酸いも甘いも味わったDF陣。その中心にいた四人に話を伺った。関東大学リーグ戦(リーグ戦)を通して第1セットで起用されたDF羽場健太(政経3=東京・早実)、守護神の座を確かなものとしたGK谷口嘉鷹(社2=東京・早実)は高校の先輩、後輩の関係。そして、二次リーグでは第3セットでDパートナーを組んだDF坂本之麿(社3=青森・八戸工大一)とDF大崎大祐(先理2=青森・八戸)は、日本学生氷上競技選手権(インカレ)開催地である八戸市出身の師弟コンビだ。強い絆で結ばれたワセダの『カベ』たちが、それぞれの思いを語った。
※この取材は12月7日に行われたものです。
「秋リーグではDFの底力が試されていた」(羽場)
羽場
――まずは関東大学リーグ戦(リーグ戦)を振り返っていかがですか
大崎 一次リーグは厳しい試合が続いて、勝ち切れない試合がいくつかありました。二次リーグも厳しい試合が多かったんですけど、マロさん(坂本)が戻ってきて…。
坂本 早い早い!持たないよ。
一同 (笑)。
大崎 初戦から負けそうだったんですけど、勝ち切るホッケーができて、最後の東洋大戦(〇3-0)もしっかり勝つことができました。一次リーグと二次リーグを比べたら、二次リーグの方が試合を通してワセダが全体的に成長できたかなと感じました。
谷口 去年は全然試合に出ていなくて、ことしは秋リーグほぼ全部出させてもらった中で、最初は「できるのかな」、「秀至さん(遠藤、平29社卒=東京・早実)の穴を埋められるのかな」という気持ちで不安だったんですけど、試合を重ねるうちに試合勘をつかめるようになってきて、個人的にはこの秋リーグで成長できたのかなと思っています。チームとしても、システムをしっかりみんなで共有するようになってから二次リーグでは結果が出るようになってよかったですし、インカレにもつなげていきたいです。
羽場 個人的には、結果を出すためにこんなに頭を使ったリーグ戦は初めてでした。春大会(関東大学選手権)で納得の結果を残せなかったというのがあって、解決すべき課題が浮き彫りになってもそれに目を背けていたところがあったんですけど、秋リーグを通して勝つためにそれぞれが課題を持って、それを解決するためには何をすればいいのかということを全員で共有することが今までよりもできていたのかなと思います。もちろん4位という結果は僕たちが目指していた優勝という目標からは離れてしまったので、完全に納得がいくわけではないですけど、得るものも多い秋リーグでした。
坂本 僕自身、一次リーグはケガで出ていなくて、二次リーグからの出場になったので、一次リーグは病室で中継を通してチームの状況を見ていました。勝ち切れない試合もあったんですけど、個人的にはチーム力が上がっているなと感じていて、現に復帰してから、ミーティングの数が増えたりと課題を修正する機会が多くなっているなと感じました。自分が復帰してからもそれは続けていって、二次リーグは個人的には合格点をあげられると思います。
――DF陣全体の総括をお願いします
羽場 ことしのチームは、例年以上にいかに失点を抑えて、少ないチャンスで点を取ってロースコアで勝つかということが求められているチームでした。その中で、システムをうまくはめるには、DFがどれだけ踏ん張れるかということが大事で、秋リーグではDFの底力が試されていたように感じます。結果として見ると、自分たちのミスから相手に点を献上してしまったというケースも少なくはなくて、全部が全部よかったというわけではないんですけど、DF全員が自分のできることを全力でやって、成長する機会でもあったと思います。
坂本 守備の面はすごくよくなったんですけど、個人的には、攻めの部分でDF陣はもっと活躍していかないといけないなと思っています。DFの仕事は守ることではあるんですけど、得点するためには少しのリスクを冒してでも攻めないといけないので、積極的に攻めていきたいという気持ちはあります。
大崎 一つあるとしたら、マロさんがケガでいなかった時に1年生の子たちが試合に出る機会が増えたことで、競争意識が高まって、DF陣の全体的な底上げができたのかなと思いました。
谷口 キーパーは一人ではどうしても守り切れない部分があって、そういう部分をDFに助けられたというのが何回かあったので、それを見て自分ももっと頑張らなきゃなって思ったし、みんなで守るという意識が高まりました。
――羽場選手はリーグ戦を通して第1セットでの起用が続きましたが、感想は
羽場 これはほんとに、マロのせいで…。
坂本 おい!
