早大らしいホッケーで中大打破!

アイスホッケー

 間違いなく今季一番の出来だった。関東大学リーグ戦(リーグ戦)予選リーグも残すところ2試合となり、迎えた第13節。早大はここまで9勝し、勝ち点は27。対する中大は勝ち点26と、この日の勝敗が順位を左右する重要な一戦。「ベストと言えるくらい早稲田の目指すホッケーができていた」(DF務台慎太郎、スポ1=北海道・駒大苫小牧)というように改心のホッケーで強豪・中大に勝利を収めリーグ2位をキープすることとなった。

 どちらも負けられないこの試合、先にネットを揺らしたのは中大だった。PK(※2)の時間帯に立て続けにペナルティーを取られると、中大がチャンスをモノにし先制。しかし早大も負けてはいない。ゴール前で積極的にシュートを放ち、猛攻を開始する。持ち前の抱負な運動量を生かすことができなかった前節と比べると、見違えるようなアグレッシブなプレーで徐々に流れを自分たちの方に引き寄せる。それが実を結んだのは13分47秒、FW河田隼弥(教4=東京・早実)がGKとの1対1を決めきり、反撃の狼煙(のろし)を上げた。続く第2P(ピリオド)、FW杉本華唯(スポ2=北海道・駒大苫小牧)がブルーライン付近でパックを奪うとそのまま相手を振り切り、3試合連続となるゴールを決める。逆転に成功し勢いに乗る早大は、13分にもFW生江太樹(スポ3=北海道。釧路江南)が鋭いシュートでパックをネットに突き刺し、リーグ戦8得点目をマーク。第2Pは中大のシュート数をわずか4本に抑えるDF陣の奮闘もあり、理想的な試合展開で最終Pへ。

同点ゴールを放った河田

  3-1で迎えた第3P、2対1で攻め込みゴール前で務台が放ったパスが相手の足に当たり4点目。大きな追加点を手にした早大だったが、「自分たちの気の緩みにつながってしまった」と3点差の状況が凶と出てしまう。54分54秒に、中大の反撃の一打を浴びると、直後にも得点を許し一気に形成は逆転。試合終了まで1分を切ったところで、1点差を追い掛ける中大はGKをベンチに下げる6人攻撃を仕掛けてくる。ここでFW小澤田匠がパックを持ち、エンプティゴールとなるかと思われたが、ゴール前で背後からスティックを使われ転ばされてしまう。しかし、これが認定ゴールとなり残りの時間を守り切った早大に軍配が上がった。この日は上位校との対戦では、初のスタメンとなったGK村上隼斗(スポ2=北海道・駒大苫小牧)が60分間ゴールを守り切り、「上位校との試合で勝てたことは自分の自信につながった」と収穫の大きい試合となった。

リーグ戦8得点目と好調の生江

 「運動量は最後まで落ちなかった」(内藤正樹監督、平3二文卒=北海道・釧路湖陵)というように最後まで泥臭く足を動かし、前節で東洋大に敗戦した悪い流れを断ち切った。いよいよ次戦・明大戦が予選リーグの最終戦となる。首位を走る明大との勝ち点の差はわずか1点。勝利チームに勝ち点3が与えられるため、早大が明大を破れば、首位で順位決定リーグに進むこととなる。混戦が続くリーグ戦で、優勝の可能性を広げるために何としてでも勝利を手にしたいところだ。昨年あと一歩のところでリーグ優勝を阻止された明大に、雪辱を果たし順位決定リーグに進みたい。

※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。

※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。

(記事 小林理沙子、写真 菅沼恒輝、渡邉彩織)

※( )内はシュート数

結果
早大 ピリオド 中大
1(12) 1st 1(9)
2(17) 2nd 0(4)
2(14) 3rd 2(20)
5(43) 3(33)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
中大 05:29 徳光 矢島 宮本 PK
早大 13:47 河田 北村 小澤田 PK
早大 22:11 杉本
早大 33:00 生江 澤出 務台
早大 48:06 務台 杉本 青木
中大 54:54 中村 宮本 矢島
中大 55:15 矢島 宮本 徳光
早大 59:28 小澤田 EN
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
前田 青木 杉本 吉野 務台
木綿 生江 澤出 大崎 篠田
小澤田 河田 北村 住友 大塚
伊東 加賀美 草島 金井
GK村上
コメント

