インカレは1回戦、2回戦ともに突破しヤマ場の準々決勝へ

アイスホッケー

 冬の北海道の地で、今シーズン最後の公式戦である日本学生氷上競技選手権(インカレ)が開幕。早大は1回戦、2回戦ともに着実に勝利を収め、準々決勝の舞台へ進出を決めた。

★やや精彩を欠くプレーもあったが勝利し、インカレ初戦突破!

7点目をマークしたチェース

 今シーズン最後の日本学生氷上競技選手権(インカレ)が幕を開けた。東北1位の東北学院大学との初戦に挑んだ早大は大差で勝利を収め、幸先のいいスタートを切った。 第1ピリオド(P)1分34秒、FW木綿宏太(スポ1=北海道・駒大苫小牧)が先制点を挙げる。試合開始直後から猛攻を仕掛け、難なく早大のペースに持ち込めたことが大きかった。この得点で勢いづいた木綿は、 3分22秒も再度敵ゴールにパックを押し込み2点目をもぎ取った。さらにDF務台慎太郎(スポ1=北海道・駒大苫小牧)が追加点を挙げ試合が始まって10分にして、3−0の大量リードを奪うこととなった。しかし、ここからパスレシーブが乱れ始める。レシーブに失敗しこぼれたパックを、東北学院大学が拾い攻撃に出るという展開がしばしば見られるようになった。この流れは第1P終了後も続き、ついに東北学院大学に点を奪われる。だが、試合の主導権は早大が握り続け、終盤にはFWマッテオ・チェースの得点も飛び出し最終スコアは7-1で勝利を手にした。「気の緩みなのかどうか分からないが、最後まで3点とったときと同じようなプレーを続けなくてはいけなかった」と、内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)が試合後に語ったように、やや精彩を欠くプレーも散見されたが着実に勝利を収め、2回戦に駒を進めた。

(記事 七澤拓未、写真 細井万里男)

※( )内はシュート数

結果
早大 ピリオド 東北学院大
3(22) 1st 0(6)
2(20) 2nd 1(6)
2(26) 3rd 0(7)
7(68) 1(19)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
早大 01:34 木綿 澤出 篠田 PP
早大 03:22 木綿 澤出 大崎
早大 10:04 務台 杉本 PP
東北学院大 22:12 小野寺 山口
早大 29:21 杉本 務台 PP
早大 39:43 杉本 青木
早大 40:53 青木
早大 53:34 チェイス 草島 河田
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
前田 青木 杉本 吉野 務台
木綿 生江 澤出 篠田 大崎
小澤田 河田 伊東 住友 大塚
チェイス 大石 加賀美 草島 金井
GK谷口→GK村上
★大東大を圧倒し、着実に準々決勝の舞台に駒を進める

2ゴールを決めた伊東

 危なげなく初戦を突破した早大はインカレ2回戦に挑んだ。敵は先日行われた関東大学リーグ入れ替え戦で勝利し1部に昇格し、勢いに乗る大東大。 早大はFW木綿宏太(スポ1=北海道・駒大苫小牧)が前日に引き続き先制弾を放つと、着実に得点を積み重ね、第1P(ピリオド)を終えた時点で3-0。シュートを放ち、リバウンドをたたき好機を演出する早大らしいホッケーを展開し大東大を圧倒。第2Pには伊東が2得点と躍動。「2つのゴールで共通していることは『簡単にプレーした』という点」とシンプルなホッケーが得点につながったとゴールを振り返った。8-1のスコアで勝利を収めた早大は、あすいよいよヤマ場の準々決勝を迎える。5年連続で敗退し、苦杯をなめている準々決勝の舞台。内藤監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)は次戦の敵・東洋大に勝つためには「シュート数で上回ること。運動量で上回ること。そして勇気を持つこと。」の3つが必要だと試合後に語った。東洋大との今季の対戦成績は5戦4敗と苦戦しているが、直近の対戦である秋の関東大学リーグ戦(リーグ戦)順位決定リーグでは撃破し。その勝利を自信につなげ、準決勝の舞台に駒を進めたい。

(記事 小林理沙子、写真 林大貴)

※( )内はシュート数

結果
早大 ピリオド 大東大
3(15) 1st 0(7)
4(12) 2nd 1(6)
1(14) 3rd 0(5)
8(41) 1(18)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
早大 07:33 木綿 生江
早大 9:00 篠田 澤出 生江 PP
早大 15:38 杉本 篠田 PP
東北学院大 23:00 19
早大 25:12 前田 杉本 大塚
早大 26:09 木綿 生江 澤出
早大 35:02 伊東 小澤田 河田
早大 48:52 小澤田
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
前田 青木 杉本 吉野 務台
冨田 生江 澤出 大崎 篠田
小澤田 河田 伊東 住友 大塚
チェイス 大石 加賀美 草島 金井
GK谷口→GK村上
コメント(1回戦)