一同 (笑)。
羽場 第1セットの役割って、失点はしてはいけないし、その中でどれだけ点を取れるかというセットなのですが、自分のプレースタイルは攻めよりも守りで貢献するスタイルなので、正直プレースタイルと求められているところはなかなかかみ合わなくて、やりづらいなという部分はありました。それでも、最初はマロの穴埋めというかたちで入っていたんですけど、足を引っ張らない程度には成長できたのかなということは感じています。
――大崎選手は第3セットで起用されていましたが、振り返って
大崎 ワセダの第3セットは、第1、2セットを休ませている間に、どれだけ相手からの攻撃に耐えて、アタッキングゾーンで上のセットに渡せるかという役割です。その中で、一次リーグの最初の何試合かは第3セットが安定していなくて、失点するし、しかも悪いポジションで上のセットと交代するというのが続いていて、個人的にもこのままでいいのかなという思いがありました。二次リーグに入ってからは、第3セットが安定し始めて、それが勝ちにつながったのかなと感じました。自分は去年一次リーグの途中でケガをして、チームから離脱したので、14試合通して出続ける精神的な辛さも初めて経験できたし、第3セットの一人として出る責任を持ってプレーする大変さを感じる秋リーグでした。
――谷口選手は、正GKとしてのプレッシャーは感じていましたか
谷口 プレッシャーは毎試合毎試合感じました。また自分か、というのがあって、試合前とかお腹が緩くなったりするんですけど、それはずっと変わらなかったです。最後まで、自信がついても緊張はありました。
――二次リーグは好調ぶりが目立ちましたが、きっかけや要因はありましたか
谷口 一次リーグはあと一歩のところで勝てない試合が続いて、それは自分の責任だとすごく感じていました。自分がもう一歩踏ん張れれば勝てたのに、というのは法大戦(●3-4)も東洋大戦(●3-4)もそうですし、何としてでもチームのために勝てるようにならなきゃいけないと感じていて、練習でも常に試合を意識しようと考えて、練習の質も高めました。試合を通して最後まで集中するのと同じように、最後まで集中力を切らさないとか、自分に言い聞かせながら練習していました。
――坂本選手は復帰してから3得点しましたが、手応えはいかがでしたか
坂本 3得点できたのは満足しています。第3セットで起用されてはいたんですけど、それでも得点は狙わないといけないなと思っていましたし、セットのメンバーにも、守りながらも攻めにも力を入れようというのは共有していました。得点できたのはよかったんですけど、逆に守りの面では失点が多かったので、そこは修正したいです。
――坂本選手が戻ってきて変わった部分はどんなところですか
大崎 マロさんは絶対チームに必要な存在であって、その選手が戻ってきたことによってやっとチームが固まって、固まったことによってチームとしてのやりたいこともはまっていって、それが勝ちにつながったのだと感じました。
谷口 第3セットにマロさんが入ってきてからは、第3セットが安定してきたなというのがあって、守っていても守りやすくなったのが大きく変わったところでした。個人的には、マロさんは試合が終わったあと、勝った時はもちろん負けた時でも、一番最後に寄ってきて声を掛けてくれて、それが心の支えになりました。
羽場 チームとしては安定感が増したのが一番で、うちのチームはどうしてもDFが少ないので、一人でも欠けるとどこかに穴が開いてしまうというのがあって、そういった中で1年生の時から主力で出ていたマロが帰ってきて、一つ穴が埋まったというのは大きかったです。ここぞというピンチの時にマロがいるという安心があるからFWも攻められるし、結果失点も少なくなり勝てる試合が多くなったのはよかったです。
――印象に残っている試合はありますか