内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)

――連敗とはならず、勝利をつかみました

優勝するチームは連敗しないので、この間負けた後だったのできょうは何としてでも勝ち切りたかったですね。

――試合内容を振り返って

きょうはよく運動していたんじゃないかと。運動量は最後まで落ちなかったですね。ただ3ピリの後半で弱いプレーが出てきたので、そういうことをやっているとポンポンと2点入れられてしまいますね。中央は強いチームなので隙を見せてはいけませんね。最後まで強いプレー、前を向かせないプレーをしてほしかったですけど、気が抜けたのかわからないですけど、ちょっとひやひやさせられましたね。

――チェッキングなども含めて、昨年の早大にかなり近いプレーだったと思います

そうですね。きょうに関して言えば一生懸命運動していたんじゃないかな。早くいって速く寄せて相手に前を向かせない。そういうプレーが比較的できたんじゃないかと思います。

――きょうは村上選手を起用されました

よく頑張ったと思います。これで戦力になったのかと。周りも認めてくれるでしょうし。彼自身もこれからの練習が楽しくなるんじゃないでしょうか。きょうの一番大きな収穫かな。

――チームとして課題と収穫は

本当は60分間ずっと強いプレーをしてほしかったんですけど、 やっぱり3ピリの2失点かな。弱気になったのか安心したのかわかりませんが、最後までやりきらなきゃいけませんね。次は明治なので、そういうチャレンジする気持ちを体で表現できなければいけませんね。そこはもう少しトレーニングして、60分間戦えるチームを作っていきたいなと思います。

GK村上隼斗(スポ2=北海道・駒大苫小牧)

――リーグ戦では上位校との対戦で初のスタメン起用でした。どのように試合に臨みましたか

きょうの試合は、優勝するには絶対落とせない試合だったので、きのう先発を告げられたんですけど、自分が(シュートを)止めてチームを勝たせるという思いで臨みました。

――プレーを振り返っていかがですか

最初から中央に打たれてそれを結構止められたので、自分のペースに持っていけたんですけど、3ピリの最後に連続失点してしまったので、それは修正していかなければいけないと思います。

――勝ち切れたことは自信につながりましたか

上位校との試合で勝てたことは自分の自信につながったので、次の試合でも使われたら期待に応えようと思います。

――きょうの課題と収穫は

最後の最後でチーム全体で気が緩んでしまったので、その反省を生かして次の明治戦は全員で勝利に向かって臨みたいと思います。

DF務台慎太郎(スポ1=北海道・駒大苫小牧)

――きょうのゲームプランは

前回は足を動かして泥臭いホッケーで食らいつくという早稲田らしいホッケーができていなかったので、そういう点を改善してきょうはチャレンジしていけたらいいなと思ってプレーしました。

――きょうは早稲田らしいホッケー ができている様子でした

シュート数でも上回っていたし、足もきのうとは比べ物にならないくらい動いていてプレッシャーもかけられていたので、本当にきょうはベストと言えるくらい早稲田の目指すホッケーができていたのではないかと思います。

――終盤に連続失点を許してしまう場面がありましたがそこに関しては

やはり3点差っていうのは余裕があって自分たちの気の緩みにつながってしまっていたので、点差があってもできるだけ失点はせずに前でっていう意識を持って試合に臨むべきだと思いました。

――DF陣に関しての収穫や課題は

最後連続失点を許してしまって、失点をした後で自分たちのホッケーをいかに続けられるかというのが重要になってくると思います。失点したから自分たちのホッケーを変えるのではなくて、前で前でという意識を持って早稲田らしいホッケーを続けていくべきだと思いました。

――自身のゴールシーンを振り返っていかがですか

あれは2対1の局面で、本当はたぶんシュートを打った方が良かったのですが、パスっていう選択肢をとってしまって結果的に相手の足に当たって。それまでに自分がゴールに向かって走っていけたのが効果的だったのではないかと思います。

――次の明大戦への意気込みをお願いします

きょうみたいに足を使って素早いプレッシャーで自分たちに流れをもっていって、早稲田らしい泥臭いホッケーをしていければ明治にも勝てると思うので、そういう自分たちのホッケーを計画して次勝ちたいと思います。