内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)

――きょうの試合を振り返って

内容はあまりよくなかったですね、点数はそこそこ取りましたけど。もう少し点数を広げないといけませんでした。また、ゼロで終わらなければいけない相手に対して、失点した事実がありますので、そこはいただけないのかなと。あすもまた強い相手なので、もう一回気を引き締め直していがなければいけないと思います。

――序盤に3点取った後は、パスレシーブなども雑になってしまいました

最初のうちはシュートリバウンドができていたんだけど、少し安心したのか、最後まで取った3点と同じようなホッケーができなかったというのが非常に大きなミスと言いますか、気の緩みなのかどうかわかりませんけど。最後まで3点取った時と同じようにシュートリバウンドを打たなければいけませんので。

――ピリオド間には選手たちに何を話されましたか

向こうは2つ回しであの人数で最後まで頑張ってきたと思います。それに対してうちは3つ、4つで回しているのに少しだらしないのかなと。4つ回しなら倍動けるはずなのに、早く相手を疲れさせてガス欠まで持っていかなければいけなかったんだけど、それができなかったと。というところはうちのだらしないところと向こうが一生懸命頑張ってきたというところが重なったんだと思います。

――あすは1部に昇格を決めた大東大との対戦となります

1部の仲間でもライバルでもありますので、明治や中央、東洋と同じ気持ちでやらなければ、スコアがひっくり返る可能性は十分にあります。そうならないように、今から準備をしなさいと言ったばかりですけど。あすはきょう3点取った足を動かしてパック守ってシュートをたくさん打って、たたいてそれが60分間できるかが勝負だと思いますし、それができなければあす負けてしまうかもしれませんね。気を引き締めていきたいと思います。

FWマッテオ・チェース(国教4=Camden Hills Regional High School)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

昨年のインカレの初戦は上智大戦で、結構快勝を収めることができたんですけど、今年は全然違いました。きょうの相手に対しては準備ができていなかったので、あしたの相手はもっと強いと思うので、この試合の反省を生かしてあしたも頑張りたいなと思います。

――きょうの試合ではゴールも決められましたが振り返っていかがですか

四年間あまり試合に出ることができなかったので、きょうは決めることができてうれしかったです。僕と同部屋の草島(DF草島芳彦、教3=東京・早実)のショットに合わせることができたのでうれしかったです。あとはクリスマスだったので、家族と過ごすべきだったんですけどその代わりにゴールを決めることができたので良かったです。

――ゴールを決めた時、仲間から何か言葉をかけられましたか

ナイスショットと言ってもらえて、最高の気持ちでした。

――ラストイヤーで迎えたインカレですが、この大会はどのような結果を残したいと思っていますか

今年のチームは昨年と比べると、ハリデーさん(ハリデー慈英、平31スポ卒=埼玉栄)とかロイさん(鈴木ロイ、平31教卒=北海道・苫小牧東)が抜けて戦力としては弱くなったかもしれないんですけど、今年のテーマは「どんな相手でもハードワーク」というのを掲げていて、その部分に対してはどんな相手に対しても勝っていると思うので、絶対にみんなで全力でプレーして勝ちたいなと思います。

――あしたの一戦への意気込みをお願い致します

あしたもみんなで力を合わせて頑張りたいなと思います。応援よろしくお願い致します!

FW木綿宏太(スポ1=北海道・駒大苫小牧)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

1ピリで自分2点決めて、その点は良かったんですけど、チームとしては自分たちのプレーができなかったので、次戦では改善できるようにしたいです。自分もしっかり点に絡めるようにしていきたいと思います。

――先制点と2点目を決められましたが、その点についてはいかがですか

澤出(仁、スポ3=北海道・武修館)さんがいいパスをくれたので、合わせるだけだったんですけど、そのパターンの得点が多いので、そのパターンをどんどん増やしていければいいかなと思います。

――序盤はパスレシーブがうまくいかなかった印象を受けました

自分は試合を通じて良くなかったかなと思います。自分はパスミスを多くしてしまったので、反省点かなと思います。チームとしても課題だったかなと思います。

――チームとしての改善点は

早大のいいところは運動量だと思うので、運動量を豊富にして基本的なことももっと突き詰めていかないと上位チームには勝っていけないと思うので、そこは改善していきたいと思います。

