ミスからの失点が響き、リーグ戦初黒星

アイスホッケー

 やはり東洋大は手強かった。無敗で迎えた関東大学リーグ戦(リーグ戦)第5節。ここまでの4戦とは打って変わって、この日から早大は上位校との対戦を迎えた。最初の対戦相手は東洋大。今季は2戦2敗と勝ち星をつかめていない相手である。試合は序盤から東洋大に攻め込まるが、中盤は拮抗した争いを展開する。しかし早大のミスを東洋大は見逃さず、すかさず得点。3-6のスコアでリーグ戦初の黒星を喫した

  試合開始からスピーディな試合展開となったこの日の一戦。やや東洋大優勢のスタートとなるが徐々に、両者無得点のまま10分間が経ち、先制点が大事になると思われた矢先。最所にネットを揺らしたのは東洋大だった。直後に迎えたPP(※1)でショートハンドゴールを決められると一気に0-2。しかし早大も負けてはいない。13分51秒、FW小澤田匠副将(スポ4=東京・早実)が左サイドから一閃。PPのチャンスを確実にモノにし1-2。第2Pは、東洋大に3点目を奪われたが、FW澤出仁(スポ3=北海道・武修館)が1対1を制し再び1点差へと持ち込む。しかし39分03秒、マークの遅れから2対1で攻め込まれると、簡単にゴールを許し2-4。今大会では初めてリードされて第2Pを終えた。

先制点を挙げた小澤田副将

 反撃に出たい早大は43分46秒、DF務台慎太郎(スポ1=北海道・駒大苫小牧)のスラップショットが決まる。リーグ戦開幕からアシストで得点に絡み続けていたルーキーは、「いつかはゴールを決めようという姿勢でいたので結果に表れて良かった」とリーグ戦初ゴールを振り返った。しかし試合の流れは早大には傾かなかった。マークミスから東洋大の選手にフリーのままパックが渡る。ノーマークゴールで5点目を献上。さらには終盤に6点目を決められリーグ戦初の黒星を喫することとなった。前日に指揮官は「まずシュート数で上回りたい」と口にしたが、この日の早大のシュート数は35。それに対して被シュート数は44。どのピリオドでも東洋大のシュート数を見ることはできなかった。

リーグ戦初ゴールを決め、ガッツポーズを見せる務台

  3-6での敗戦となったが、「相手が上手で入れられた点はなくて、自分たちのミスからくれてやった点ばかり」と内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)は失点シーンを振り返った。「まだチームとして勝ちに貪欲さが足りていなかった」(小澤田)というように、勝利への執念がまだ足りていないようだ。次戦からも中大、明大など強豪との試合が続くが、ミスを減らし気持ちのこもったプレーで氷上を躍動する姿を見せてほしい

※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。

※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。

(記事 小林理沙子、写真 宇根加菜葉 涌井統矢)

※( )内はシュート数

結果
早大 ピリオド 東洋大
1(11) 1st 2(14)
1(12) 2nd 2(18)
1(12) 3rd 2(12)
3(35) 6(44)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
東洋大 10:45 阿部 石倉
東洋大 12:44 清水 PP
早大 13:51 小澤田 青木 杉本 PP
東洋大 28:25 小堀 福田 清水
早大 35:44 澤出 青木 務台
東洋大 39:03 宮田 阿部
早大 43:46 務台 杉本 青木
東洋大 53:41 宮田 福田
東洋大 57:18 猪狩 久米 武部虎
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
澤出 青木 杉本 篠田 務台
木綿 生江 小澤田 大崎 大塚
北村 河田 伊東 草島 吉野
チェイス 冨田 大石 住友 金井
GK谷口
コメント

内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)

――試合を振り返って

完敗ですね。全ての面で負けていましたね。せめて気持ちだけでも勝ってほしかったんだけど、ハードワークして一生懸命動かないとダメですね。

――シュート数では上回りたいとおっしゃっていました

結局全てのピリオドでできなかったですね。それはやっぱり全て後手後手に回ったということでしょうか。勝った試合は先制点も取れていましたし、シュート数も上回っていたんですが、きょうの試合に限っては全て引っくり返ったということですね。

――失点シーンを振り返って

相手が上手で入れられたのはたぶん1点もなくて、自分たちの方からくれてやった点で、レシーブミスやマークミスやコミュニケーションミスでぶつかっている間に点を取られたり、そんなところなので非常にもったいない試合だったと思います。

――敗因としては

全てですね。基本練習をもっとちゃんとやらなければいけません。きょうは普段うちがやっている練習がそのまま出たとういことです。いい意味でも悪い意味でも。まだまだ東洋とは基本的には実力差があるので、もっとその実力差を埋めるべく運動しなければいけなかったんだけど、運動量も上回っていなかったですし、結局それがシュート数や点数の差に出たので。

――中大戦、明治戦と続きます

リーグ戦は負けても次の試合があるので、選手にはいつも言っていますが負けた後の時間の過ごし方、いい選手は負けた後や失敗した後の立て直しが早いチームや選手がいいチームでありいい選手だと思いますので、我々もそういう選手になりたいのでこれからきょうの反省を生かして一週間で穴埋めをしていきたいなと思います。

FW小澤田匠副将(スポ4=東京・早実)

――この試合を振り返っていかがですか

決めるところで決められなかったですし、相手に押されっ放しで自分たちに流れを持ってこれないまま終わってしまったのかなという感じはします。

――3点差での敗北ですが、勝敗を分けたポイントはどこだと考えられていますか

先ほど言ったように追い付き切れなかったというのもありますし、ボテボテの試合展開で自分たちの流れを持ってこれなくて得点が取れなかったのが、じりじり離されてしまった結果だったと思います。

――具体的な一番の課題は何だと考えられますか

練習からの影響もありますが、ミス一つや気持ちのこもっていないプレーなど、まだチームとして勝ちに貪欲さが足りていなかったのが敗因だと思います。

――反対に収穫はありましたか

自分たちに気持ちが足りていないというのが分かったことだと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

自分もまだ走り足りていないですし、得点に絡むプレーもできていないですし、体も張れていないですし、チームのためのプレーがまだ足りていないのかなと思います。

――この試合のゴールシーンについてはいかがですか

あれはたまたまです。

――次戦の中大戦に向けての意気込みをお願いします

中央は東洋とは違ったプレーヤーが多いですが、変わらず手ごわい相手なので、気を抜かずに2週間で修正して、次は勝利できるように頑張りたいと思います。

DF務台慎太郎 (スポ1=北海道・駒大苫小牧)

――今日の試合を振り返ってみてどうですか。

序盤もそうですが、相手が優位に試合を進めて負けたというよりは、自分たちのミスを相手に突かれて負けた試合だったので、自分たちのミスを改善していけば上位校と張り合えると思います

――敗因は何だと思いますか。

自分たちのミスからの失点、また、自分たちの得点した後に前向きになるのもわかるのですが、失点してしまったこともあるので、自分たちが得点した後の試合内容が今後の課題です

――ディフェンスの課題を教えてください。

フォワードが3点も取ってくれたのに、ディフェンスは6失点してしまったので、最少失点で終わることができるように頑張ります

――リーグ戦の初ゴールの気持ちを聞かせてください。

毎試合、アシストという形でポイントはできていて、いつかはゴールを決めようという姿勢でいたので、結果に表れて良かったです

――中央戦に向けて勝つための課題を教えてください。

上位校と張り合える力があるということが今日の試合でわかったので、自分たちのミスを減らして得点後の時間帯を大事にするという今日の課題を修正すれば中央戦の勝ちに繋がると思います