反則響き、終盤に失速…。明大に敗れインカレ終幕

アイスホッケー

 神戸大、大東大を下し、日本学生氷上競技選手権(インカレ)準々決勝まで駒を進めた早大。この日迎えた相手は、ことし公式戦で4度目の対戦となる明大だった。これまで0勝3敗と、今季一度も勝てていないチームであるだけに、インカレという大舞台で何としてもリベンジを――。しかし、第1ピリオド(P)に連続失点を喫するという厳しい立ち上がりを迎える。その後は点を取っては取られてという熱戦を繰り広げるものの、あと1ゴールが遠く、一度も追いつくことはできなかった。さらに終盤で突き放され、3-7で試合終了。悲願のタイトル獲得に向けた早大の歩みは、準々決勝で終わりを迎えることとなった。

  先制ゴールを決めたのは明大だった。第1P中盤、数的有利なパワープレーのチャンスを迎えていた早大だったが、リンク中央でパックを奪われるとそのまま一気にゴール前へ。GK遠藤秀至(社4=東京・早実)との一対一を冷静に決められ失点してしまう。さらにその数分後には、明大が放った遠目からのシュートがゴールネットを揺らした。相手に主導権を握られたかに思われた第1P。しかし下級生中心の第2セットがそれを許さなかった。終了間際に相手ゴール前に迫ると、最後はFW青木孝史朗(スポ1=埼玉栄)が押し込んで反撃。1-2として第1Pを終えた。

1点目を入れた青木孝(写真左)の得点後、ハイタッチしていくメンバー

 試合はその後、互いに一歩も譲らない白熱した展開となった。第2P開始2分足らずで失点を喫するも、その直後にFW金子立樹主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)からパスを受けたFW寺井敏博副将(国教4=米国・チョートローズマリーホール高)がシュート。主将・副将コンビが見事なゴールを決める。37分37秒に1失点を許すも、すぐにDF堰合芳貴(社4=青森・八戸工大一)が強烈なミドルシュートを決めて3-4。明大にリードを広げさせない。そのまま第2Pを終え、迎えた第3P。まずは同点に追い付きたいところだったが、なかなか得点までは至らない。ここで、早大が連続でペナルティーを犯す。2人を欠く厳しい状況で、ゴールを割られてしまった。その後も必死に攻撃を試みる早大。しかし、チャンスをつくりながらも決めきれない状況が続く。58分12秒、逆に明大が駄目押しゴール。残り時間は2分弱。最後の望みをかけ、GKをベンチに下げて6人全員による攻撃に出る早大。だがそれも報われなかった。明大にパックを奪われると無人のゴールに流し込まれ万事休す。3-7で、試合終了を告げるブザーがリンクに鳴り響いた。

優勝への歩みは道半ばで閉ざされた

 準々決勝敗退という結果で幕を下ろした今季のインカレ。選手たちの中では、様々な思いが芽生えているだろう。「後輩に何も残せなかった」(金子立)、「4年生の力になれなかった」(DF新井遥平副将、スポ3=北海道・駒大苫小牧)。しかし、その思いをぶつける舞台はまだ早大に残されている。来週末に控える早慶定期戦だ。「勝って、笑って4年生を送り出したい」と工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)。4年生にとっては、早大として臨む最後の試合。勝って、笑って、今シーズンを締めくくりたい。

(記事 進藤翔太、写真 杉山睦美、冨田千瑛)

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結果
早大 ピリオド 明大
1(10) 1st 2(18)
2(10) 2nd 2(14)
0(10) 3rd 3(15)
3(30) 7(47)
※( )内はシュート数
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
明大 11:27 松本 PP
明大 15:05 上野 井上 工藤
早大 19:19 青木孝 矢島 鈴木
明大 21:48 池田 府中 桂川
早大 22:32 寺井 金子立
明大 37:37 府中 京谷 桂川 PK
早大 38:14 堰合 金子立 PP
明大 43:09 桂川 府中 松金 PK
明大 48:22 池田 府中 PK
明大 49:08 川村
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
寺井 金子立 青木優 坂本 新井
鈴木 青木孝 矢島 堰合 大崎
佐藤 高橋 金子聖 松本 羽場
小澤田 瀨戸 加賀美太 格地 田中
GK遠藤
コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――試合を終えた率直な気持ちを教えてください