大崎 二次リーグの法大戦(〇5-1)で、第3セットとして初めての得点ができた試合でした。あの試合で第3セットが点数を取った時に、チーム全体で普段の得点とはまた別の盛り上がりになって、第3セットが得点するとチームが盛り上がってもっといい試合になるんだと痛感しました。
谷口 僕は二次リーグの東洋大戦(〇3-0)です。インカレ前最後の公式戦ということで、最後勝って終わるのと負けて終わるのは全然違うので、そういった試合で勝つだけでなく完封できたのは、チームとしても個人としても成長できたと思うし、次につながる試合でした。ただ勝つだけじゃなくて1点取られていたら全然違っていたと思いますし、チーム全員で守り切ったというのが印象に残っています。
羽場 僕は二次リーグの中大戦(●2-5)です。今まで中大相手に勝つことができていない中で、僕たちが対策をしてやろうとしたことができて、相手のやりたいプレーをさせずロースコアに持ち込みながらも、最後詰めのところでやられて勝ち切れなかった試合でした。二次リーグの敗戦の中で一番悔しかった試合で、エンプティーを除けば2-3だったのですが、最後の失点が本当に不運なもので、自分たちのやりたいことがやれたのに勝ち切れないということで、自分たちの実力不足を痛感しましたし、あの試合を機にこんなところで満足してはいけないということを強く認識する試合にもなりました。
坂本 僕も嘉鷹と同じで二次リーグの東洋大戦です。個人的に点数を決められたのはもちろんなんですけど、結果的に完封で勝てたことが一番大きかったです。最終戦でこのリーグ戦の集大成を見せようということで臨んで、1試合通してワセダがやりたいホッケーができましたし、それが結果として表れたのはチームとして自信になりました。
「マロさんいてくれてありがとう」(大崎)
大崎
――ここからはプライベートな質問に移っていきます。まずそれぞれの他己紹介をしていただきたいです。大崎選手からお願いします。
谷口 大祐は一番に、常に机に向かっている印象があって、部屋に少し入った時も、椅子に座って机に向かっていることが多いです。大祐に勉強を教えてもらうことがたくさんあるんですけれども、そういう面ですごく助かっています。あと、見てわかるようにすごく話しかけやすくて、誰とでも仲良くできるタイプなので、同期の輪をうまくつないでいるところがあります。
羽場 真面目なのは誰から見てもそうだと思うのですが、意外だなと思ったことがあって…。僕は部屋が隣なんですけれども、彼は韓国アイドルが好きみたいで。寮の壁が薄いので声とか、歌声とか聞こえてきて、意外な一面だなと思いました。
坂本 僕は大祐とは地元が一緒で小学生の頃から一緒にホッケーをやってきて、一緒にセットも組んでいました。なので、今大学で一緒にプレーしているのも、寮で同じ部屋で一緒に生活しているのも感慨深いですし、本当に弟のような存在です。
――次に谷口選手の他己紹介をお願いします
坂本 僕は嘉鷹と同じ学部で授業も一緒に受けたり、ご飯も一緒に食べたりとかしています。たまに舐めた感じの時とかあって、でもそれもかわいくて、かわいがっている後輩の一人です。キーパーとしてすごく成長していることも感じますし、僕自身もすごくそれがうれしいです。
大崎 履いているスリッパが一緒です。1年生の時、僕と小澤田(匠、スポ2=東京・早実)だけ第一紺碧寮だったのですが、こっちの寮に遊びに来た時には、嘉鷹の部屋が1年生の溜まり場になっていて、その時にスリッパを見て、一緒のセンスの人いるんだと感じました(笑)。だから少し話しかけやすかったです。あと、嘉鷹も結構誰とでも仲良くするタイプです。話しかけやすいし、話していて面白いし、あと彼女のことが大好きですね。
羽場 一番に思うのはホッケーに真摯(しんし)に向き合っているなということです。トレーニングとかでも、自分の弱点を見つめて一生懸命取り組んでいる姿が見られますし、二次リーグ入って正キーパーになって、いろんな人からアドバイスをもらいながら、ガンガン上達していく姿を見ていて、ホッケーに向かって真面目にプレーしているなというイメージはあります。あと、僕は付き合いが高校からなのですが、大祐も言っていたように人付き合い、特に先輩との付き合い方がうまいなと思います。絶妙に懐に入ってくるというか、丁度いい距離を知っているというか。そういったところで、いろんな先輩にかわいがってもらえる人間だなとは思っています。
