リーグ戦折り返しとなる4試合目の相手は、東洋大相手に熱戦を繰り広げた慶大。先制点を挙げその後も追加点を決めたが、中盤で流れを奪われそうになる。しかし、第2Pの後半の1点を皮切りに早大が立て直し、最終Pで1ゴールを許すが追いつかれることなく6-3で勝利を掴んだ。
第1P、開始1分から慶大のペナルティーでPP(※1)の時間を迎えるが得点に繋がらない。しかし、8分55秒。FW大塚鵬蓉(スポ2=埼玉栄)が慶大のディフェンスを交わして、ゴールの左サイドへ放ったシュートで先制点を決める。そうして流れを掴んだ早大はFW金井真(スポ2=北海道・苫小牧東)が打ったパックがゴーリーの左肩を抜けてネットを揺らし追加点をあげるが、その後両チームとも点を入れることなくこのピリオドを終える。
先制点を決めた大塚
「ウチ(早大)も慶大も反則が多すぎましたね」(内藤正樹監督、平3二文卒=北海道・釧路湖陵)。内藤監督のインタビューにもあったように、第1Pに続いて第2P早々から両チームのペナルティーが目立つ。開始6分、早大がPK(※2)の状況下で慶大に得点を許してしまう。1点差に迫られた早大は、慶大のペナルティーで数的に有利な状況になるとDF沼田恵祐(文1=青森・八戸)が打ったシュートがゴーリーの守りがないところに綺麗に決まる。その後もPPの時間が続き、チャンスを生かしたいところだが阻止されてしまう。そして第2Pも残すところ3分に迫った時、早大のマークが行き届かない状況で慶大に得点を奪われる。
そうして迎えた最終P。開始34秒でFW杉本華唯主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)がタイミングを少し置き、狙いを定めてシュートを放ちゴールを決める。少し危ない場面もあったが早大のペースで試合が進み、FW上山響平(スポ1=北海道・駒大苫小牧)の打ったパックがゴールのふちにあたり音を立ててネットに入る。その直後、慶大に1点を返されるがペナルティーでPKの状況になっても攻める姿勢を保ち続ける。そして試合時間残り36秒。慶大がゴールに人を置かずに全勢力で攻め、ゴールに守りがないことをしっかりと認識し、沼田が2得点目となるロングシュートを決め、6-3で勝利を収めた。
2得点を挙げた沼田
今回の試合では3点差での勝利となったものの、試合内容を振り返ると課題の残る一戦となった。ここまで全勝の早大は次戦、春の大会で黒星を喫した中大との勝負を控えている。「苦しい展開が続く時間帯もあると思いますが、必ず全員で戦い抜き、決めるべきところで得点することで、チームを勝利に導きたいと思います」と意気込んだ杉本主将。次戦での勝利が目標とする優勝をグッと引き寄せるだろう。
※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。
※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。
(記事 岡すなを、写真 田島璃子、前田篤宏)
結果 | ||
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早大 | ピリオド | 慶大 |
2(7) | 1st | 0(4) |
1(11) | 2nd | 2(7) |
3(10) | 3rd | 1(9) |
6(28) | 計 | 3(20) |
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
早大 | 08:55 | 大塚鵬蓉 | 杉本 | - | - |
早大 | 10:17 | 金井真 | 川本 | - | - |
慶大 | 26:47 | 赤坂 | 田原 | 振津 | PK |
早大 | 29:20 | 沼田 | 大塚脩世 | 林幹汰 | PP |
慶大 | 36:37 | 若森 | 倉田 | 立島 | - |
早大 | 40:34 | 杉本 | - | - | - |
早大 | 47:02 | 上山 | - | - | - |
慶大 | 47:31 | 田原 | 振津 | 笹山 | - |
早大 | 59:24 | 沼田 | - | - | - | ※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 鎌田 | 杉本 | 上山 | 務台 | 棚橋 |
2 | 林幹汰 | 木綿 | 大塚鵬蓉 | 大塚脩世 | 沼田 |
3 | 金井真 | 田中 | 北村 | 住友 | 有賀 |
4 | 川本 | 平林 | 林風汰 | 金井和 | 松下 | GK村上 B-GK千葉 |
コメント
内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)
――今日の試合を振り返っていかがですか
内容はよくありませんでしたが、勝利を収めることができてほっとしております。ウチも慶大も反則が多すぎましたね
――慶大から6点を奪いましたが内容はどうでしたか
もっと差をつけることができました。枠を外したシュートが多すぎます
――また慶大に得点された場面を振り返っていかがですか
反則多過ぎ、マーク外し過ぎ、リバウンド出し過ぎ、片手でプレーし過ぎ、走らない。入れられて当然です
――この後、中大、明大、東洋大と続きますが、どのようなことを達成した先に勝利が見えてくると思いますか
スティック使って反則するより足を使って相手とパックの間に自分の体を入れる。意思のある正確なパスと音を立てない正確なレシーブ。枠を外さないシュート。一本の被シュートを一本で終わらせるリバウンドコントロール。体を使ってパックを守る。これを60分できるかどうかが、勝敗を分けます
――次の中大戦への意気込みをお願いいたします
春負けているので、一矢報いたいと思います
FW杉本華唯主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
――今日の試合を振り返っていかがですか
初めにすぐ2点が入り、その後もお互いに反則の多い展開が長く続いたので、試合運びは難しいと感じました
――先制点を奪い早稲田が良い流れで展開していきました。ご自身の得点シーンも含めて全体的な内容はいかがでしたか
数的有利の状況では、決めきることが大切であると思います。自分の得点は、試合の中での些細な駆け引きが成功した結果だと思います
――途中、慶大に流れを奪われそうになりました。そこからどのように悪い流れを断ち切りましたか
自分たちのミスから相手に流れを持っていかれるシーンが幾つかあったので、シンプルで早いホッケーを続けようと意識して、耐え抜きました
――リーグ戦も折り返し地点となりました。後の試合、どのようなことを意識して臨みたいですか
今まで以上にシンプルで早いホッケーを継続すること、得点チャンスでは確実に決めきることが大切になってくると思います。また、全員が体を張ったプレーで戦い抜くことです
――次の中大戦への意気込みをお願いいたします
苦しい展開が続く時間帯もあると思いますが、必ず全員で戦い抜き、決めるべきところで得点することで、チームを勝利に導きたいと思います。応援よろしくお願いします
DF沼田恵祐(文1=青森・八戸)
――今日の試合を振り返っていかがですか
.1P、出だしは良かったですが、連続得点から少し気持ちが切れて、両チームなどの多くの反則などもあり自分たちのプレーを最後まで貫くことが出来ませんでした。流れが悪いこともあったなか、勝てた点は収穫だと思います
――本日2得点おめでとうございます。得点シーンを振り返っていかがですか
1点目はPPの場面でした。数的優位の場面で自分のシュートチャンスでしっかりコースを突くシュートが打てて良かったです。2点目は試合終盤で相手がキーパーをあげての6人攻撃を凌いで冷静に沈め試合を決めることが出来て良かったです
――慶大に3得点を奪われましたが、DFとしてなにか次の試合に向けての課題はありますか
自分のちょっとしたミスやタイミングのずれからピンチを招くことが試合の中であったのでそのようなミスは無くすように修正したいです。足を動かしながら、パスやパックコントロールを正確にすることが課題です
――次戦に向けて意気込みをお願いいたします
早慶戦はお互いがお互いに特別な感情を抱いて戦う試合になります。まずは、気持ちの面で負けない。その中で頭は冷静になって、自分たちがやらなければいけないプレーを貫き通して、次の試合でも絶対に勝ちたいと思います