「自分たちのホッケー人生のぶつかり合い。どれが1番正しかったか、誰が1番強いのか」――。日本学生氷上競技選手権(インカレ)は4年生にとって特別な意味合いを持つ。そして、これまでタイトルに手が届かなかった4年生にとってはなおさらだ。今回はDF新井遥平主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)、GK草島邦彦(社4=東京・早実)、FW田中創一郎(政経4=東京・早実)の三人に、インカレ前の心境を伺った。
※この取材は12月5日に行われたものです。
「大事になってきますよね、1試合1試合」(田中)
田中
――みなさんにとって最後の関東大学リーグ戦(リーグ戦)が終わりましたが、改めて全体を振り返っていかがですか
草島邦 自分たちの中で目標を優勝と掲げていて、結果4位と自分たちの満足のいく結果ではなかったんですけれども、その中でも最後(東洋大戦で)勝てた(〇3-0)というのは大きかったですし、4位と5位というのは次年度の(リーグ戦の)戦う順番が全く変わってくるので、本当に最低ラインはギリギリ守れたのは不幸中の幸いというか、最低限よかったなという感じですね。
田中 草島も言っていたように、優勝というものを目指している中での4位というのは、自分としても、もちろんチームとしても満足のいく結果ではなかったです。しかし、例えば去年とことしを比較した時に戦力であったり、チーム力であったりという面では差があったと思うのですが、順位は一緒でも勝ちの数とか試合内容でいうと去年よりいい試合ができたという場面も多かったです。自分たちでやろうとしていることが、終盤になるにつれてかたちになってきたかなというのは感じます。
新井 本当に二人の言ったことと重なるんですけど、優勝を目指してきた中で4位というのはまだまだ満足できるものではないです。ただ秋リーグで得た収穫はすごく多いと思うので、それをこれからに生かすためにも1週間の練習をしっかり仕上げて、インカレ優勝できるように取り組んでいきたいと思います。
――最後のリーグ戦でしたが、やはり思い入れがありましたか
新井 そうですね。14×4で56試合もリーグ戦やってきているので…(笑)。思い返したらいろんな試合があったなと思っていて。そういうのも考えながら1試合1試合プレーしていました。毎年最終戦に北海道から親が応援に来てくれるんですけど、1年生、2年生、3年生の時は勝てずに終わってしまっていて。最後の秋リーグ、東洋大戦で勝つことができたので、個人的には親に東京で勝利を見せることができてすごくうれしかったです。
田中 春も、夏も、秋も、これからもそうですけれど、秋リーグも、最後。アイスホッケーを続けるのも、最後ということになってきて。振り返ると1試合1試合これが最後なのかなと。例えば、東洋大とやるのは最後かもしれないな、とか中大と公式戦でやるのはもしかしたら最後かもしれないなとか。そういうことを考えながら…。大事になってきますよね、1試合1試合。かみ締めてプレーしていました。
草島邦 「秋リーグは始まったらもう一瞬だ」という話をしていて。これが終わったら残りインカレということで、この3カ月間ただ単に過ごしていたら一瞬で終わってしまうというのをすごく考えていて。最後のリーグ戦、1試合1試合もそうですし、1回1回の試合に向けての練習も1回ずつかみ締めながら。数えられるくらいしかチームと一緒に練習も試合もできないので、常に3カ月間考えながら生活していたリーグ戦でした。
――1次リーグ終了時点で3勝4敗と勝ち越すことができずに終わりましたが、その時はどのような気持ちでしたか
新井 6位で1次リーグを折り返すことになったのですが、そこで下を向いてというかマイナスなイメージを持った状態でスタートをしていなくて。去年はそこで1次リーグを引きずった結果、2次リーグの初戦から2敗と5連敗するというかたちになってしまったので。やはりそれではだめだというのは自分たちでも分かっていたので、ミーティングでどういう対策をしたら勝てるかと話し合いました。その結果3連敗はしましたけど、そこから4連勝というかたちにつなげられたので、1次リーグの3勝4敗ということに関してはもちろんいい結果ではないのですが、そこで過ぎてしまったことを後悔するよりも次に生かすことをミーティングで話し合ってやって1次リーグの後切り替えられたのはよかったんじゃないかなと思います。