――では羽場選手の他己紹介をお願いします
大崎 健太さんは、僕はまだわかりきっていないところがあって。というのも、自分もあまり部屋から出ないのですが、健太さんはほとんど部屋から出ているところを見たことがないので。あと、真面目な人だと思っていたら、たまに3年生の間でいじられてることがあって、そういうキャラでもあるんだと意外なことを感じました。
谷口 僕は健太さんと高校の時から一緒なので、知り合って長くて、高校の時から優しくしてくれてすごくいい先輩だなと思っていたんですけれども、大学に入ってからもそこは変わっていなくて。これはマロさんにも共通しているのですが、困ったことがあったら、とりあえず二人に…(笑)。自分らしく話しかけられるので、後輩みんなそうだと思うのですが、慕っていると思います。だるそうにするんですけど、なんだかんだちゃんと答えてくれるので、そういうところは本当に頼りにしています。
坂本 健太はさっきも言ったように、1セット目でずっとリーグ戦プレーしていて、健太がどう思っているかわからないですけど、自分は1セット目らしいプレーをしようとしているなと思っていました。健太は守りがプレースタイルだと言っているんですけど、得点に絡もうという意識だったり、シュートや攻め上がる意識が去年より上がっているので、そういったところで自覚がすごいなと感じますし、自分も負けてられないなと思います。
――最後に坂本さんの他己紹介をお願いします
大崎 まず、小学校からの付き合いで、本当にマロさんの背中を見てホッケーをプレーしてきたし、マロさんがいたから自分が今ここにいると言ってもいいくらい、マロさんに教わったことも学んだこともたくさんあります。マロさんがいてくれてよかったなと思うことが本当にたくさんあるので、本当にいい先輩だなっていうのと、マロさんいてくれてありがとうって気持ちです。
谷口 マロさんは本当にすごくいい人です。学部が同じ先輩ということもあって1年生の時から学校に一緒に行っていて、同じ授業を受けたりしていたんですけど、そういうことで近づけたということもありますし、話しやすくて、一緒にいて過ごしやすい先輩だなと思います。あと、よくごはん連れてってくれたりするんですけど、あんまり普段言えないようなチームの話とかもマロさんとは本音で言い合えるというか。こういうこと思っているんだよね、みたいなことをお互い言い合えるということは、なかなかないと思うので、そういう部分でも支えてもらっているところがあります。
羽場 最近になってより感じるのは、人と話すのがうまいなというところです。僕が苦手だからより感じるというところもあるとは思うのですが、人を楽しませようという気概が強いんだと思います。笑いに対してストイックだったり、チームのムードメーカーの中の一人であったり、率先してチームを盛り上げようとしてくれているのが伝わりますし、それは自然にいつでも活きている部分があるなと感じます。友達を作るのがうまいとも思いますし、コミュ力って大事だなとマロを見て思いました(笑)。
――理想のクリスマスの過ごし方を教えてください
坂本 自分の理想はイルミネーションを見に行って、その後夜景がきれいなところに行って、雰囲気をつくり、好きな女性と楽しい夜を過ごしたいなと思います。
羽場 僕も結構かたちに拘りたくて、もちろん相手は好きな女性がいいです。特別な日だと思うので、いいレストランを予約して、美味しいもの食べて…。僕はその後イルミネーションでいいと思います(笑)。イルミネーションを見て、プレゼント交換したりして楽しく過ごせればいいなと思います。
