早稲田らしいホッケーで、法大に快勝!

アイスホッケー

  関東大学リーグ戦(リーグ戦)第10節。上位リーグ進出へ向け着実に勝利を収めたい早大は、大事な一戦に挑んだ。試合は第1ピリオド(P)にFW杉本華唯(スポ2=北海道・駒大苫小牧)のゴールで早大が先制に成功。中盤は攻められる場面もあったが、第3Pに入ると得点を量産。終わってみれば5-0で快勝を収めた。

 第1P開始早々法大のペナルティーにより数的有利な状況に。FW生江太樹(スポ3=北海道・釧路江南)が強烈なシュートを打ち込むなど攻め立てるもゴールネットを揺らすことはできず。中盤にFW河田隼弥(教4=東京・早実)がの反則でコートを離れると、法大怒涛(どとう)の攻勢。ここは先制点を許すまいとディフェンスが奮起し、無失点に抑える。前半で得点を奪い優位に試合を進めたい早大は、FW杉本が右サイドでパックを受けると、壁際からゴール目掛けてスティックを振り抜く。パックはゴールに吸い込まれ、「久々のゴールだったのでうれしかったです」(杉本)と自身にとってもチームにとっても待望となる先制点を手にする。第2Pでも追加点を奪い波に乗りたい早大であったが、ペナルティーも重なり得点を奪うことができず。試合途中から空調設備の故障により会場内にもやがかかり始め不穏な空気が立ち込める中、GK谷口嘉鷹(社4=東京・早実)の好セーブにも助けられ1-0と緊迫した試合展開のまま最終第3Pへ。

先制弾を放った杉本

  ここまでシュートは打つも決めきれない場面が続いた早大であったが、「3ピリに入って運動量の差が出たかなと思います」(内藤正樹監督、平3二文卒=北海道・釧路湖陵)というように攻撃の手を緩めることなく得点を量産、第3Pはチームにとって理想的な試合展開となった。猛攻の口火を切ったのはFW生江。45分、FW澤出仁(スポ3=北海道・武修館)のシュート性のパスに合わせFW生江がゴール。チームに2点目をもたらす。勢いに乗った早大はここから5分おきのペースで得点を重ねる。まずはDF大崎大祐(先理4=青森・八戸)が「相手も全然来なかったので、ここは狙って打てるな」とフリーの状態でシュートを放ち狙いすましたゴール。続いてFW木綿宏太(スポ1=北海道・駒大苫小牧)が立て続けに2ゴール。「2点目はうまくいったかな」(木綿)と自身でも振り返ったように、一対一の勝負に勝ってのゴールは自信につながったに違いない。そのまま残り20秒ほどを守り切り、終わってみれば5-0の快勝を収めた。

2試合連続の完封の谷口

  攻めては5得点、守りでは要所を防ぎ切り完封と、「今季初めてのナイスゲームと言える試合でした」と内藤監督も褒め称える試合内容。この日、上位を争う明大と東洋大がともに敗戦し波乱の様相を呈するリーグ戦。「自分たちのやろうとしていたホッケーができたのかな」(大崎)というように、早大の目指すホッケーを体現し、法大から着実に1勝を挙げたことは間違いなく今後に繋がるはずだ。次戦は慶大戦。前節で現在リーグトップを走る明大に対し、慶大今リーグ戦初白星となる勝利を挙げ波に乗ってくるであろう一戦。早大らしいホッケーを見せつけ、慶応をK.Oだ!

※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。

※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。

(記事 涌井統矢、写真 鬼頭遥南 渡邉咲織)

※( )内はシュート数

結果
早大 ピリオド 法大
1(9) 1st 0(13)
0(11) 2nd 0(11)
4(15) 3rd 0(17)
5(35) 0(41)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
早大 18:48 杉本 務台 青木 PP
早大 37:29 生江 澤出 篠田 PP
早大 50:56 大崎 木綿 PP
早大 55:18 木綿 大崎 澤出 PP
早大 59:39 木綿 青木 大崎
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
前田 青木 杉本 吉野 務台
木綿 生江 澤出 大崎 篠田
小澤田 河田 北村 住友 大塚
大石 冨田 加賀美 草島 金井
GK谷口
コメント

内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)※囲み取材から抜粋

――試合を振り返っていかがですか

今季初めてのナイスゲームと言える試合でした。運動量も落ちなかったし、シュート数自体は負けているんだけど、パンチのあるシュートはうちの方が放っていて良かったと思います。運動量が多かったので反則ももらえたし、パワープレーでも決められたので。ただこういう試合を9月からやりたかったなと思いますが、きょうはよく頑張ったと思います。

――前回の試合で課題となった最初から足を動かす、というのはきょうはいかがでしたか

比較的できたんじゃないでしょうか。そうじゃないと勝てる相手ではないので。きょうは選手たちも自然にエンジンがかかっていたように見えました。

――杉本選手や木綿選手の久々のゴールも飛び出しました

しっかりPPで沈められたことは良かったんじゃないかと思います。前の試合で明治が慶応に対してシュートを打てるチャンスで打たないで、パスを回して負けてしまったので、うちはそうじゃなくてエントリーしたらすぐにシュートを打とうねと言っていました。最初のうちは法政も運動量が豊富で引き離すのは難しかったんですけど、3ピリに入って運動量の差が出たかなと思います。

