あす、いよいよ日本学生氷上競技選手権(インカレ)が開幕する。早大が目指すのは、もちろん日本一。インカレ直前特集最終回では、ここまでの戦いぶりを振り返りつつ、今大会を展望する。
★どこからでも点が取れるFW陣。カギを握るPP時の得点
第3セットの攻撃、PP時の攻撃でキーマンとなる高橋
今季のFW陣が一番に意識してきたことは、シュート数を増やすこと。特に好調だった関東大学リーグ戦(リーグ戦)の二次リーグでは、1試合平均41.6本のシュート数をマークしており、その意識が数字として表れた。個人技ではなく、全員でゴールに向かって泥臭く1点をもぎ取るのが、早大のスタイルだ。得点源として期待されるのは、経験豊富なゴールハンターがそろう第1セットと、ルーキーながらここまでゴールを量産してきているFW澤出仁(スポ1=北海道・武修館)ら下級生が主体の第2セットだ。それに加え、二次リーグからは第3セットも機能。後半の好調ぶりが目立ったFW高橋寛伎(国教3=東京・インターハイスクール)らがゴールを割れば、チームが活気づくに違いない。一方、伸び悩んだのはパワープレー(PP)時の得点。大学交流戦苫小牧大会(サマーカップ)では13得点中8得点がPP時のものであったのに対し、リーグ戦では全48得点中9得点のみ。まずは相手の反則をもらい、数的有利の好機を生かしたい。
★成長見せたDF陣。捨て身のプレーでゴールを守る
守りの意識を高めゴール前を固めてきたDF陣
チーム全員で『システム』を重視してきた今季の早大。相手FW一人一人にマークをつけ執拗(しつよう)にチェックを仕掛ける、ゴール前ではシュートレーンに入り敵のシュートを防ぐ。細かな決め事を徹底したことが実を結び、リーグ戦終盤は守りの堅さが際立った。リーグ戦14試合を通した被シュート数の平均は、昨季の33.9本から今季は28.7本まで減少。またGK谷口嘉鷹(社2=東京・早実)が正GKと呼ぶにふさわしい働きを見せるようになったこともあり、チームの守備力は格段と向上した。しかし、油断は禁物。小さなミスが大量失点につながった試合もあっただけに、ここまでやってきたことを大舞台でもやり通すことが重要となる。
★ヤマ場は準々決勝。ジャイアントキリングなるか
明大キラーとなりつつある草島邦
1回戦で当たる福岡大、2回戦で当たると予想される立命大は、いずれも各地区のリーグ戦で上位に名を連ねる実力校。ただ、ここで負けるわけにはいかない。最大のヤマ場は、順当にいけば準々決勝で当たることとなる明大戦だ。明大は今季、関東大学選手権、サマーカップ、リーグ戦を制しており、『四冠』に王手をかけている。公式戦ではリーグ戦で二度対戦し、1-8、2-6といずれも力負け。一次リーグでの対戦時はラッシュからの失点、二次リーグでの対戦時はDゾーンでの失点が目立った。失点を最小限に抑えロースコアの展開に持ち込むことができれば、勝機は見えてくるはずだ。また明大戦での活躍が印象的なのがGK草島邦彦(社4=東京・早実)。2試合とも途中出場で好守を連発しており、今大会でも出場機会があればチームを救ってくれることだろう。
インカレは3年連続でベスト8止まり。今大会も厳しい戦いが予想されるが、鬼門の準々決勝で勝利をつかみ、頂点まで駆け上がりたい。4年ぶりの優勝へ。今、一つになる時が来た。
(記事 川浪康太郎、写真 加藤佑紀乃、冨田千瑛)
★試合スケジュール
1回戦 12月25日(月)10:30~ @テクノルアイスパーク八戸
2回戦 12月26日(火)8:30~ @田名部記念アリーナ
準々決勝 12月27日(水)8:30~ @テクノルアイスパーク八戸
準決勝 12月28日(日)14:00~ @テクノルアイスパーク八戸
決勝 12月29日(月)14:00~ @テクノルアイスパーク八戸