田中 ほとんど同じになっちゃうんですけど、正直に言うと3連敗して1次リーグを終えた時にちょっとだけ自分の中では去年の5連敗が頭をよぎっていた部分もあって。ただことしは去年と違って、3連敗した後2次リーグの初戦に向けてどうするという話を具体的なところまで話し合って対策を立ててということをやっていました。若干の不安は残っていないと言ったら嘘になるのですが、でも結果的にはいいかたちで2次リーグの頭から入れたのでよかったです。
草島邦 自分たちも3勝4敗で、2次リーグの勝ち点が並んでいるチームがあって、昨年の順位よりは下のチームに負けていたら上には絶対にいけないので本当に一つも落とせないという思いがすごくありました。1試合1試合ドキドキというのが合っているかなんて言ったらいいか分からないのですが、1試合1試合死に物狂いでみんな戦っていました。その結果、上位校を残した時点で4位以上が決まっていて、あとは自分たちがどれだけできるかという挑戦権を得られたのは本当に自分たちが毎試合毎試合ミーティング重ねてきた結果がいいかたちで表れたと思います。
――2次リーグは5勝2敗で、最終戦の東洋大に勝てたのは大きいとも話されていましたが、チームは後半からかみ合ってきたという感じですか
田中 かみ合ってきたというよりは、目指していたものがだんだん精度が上がってかたちになったかなという感じですね。
草島邦 今までは特にかたちを決めてやってきていなくて、漠然とプレーをするというか…。ことしは新たにシステムを導入してやったので、時間はかかりましたけど、みんなそこにすごくいいかたちで適応していって。それが最終的に結果に結び付いていいかたちでリーグ戦を終えられたのかなと思っています。
――今季のリーグ戦だけでも14試合ありましたが、どの試合が一番印象に残っていますか
新井 たぶん東洋大戦という人が多いと思うんですが、個人的には2次リーグの中大戦(●2-5)です。途中まで2-2で、3Pに勝ちたい気持ちがあって。中大に4年間公式試合で勝ったことがなくて、さっき創一郎が言ったようにもしかしたら公式戦で中央と戦えるのは最後かもしれないというところで。個人的には同期が4人もいて、いつも試合をするのも楽しいくらいのチームなんですけど、その相手にどうしても勝ちたいなという気持ちがありました。負けてはしまったのですが、途中までいい試合をしていて。本当に悔しさの方が大きかったですが、やっぱり中大とは試合していて楽しかったな気持ちは個人的にはあったので中大戦がすごく印象深いです。
草島邦 勝ってうれしかったのはもちろん東洋大戦ですけど、印象に残っているというより個人的によかったのは2次リーグの明大戦(●2-6)です。自分が2Pから出て、1失点はしてしまいましたが自分の中ではある程度満足いくプレーができて、個人的によかったなという試合ですね。
田中 俺に東洋残しといてくれたの?ありがとう(笑)。
新井 あえてだぞ。なぜかも別に言わないからな(笑)。
田中 東洋大戦ですね。サマーカップ(大学交流戦苫小牧大会)と1次リーグは結構シーソーゲームで拮抗(きっこう)した試合の中で、勝ち切れずに。ただ、自分たちの中でもある程度東洋大に対して手ごたえをつかんでいる部分があったと思っていて、それで2次リーグの東洋大戦に臨みました。あの試合はチームの課題だった得点後の気持ちが浮かれてしまうところだったり、パックや相手から目をそらしてしまうところだったり、そいうのをチーム全員で共有した結果、チーム全員が目指している方向に向けて一つになっているなというのが印象としてありました。結果的に完封、3-0という試合ができてすごくうれしかったです。
草島邦 それで終わりでいいの?個人的に得点できましたは(笑)?