谷口 被ってしまうのですが、普段お店に予約とか、面倒臭いからやらない方なので、そういう日にはお洒落なレストランとかコース料理のあるお店の予約とかしてみたいですね。あと、今青の洞窟っていう渋谷のイルミネーションが個人的にどんな感じなのかなって気になっているので、そういうところに一緒に行ったらいいんじゃないかなと思います。
大崎 好きな人がいて、その人が彼女だったら、とりあえず一緒にいたいなと思います。ごはんを食べに行くでもいいし、イルミネーション見に行くでもいいし、とりあえず喧嘩しないで楽しく過ごしたいなと。平凡な一日を過ごせたらいいです(笑)。
「自分が成長した姿を見せられるいい機会」(坂本)
坂本
――ここからインカレにむけてのお話に移ります。坂本選手と大崎選手は地元での開催となりますが、特別な思いはありますか
坂本 もちろんあります。お世話になった方だったりがたくさん見に来てくれると思うので、自分が成長した姿を見せられるいい機会だと思います。そういった方々の前で優勝すれば、みんなと違う思いもできると思いますし、気合いを入れて頑張りたいです。
大崎 僕も同じく、今回は自分が小さい頃からホッケーをやってきた環境で、ホッケー関係でお世話になった方もたくさんいらっしゃる場所です。あと、自分が一番八戸開催でよかったなと思ったのは、親や親戚にこっちに来てホッケーをやってどれだけ成長したのか見せられるなって思ったからです。普段父はよく見に来るのですが、母や兄弟、祖父母はなかなか見にこられないので、本当に八戸でよかったなという思いがあります。なので、一生懸命プレーして成長した姿を見せたいです。
――お二人の思う八戸の魅力は
坂本 何もないですけど、食べ物はすごく美味しいです。海に面しているので、海産物、海鮮がすごく美味しくて。東京でなかなか食べられないような新鮮さがあると思うので、それを楽しみに来てくれたらと思います。
――では、インカレに向けて強化したいことをそれぞれ伺いたいです
大崎 自分は1対1に負けないということを強化したいです。リーグ戦を通して集中力が切れてくると、1対1とかの場面で簡単に負けてしまうことがあったので、どんなに辛いときでも集中力を切らさずに、DFが負けてしまうと、その後ろにはキーパーしかいないので、その1対1のDFの責任の重さをしっかり持ってて、これからの練習一本一本を重みを持ってやっていきたいと思います。
谷口 僕は勝負強さですかね。その中でも特に辛い時の勝負強さが、チームを勝利に導けるかそうでないかの大事な部分になってくると思います。この秋リーグでも、勝負強さは徐々につけることができたとは思うのですが、格上との試合でもっと勝負強さを強化していかないと、どうしても勝ちきれないということがあるので、あと1カ月しかないですが、辛いときこその勝負強さというものを、磨いていきたいです。
羽場 チームとしては、秋リーグ通してまだまだ失点が多いという課題があったので、いかに失点を防げるかというところだと思います。今秋リーグが終わって練習にレフェリーの人が来てくれていて、反則とか見てくれているのですが、反則が多くなってしまうと失点が増えてしまうので、秋リーグでフェアプレー賞をもらえたこともあって、反則は少なくはあったと思うのですが、まだまだ反則を減らせると思うので、どうやったら反則を減らすプレーができるのかとか、反対に、パワープレーで点を取っていくというのがうちのスタイルだと思います。ロースコアでいけるプレーをするためにはどうしたらいいのか、というところをもう少し磨いていきたいです。個人的には、インカレでも運動量の多い試合が続くと思うので、体力の強化はもっとしていきたいです。やっぱり体力が切れてしまうと、集中力が切れたり、精神的に持たなくなったり、最後に走りきれなくなるとか、勝負際のところで勝ちきれないのは体力面が大きいと思うので、技術がない分、体力の面でチームを支えていけるような存在になれたらいいなと思っています。
