最上級生として、チームを率いてきたFW青木優之介(スポ4=埼玉栄)、FW加賀美太一(商4=東京・早実)、DF堰合芳貴(社4=青森・八戸工大一)、DF松本逸輝(商4=滋賀・光泉)。シーズンもいよいよ大詰め。残すタイトルも日本学生氷上競技選手権(インカレ)のみである。唯一『優勝』を経験している代である4年生が描く、集大成へのビジョンとは。
※この取材は12月8日に行われたものです。
「チーム力でカバーしてロースコアで勝つ」(青木優)
青木優
――関東大学リーグ戦(リーグ戦)を振り返っていかがですか
青木優 最終的な順位は4位ということで、チームとしても個人としてもやっぱり満足のいく結果ではなかったです。
加賀美太 途中で優勝はなくなって、最高でも4位を目指すしかない状況に陥ったときに、これからどうやっていくか考えるのはすごく難しかったですし、そういうふうになってしまったのは後悔しています。
松本 もちろん優勝を狙ってリーグ戦をスタートしたわけなんですけど、最終的に4位という結果で、かつ上位3チームに白星を挙げられなかったというところでは、まだまだワセダが頑張っていける部分はたくさんあるなと思いました。
堰合 最初は優勝という目標に向かってやっていたのですが、途中でそれが駄目になって。優勝できなくなったのはすごく残念だと思いましたが、最高4位になれることを知り目標を4位に設定して、しっかりその目標を達成できたことは良かったと思うし、インカレにもすごくつながるリーグ戦になったと思います。
――リーグ戦を通して見えた今季のチームの特徴はありますか
青木優 チームに絶対的なエースがいないので、そこはみんなでどうやったら勝てるのかを考えて、一生懸命やることができて良かったと個人的には思っています。
加賀美太 良くなかった点だと、失点するタイミングが悪かったと思います。去年のリーグ戦も失点のタイミングは良くなかったんですけど、それに輪をかけて、本当にここだけは失点してはいけないだろうという場面での失点がありました。そこはしっかりインカレに向けて修正しないといけない点だと感じています。
――タイミングが悪くなる理由はあるのでしょうか
加賀美太 気をつけなければいけない時間帯だったり、自分たちが得点したときの気持ちの切り替えという部分が、全員の中でしっかり共有できていなかったというところですかね。
松本 先制点を(相手に)与えてしまうことが良くないところの特徴だと思っていて。逆に先制点を与えてから、(早大が)得点を1点以上取れているというのはいい特徴だと思います。
堰合 いい面としては、以前からワセダは第1ピリオド(P)が悪いと言われていたんですけど、ことしは第1Pは同点で終わったり勝って終ったりというところが見られたので、そこは良かったかなと思います。悪い面は、去年に比べると反則がすごく多くなったことです。自分たちでピンチをつくっていた部分があり、そこはチームの良くない部分だなと思います。
――チームとしての課題はそれぞれどうお考えですか
青木優 連続失点が多いことかなと思います。失点した後に気持ちを切り替えられなくて、またすぐに失点してしまい、自分たちの首を絞めていたことが課題だと思っています。
加賀美太 一番は優之介が言ったことと同じなんですけど、二つ目は得点につながるシュートの数が少ないことだと感じています。何となくシュート数を稼ごうと思って、キーパーにキャッチボールをするようなゴールに全くつながらないシュートがありました。一番の課題は連続失点なんですけど、いかにゴールする確率を上げられるシュートを増やせるかということも課題かなと思います。
松本 流れを引き寄せるプレーが少なかったのと、流れを引き寄せられるプレーを(相手に)多くさせてしまっていると思っています。それは連続失点につながると思っていますし、逆に得点をする前のプロセスとして3セット目なら3セット目の役割をした上で、チームの雰囲気を良くしてから1セット目2セット目が点数を取ってもらうことが大事だと思っていて。そういった流れを引き寄せるプレーというのが、チーム全体でできていなかったことが課題なのかなと思います。
