初出場の共田が躍動! 上位校への勝利まであと一歩/中大戦

アイスホッケー

 関東大学リーグ戦(秋リーグ)、ファーストリーグの後半戦は、まずは中大との対決だ。春に行われた関東大学選手権では10点差を付けられて敗戦した相手だが、下級生や3セット目の活躍が光り、中大が早大を追う展開に。どのピリオドも着実に得点し、根気強く戦ったが、残り時間8分で追いつかれ、5-5で引き分けとなった。

 早大控室から大きな掛け声が響き、強い気持ちを持って始まった中大戦。試合開始から高い集中力を発揮し、互いに得点のない時間が続いた。トゥーメニーによるキルプレーも攻撃のかたちを作らせずに守りきり、先制点は11分45秒、早大が手にした。FW金井真(スポ3=北海道・苫小牧東)、FW林幹汰(文2=東京・早実)が連続してゴールを狙うと、こぼれたパックをゴール前に滑り込んだFW共田野安(国教1=カナダ・ジョージエリオットセカンダリースクール)が冷静に押し込んだ。共田はこの日の入学式をもって正式に早大に入学したため、公式戦初出場。ルーキーの1点に、ベンチも大きく喜んだ。しかし、中大も黙ってはいない。14分36秒、少し離れた場所から放たれたパックはGK飯見拓未(社1=東京・早実)の左手の少し先を通り、静かにネットを揺らし、1ー1に。さらに15分39秒、早大のキルプレーの場面で追加点を許し、逆転されてしまう。追いついて終わりたい第1ピリオド、早大にパワープレーのチャンスが巡ってくる。ゴール裏からFW林幹が送ったパスをFW金井真が近距離でしっかりゴール。堤広利監督(平10人卒=東京・早実)ともグータッチを交わした。

懸命にゴールを守るGK飯見

 2-2の同点で迎えた第2ピリオド、均衡を崩したのは早大だ。危ない場面も中大のシュートミスに救われ、7分9秒、パワープレー終了直後、ゴール前に集まった4人の中大の選手の隙間を縫ったFW共田のパスがFW木綿宏太副将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)に渡り、3ー2に。さらにその直後、またしてもパワープレーのチャンスが訪れる。中大の守備の穴に欠かさずFW金井真が侵入し、FW清水朝陽(社1=北海道・武修館)のパスを受けてワンタイマーで押し込んだ。その後は守りの場面が続いた。15分18秒に中大の攻撃を断ち切れず1点を返されるが、さらなる追加点は許さず、1点リードで第2ピリオドを終えた。

得点を喜ぶFW金井真

 第3ピリオド、追いつきたい中大は、世代別代表でFW木綿と共に戦っていた、中大主将・FW権平優斗がテクニックを見せたシュートでGK飯見を翻ろう。同点に追いつかれてしまう。しかしパワープレー終了直後、ゴール裏からFW鎌田悠希副将(スポ3=北海道・駒大苫小牧)がゴール前でフリーだったFW清水朝陽(社1=北海道・武修館)にパス。快音を響かせて放たれたシュートはゴールに収まり、エンプティゴールを除く公式戦初めての得点に喜びを噛み締めた。下級生の活躍に士気が高まる早大のベンチだが、試合時間は残り16分と、まだ余裕はない。そんな中、中央から攻め込んだ中大の選手が放ったパックがするりとゴールに突き刺さり、再び試合は振り出しに戻されてしまった。引き分けでは終わりたくない両校は果敢にゴールを狙い、目まぐるしい展開が続くが、得点とはならず。5-5で試合は終了し、選手は悔しそうな表情を浮かべた。

得点を喜ぶFW清水

 あと一歩で勝利できそうな試合だっただけに悔しい気持ちは募るが、パワープレーもしっかりと得点につなげることができ、「今シーズンで一番良い内容のゲームができた」(務台)と、納得の行く出来だったようだ。また、勝ち点によるセカンドリーグへの進出も確実なものとなった。次戦は、現部員が未だ一度も勝利したことのない明大が相手だ。その壁は高いが、2週間で調整し、悲願の勝利を手にしたい。

(記事 田島璃子 写真 吉本朱里)

結果
早大 ピリオド 中大
2(12) 1st 2(16)
2(9) 2nd

1(10)