田中 個人的に得点できたのもすごくうれしかったです(笑)。あえて言わなかったんだよ、こんな欲しがってるやつみたいになっちゃう(笑)。めちゃめちゃうれしかったです、得点できたの。
新井 知ってます。
――お二人も見ていて田中選手の得点はうれしかったですか
新井 そうですね。普段あまりないんで、絶好のチャンスでもあんまり入れないんで。
田中 早スポの東洋大戦のインタビューもそんな感じだったよね。
新井 うん。得点キャラじゃないですけど、同期としてはうれしかったです。
――草島邦選手は明大戦2試合で途中出場されましたが、明大に対してはどのようなイメージを持っていましたか
草島邦 まず、サマーカップや1次リーグを見ていて彼らは圧倒的な攻撃力を持っていて、実力としては日本一のチームというのもみんな承知していましたし、向こうの攻め方や特徴的なプレーも分析して分かっていました。なので、どういう攻め方をするのかを念頭に置いて守っていました。「メイジといえば首振り」ともコーチはよく言っていて、気持ち悪くなるくらい首振ってました。
――首振りとはどういうことでしょうか
草島邦 すごく人数をかけて攻めてくるんです。例えば他のチームだったら2人で攻めてくるところを4人で攻めてくるので、4人がばらばらにいるので相手のどこの選手がどこにいるのかというのが、首を常に振って把握しなければならないんです。
――1次リーグに比べて2次リーグの方が、明大に対して上手く対応できたのですか
草島邦 そうですね。
――1次リーグと2次リーグで変えたことはありますか
草島邦 1次リーグの時は少し自分に自信がない時期で、プレーに迷いがあったんです。いくら相手がどのかたちで攻めてくると分かっていても、自分のプレーに迷いがあったらいいパフォーマンスもできないと思うので。それが1次リーグではうまくいかなかった原因かなと思っています。
――田中選手は第3セットで出場されていますが、第3セットで初得点を挙げたのは2次リーグの法大戦(〇5-1)でした。それまでなかなか得点できなかったことに関して焦りはありましたか
田中 すごくありました。
――その期間はどのように動きましたか
田中 セットとして守りが第一というのはありました。ただ攻撃の時はチーム全体としてもそうだったと思うのですが、とにかくゴールにシュートを集めていく、シュート数を多くするというのに意識を置いていました。そうすれば、ちょっと楽観的な見方になっちゃうのかもしれないですが、いいところに転がってくれるかもしれないし、ゴールに入ってくれるかもしれないしというようなことを考えてはいたのですけど…なかなか結果は表れず。でも、かたちもやっていることもそこまで間違ってはいないと思っていたのでそのまま続けようということになりました。
――2次リーグの法大戦後にはFW鈴木ロイ副将(教3=北海道・苫小牧東)が「第3セットが勢いづくとチームも勢いづく」と話されていました
田中 じゃあ、もっと盛り上げられるようにしたいなと思います。
――後半戦では第3セットは好調を維持していましたが、その要因には何が挙げられますか
田中 一番大きいのはマロ(DF坂本之麿、社3=青森・八戸工大一)が帰ってきたことかなと思います。あんまり言うとあの子調子乗るんですけど(笑)。でも、かなりオフェンシブになって。守れる上で攻めることもでいるDFが入ってきて、シュートだったりパスの選択肢だったりも彼がいることで増えたのが、結果に結び付いた一番大きなところかなと思っています。
――例年よりミーティングを多くしたと以前の取材でお聞きしたのですが、いつ頃から増やしたのですか
新井 秋リーグ入ってから週に2回ミーティングしていたので、秋リーグからすごく多くなったのかなと思います。
――どういったきっかけでミーティングを多くしようとなったのですか
新井 ミーティングを重ねることでチームがよくなることは分かっていましたし、ことしはどのチームが相手でも油断しないことをテーマに掲げて試合していました。そういう点で去年と違って下位のチームだから大丈夫だろうとかいうことはなく、どんな相手でも対策を練ってやろうということからミーティングをしようということになっていました。相手を侮らないことをきっかけにミーティングが増えたのかなと思います。
