力及ばず…。またも明大に敗れる

アイスホッケー

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)も残すところあと3戦のみとなった。4位を死守するためには、あと1勝が必要な早大。何としても白星が欲しい明大戦だったが、相手に主導権を握られる展開となる。最後に1点を返し意地を見せるも、第1、第2ピリオド(P)の失点が響き1-4で手痛い1敗を喫した。

 立ち上がりは上々だった。リバウンドから、何度も明大ゴールに迫る。数的不利なキルプレーの場面も、相手の個の力をチームプレーで封じ込め得点を許さない。しかし15分40秒、相手に隙を突かれて失点すると、試合の流れは徐々に明大ペースへ。相手の素早いパス回しに翻弄(ほんろう)される場面が見られるようになる。猛攻を防ぎ切ることはできず、再び失点を許し0−2で第1Pを終えた。続く第2P。何とか自分たちの流れに持っていきたい早大だったが、立ち上がり早々にいきなり2失点。「気持ちの入り方が弱かった」(DF羽場健太、政経2=東京・早実)。その後、数的有利なパワープレーの場面もあったが、決定力に欠け明大ゴールをこじ開けることはできなかった。

明大の個の力に及ばなかった

 「少しでもワセダの意地を見せよう」(FW矢島雄吾、スポ2=北海道・駒大苫小牧)。立て直しを図った第3P。何度も好機をつくるなど攻撃への意識が増したようにも見られた。シュート数でも18-15とこの日始めて明大を上回る。それでも、なかなかシュートを決め切ることができない。待望のゴールが生まれたのは、試合終了まで1分を切ったときだった。FW金子聖(スポ4=埼玉・立教新座)、FW飛田烈(商2=東京・早実)のパス回しを受けたDF坂本之麿(商2=青森・八戸工大一)が右側から流し込んでゴール。最後に一矢報いることに成功した。

貴重な1点を手に入れた坂本(右)とゴールマウスを守り続けたGK遠藤秀至(社4=東京・早実)

 セットを変えるなど、試行錯誤の戦いが続く早大。次戦の相手はリーグ戦の首位を走っている中大だ。強敵には違いないが、きょうの第3Pの流れのまま試合に入ることができれば、勝つのが不可能な相手ではない。「絶対に勝つ」(FW寺井敏博副将、国教4=米国・チョートローズマリーホール高)。圧倒的な強さを見せる中大相手に金星を挙げることに期待したい。

(記事 杉山睦美、写真 杉田陵也、川浪康太郎)

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関東大学リーグ戦
早大 ピリオド 明大
0(9) 1st 2(14)
0(9) 2nd 2(20)
1(18) 3rd 0(15)
1(36) 4(49)
※( )内はシュート数
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
明大 15:40 池田 桂川 井上
明大 17:29 川村 府中 松本 PP
明大 21:41 高橋 工藤 上野
明大 22:09 井上 桂川 池田
早大 59:44 坂本 飛田 金子聖
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
鈴木 寺井 青木優 新井 羽場
矢島 青木孝 金子聖 堰合 格地
田中 高橋 佐藤 松本 坂本
飛田 瀬戸 加賀美太 志村 田村
GK遠藤
関東大学リーグ戦ディビジョンIグループA順位表(10月24日時点)
順位 校名 勝点 試合数
中大 31 12 10
明大 31 12 10
東洋大 30 12
早大 16 12
法大 11 12
日体大 10 12
日大 12 10
慶大 12
コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――終始主導権を相手に握られる展開となりました

第1Pの入りは非常に良かったと思いますが、こちらの反則で徐々にペースを握られたのは反省点です。

――敗因に挙げられるものはありますか

余計な反則が多かったことと、点を取るべきところで取れていなかったことです。特にシュートが全体的に少なかったことが課題だと思っています。

――失点こそ重なりましたが、前節に比べチームプレーが徹底している印象を受けました

相手は一人一人のプレイヤーが上手なので、それに関してはきっちり体で当たりにいったり、セットで守るという意識は前回よりはできていたと思います。

――第2P序盤の2失点は気の緩みがあったのでしょうか

その可能性もあると思います。向こうのプレーが上手だったということもあるかもしれませんが、1点はしょうがないにしても(2点目を)短い時間で取られたことは反省点です。

