汰、教4=東京・早実)かなぁ。

千葉 (笑)!

清水 わーお! まじか…。

江島 人当たりいいし、まあ明るいし、一緒にいて楽しそうなので。

千葉 (清水の番になり、清水を見つめる)

清水 いや、いや…。

千葉 おい!

清水 やっぱり野安(FW、共田、国教1=カナダ・ジョージエリオットセカンダリースクール)かなあ。同期愛が強いので。あ、(もう1人の同期の)拓未(GK、飯見、社1=東京・早実)はない。

千葉 あれはないね。

清水 やっぱり「国際カップル」みたいな。

千葉 たしかに、カナダ、行けるし。

――秋リーグで印象に残った試合は

千葉 僕が秋リーグの中で一番印象に残ってる試合は、同点だった中央戦(1巡目、9月24日、△5-5)。 本当にあと一歩で中央を倒せるっていうところだったんですけど、同点にされてしまって。早稲田の弱いところというか、最後まで勝ちきれない。今シーズンの課題が露呈したんじゃないかなと思っているので。

江島 法政戦(1巡目、9月11日、●4-5/2巡目、11月3日、●3-5)がすごく悔しかったなって。法政と2回やったけど、2回とも3ピリ(第3ピリオド)で逆転されて負けるみたいなパターンだった。それが、本当に悔しいなって。ちゃんとリードしている段階で、守って勝てるような、勝ち切るチームにならないとだめだなって思いました。

清水 自分も法政戦(1巡目、9月11日、●4-5/2巡目、11月3日、●3-5)で。最初いい流れだったんですけど、最後の方に結構ボロが出てしまって。個人的には最後の6人攻撃に出させてもらったんですけど、そこで全然得点に絡めなかった。それで、自分がパックを失ったところから、【聞き取れない】入れられる流れにはなっちゃって。すごい悔しくて、そこで1人抜いた後にプレーそのまま続けられてれば、と思ったんで、個人的にはすごい印象的です。

他の人に頼り過ぎてしまった(清水)

笑顔で話す清水

――それぞれにとって、秋リーグはどのような期間でしたか

千葉 僕は試合出てないので、チームの戦術とか、その試合に直接関係する課題はなかったです。自分の中ではやっぱり試合に出た時に、ロースコアゲームの厳しい時に「守って勝つ」っていう課題が出てくると思うので、自分がそれを体現できたらいいな、というふうに秋リーグを通して思いました。

江島 自分にとっては、まず秋リーグが初めてで。1年生は(チームが)出ていなくて、2年生が留学で出てなくて。初めての長丁場の大会だったんですけど、毎週末試合ができるっていうのは楽しかったなと思っていて。今までは「短期集中」みたいな大会しかやってこなかったので、楽しかったです。

清水 自分はもっと点に絡めたら良かったなって。他の人に頼り過ぎてしまった部分があって、先輩に。プレーの面では任せっきりになるんじゃなくて、自分主体っていうか、点を決めに行く姿勢だとか、そういうのを出せたら良かったんじゃないかなって思いました。

――インカレの注目選手を挙げてください

千葉 インカレの注目選手は自分です。なぜかというと、直前になるまでは(GKで)誰が出るか分からないですけど。自分は6カ月ぐらい公式戦から離れていての復帰戦になるので。この6カ月、ケガしてからリハビリして競技復帰のためにどれだけ努力してきたかということが問われる大会だと思うので。そこで活躍できたら、「ケガしても良かった」って言ったらあれですけど、自分がやってきたことは間違いないっていう自信にもつながりますし、本当に自分に注目してほしいです。

清水 (拍手)

江島 自分の注目選手は務台さん(DF、慎太郎主将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)。4年生でキャプテンで、チームメイトから見ても、誰よりも努力してる選手だと思うので。最後の大会、キャプテンを見ていてほしい、見届けてほしいですね。4年生たちのためにも勝ちたいですね。

清水 欲を出すと「自分」って言いたいんですけど、別の人を挙げるとしたら、鎌田さん(FW、悠希副将、スポ3=北海道・駒大苫小牧)。やっぱり決める時に決めてくれるので。最近の試合で、自分のパスが悪くて、あんまり得点するところがないので。自分がもっといいパスを出して、最後に気持ちよく決めてもらいたいです。

勝った先で、ようやく東洋と当たれる(千葉)

真剣に話す千葉

――インカレに向けて、アピールポイントと意気込みをお願いします

千葉 インカレは「ベスト8で東洋と当たる」って言われてるんですけど、それは(そこまで)勝ってからの話であって。みんなが騒いでるかもしれないんですけど、結局どの相手も油断できないと思います。一戦一戦しっかり勝ち上がって、勝った先で、ようやく東洋と当たれる。そこは本当に手を抜かず、油断せず。東洋とやることを意識しつつも、目の前の一戦を大事にしていきたいです。また、東洋と当たったら、自分が大学に入ってから1回も勝ってない相手なので。今年こそは。下馬評では、早稲田の方が弱いって言われてるかもしれないんですけど、奇跡を起こして。(でも)「東洋に勝ったらもうインカレ終了」っていう気持ちで

清水 気持ち、ね?

千葉 そう、気持ち。事実上の決勝戦なんで。東洋とやるっていうのは。本当に出し切って、チーム一丸となって勝ちたいと思います。

江島 自分としてはインカレは初めてで、気合入ってるんで、全力でやるので見ていてほしいです。

千葉 エジ! エジ! エジ! エジ!

江島 チームとしては、今シーズンは春秋どちらも大事なところで負けて、その分悔しい思いが積もっていると思います。東洋は、気持ちがすごく大事だと思うので、みんなで気合を入れて、最後、全力でやりたいと思います。

清水 みんな、「東洋」「東洋」って、たしかにね、言ってるけれども、自分の目標はやっぱり優勝なので! 東洋との試合すらも通過点だっていう気持ちで望みたいなと思っています。どの試合に対しても、あんまり入れ込みすぎないというか、気持ちはフラットでやっているつもりなので。インカレっていう大きな大会にはなるけど、いつも通り冷静にプレーできればいいかなと思います。だけど、4年生は最後の大会になるので、いいかたちで終われるように、プレーとがむしゃらさでチームに貢献できればいいかなと思います。

――ありがとうございました!

「EJI」

(取材・編集 田島璃子)

◆江島陸人(えじま・りくと)(※写真)

2001(平13)年12月29日生まれ。174センチ。東京・早稲田高出身。国際教養学部3年。FW。今夏、留学から戻り、チームに合流した江島選手。「いつの間にか僕の部屋にいる」という千葉選手には迷惑しているよう。対談後、ぼそっと言った「今何時かな」という独り言に対し、千葉選手に「えじ?」と返され、苦笑いで流していました!

◆千葉琉矢(ちば・りゅうや)(※写真)

2001(平13)年12月23日生まれ。183センチ。北海道・武修館高出身。スポーツ科学部3年。GK。早スポに「NHLのゲームしましょう」と誘うなど、フレンドリーな千葉選手。アンケートには「来年千葉帝国作ります」と回答。その思い切った人柄とGKとしての安心感で、チームを「支配」すること間違いなしです!

早スポ記者(奥)とゲームをするGK千葉

◆清水朝陽(しみず・あさひ)(※写真)

2003(平15)年6月22日生まれ。170センチ(スケート部ホッケー部門公式ホームページより)。北海道・武修館高出身。社会科学部1年。FW。春に実施した対談に比べ、格段と発言が増えた清水選手。「僕、声が小さくて」と微笑みながら話す姿とは反対に、氷上ではいかり肩で駆け回り、パックをゴールへ運びます!