――それが結果としてもいい方向につながりましたか
新井 そうですね。やはり春(関東大学選手権)7位ということで終わっているので決して強くないチームというのは分かっていましたし。結果4位なんでいい結果とは言えないんですけど、春よりはいい結果になったのかなと思います。
「一番…なんだろう。一番チームが好きかな」(新井)
新井
――4年間一緒に過ごしてこられて、それぞれの印象は最初と変わりましたか
新井 いや、変わんないですね。
田中 ないですね。
新井 すごい考えなきゃいけないぐらいには(笑)。
――引退まであと1カ月、卒業まで3カ月ですが、実感はありますか
新井 あまり実感はないといいますか、あと1カ月で終わっちゃうんだな、ぐらいの。本当に気付いたらここまできているので。あと、3カ月で卒業というよりも、どっちかというとあと1カ月で引退なんだなっていう方が大きいので、本当に1日1日を大切にしなきゃいけないのかなって、日々感じて過ごしています。
田中 さっきクニが秋リーグ始まったら一瞬だっていう話をしてましたけど、本当にその通りで、夏に苫小牧行って帰ってきたと思ったらもう終わってたみたいな。毎週毎週、対策して練習して試合してっていうのを14回。一瞬で終わっちゃったなっていうのがあって。もうやっぱり練習も数えるほどしかないですし、試合なんてもっと少ないっていうのはあるので、さっき遥平も言ってたように、1回1回大事にしなきゃなっていうのは思います。
――この1年は短かったですか
新井 そうですね、4年目が1番短くて。言われてきてましたけど、本当にその通りだなって思います。
――大学の4年間で今だから笑えるエピソードはありますか
草島邦 俺はあれだな、1年の時の学校に行くつもりが結婚式場に行く格好してたっていう。
新井 私服のセンスがあまりよろしくない時期があって、1年生の時に(笑)。それで本当にかっちりした、もうすごくて。
――スーツみたいな格好ですか
新井 スーツみたいな感じで。「え、おまえどこ行くの」って言ったら「いや学校だよ」って。「本キャン生はみんなこんな感じだよ」って。
田中 いやいやいや、そんなことはない(笑)。
新井 自分所キャン生なんで、本キャン生がどういう人か分からなかったんですけど。「こういう感じなんだよ」って言われたから、「おお、そうなんだ」って言って、ふたを開けたらとんでもなかったっていう(笑)。自分はもう笑えなかったですけどね。
一同 (笑)。
新井 あ、やばいなって普通に思って。似合ってなくて、申し訳ないですけど言うの、本当にひどくて(笑)。
草島邦 入学してすぐとかだよね?なんなら1週目、2週目で。
新井 いや、5月ぐらいだったよね?
田中 うん、遥平が全然来たばっかりであんま知らない頃でしょ。
新井 そうそう、5月頃。 ひどいっす。見せたいぐらいです。
新井 なんなら写真いろんなところに出てるよ。
田中 後で写真撮るときに着てもらえばいいじゃん。
一同 (笑)。
――その服まだあるんですか
草島邦 いや、もうないです(笑)。着れないです、さすがに。
――4年間でつらかったことは何が挙げられますか
草島邦 今週の土曜日とか?
田中 いや、つらいであろうことだろ、それは(笑)。
――今週の土曜日に何があるんですか
草島邦 いや、トレーニングが。
田中 ことしのトレーニングはつらかったです、トレーナーが代わって。
新井 4年間で1番つらかったです。しかも体脂肪率を落とすって言う話を聞いたことあると思うんですけど、落として8キロくらい体重絞って。ガリガリになったか分かんないですけど、もともとやっぱり気付いたらかなり太ってたんだなって思いました。
田中 なってたよ。
新井 なってた?草島と二人でスーパー行って、鶏のムネ肉、あの低脂肪のをカロリー計算とかしながら、ご飯の代わりに豆腐とか食べて。なんだよこの飯みたいな(笑)。
草島邦 悲しくなるもんね、マジで。
田中 みんな言ってたよね、みんななんか変なもん食べてたし、あの時期。
新井 ササミをチンして食べて。ひどい人はもやしをお湯でゆがいてそれで食べたりしていて。
田中 こんにゃく食べてた人いたね。
草島邦 あの時期はまあ地獄だったね。
新井 まあ地獄。陸トレつらいし、食事制限つらいし、つらい時期でした。つらかったです。
田中 俺ちゃんと食べてた?
