4年生全員が出場し最高のスタートを切る!

アイスホッケー

 1年の集大成を披露する日本学生氷上競技選手権がことしも始まった。初戦であるきょうの相手は福岡大。終始早大のペースで試合は展開し、23-0と圧倒的な強さを見せ勝利を収めた。最後は4年生だけでリンクに立ち得点を挙げるなど、最後の大会のスタートを良いかたちで迎えた。

 第1ピリオド(P)は関東大学リーグ戦(リーグ戦)でやってきたことを生かし、連携プレーで攻撃を進める。1分31秒、第1セットに入ったFW高橋寛伎(国教3=東京インターハイスクール)のアシストを受けたFW鈴木ロイ副将(教3=北海道・苫小牧東)がゴールを決め、幸先良く1点を先制。その後FW生江太樹(スポ1=北海道・釧路江南)の左からのパスにFW澤出仁(スポ1=北海道・武修館)が右から走って合わせ、2点目を挙げる。さらに4年生2人が意地を見せ、10分6秒にはFW瀬戸公大副将(スポ4=北海道・白樺学園)がシュートを打ち、これは惜しくもはじかれるがすぐさまFW田中創一郎(政経4=東京・早実)がゴールに沈める。このピリオドでは相手に1本もシュートを打たせず、総シュート数34-0で第1Pを終えた。

ハットトリックを達成した田中

 続く第2P、第4セットで久しぶりの得点。FW田村心(教4=埼玉・早大本庄)がゴールを狙い、はじかれたパックを左サイドからFWマッテオ・チェース(国教2=米国・カムデンヒルズリージョナル)が押し込みこの試合9点目を挙げる。これですべてのセットでゴールを決めた。第3Pでは4年生の活躍が光った。相手との点差も離れ個人の力強いシュートが増える。44分29秒、高橋が打ったシュートをDF野村光平(人4=米国・ウッドブリッジ)が左から押し込む。野村の4年目にして初の公式戦ゴールにチーム全員が沸いた。さらに残り2分半で早大はタイムアウトを取ると、4年生でセットを組んで出場。普段同じ時間にリンクの上に立つことのない6人が、全員でゴールを目指した。「四年間頑張ってきた同期と一緒に同じ時間に同じ氷に乗れたことが本当に幸せでした」(野村)。最後は残り11秒で瀬戸のシュートを田中が押し込み、大きな意味を持つ1点を挙げる。最終スコア23-0で大勝した。

大舞台で待望の公式戦初ゴールを決めた野村

 反省点を挙げるとしたら何度か反則を取られてしまったことだろう。しかしキルプレー(※1)の時間でもパックをキープし、逆にパワープレー(※2)の時間はしっかり得点につなげることができていて、最後まで流れのいい試合だった。4年生でセットを組み、「2分半長くて辛かったんですけど、それ以上に楽しかった」と田中が語るように、最後の大会を最高のかたちでスタートした早大。あした以降の試合に期待がかかる。

※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。

※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。

(記事 阿部かれん、写真 熊木玲佳、冨田千瑛)

結果
早大 ピリオド 福岡大
6(34) 1st 0(0)
8(30) 2nd 0(1)
9(38) 3rd 0(3)
23(102) 0(4)
※( )内はシュート数
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
早大 01:31 鈴木 高橋 飛田
早大 05:12 澤出 生江 矢島
早大 10:06 田中 瀨戸 小澤田
早大 10:29 飛田 鈴木
早大 15:29 鈴木
早大 18:33 高橋 坂本 PP
早大 23:17 新井
早大 23:45 生江 澤出
早大 25:28 チェース 田村
早大 26:24 飛田 生江
早大 27:48 鈴木 PP
早大 30:14 坂本 飛田 PP
早大 35:48 矢島 澤出
早大 35:58 田中 瀨戸 羽場
早大 43:21 高橋 野村
早大 43:35 矢島 生江
早大 44:29 野村 高橋 PP
早大 44:34

矢島
早大 44:52

生江 矢島 澤出
早大 46:47

鈴木 高橋
早大 52:49

澤出 篠田 矢島 PP
早大 55:23

飛田 鈴木 PP
早大 59:49

田中 瀨戸
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
飛田 鈴木 高橋 坂本 新井
矢島 生江 澤出 篠田 ハリデー
田中 瀨戸 小澤田 羽場 大崎
チェース 田村 大石 野村 吉野
GK草島邦→谷口→草島邦
コメント

DF新井遥平主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――試合を振り返って

無失点はもちろんのこと、無反則という目標を掲げていたのですが、反則が多かったのでそこは気になるポイントでした。

――八戸に来てからのチームの状態はいかがですか

南部山合宿からしっかり走って、合宿の目標であるあと一歩というところを意識してやってきました。パスレシーブとかは甘い部分があったので、その点に関してはまだまだだったのかなと思います。

――ご自身のゴールシーンは振り返っていかがですか

あれはラッキーなゴールでした。高橋(寛伎、国教3=東京インターハイスクール)がゴール前に入ってきていたから自分のシュートが生きたのかなと思います。

――他の4年生の活躍についてはどう感じましたか

自分たちとしては最後の戦いなので、それぞれの思いを胸に自分のできることを最大限にした結果、得点やアシストにつなげることができました。同期の活躍を見られることはうれしいことだし、そういうかたちで勝利できてよかったです。