1(13) 3rd 2(15)
5(34) 5(41)
※( )内はシュート数

得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 GS
早大 11:45 共田 金井 林幹 EQ
中大 14:36 小原 小形 EQ
中大 15:39 佐藤 鈴木 角丸 PP1
早大 18:37 金井 林幹 清水 PP1
早大 27:09 木綿 共田 沼田 EQ
早大 30:52 金井 清水 務台 EQ
中大 35:18 小原 小形 沼田 EQ
中大 42:25 権平 角丸 SH1
早大 43:26 清水 金井 林幹 EQ
中大 51:29 種市 夏野 EQ

早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
平林 木綿 大塚 棚橋 沼田
江島 清水 鎌田 務台 松下
金井真 共田 林幹 有賀 金井和
仲見 川本 上山
  田中 林風
GK 飯見
コメント

堤広利監督(平10人卒=東京・早実)

――まず、試合を終えて、結果をどのように受け止めていますか

 内容的には(ピリオドごとに)一度もリードを許さなかったですし、勝っている内容だったかなというふうに思っています。

――引き分けではありましたが、春の10点差での大敗を踏まえると、上位校と戦っていけることを示せたのではないかと思います

 春、それから夏の練習試合でも負け続けていましたので、その相手に対してリードを続けられていたというのは非常に収穫だと思います。

――初出場、共田選手の活躍はいかがでしたか

 もう、期待通りの活躍をしてくれていますので、今後さらに成長してくれるといいなと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

 いい内容のゲームができましたので、ここからさらに明治、東洋と上位校と当たるので、ここをベースに、さらに成長してほしいと選手には伝えています。

DF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――まず、試合を終えて、どのような気持ちですか

 春からやってきて、今シーズンで一番良い内容のゲームができたのではないかなと思います。ですが、やはり最後勝ち切ることができないということが、まだまだうちのチームの課題かなと思うので、そこをまた修正していきたいなと思います。

――春に大敗した相手に対し、引き分けという結果になりました。悔しさはあると思いますが、夏合宿やここまでの期間での成長を示せたのではないかと思います

 春、夏合宿、そして秋リーグで、自分たちのやるべきこと、やらなければならないプレーというのを継続してできないということが、うちのチームの一番の課題かなと思うのですが、その点、(今日の試合は)60分通してできたのではないかなと思います。そこに対しては、みんな自信を付けられた試合だったのではないかなと思います。

――初出場の共田選手の活躍はいかがでしたか

 夏から練習に参加し、チームに合流して、やっと試合出られるようになったのですが、練習の段階からすごく何かやってくれるようなにおいのある選手で。1年生ながら頼もしい選手だなと思っていたので、活躍していることがすごくうれしいですし、今後ももっとどんどん点数などで、チームに貢献してくれるのではと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 次は明大との試合です。今日の良かった点、60分継続して自分たちのやるべきホッケーができたということを明大戦でも変えずにやっていきたいです。(自分が入学してから)大学4年間でまだ明大に勝ち星を挙げられていなくて、(秋リーグで)多くてあと3戦明大と試合をする機会はあるので、1戦目から勝ちにいけるように頑張っていきたいなと思います。

FW金井真(スポ3=北海道・苫小牧東)

――試合を終えていかがでしたか

 いいかたちで試合に入れて、得点も取れたんですが、勝ちきれなかったというのが悔しいです。

――2得点1アシストと大きく貢献されました

 自分のラインのFW共田とFW林幹がすごく頑張ってくれて、いいところで渡してくれて、決めるだけだったので。FW清水からも良いパスが来て、「ありがとうございます」っていう感じです(笑)。

――右手のケガの調子はいかがですか

 ヒビ、右手に入っちゃってるんですけど、痛みに慣れてきて(笑)。

――次戦への意気込みをお願いします

 明治が相手ですが、今日いいかたちで入れたので、この流れを継続して頑張りたいと思います。

 共田野安(国教1=カナダ・ジョージエリオットセカンダリースクール)

――公式戦初出場にして、初得点、おめでとうございます

 やはり最初なので緊張していたのですが、最初に得点を決められたのはすごくうれしかったです。

――チームを活気づける重要な1点目だったと思います。振り返ってみて、いかがでしたか

 そこで流れを1回取れて、みんなで力を合わせて頑張って行けたので、そこから良い感じにどんどん決めていけました。引き分けという結果でしたが、頑張ることができたと思うので良かったです。

――第2ピリオドには、均衡を崩すアシストもありました

 パワープレーで、決めないといけないときに決めることができて、そこでも流れを切らさずに、良い得点ができて、木綿さん(FW木綿宏太、スポ4=北海道・駒大苫小牧)もちゃんとシュートを決めてくれて、良かったと思います。

――今後への意気込みをお願いします

 ここで終わりではなくて、これからもどんどん活躍できるように頑張っていきます。