堰合 DFの課題としては、アタッキングゾーンでDFにパックが渡ってもなかなかゴールまでシュートを届かせることができなかったことです。あとは練習とかでも言われているんですけど、FWにパスを出した後にギャップを詰めることができなくて、相手のFWにスピードをつけさせてしまうという状況が結構ありました。早く足を使う意識が足りなかったことが課題かなと思います。
――それぞれのポジションとしての課題、個人としての課題はありますか
青木優 去年に比べて、決めなきゃいけないところでの決定力が自分的には下がってしまったと思っています。大事なところでチャンスをもらえても決めきれなかったり、そういった面では自分の決定力が不足しているかなと思います。
加賀美太 FWに関しては、本当に決定力に限るなと思います。FW全員もそうですし、自分も少ないチャンスがあった中で決めきれないことが多かったので、そこでしっかり決定力を上げていかないといけないと感じています。自分もですし、チームとしても全然決定力が足りていないので、課題はやっぱり決定力だと思います。
松本 今第3セットで起用していただいているんですけど、3セット目としての役割を果たさないといけないところで失点してしまったりだとか、あまり良くないタイミングでの失点があり、ゲームを読めていなかったなというのが個人としての課題だと思います。DFしての課題は、それこそ個人としての課題と関係するのですが、シンプルにプレーするところと、自分で勝負するところもDFもあると思っていて。そういうところでふさわしい選択をしていくことが課題です。
堰合 ポジションとしての課題はさっきも言ったように、DFはパスを出した後にギャップ詰められたとか、自分がパックを持っていないときにいかにアグレッシブに頭使って動くかというのがDFの課題として挙げられると思います。個人としては、パワープレーに出ていたんですけど、そこでの得点が少なかったので、パワープレーで得点することが課題です。
――4年生のディフェンダーを中心にDF全体の話し合いの場が設けられたと伺いました
松本 他の大学と比べて個人でどうこうできるチームじゃないので、やっぱり共通意識というのを一つでも多くつくることが、DFとして層の厚いプレーができるかなと思って。チームとしてあまりいい流れでないときに、「今やるしかない、共有していこうという」ことから始まりました。
――5連敗した後には、チーム全体のミーティングがあったと伺いました。4年生としてどのようなことを話したのですか
青木優 まず4年生からまとまっていこうということです。あとはセットとしての役割というものを全然みんな分かっていなかったので、セットの確認というものを中心に話し合いました。
加賀美太 あとは目標の再設定です。
――リーグ戦を通して見えたワセダの強みはありますか
青木優 上位校にもいい試合はできましたし、100%負けるということはなかったので、今後インカレで戦っていく上でも、ワセダにもチャンスがあるということはリーグ戦を通じて感じました。
堰合 アタッキングゾーンでもディフェンディングゾーンでも、ゴール前で熱くプレーできる選手が今まで以上に増えたというのがワセダの強みであると思っています。乱闘して反則を取られることはあるんですけど、今までワセダの人たちは結構優しい選手が多かったので、ゴール前とかそんなにがっつりいかない選手が多くて。ワセダのゴール前は結構入っていけるというところが、相手のチームにとっていい印象になっていたと思うんですけど。ことしは結構攻めも守りもゴール前でどんどん相手のゴールにがっつりいったり、自分のゴールを守ったりとか、熱くプレーできる選手が増えたと感じています。今まで以上に相手のゴールにはどんどんいくし、自分たちのゴールには相手に入らせないイメージがついたのが、ワセダのことしの強みかなと思います。
――例えばどなたですか
松本 自分のこと言ってるんだろ(笑)?