坂本 僕はチーム力をさらに上げたいと思っています。他のチームに比べてワセダはすごくチーム力があると自分たちでも思っていますし、個の力よりチームで勝ちたいという意識をみんな持っていると思うので。そこはさらに強化したいなと思いますし、特にリーグ戦の最後の東洋大戦はチームで勝ったと思うので、そういった試合ができるという自信と、ミーティング等でコミュニケーションの回数を増やしてさらにチームとしての力を増やしていけたらいいなと思います。
――準々決勝で当たると思われる明大に勝つために必要なことはなんだとお考えですか
羽場 僕はもっと試合中のコミュニケーションを増やすことが大事だなと思っていて、一次リーグでの明大戦(●1-8)はラッシュから得点されることが多くて、コミュニケーションどうこうではなく、攻め出しの芽を摘めなかったというところが失点の原因として大きくありました。ニ次リーグの明大戦(●2-6)ではそれがある程度修正できて、ラッシュでの失点は減ったのですが、その分攻め込まれたあとのDゾーン内で崩されての失点が多くありました。それを防ぐためには、試合に出ている選手がどれだけ声掛けをして、流動的な攻めに対してどれだけ穴を作らないかということが大事になってくるなと思うので、疲れている中でも選手同士が声を掛け合って、しっかり守りきることができるかということがキーになってくるんじゃないかと思っています。
谷口 僕は勝つために相手の好きなようにさせないことが大事なんじゃないかと思っています。どうしても明大は個のスキルがワセダよりも上回っていて、ワセダはチーム力で勝つしかないので、そういったところでも、特にDゾーンでパックを持っている時に、明大のやりたいようにさせないということが勝ちにつながるんじゃないかなと。それができていたのがニ次リーグの中大戦(●2-5)で、ああいう試合、ロースコアの試合に持ち込めればワセダにも勝てる可能性があるので、いかにして失点を減らすのかということはもちろんですし、そのために明大の好きなようにさせないということが、勝ちにつながるのではないかと思います。
大崎 一次リーグもニ次リーグも、明大のスキルに翻弄(ほんろう)されて、気付いたらフリーな選手がいてそこから点を決められるということが多くありました。なので勝つためには、健太さんも言っていたようにコミュニケーションをとって、見えている選手がどんどん声を出して仲間を助けて、少ないチャンスを決めきれれば勝てるかなと思います。
坂本 一番は明大に勝てるという自信があればいいのかなと思います。リーグ戦2試合では、どちらも点差が離れてしまった試合だったので、少し今の段階では明大に勝てるのか疑問の段階ではあるので、それをいかに絶対的な自信にできるか、つなげられるかということがカギになります。そのために日頃から試合を想定した練習をしなければいけないですし、ミーティングとかでコミュニケーションの回数を増やして、チームの目標を一つにしていかないといけないと思います。
「感謝の気持ちをプレーで返したい」(谷口)
谷口
――インカレは、4年生との最後の大会だと思います。4年生への気持ちを聞かせていただきたいです
大崎 4年生の方々にはワセダに入った時からよくしてもらっているので、最後は4年生のために頑張りたいなと。公式戦は最後インカレだけなので、4年生と一つでも多く一緒にプレーをしたいですし、4年生の方々と笑ってシーズンを終えたいと思います。
谷口 お世話になった4年生のために、という思いが一番です。僕らがここまで成長できたのも、4年生の方々の支えがあったからだと思っています。感謝の気持ちをプレーで返したいなという思いがあって、明大戦で勝てれば、今まで4年生にしてきてもらったことの恩返しができるかなと思っていますし、最後は4年生と勝って泣きたいです。
羽場 4年生の代は僕たち3年生が一番長くプレーをしてきた代であって、なので私生活でもプレー面でも支えられてきた部分が多いと思うので、そういったところで恩返しをしたいです。最後4年生が笑って終われるようにするには、やはり後輩である僕たちの協力が不可欠だと思うので、いろいろ支えてくれた4年生に感謝の気持ちを込めて、全力で最後までプレーしたいです。
