関東大学リーグ戦(秋リーグ)第2戦の相手は、現体制での練習試合で良い結果を残せていなかった法大だ。開始直後に1点を許すが、そこから早大が4点を重ねる。4-1で迎えた第3ピリオド、このまま早大が勝つかと思われたが、法大が怒涛(どとう)の4得点。4ー5で苦い敗戦を喫した。
立ち上がりから自分たちのペースで試合を進めたい早大。しかし、開始わずか25秒、こぼれたパックを法大に奪われ、数的不利な状況でパスを回され、法大に1点が入る。早々の得点に緊張が走るが、3分18秒、DF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)が少し離れた位置から放ったシュートを相手GKが跳ね返し、リバウンドをFW鎌田悠希副将(スポ3=北海道・駒大苫小牧)が叩き込んだ。1点を返し、さらに5分26秒、自陣ゴール付近でパックを取った務台が相手ゴールまで駆け上がり、FW平林慶太(スポ2=北海道・釧路江南)のアシストでDF務台主将がシュート。リバウンドをまたしてもFW鎌田がゴール上部に差し込んだ。主将を起点に2得点し、幸先の良いスタートとなった。
1点目を喜ぶ選手たち
さらに第2ピリオドも早大の得点が続く。キルプレーの場面は守りきり、開始12分22秒、FW木綿宏太副将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)のシュートのリバウンドをFW上山響平(スポ2=北海道・駒大苫小牧)が落ち着いて対処し、追加得点につなげた。また、相手ゴールの目の前でFW金井真(スポ3=北海道・苫小牧東)がカットされたパックを奪い返し、すかさずシュート。GKの肩口に突き刺さった。危ない場面はGK飯見拓未(社1=東京・早実)がしっかりと抑え、3点のリードで最後の20分へ。
このまま早大が勝ち切るかと期待された第3Pだったが、早大の安心する気持ちを法大の点を渇望する思いが上回ったか、流れは一気に法大に。1分5秒、5分24秒、運の悪いゴールが続き、11分40秒、さらに1点の追加を許し、スコアは4-4と追いつかれてしまう。なんとしてでも粘りたい早大だったが、流れに乗る法大は止まらない。攻撃を断ち切れず、12分17秒、ついに逆転を許してしまった。残り時間1分26秒、早大は法大のアイシングのタイミングでタイムアウトを取り、GK飯見を下げて6人攻撃を開始。数的有利な状況で何度もゴールを狙うが、ネットを揺らすことはできなかった。大逆転を許し、つかみかけた勝利を逃した早大。選手たちはやりきれない表情を浮かべ、リンクを後にした。
倒れ込みながらゴールを狙う金井真
昨年の日本学生氷上競技選手権(インカレ)で敗戦し、今季の最大のライバルともいえる法大との一戦は、選手も強い思いを持って臨んだはずだ。それだけに、3点差を超えられた逆転は苦しいものとなった。堤広利監督(平10人卒=東京・早実)は「早いタイミングでこういう負け方をして、逆に良かった」と語る。次戦は、大東大との対戦だ。また、ファーストディビジョンのAグループ8校のうち6校が進めるセカンドリーグに進出することができれば、法大とは再度対戦することになるだろう。バネにするにはあまりにも十分な悔しさを、次戦や次の法大戦につなげたい。
(記事 田島璃子、写真 岡すなを、横山勝興)
結果 | ||
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早大 | ピリオド | 法大 |
2(12) | 1st | 1(12) |
2(13) | 2nd |
0(9) |
0(13) | 3rd | 4(14) |
4(38) | 計 | 5(35) |
※( )内はシュート数 |
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | GS |
法大 | 00:25 | 安藤 | 荒井 | - | EQ |
早大 | 03:18 | 鎌田 | 務台 | - | EQ |
早大 | 05:26 | 鎌田 | 務台 | 平林 | EQ |
早大 | 32:33 | 上山 | 木綿 | 棚橋 | EQ |
早大 | 37:48 | 金井真 | - | - | EQ |
法大 | 41:05 | 水口 | 砂岡 | 北川 | EQ |
法大 | 45:24 | 砂岡 | 北川 | - | EQ |
法大 | 51:40 | 斉藤 | 山崎 | - | EQ |
法大 | 52:17 | 山村 | 床 | - | EQ |
早大メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 上山 | 木綿 | 大塚 | 棚橋 | 沼田 |
2 | 鎌田 | 平林 | 川本 | 務台 | 松下 |
3 | 林幹 | 清水 | 金井真 | 有賀 | 金井和 |
4 | 江島 | 田中 | 林風 | - | - |
仲見 | - | - | - | - | |
GK | 飯見 |
コメント
堤広利監督(平10人卒=東京・早実)
――逆転を許してしまった試合を終えて、どのように感じていますか
負ける試合ではなかったので、なぜ負けたかというのを一人一人考えてほしいと選手に伝えました。
――第1ピリオド、第2ピリオドは大事な局面で点数を重ね、良い雰囲気で進んだのではないかと思います
そうですね。第1ピリオドも第2ピリオドも、それから第3ピリオドの入りも悪くなかったと思います。
――そのような中で、第3ピリオドは法大の反撃を許すかたちとなりました
3点差というのは、油断もありますし、非常に難しい試合展開ではありました。1点取られて、2点取られて、どこかで流れを変えなければいけないシーンがあったんですが、そこで流れを変えられなかったというのが一番の敗因かなと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
まだまだ長いリーグが続きますので、早いタイミングでこういう負け方をして、逆に良かったのかなと思っています。これを生かして、調整して、来週も臨みたいと思います。
DF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
――試合を終えた感想をお願いします
勝つべき試合を落としてしまったので、悔しいです。みんなも同じふうに思っていると思うんですけど、後味の良くない試合だったと思います。
――第1ピリオドは務台選手を起点に得点が入り、序盤の失点はあったものの良い立ち上がりだったのではないかと思います
第1ピリオドの出だしの5分はすごくいい感じで試合に臨めて、自分たちのやりたいホッケーができたんじゃないかなと思います。それが第3ピリオドでは継続できなかったことが今日の反省点だと思います。
――第2ピリオドで追加得点を重ねながらも、第3ピリオドは法大に押されるかたちとなってしまいました。振り返っていかがですか
第3ピリオドが始まる時に「やるべきホッケーを変えずにプレーを継続していけば勝てる」ということをミーティングでも共有していたんですけど、時間帯を考えていないプレーや、トライすべきでない場面でトライしてカウンターからの失点につながることが多かったです。時間帯と状況を考えたプレーができていなかったので、第3ピリオドでああいった結果になって敗戦ということになってしまったと思います。
――法大とはまた対戦する可能性があると思いますが、今日の試合の収穫は
収穫としては、第1、第2ピリオドは自分たちのやりたいプレーができましたし、やるべきことを継続してできたと思います。第1、第2ピリオドのようなホッケーを3ピリオド通してすることが、法大に限らずどの試合でも課題になってくると思います。
――来週に向けた意気込みをお願いします
1巡目の試合も残り少なくなってきたので、今日の反省を生かしたいと思います。大東文化大もすごく力をつけてきていますし、気を抜いていい試合は1試合もないと思っているので、今日は敗戦という結果になってしまいましたが、もう一度振り返ってこの1週間練習して、勝利に向けて頑張っていきたいと思います。