一同 (笑)。
堰合 いやでも、雄吾(FW矢島雄吾、スポ2=北海道・駒大苫小牧)とかもゴール前に突っ込んでいって、相手の選手とやり合ったりとか、寺井(FW寺井敏博副将、国教4=米国・チョートローズマリーホール高)もゴール前じゃなくてもコーナーでも当たるところでしっかり当たったりしていて。結構体でプレーする選手が多くなったので、ワセダが目標にしている泥臭いホッケーというのが目指していけているのかなという。まあ反則は取られてますけど。
加賀美太 5番の堰合もな。
一同 (笑)。
――乱闘しているとき、私たちはヒヤヒヤしながら見ているのですが、選手たちは熱くなるのでしょうか
加賀美太 タイミングによるよね。
松本 チームが消極的なプレーが多くなっているとき、例えば芳貴が慶大戦(〇7-0)で強いプレーをしていたときは、「あいつ・・・!そういうキャラだっけ?」ってなりましたし(笑)。
一同 (笑)。
松本 「どうした?」って思いましたけど、熱いプレーはいい影響を与えてくれるので、そういった意味でああいう場面では反則してもしょうがないところがあります。
――リーグ戦の中で印象に残っている試合はありますか
堰合 僕は一次リーグで引き分けた慶大戦(△5-5)です。僕はたまたま教育実習に行っていて、帰ってきて第3Pくらいから上で見ていたんですけど、まさか負けているとは思わなくて。スコアボードを見たら1点差くらいで負けていて。上から見ていてとても印象的でした。でも土壇場で1点返して同点にできたのも、すごく印象に残っています。
松本 二次リーグの連敗が続いているときの法大戦(●3-4)は、僕たちで何がいけないのかが分からないまま試合にいった結果負けてしまって。やっぱり伝えることはしっかり伝えなければいけないというところとか、言うべきところをしっかり考えた上で言う意識を共有しないと、チーム力としても下がってしまうということを実感できた試合でした。
加賀美太 一次リーグの中大戦(●3-6)ですかね。僕の印象ですけど、リーグ戦の中で上位3校にあの試合が一番勝つ可能性が高かったと思うので。中大の調子もすごく悪かったから、これはいけるんじゃないかと思ったけど、逃しちゃったのですごく後悔しているし、逃してしまったという印象がすごく残っています。
青木優 僕は最終戦の東洋戦(△3-3)が印象に残っています。今シーズンは5連敗もしましたし、上位校にも全然勝てなかった中で、最後上位の東洋大にああやって追い付けたというのはチームとしてもプラスになりますし、次のインカレにもつながるような試合だったことから印象に残っています。
「どこかで一発やってやろうと思っています」(加賀美太)
加賀美太
――この対談の組み合わせはマネージャーの高山さん(MG高山紗季、人2=群馬・前橋女)に決めていただいたのですが、印象はいかがですか
一同 絶対適当でしょ(笑)。
加賀美太 4年生で余った人じゃない?
堰合 確かに一番嫌われているかもしんない(笑)。マネージャーに嫌われている人が集まった。
加賀美太 ごめんさすがにお前と一緒にはしないでほしい(笑)。それは勘弁してほしい。
松本 とりあえず感(笑)。
――4年生は人数も多いですが、交友関係はどのような感じですか
加賀美太 まっちゃん(松本選手)がボスですよね。
一同 (笑)。
加賀美太 同期で集まろうってなったらまっちゃんが言い出さないと、みんな集まらないので。ボスみたいな存在です。
松本 いや終わりやけど(笑)。ボスっていうか裏番長なんですよ(笑)。(4年生は)個性強いです。
――裏番長から見たその個性を説明していただけますか
松本 最近発見したことでいいですか?こいつ(青木)めっちゃ他人のベットにいるんですよ。ホッケー部って寝ている人が多いんですけど、ベットにいるんだから寝てるんだと思ったら、こいつずっとゲームをしていて。寝ていないんだなというのが最近の発見です。
一同 (笑)。
松本 太一は濃いめ(笑)。ラーメンとかあるじゃないですか。二郎系なんですよね。
堰合 ニンニクマシマシね。
加賀美太 全然分かんない。
松本 なんかお前やばいねんて。
一同 (笑)。
加賀美太 芳貴の話はどこまで言っていいか分からない(笑)。どこまで言っていいの?