――攻撃面と守備面では、どちらの反省要素が多いですか

きょうに関しては攻撃面ですね。シュートを打つところが近かったりだとか、打つべきところを交わしに行ってキーパーまで届かなかったりするところがあったので、もう少しシュート数は多くする必要があると思います。

――第3Pは、その前のピリオドよりもいい動きをしているように感じました

このまま4-0で終わらないということを共有しました。あとは今まで出ていなかった選手をセットで入れ替えたりして。新しく入ったプレーヤーが一生懸命プレーしていたのが、結果としては良かったと思います。

――上位校との差はどういったところに感じましたか

まず、一つ一つのプレーの精度だとか、決めるべきところを決めたりだとか。そういったところがうちとの違いだと思っています。

FW寺井敏博副将(国教4=米国・チョートローズマリーホール高)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

最後の3試合の1戦目として、絶対に勝つという意識でやっていたので、結果が出なくて残念です。

――第1Pの入りはいい流れで試合を進めていました

立ち上がりは良くて第1Pの入りはすごく良い流れでできていたのですが、ペナルティーが多くてそこから流れが崩れてしまいました。

――第2Pの最初の2失点は気の緩みが原因でしょうか

二次リーグで第2Pで失点しているという課題が見つかったので、それを克服しようと臨んだのですが2失点は痛かったので、流れの悪いピリオドになってしまいました。

――日大戦と比べてスピード感の違いなどは感じましたか

そうですね、感じました。

――PP(パワープレー)でもなかなか攻めの展開に持っていけませんでした

早大のPPが特にうまく回せていなかったのかなという印象です。

――PK(キルプレー)の場面が多くありましたが、そのあたりの守りはいかがでしたか

ペナルティーは多かったのですが、キルでもしっかり守れていたので、そこは良い点だったと思います。

――上位校である明大との力の差はどのようなところに感じましたか

細かい点で決めきれなかったところなので、そういう点を縮めていって、今度当たったときに勝てればいいなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

中大戦なのですが、最後2試合の1戦目として絶対に勝つという気持ちで臨みたいです。

GK遠藤秀至(社4=東京・早実)

――試合全体を振り返っていかがですか

全体的にかなり悪い流れというか、相手にやりたいことをすべてやらせてしまったような感じで。その後もそれを修正できずにずっと相手の流れに乗ったまま試合が続いたので、かなり悪い試合だったと思います。

――前回の試合からセットの変更がありましたが、それによる影響はありましたか

立樹(FW金子立樹主将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)がいなくなったことで得点力が減ったかなと思います。あとは相手ゴールの近くでプレーする時間も減ったかなと思います。けどその中で第1セットはうまくやってくれてたと思うんですが、第2セットが変わったことによって、あまりうまくいってないかなという感じはありました。

――今回の試合に向けて守備の皆さんで固めたことや、意識したことはありますか

メイジの特徴を潰すプレーを練習してきたんですけど、そこがきょうあまりうまくいかなかったです。自分たちがやってきたことがうまくいかなかったのは、それはそれでいいんですけど、その後修正できなかったというところが、きょうの試合の悪かったところだと思います。

――きょうの敗因は何だとお考えですか

失点してから何回も同じプレーで崩されたりしていたので、そこでしっかり修正できなかったところかなと思います。

――第2Pで連続して失点してしまいましたが、原因はありますか

先ほど言ったように悪いところを修正できずに、同じようなかたちで何回も攻められてしまい、そこで流れも悪くなってしまったので、そういったところだと思います。

――今回の試合を通して感じた上位校との差はありましたか

個人的なスキルはうちはもともとそんなにうまくないので、そういったところは元々感じていたところはあるんですけど。今回試合をしてみてやっぱりチーム全体のホッケーの完成度というかチーム全体のまとまりが違うなと感じました。メイジは決まった形で何回も攻めてきていたのですが、ワセダはそれに合わせるだけになってしまっていたので、そこはメイジとかを見習って自分たちの得意なプレーをしっかりつくり出さなければいけないなと思いました。