――自分たちのやりたいホッケーというのもそういうものでしょうか

そうですね。2つ目は点を取らないといけないセットなので、しっかりと点を取りにいきたいと思います。

――次戦は1部昇格を決めた大東文化大ですが、あすへ向けて

とても勢いに乗っているチームですし、足をすくおうという気持ちでくると思います。自分たちは足をすくわれないように、自分たちのホッケーで圧倒したいと思います。

コメント(2回戦)

内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)

――きょうの試合を振り返って

若干昨日よりはよかったかなという感じですかね。シュートを打ってリバウンドをたたくということができていて、試合勘が戻ってきてうちのホッケーを若干ですけど表現できたのが良かったと思います。

――昨日よりはやりたいホッケーができたということですか

比較的そうではありますけど、まだまだ足りないですね。あすはもっとうちのホッケーをやるようにと今言ってきたばかりですけど。もう少し走ってほしいですね。シュート数も少し足りないので。東洋相手には40本から50本は最低でも打ちたいので、そういうところでは点数を取るまでは良かったんですけど、点数を取って色気が出たのかパス回しに走ったところがあったのでそこは気に入らないですね。最後までシュートを打ってリバウンドをたたいてほしいと思います。

――あすはいよいよ東洋大戦となりますが、勝つためには何が必要ですか

シュート数で上回ること。運動量で上回ること。そして勇気を持つことですね。東洋は体が強いので、チェックを受けてもパックを離さないと、そういう勇気を持って臨みたいと思います。分は悪いのはよくわかっていますが、勝ったことにない相手ではないので、この間の勝利を自信にしてチャレンジしたいと思います。

FW伊東勢司(政経3=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

前回の試合で反省点が2点あって、1つ目がパスをつなぎ過ぎてしまった点、2つ目が体を使ってパックを守れていない点が反省点だったので、その反省点を改善しようとこの試合に臨みました。第2P途中からそういうプレーが多くなってきたので、そういう意味では非常に良かったかなと思っています。

――自分たちのやりたいレベルでのプレーはできたでしょうか

それはまだまだで、パスレシーブの簡単なプレーでミスが結構多かったので、そこをしっかりやっていかないと次の東洋戦では足元をすくわれてしまうので、そのあたりの完成度をどんどん高めていきたいと思います。

――2得点を挙げました。それぞれゴールシーンを振り返っていかがですか

2つのゴールで共通していることは「簡単にプレーした」という点で、自分がどちらも誰かに、隼弥さん(河田隼弥、教4=東京・早実)か匠さん(小澤田匠、スポ4=東京・早実)にパスをつないで、そこから簡単にシュートを選択してそのリバウンドを取ったという形でした。どちらも自分一人で点を入れたというよりは2人のFWのお陰だと思っています。

――あすは東洋大戦となりますが、意気込みをお願いします

この東洋戦というのは秋リーグで1勝して僕たちもいいイメージができている相手なのですが、簡単なプレーを正確にしないと、パスレシーブや体で守る簡単なプレーを正確にやらないと絶対に勝てない相手なので、そういう意味でしっかり気持ちを入れてプレーしていきたいと思っています。

FW前田悠佑(社3=東京・早実)

――試合を振り返っていかがですか

相手は入れ替え戦で日体大に勝って勢いのあるチームだったので、勢い負けしない
ように、また、次の東洋戦に向けてしっかりいい形で終われるように意識して臨みました。

――きのうと比べて試合の内容はいかがでしたか

昨日は立ち上がりがすごい悪かったので、きょうは修正していこうということで、立ち上がりをみんな意識して、体にあたって、ゴール前にパックを集めていけたなというふうに思っています。最後の第3ピリオドもいいかたちで終わることができたのですごい良かったな と思います。

――インカレ初ゴールとなりました。ゴールシーンを振り返っていかがです

ゴール前で立っていたら華唯(杉本華唯、スポ2=北海道・駒大苫小牧)がブレードに
合わせてくれたおかげなんですけど、インカレで初めて入れて緊張が解けたかなというふうに思っています。

――あすの東洋大戦への意気込みを聞かせてください

東洋は体も強くてスピーディなホッケーをしてくるので、そこでリーグ戦では勢い負けがすごい目立ってしまいました。この一発勝負のインカレでは勢い負けとか言ってられないので、第1ピリオドから相手に負けないぐらい足を動かして、相手を圧倒して次のステージに駒を進められたらなと思っています。