堰合 ないでしょ。俺変なことしてないもん。いたって普通の生活。もう、落ち着いた。
青木優 いや、言いたいことありすぎて(笑)。
松本 唐突なことを言って、周りの反応を楽しむ変態なんですよ。めっちゃ変な唐突な行動をして「えっ、それはやばいって」っていう反応をすごい楽しみにしている変態です。逆に僕らは無視しよう無視しようって思っているのですが、無視してもそれはそれでこいつは喜んでしまう。
加賀美太 こいつに何かさせた時点で俺たちは負けている。どんな反応をしても喜んでしまいます。
――4年間一緒に過ごしてきたからこそ知っている話はありますか
松本 お前(堰合)に関しては入学時と今のギャップが激しすぎて何も言えんけど。こいつ入寮したときすごい青年だったんですよ。田舎から来た・・・。
三人 お前もな(笑)。
松本 ちょっとなまっていて、すごく周りのことを気にする青年だったんですよ。ふた開けてみれば、なんかもう・・・。
青木優 すごいよね。暴走止まらず。
松本 変態なんですよね。エピソード?
堰合 ないでしょ。
加賀美太 日常の些細なことで毎回「うわっ」って思っているからもう覚えていない。きょうの朝も「うわっ」って思った覚えがある。
松本 思い出す価値はない(笑)。
堰合 寮の部屋が二人部屋なんですけど。毎年自由に変えられるのですが、2年連続でいる人多いなっていうエピソード。
一同 はい(笑)?
堰合 優之介も立樹(FW金子立樹主将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)とまっちゃんだったじゃん。
青木優 それ2年のときだよ。
堰合 それもあり。たーくん(加賀美選手)は2年間一緒。志村(DF志村慎次朗、社4=東京・早実)も村上さん(村上晃平、平28先理卒)と3年間一緒。
加賀美太 それが?
松本 まとめて、まとめて。
堰合 大体人間と言うのは、二人暮らしをしたら相手のことを嫌になるのですが、この4年生の人たちは心が寛大すぎて、2年間も同じ人とあんなに狭い4畳半あるかないかのところで暮らせる。
加賀美太 お前(堰合)、優之介と殴り合ってたよな。あれなんで?
青木優 くだらない(笑)。くだらないことでケンカしすぎて・・・。
松本 優之介と芳貴が同部屋だったんですよ。
加賀美太 結論から言うと、優之介が正論を言うとむかつくという。
一同 (笑)。
青木 1年のリーグ戦の最終日、全日本(全日本選手権)が懸っている一番大事な試合の前にケンカしました。
堰合 同じセットなのに。ケンカの理由がベットに入ったからという。
一同 (笑)。
堰合 自分が最初に優之介のベットに入って。優之介は下ベットなんですよ。下ベットはすごく入りやすくて、(下ベットにする人は)他の人に入られるのを承知の上で下ベットにするっていう自分の中のルールがあるのですが、下ベットの人は上ベットに上がっちゃいけないという自分の中のルールもあります。その下ベットの優之介が上ベットの部屋に入ってきたので、「降りろ!」みたいな感じで言ってそこからケンカが始まりました。
一同 (笑)。
加賀美太 殴り合いが始まって、志村が発見して止めに入ったけど、間でずっと挟まれていた(笑)。志村は必死に止めてたけど、他の人は「何やってんの?」「どうしたどうした?」って思っていました(笑)。
堰合 当時羽刕銘さん(平26スポ卒=現日本製紙クレインズ)というキャプテンがいたのですが、自分たちのケンカを見て止めに入ると思いきや、「靴下の色間違えたわ」みたいな感じで、靴下を優先するくらいくだらないケンカでした(笑)。
「4年生としてしっかり優勝に導く」(堰合)
堰合
――自分が女の子だとしたらメンバーでクリスマスを一緒に過ごしたいのは誰ですか
堰合 俺、志村かな。志村お金持ちなので・・・。
一同 (笑)。
堰合 庶民の自分なら絶対払えないようなめっちゃ豪華なディナーとか、屋上貸し切ってくれそうな。本当に金持ちなので、夢見させてくれそうですね。西武球場とか貸し切ってくれそう。貸し切ったところでなんですが(笑)。
松本 僕は同期の遠藤(GK遠藤秀至、社4=東京・早実)ですかね。僕彼に強く当たられているのですが、たまに出てくる優しさ、ツンデレのデレにきゅんってくるんですよ(笑)。クリスマスならきゅんの部分がすごいんで、プレゼントとかすごい楽しみですね。前もってすごくいろいろ考えてくれるタイプなんですよ。ならクリスマス一緒に過ごすなら秀至ですかね。95%のツンに耐えれる人はおすすめ。あとの5%が見れると懸けたいですね。