新井 うるせえ。
田中 ごめん。
一同 (笑)。
――食事量は人によりけりなんですか
新井 この彼(田中)もスラっとした体型、4年間こんな感じなんで、引き締まっているのでずるいですね。
田中 引き締めてんだよ、努力の成果で。
新井 うるさいっす。
一同 (笑)。
――草島邦選手は半年以上部の中で弟のDF草島芳彦選手(教1=東京・早実)と過ごされて、以前と変わったな、と思うところはありますか
草島邦 弟はウエートトレーニングしかやらないので、確かにガタイは入部当初よりもすごいよくなったなってのはありますね。
――草島邦選手も趣味が筋トレとホームページで見ましたが
草島邦 そうです(笑)。引退したらラック買おうかなって思ってます。
新井 ばかだな、おまえ(笑)。
草島邦 それしかないっしょ。
田中 でもあれでしょ、見せ筋しか鍛えないんでしょ。
草島邦 そりゃそうだよ、上半身しか見えないんだから。
一同 (笑)。
――ことしのインカレはクリスマスと重なりますが、皆さんの理想のクリスマスはどのようなものですか
草島邦 1番いいのは、女の子と部屋でワイン飲んでる。
田中 酒飲めるようになったからって(笑)。
新井 クリスマスか。彼女がいれば、そうやってどこか行くのもいいかもしれないですけど、自分は友達とかみんなでワイワイしてる方が楽しいんじゃないかなって思います。だから理想は、みんなでクリスマスパーティーかなんかして大勢で楽しくするのが理想のクリスマスです。
田中 え、なんか二人の聞いてるとどっちもいいなって思ってきちゃう。
新井 どっちもでいいんじゃない(笑)。
田中 なんかでも…。
草島邦 おまえライブじゃね?
田中 クリスマスにライブあったらうれしいっちゃうれしいけど。でもなんか彼女いたらいいなと思いますかね。クニはさっき家でワインって言ってましたけど、おいしいもの食べてお酒飲んで、そういうのがいいかなって思います。
「骨の1本や2本とかそんなこと言ってられないんじゃないかな」(草島邦)
草島邦
――インカレでは、ここまで3年連続準々決勝で敗退していますが、ことしに懸ける思いはいかがですか
新井 そうですね、やっぱり最後の年なので、本当にそこに懸ける思いは強いです。まあ1、2、3年生の時に思いが強くなかったっていうわけじゃないんですけど、本当に最後のチャンスなのでそこに懸ける思いは強いですね。
田中 同じなんですけど、やっぱり最後の年、大学も最後、アイスホッケーも最後っていうのもありますし、個人的な話をすると、タイトルらしいタイトルを取ったことが1回もなくて、だから有終の美じゃないですけど最後に1個くらい取ってみたいなって思います。
草島邦 同じですね。本当に最後の、僕らも最後で優勝したいですし、後輩にいい思いさせてあげられてなくて少しでも僕たち4年生に付いてきてくれたので、いい思いさせてあげたいですし。自分らも最後だから何がなんでも、多分こんなばかみたいにスポーツやって体張るのも最後なので、骨の1本や2本とかそんなこと言ってらんないんじゃないかなっていうふうに。だから、体が砕け散ろうが勝ちたいよね。
――インカレのキーパーソンは誰だとお考えですか
新井 GK谷口嘉鷹選手(社2=東京・早実)かなって思っています。この1年間ですごい伸びている選手で。今チームで彼に助けられて秋リーグ勝ってきたこともありますので、インカレでも彼に頼ってしまう試合もあるのかなって思うんですけど、その分あいつが頑張っていれば自分も負けてられないなとか、守ってあげようっていう気持ちになるので、自分だけじゃなくチーム全体としても彼の頑張りが勝利に大きく影響すると思うので、彼にすごい期待してます。