――残りの2分30秒間は4年生6人で氷上に上がりましたが、どんな気持ちで戦っていましたか

今まで同期でセットを組むことは一度もなかったので、最後に同期と一緒にプレーできたことはうれしかったです。大袈裟な言い方になりますが、幸せな時間でした。

――最後に、あすの試合に向けた意気込みをお願いします

反則やパスレシーブの細かいミスはあしたからは失点につながってしまうと思うので、もう一度気を引き締めて、勝てるように、きょうからまた準備していきたいです。

FW田中創一郎(政経4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

最後の大会の最初というところで、自分は少し緊張して入ってしまった部分もあったんですけど、点差が開いて少しずつ緊張がほぐれて、結果的には大勝というかたちになってよかったかなと思います。

――きょう3本シュートを決めて、いずれも同期の瀬戸公大副将(スポ4=北海道・白樺学園)のアシストでしたがいかがでしたか

いいシュートだったりいいパスだったりをくれて、ありがとうという感じです(笑)。

――きょうの同期のみなさんの活躍はどう思われますか

やっぱり野村(光平、人4=米国・ウッドブリッジ)の初ゴールに尽きると思うんですけど、最後に決めてくれて同期として本当によかったです。

――最後2分半、4年生のみなさんで出場されましたがいかがでしたか

まず、2分半長かったです(笑)。辛かったんですけど、それ以上に楽しかったです。きょうの5人でセットを組んだことは今までなかったですし、4年間一緒にやって来た人たちと組んでプレーするということが1回でも実現して、最後も決められてよかったです。

――第3セットの調子はいかがでしたか

きょうもいつも通りゴールにシュートを集めて粘り強く拾ってつなぐというプレーをやれていたので、あした以降も同じようなプレーをしていきたいと思います。

――最後に改めてあしたへの意気込みをお願いします

あしたからも負けたら終わりの試合なのでひとつひとつのプレーを全力で死にものぐるいでやりたいと思います。

FW田村心(教4=埼玉・早大本庄)

――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか

< p>きょうは20点以上取って、被シュート数は0で、反則はなしという目標でした。しかし、得点はよかったと思いますがシュートは打たれていますし、反則も多かったので、そこは修正していきたいなと思っています。

――本日、アシストとして得点に絡んだプレーも見られました

あの時はチェースが真ん中を走ってくれたので、キーパーのパットに当ててリバウンドが出て、それを入れてくれたらいいなと思って。打ったらその通り入れてくれたのでよかったです。

――きょうの試合は、4年生の活躍も多い試合となりましたが

そうですね、みんなで一緒にプレーできる機会は最後なので。そういった意味で、同期が活躍したり、野村(光平、人4=米国・ウッドブリッジ)が初ゴールを入れたりといったことも多くて、すごくいい試合になったなと思います。

――試合ラストには4年生だけでのプレーもありましたね

先程の答えと被る部分もありますが、最後の大会なので、みんなでプレーできることがうれしくて。フェイスオフの時に少し泣きそうになりました(笑)。最後にみんなで点も入れることもできたので、よかったです。

――あしたの試合に向けて意気込みをお願いします

あしたの立命館大学は関西で2位のチームで、油断していたら絶対に負けてしまうと思うので。しっかりきょう以上のパフォーマンスを、みんなで発揮したいと思います。

DF野村光平(人4=米国・ウッドブリッジ)

――きょうの試合を振り返って

やはり相手がどんな相手であれスピードを落とさないということと、自分たちのホッケーをやるということができたのかなと思います。その結果無失点で終われましたし、23点という大量得点ができたのかなと。

――ご自身もゴールを決められましたが、あの瞬間はどう振り返りますか

公式戦では四年間入れたことがなかったので本当にうれしかったですし、アシストをくれたのは高橋(寛伎、国教3=東京インターハイスクール)だったのですが、いつも一緒にプレーして仲良くしているのでアシストをもらえてよかったです。

――チームメートのみなさんも喜んでくれましたね

そうですね(笑)。あの場面は一生の思い出になりました。

――きょうは同期である4年生の活躍が目立ちました

瀬戸(公大副将、スポ4=北海道・白樺学園)が結構いいパスを回して試合を動かしていたのかなと思いますね。この試合から僕たちの最後の大会で、4年生としてどんどん声を出して後輩たちを引っ張っていけたらいいかなと思っていたので、一人一人がそれぞれの役割を果たせたかなと。

――特に最後の2分30秒は4年生6人での出場になりましたが、どのような思いがありましたか

あんなことはおそらく一生ないと思うので(笑)、ここまで四年間頑張ってきた同期と一緒に同じ時間に同じ氷に乗れたことが本当に幸せでした。

――最後に、あすに向けて意気込みをお聞かせください

あすの相手は立命館になると思うのですが、どんな相手であれ最初に話した通りやるホッケーは変わらないので、チーム全体が早大のホッケーをやり切って勝ちにつなげられればなと思います。

FW高橋寛伎(国教3=東京インターハイスクール)

――まずは今日の試合を振り返っていかがですか

インカレ(日本学生氷上競技選手権)の始まりとして、流れをつくるっていう重要な試合だと思っていたので、相手関係なくワセダは全力で一つ一つのプレーの重みなども考えてプレーしていました。

――関東大学リーグ戦か終わってから第1セットに入られていて、きょうの試合の初得点も第1セットでのアシストでしたが

第1セットのロイ(鈴木 、スポ3=北海道・苫小牧東)と烈(飛田 、商3=東京・早実)は高校や中学から一緒にやっていたりして、それなりに相性がいいと練習から思っているので、それと一緒に結果が出てきたのかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

たしかに何度か点は取ったんですけれど、もっと上位チームやもっと後の試合になると、チームとしても個人としても足りないかなと思っているので、少ない時間ですけどそこの間で修正してワセダが全力を出せるようにしたいと思います。

――あしたの試合に向けて、お願いします

あしたは関西の中ではすごく強いチームだと聞いているので、決して油断せずにワセダの100パーセントを出して、次に進みたいと思います。