――勝敗を分けた部分は運動量ということでしょうか

そうですね。反則をもらえるだけの運動をしていたということになるんでしょうか。そしてPPで珍しくしっかり決められたということなので、形としては理想的でした。

――次は慶大戦となります

きょう明治に勝っているので、非常にいい気分であすを迎えるんじゃないかなと思いますけど、我々も上位に行くために勝ち点3を落とすわけにはいかないので、きょうのような試合をしてしっかり勝ち点3を取りたいと思います。

――運動量は前回の日体大とそれほど変わっていないように思うんですが、観ていていかがですか

意志がありましたね。ただ漠然とやるんじゃなくて、こうしたいああしたいという意志がきょうはあったような気がします。そういうこともあって、パックは自分の方に転がってきたのかなと思います。

――サポートが良かったということですか

比較的、この間の試合よりは良かったんじゃないかなと。2番目の寄せとかも、法政に負けたくないという気持ちがきょうは選手に朝からあったので、それが表現できて良かったと思います。

――明治が負けたことで勝ち点1差となりました

今の段階ではあまり関係がないですね。実際うちはまだ明治に一回も勝っていないので。勝ち点1向こうの方が上にいるので、ちゃんと次に勝ってひっくり返さないと優勝は手に入らないので。相手は関係なく、その試合その試合戦っていくしかないですね。

DF大崎大祐副将(先理4=青森・八戸)

――前の試合から修正した点はどこですか

前回の試合からというか、毎回試合に入る前に「早稲田らしい基本に忠実に、足を使って走ってシンプルなホッケーをしよう」というのを毎試合心掛けていて、きょうもそれを試合前にチームで共有して、1ピリからそれをやるように心掛けてプレーするようにしました。

――実際に早稲田らしいホッケーはできましたか

1ピリ、2ピリはやろうとしてたところはあったんですけど、実際にはうまくできなくて3ピリに、陸トレの効果を出そうとみんなで気持ちを高めて、3ピリはシンプルに足を使って反則を誘ってそこから得点を取り、無失点で終わることができて自分たちのやろうとしていたホッケーができたのかなと思います。

――ご自身のゴールシーンを振り返っていかがですか

自分のところにうまくパックが転がってきて、相手も全然来なかったので、ここは狙って打てるなと思って打って入ってうれしかったです。

――シュート数は少なかったですが、5得点とゴールにつなげることができた要因は

やっぱりPPでのゴールが良かったのかなと。今まではシュートを打ってPPでは入らないで、5対5で打って打って(シュートが)入るというのが、今まで自分たちがやっていたホッケーなんですけど、きょうは5対5と時にシュートまで行けなかったのは課題なのかなと思うんですけど、逆にPPで得点を取ったというのがチームとしてプラスだったのかなと。それがきょうのシュート数が少ない中で勝てた要因なのかなと思います。

――DF陣の動きはいかがでしたか

無失点だったんですけど、DF陣の得点をつけるとすればまだ100点には遠いかなと。大分キーパーの嘉鷹(谷口、社4=東京・早実)に助けられたところも多くあったので、無失点ですけど課題は多くて、その課題をなくせるようにあすの試合、そして練習を通して修正してまた勝ちに向かってやっていきたいなと思います。

――あすは先ほど明大に勝利した慶応との対戦となります

慶応も明治に勝っていい流れで、いい気分で自分たちに向かってくると思うので、自分たちもそれに向かっていくようなチャレンジャーの気持ちで慶応のいい流れを止めて勝ちたいと思います。

FW杉本華唯(スポ2=北海道・駒大苫小牧)

――前回の試合から修正した点はありましたか

前回の試合は自分自身のシュートが少なかったので、とりあえずきょうは打てるチャンスがあったら打とうと思ってプレーするように修正しました。

――きょうの試合内容を振り返っていかがですか

前半苦しい展開が長く続いたので、チーム全体でキーパー中心に我慢できたっていうところが良かったと思います。そして後半はチャンスをいかして入れてくれたので本当に助かったなと思います。

――慶大戦以来の得点となりましたがお気持ちはいかがですか

久々のゴールだったのでうれしかったです。ですがもっとチームに貢献しないといけないと思っていて。これから先の試合ももっと得点に絡めるようなプレーをしてチームを助けていきたいと思います。

――ゴールシーンを振り返っていかがでしたか

ディフェンスの部隊が敵を引っ張ってくれていてもう自分は空いたところに打つだけだったので、ありがたいというような気持ちでした。チーム全体で協力してできたプレーだったと思います。

――あすの試合への意気込みをお願いします

きょう慶應も明治に勝って勢いに乗っていると思うので、気持ちでまず負けないようにしていい準備をして臨みたいと思います。

FW木綿宏太(スポ1=北海道・駒大苫小牧)

――法大に対してどのような戦い方をしようと考えていましたか

そうですね、相性は良いと思っていたのですが、夏とかは負けているので油断はできないなと。絶対に落とせない試合だったので頑張りました。

――実際の試合内容を振り返っていかがですか

ロースコアの展開で自分たちが目指している走るホッケーが少しずつできていると思います。このまま継続してあすも頑張っていきたいです。

――きょうは2得点でした。お気持ちはいかがですか

大学に入ってあまり点数とかに絡めていないので、きょう自分としては自信につながる試合だったかなと思います。

――ゴールシーンを振り返っていかがですか

1点目はパワープレーだったので、皆さんがいいプレーをしてて自分が空いたので決めるだけだったんですけど、2点目はうまくいったかな。一対一でしっかり抜けたのでうまくいったと思います。

――あすへの意気込みをお願いします

明日も優勝するためには絶対に落とせない試合なので2つ目なのですが、しっかり点を取って勝ちたいと思います。