坂本 個人的にお世話になって、大好きな先輩ばかりの4年生なので、その4年生たちのためにも絶対に優勝したいという思いが強いですし、ことしのチームは春大会で不甲斐ない結果に終わったあと、4年生の方々がみんなどうすればチームをよくしていけるのかということを悩んでくれました。それで今すごくいいチームの状況になっていると思いますし、本当に4年生のみなさんにはお世話になって、個人的にもそれぞれの4年生に対して思うことは多いので、その思いを試合にぶつけて絶対勝ちたいと思います。
――最後の質問になります。インカレに対する意気込みを一人一人お聞かせください
大崎 地元で試合ができるということは、そうないことだと思うので、先程も言ったように小さい頃からお世話になった方々への感謝の気持ちと4年生への感謝の気持ち、今まで1年間通してやってきたことを出し切る、そして優勝するインカレにしたいと思っています。
谷口 個人的にはことし最後の大会ですし、このチームでの公式戦は最後ですし、負けたらそこで即終了という大会ですし、一試合一試合、一回戦からしっかり自分のプレーをして、その中でも成長していきたいです。
羽場 ことしのチームが春大会の7位という屈辱的な結果から始まって、落ちるところまで落ちたところから、日本一を目指していこうということだったのですが、今まで秋リーグも優勝という結果は残せなかったということからいうと、インカレは日本一をとれる最後の大会だと思うので。下克上精神を持ってこのチームでも、このチームだから、ここまでやれるんだ、というのを見せることができる大会になったらいいなと思います。
坂本 インカレは一番大きい大会で、それが自分の地元での開催になるということは本当に待ち遠しい気持ちです。そこでチームがいいプレーできたらいいなと思いますし、それが結果として優勝という目標を達成できるように、これから頑張っていきたいと思います。地元でインカレ優勝というより、4年生チームのために優勝という気持ちで頑張りたいなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 小林理沙子、冨田千瑛、川浪康太郎)
インカレでも堅い守りを見せてくれることでしょう!
◆坂本之麿(さかもと・ゆきまろ)(※写真左)
1996(平8)年6月5日生まれ。182センチ。青森・八戸工大一高出身。社会科学部3年。自分のココが一番:『フットワークの軽さ』
地元開催ということで気合い十分の坂本選手。自身が育った場所で成長した姿を見せることはできるでしょうか。インカレ観戦の際には、八戸の新鮮な海産物を食べてほしいとのことです。
◆羽場健太(はば・けんた)(※写真中央左)
1996(平8)年4月26日生まれ。180センチ。東京・早実高出身。政治経済学部3年。自分のココが一番:『寮にいる時間』
坂本選手の復帰後も第1セットを任されたことを嘆いていた羽場選手ですが、リーグ戦ではDF陣の中心としてチームに貢献してきました。インカレでも体を張った守りに注目です。
◆大崎大祐(おおさき・だいすけ)(※写真中央右)
1997(平9)年9月12日生まれ。168センチ。青森・八戸高出身。先進理工学部2年。自分のココが一番:『勉強時間』
同郷の先輩である坂本選手のことが大好きな大崎選手。一つ目の質問から「マロさん」の名前を出すなど、その愛が伝わってきました。尊敬する先輩と共に、故郷に錦を飾ります。
◆谷口嘉鷹(たにぐち・かよう)(※写真右)
1997(平9)年8月13日生まれ。171センチ。東京・早実高出身。社会科学部2年。自分のココが一番:『我慢強さ』
先輩にかわいがられる術を知っている谷口選手ですが、試合の前は毎回極度の緊張に襲われていたそう。プレッシャーをはねのけ、大舞台でもファインセーブを連発してくれることでしょう。