加賀美太 遥平(DF新井遥平、スポ3=北海道・駒大苫小牧)とか。顔かっこいいし。でもあいつは本当にいいやつなんだよな(笑)。
青木優 さとしゅう(FW佐藤秋都、教4=北海道・駒大苫小牧)かな。知識豊富なので、僕とかが知らないようなところも知ってそうで。いいところに連れて行ってくれそうなので、佐藤秋都がいいですね。
――クリスマスプレゼントで欲しいものは何ですか
堰合 単位が欲しいと思いきや、単位をくれない教授が欲しい。あと4年間くらい大学生やりたいなって。学生生活が残り3カ月になって、しみじみ学生って最高だなって。学生の時間をくれるサンタさんが欲しいです。
青木優 学生生活残り少ないので、いろんなところに行きたいですし、もっと最後楽しみたいです。
――今の時期になると、学生生活が名残惜しくなりますか
加賀美太 きのう突然まっちゃんからLINEが来て。去年の2月くらいにまっちゃんの実家に、俺と金子立樹で旅行に行ったのですが、急に「そのときの写真を俺に送ってくれ!ちょっと一年振り返ってひたりたいんだ」って。どうしたこいつってなりました(笑)。
一同 (笑)。
松本 師走なので。僕携帯をすぐ壊して、データが飛んでしまうんです。今回も見ようと思ったらデータがなくなっていて。けど振り返らない?
堰合 関西人にはオチを求めるよ。
松本 僕の欲しいプレゼントですか?優勝ですかね。本当に勝ちたいです。
加賀美太 今いい話に持っていこうとする流れだった(笑)?
松本 今そんなにモノ欲しくないわ。
加賀美太 優勝をくれるっていったら他いらないわ。まあ、僕も優勝ですかね。
一同 (笑)。
松本 全員一致で優勝ってことでお願いします!
「後輩たちに何かを感じ取ってもらえるように」(松本)
松本
――インカレについてお伺いします。トーナメント表を見た率直な感想を教えてください
青木優 やっぱり目がいくのは、準々決勝で当たる明大です。でもその前にも2試合あるので、明大のことばかり考えているとそれまでに足をすくわれてしまう可能性があります。一試合一試合大切にやっていく必要があるかなというのがトーナメント表を見て思ったことです。
松本 きょう工藤監督(工藤哲也監督、昭63社卒=青森・八戸)が「縁起がいい組み合わせ」とおっしゃっていて。1回戦の相手が神戸大なんですけど、僕たちが1年生のときも1回戦が神戸大で、その代は優勝しているので縁起がいいと僕も感じました。事実として(リーグ戦では)4位という結果で上位3校には勝てていません。なので試合を通じてもチーム力を上げていく必要があるなという意味で、一試合一試合集中していきたいという気持ちが出てきました。
加賀美太 優之介も言っていたように明大戦がヤマ場になると思います。でもその前に当たる大東大も力をつけてきているチームなので、そこも何となく嫌な感じがするなというのがトーナメント表を見たときの率直な感想です。そこでもしっかり勝てるように準備していかなければいけないな、油断しないようにしていかなきゃいけないなと思いました。
堰合 トーナメント表を見る前からだいたい過酷な道になることは分かっていたので、トーナメント表を見てこう思うっていうのはあまりないんですけど、やっぱりトーナメントの試合というのは1点がすごく大きな勝負の分かれ道になるので。0点にさえ抑えられれば絶対に勝ち進んではいけるので、DF力を上げたいなというのはずっと感じています。
――今のお話にもありましたが、準々決勝で当たるであろう明大の印象はいかがですか
青木優 うまいです。パスもうまいですし、個人のスキルも高いです。個人のスキルで戦ったら絶対に勝てない相手ですが、そこはチーム力でカバーしてロースコアで勝つしかないかなという印象です。
加賀美太 上位校の中大、東洋大、明大だったら明大が一番相性がいいのではないかなと感じています。でもいつも明大に勝てそうなときは、明大が自滅していることが多いです。明大もさすがにインカレではそう簡単には自滅しないと思うので、そこは自分たちがしっかり耐えて、優之介も言っていたんですけどロースコアのゲームに持ち込んで勝つことが必要になってくるのではないかなと思います。