田中 今守りの話があったので攻めの話で。キーパーソンは鈴木ロイだと思ってます。ずっと自分たち4年生がいながらっていうのもあるんですけど、結構チームを遥平と公大(瀬戸副将、スポ4=北海道・白樺学園)と一緒に引っ張ってきてくれて、ミーティングとかでもいろんなことを伝えてくれたりとかしてくれて。正直俺らが頼りきってしまっている部分もあったんですけど…。ここ最近そんな点数取ってないよね、印象として。Aマーク着けてるというのもありますし、第1セットでセンターやっていて、中心選手っていうのもありますし。さっき第3セットが決めたら勢いづくっていう話がありましたけど、彼が決めても勢いづいてくれると思っているのでそこは期待したいです。
草島邦 キーパーソン2人いるなと思って。1人は遥平がキーパーソンで。チームを引っ張ってもらいたいですし、あとプレーの面でも。遥平がチームを引っ張っていくその1番柱であって、もう1人は慈英(ハリデー、スポ3=埼玉栄)です。彼はフル代表入れるくらいの実力あるのですが、今彼の実力をフルに生かせているかっていったらそうじゃないんですよね。彼がどれだけ自分の力を最大限生かせられるか。彼自身もそうですし、彼の周りの4人、一緒にセンターを組んでる人がどれだけ彼を生かせるかっていうのがカギになってくるのかなっていうの。その二人ですね。
――インカレは皆さんにとってどのような大会ですか
新井 アイスホッケー人生最後の大会。早慶戦(早慶定期戦)は大会じゃないよね?最後の戦い、最後の大会です。
田中 そうだと思う。
新井 その一言に尽きる。
草島邦 どのチームも4年生最後なので、人生のぶつかり合いかなって。それぞれのチームの4年生はみんな違う道を進んできて、(インカレで)そのホッケー人生がぶつかり合う。自分たちのホッケー人生のぶつかり合い、どれが1番正しかったか、誰が1番強いのかっていう感じですね。
――最後にインカレへの意気込みをお願いします
新井 先ほども言ったように、本当にインカレが最後なので個人としてはこの4年間でタイトル取れてないっていうこともありますし、後輩にいい思いをさせてあげたいっていう気持ちももちろんありますので、その2つを考えて、最後優勝してみんなで笑って終われるように頑張りたいと思います。
田中 もちろん自分の長かったアイスホッケー人生の最後の締めくくりを、いい結果でみんなで終わらせたいっていうことと、あとずっと応援してくれて支えてくれた両親も見に来てくれるので、そういった人たちにもいいところ見せられるように、いい結果を出せるように頑張っていきたいなと思います。
草島邦 最後はトーナメントなので、いい試合で終わっただとか言ってられないので、勝ちにこだわって全てを出しきる大会にしたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 加藤佑紀乃、宇根加菜葉)
初めての日本一へ、思いは一つです!
◆新井遥平(あらい・ようへい)(※写真中央)
1995(平7)年4月11日生まれ。174センチ。北海道・駒大苫小牧高出身。スポーツ科学部4年。自分のココが一番:『チーム愛』
1年次のU20世界選手権で、暖房が後ろにあるのを知らずにユニホームを控室に干していたら、次の日袖が真っ黒になっていたそう。替えが利かない代表のユニホームだったため焦られたようですが、なんとかなったらしいです。
◆草島邦彦(くさじま・くにひこ)(※写真左)
1995(平7)年9月16日生まれ。157センチ。東京・早実高出身。社会科学部部4年。自分のココが一番:『身長の低さ』
自分にとっての一番は?という質問で、草島邦選手は「身長が一番低い」のほかに、「寮が一番好き」とも答えてくださいました。寮長である草島邦選手、寮には誰よりも思い入れがあるのでしょう。寮長ライフもあと少し、楽しんでいただきたいです!
◆田中創一郎(たなか・そういちろう)(※写真右)
1995(平7)年7月31日生まれ。177センチ。東京・早実高出身。政治経済学部4年。自分のココが一番:『フットワークの軽さ』
実は田中選手、対談後に一人残って早スポの片づけを手伝ってくださり、さらにはお見送りまでしてくださいました。その自然な気配りに早スポ一同感激していました。本当にありがとうございました!