負けて悔しいというのが、率直な気持ちです。ただ今できることを選手はやってくれたんじゃないかなと思っています。

――試合を終えたチーム状態はいかがですか

当然勝ちを狙っていたし、4年生と全力でやる最後の試合だったので、やっぱり沈んでいます。ただ他のチームと違ってうちはあと一試合早慶戦というものがあるので、そのときはみんなで勝って笑って終わりましょうという話をしてきました。

――今まで見てきた中でもすごく熱い試合だと感じました

4年生が中心となってチームをつくってきて、一生懸命やってくれて、相手も非常に苦しんだ試合だったと思います。第2Pまでは良かったと思いますけど、最後シーズン通して課題だった反則で崩れてしまったというのは、少し残念かなと思います。

――敗因は反則ということですか

そうですね。反則ですね。

――インカレに向けてチームをつくってきた4年生にどういった言葉を掛けてあげたいですか

今までリードしてきてくれてすごく感謝をしています。学年が下のころからずっと主力でやってきたメンバーばっかりで。そういったところが4年生になってもっと実力のあるチームだったと思いますが、なかなか結果が残せなくて残念だったんですけど、それでもこのチームをつくってきてくれたことには感謝しています。

――最終戦となる早慶戦に向けた思いを教えてください

一生懸命やって、勝って、笑って4年生を送り出したいと思います。

FW金子立樹主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――試合を終えた率直な気持ちを教えてください

後輩に何も残せなかったなというのが、率直な感想です。4年生として申し訳ないというふうに思います。

――後輩への思いがやはり強いのですか

そうですね。優勝を経験しているのが自分たちの代しかなくて、それを後輩に伝えていかないといけないなと思っていたので、それができなかったというのは悔しいです。

――明大戦の前にチームで共有していたことはありますか

トーナメントなので、内容うんぬんというよりは勝つことだけを目指してやろうというふうに言っていました。

――試合を振り返っていかがですか

第2Pまでは互角の勝負ができたと思っています。第3Pのペナルティーのタイミングだったり、チャンスを決めきれなかったことが最後の点差につながり負けてしまったのかなと思います。

――今までの試合の中でも特に熱い展開だったと感じました

今シーズンメイジと戦った中で、一番いい試合ができたのかなと思います。点数を取られた後の連続失点というのもなかったですし、ラッキーなものもありましたがいいタイミングでゴールすることが第2Pまではできていたので、本当に勝てる試合だったなと思います。

――試合終わった後にチームメイトにどのような言葉を掛けましたか

本当にやってしまったな、優勝できなかったことは悔しいと思うけど、早慶戦も残っているという話をして。最後に笑って終われるようにしましょうという話をしました。

――早慶戦への思いを聞かせてください

本当にこれで4年生は引退になってしまうので、東京に戻ってからも練習はありますし、そこでしっかり詰めるところを詰めて、最後ケイオーを圧倒して勝って引退したいなと思います。

DF新井遥平副将(スポ3=北海道・駒大苫小牧)

――今の率直なお気持ちをお聞かせください

本当に悔しい気持ちで頭がいっぱいです。あと、4年生に申し訳ないという気持ちが強いという感じです。

――きょうの試合全体を振り返っていかがですか

取られても取り返してということを繰り返して、メイジに食らいついていたんですけど。第3Pにペナルティーが重なるようになって、最後に力尽きてしまったかなという感じです。

――来季は主力としてチームを率いていく立場にあると思いますが、今のお気持ちをどのようにつなげていきたいですか

今シーズンどの場面、どの試合を振り返っても4年生が常にリードしてくれていて。来シーズンは僕たちが後輩をリードしていく番だと思うので、今シーズンの4年生のように後輩をリードしていって、来シーズンこそはタイトルを取りたいと思います。