堰合 明大はFWがうまいなという印象があります。FWに限らずDFもどんどん4番手や5番手で自分たちのディフェンディングゾーンに入ってきて、どこからでもシュートを打ってくるのですごく攻めがうまいという印象です。
松本 前の明大だったら反則とかを狙いにいこうというチームだったんですけど、今の明大はすごく結束力が強くなってチーム力も上がってきています。自分たちもチーム力で勝っていきたいので、そこは負けたくないという気持ちがあります。
――インカレでのキーパーソンは誰になると思いますか
青木優 秀至ですかね。やっぱりロースコアで勝つ上で大事なのはDFと、最後ゴールを守るのはキーパーなので。頼りすぎてしまうのは良くないんですけど、期待したいなとは思います。
加賀美太 僕も同じです。1年生でインカレ優勝したときも、最後決勝戦はケガして代わってしまったんですけど、そこまでは本当にほとんど抑えてくれていて。頼りすぎるのは良くないんですけど、期待しています。
松本 DF陣に注目してほしいです。というのも、ことしのワセダはDFの層が薄いと言われていて、そこで僕たちも考える部分というのはたくさんあったので。最後の集大成のインカレというところで、良くなったという結果を見せたいと思うので、DFに注目してほしいです。
堰合 キーパーソンは羽場くん(DF羽場健太、政経2=東京・早実)かなと思っています。リーグ戦では途中から第1セットで頑張ってくれていて、インカレは上位のセットで入るかは分からないですけど、試合には出るのかなと思っています。彼は早実出身で、僕らとは全然ホッケーの環境とかが違う選手で、総体とかでベスト4とかまで上がっていくのを経験していない選手です。なので、彼がいかにトーナメントで自分の実力以上の力を発揮してくれるかというのが、カギになってくるかなと思います。
――インカレまでに、どのような点に重きを置いて練習していきたいですか
青木優 まずは失点をなくすための守りの意識ですかね。FWも攻めすぎて3人中に入ってしまうことがあるので、そういった守りの意識の確認が必要になってくると思います。
加賀美太 チームとして勝つためにどういうホッケーをするかというのを全員で共有してやっていくことと、あとは最後の最後、FWがシュートを打つときはある意味自分の世界なので、そこの決定力をしっかり上げていくことを一人一人が特に意識してやっていかなければいけないと思います。
松本 優勝したいという気持ち、優勝できるという気持ちを全員が持つことを感じられるような練習をすることがすごく大切だなと思っていて。最近それを意識しています。
堰合 優勝するための練習をできたらなという思いがあります。ただベスト4入りできればいいとか明大に勝てればいいというのではなくて、最後の最後までパックを追い続けられるような練習をすれば、おのずとインカレでもいい結果を残せるのではないかなと思います。優勝のための練習をしていければと思います。
――個人としての目標やアピールポイントはありますか
青木優 自分のアピールポイントはスピードを生かしたプレーなので、パックを持ったときにスピードを使ってゴールに向かったりパスをしたりして、ポイントでチームに貢献できればなと思っています。
松本 僕の良さはがむしゃらなところだと思うので、そういうところを徹底してやっていきたいと思っています。
加賀美太 自分の良さというか意識してやっていきたいのは、攻めの中でチャンスを多くつくることです。数を打って攻めのチャンスを多くつくっていって、どこかで一発やってやろうと思っています。
堰合 僕は、パスがチームの中ではできる方かなと思っています。というのも、自分はパックを持っている時間が短いなと思っていて、DFとしてはそれでいいと思っています。パックを持っていってくれるのはFWだし、シュートを止めるのはキーパーだし、僕らに何ができるかと言ったら、FWへ速いパスを出してキーパーのことを守ることなので、パックを持っている時間を短くすることは常に心掛けています。その反面パックを持っている選手が写真に撮られがちなので、フェイスブックや東京アイスホッケーチャンネルを見ても、毎回自分の写真があがらないなと悲しい気持ちになっています(笑)。ぜひホッケーをこれから取材してくださる早スポさんでも東京アイスホッケーチャンネルさんでも、DFにもう少し日の目を当ててもらえたらなと思います。試合に勝ったときはだいたいFWがシュートを打った写真で、ワセダ大敗とかだと秀至がかっこよく守っている写真なので、いつDFが載るのかなと思っていて。点が入って集まって喜んでいるときに、ヘルメットの一部が写るくらいで、背番号と名前が写るのはFWなので・・・。
加賀美太 質問は、インカレでの個人の目標と、アピールポイントだから(笑)。
松本 早スポ、TIC(東京アイスホッケーチャンネル)に対する意見を言うところじゃない(笑)。
堰合 個人のアピールポイントは速いパス出しで、目標はメディアに取り上げられることです(笑)。そういうポジションなので仕方がないとは思っているんですけどね。陰の立役者ってことで。
松本 目標は優勝って言えや(笑)。
一同 (笑)。
――最後のインカレになりますが、皆さんにとってどのような大会ですか
青木優 今までやってきたホッケー人生の集大成ということで、もちろん優勝を目指して頑張りますし、最後なので楽しく悔いの残らないようにやりたいなと思っています。
加賀美太 これまで16年間くらいやってきたアイスホッケーをもうこれで終えるので、10年後とかに同期で集まったときに「やっぱりあの引退のときのインカレ良かったよね」とおいしい酒を飲みながら話せるようにできたらいいなと思います。
松本 やっぱり僕たちが優勝を経験している最後の代なので、後輩にも見せてあげたいという気持ちがあります。結果を重視していきたい大会です。
堰合 インカレは本当に優勝したいとみんなが思っているので、4年生としてしっかり優勝に導いてあげたいというのもすごく思いますし、優勝することは自分たちの代だけではなくて後輩とか先輩とかにもつながってくることだと思うので、いろんな面で優勝したいという思いが強いです。
――インカレに向けた意気込みをお願いします
青木優 優勝目指して、チームの勝利に貢献できるように頑張っていきたいと思います。
加賀美太 後悔しないように、そして後輩たちにいいものを残せるように全力で頑張りたいと思います。
松本 後輩たちにも何かを感じ取ってもらえるように姿勢を見せて、取り組み方一つにも責任をもって、頑張っていきたいというとなんだか簡単な感じになってしまうけれど、頑張っていきたいです。
堰合 やっぱり意気込みは優勝する、ということで。同じ学年の人と同じ大会で試合をするこということは本当に最後になります。みんな条件は同じなので、最後は気持ちの問題だと思います。気持ちで絶対に負けないように、相手にひるまず真っ向勝負で頑張っていきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 中村ちひろ、加藤佑紀乃、橋本望)
それぞれの意気込みを書いていただきました!
◆加賀美太一(かがみ・たいち)(※写真左)
1994(平6)年12月4日生まれ。165センチ、69キロ。東京・早実高出身。商学部4年。背番号『11』。寝る前にユーチューブではじめしゃちょーと水溜まりボンドの動画を見ることが日課だという加賀美選手。早稲田祭にも足を運び、ライブを楽しんだそうです!
◆青木優之介(あおき・ゆうのすけ)(※写真中央左)
1994(平6)年8月18日生まれ。169センチ、73キロ。埼玉栄高出身。スポーツ科学部4年。背番号『26』。他の選手のベットで寝ることが好きだという青木選手。お気に入りは加賀美選手の布団。どのベットよりも寝心地が良いそうです!
◆堰合芳貴(せきあい・よしき)(※写真中央右)
1994(平6)5月31日生まれ。177センチ、77キロ。青森・八戸工大一高出身。社会科学部4年。背番号『5』。早稲田キャンパス周辺のグルメにはまっているという堰合選手。馬場歩きの途中の店に足を運び、早大生としての残り生活を謳歌しているそうです!
◆松本逸輝(まつもと・いつき)(※写真右)
1995(平7)年2月16日生まれ。164センチ、66キロ。滋賀・光泉高出身。商学部4年。背番号『25』。最近はまっているのはカレーだという松本選手。オススメは、上石神井にあるカレー屋さん。あした行くのだとうれしそうにおっしゃってました!