DF堰合芳貴(スポ4=青森・八戸工大一)

――またも明大に敗北となりました

第1Pに失点して、2点目もすぐ失点したのが敗因です。

――失点するまでは集中してプレーできていました

残り5分で入れられてしまいましたが、こっちもチャンスあったし、守れるところは守れていたので試合内容的には最初は良かったです。

――明大とどの辺りに差を感じましたか

ルーズパックの寄りがメイジの方が早かったです。そこが結局パックの支配率につながったと思います。

――メイジはトラップや体の使い方が巧みで、それもパックの支配率を高める要因を担っていたと思います

メイジは個人スキルが高くて、体や空間の使い方がうまかったです。

――きょうはピリピリとした雰囲気の試合となりました

ワセダとしても勝ちたい試合でしたし、メイジも優勝がかかっていて、お互い勝ちたい気持ちが緊張感を生んでいました。

――そのような雰囲気から、反則によりキルプレーのピンチを招くことも多かったと思います

不本意な反則や、いらないところでの反則があったので、そういったところも敗因の一つだと思います。

――先週の日大戦よりもチームプレーの質が高かったと思います

相手のレベルが上がったことで、必然的に僕たちのチームプレーもおのずと上がったと思います。しかし、まだ全然足りていない部分があったので、負けてしまったのだと思います。

――次戦の中大戦まで時間がありませんが、どのような準備をしていきますか

相手の選手のクセをつかんだり、きょうの悪かったところを改善したりして、練習でもメニューに一つ一つ真剣に取り組んでいきたいと思います。中大は格上ということですが、同じ学生なので勝てないことはないと思うので、しっかりやっていきたいと思います。

DF坂本之麿(社2=青森・八戸工大一)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

チームで勝ちをテーマにしてやってきたのですが、結果的に負けてしまったのでなにも言うことはないです。強いて言うなら、最後完封負けを阻止できたのは良かったのかなと思います。

――坂本選手が決めた最後のシュートシーンを振り返っていかがですか

数的有利の状況だったので、パックが来たら打つように構えていて、飛田(FW飛田烈、商2=東京・早実)からいいパスが来たのであとは打つだけでした。

――きょうは第3セットでの起用でした

守りを意識したセットなので、このセットの役割を考えてプレーしました。

――その守りの面はいかがでしたか

反則が多くて、そこからリズムが崩れたので、まずは反則を減らすことを意識してやっていきたいです。

――第3Pは無失点に抑えましたが、収穫はありましたか

第3Pに入って、第2Pまで出ていなかった選手も出るようになって、そこで流れを変えようということでみんな良い動きをしていたし、結果的にそれが得点につながったので、そこは収穫だったのかなと思います。

――次戦の中大戦に向けた意気込みを聞かせてください

相手は首位のチームですが、チャレンジャーの気持ちで勝ちを目指してやっていきたいと思います。

DF羽場健太(政経2=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

チームが4位になるためには絶対に落とせない試合でしたが、入りから反則が多く相手に流れを渡してしまいました。第3Pはみんな足が動いていて自分たちのやりたいホッケーができたのですが、第1、2Pが自分たちの方から相手に流れを渡してしまったのが大きいかなと思います。

――反則が多かったことに関しては、相手のうまさもあったと思います

それもあると思います。気持ちが入っていたのはいいことなのですが、熱くなりすぎて必要以上に反則が多かったので、それは良くなかったなと思います。

――きょうの試合では第1セットでの出場となりました。どのような経緯があったのでしょうか

あまり詳しくは聞いていませんが、明大相手にハリデー慈英(DF、スポ2=埼玉栄)たちが抜けていて3つで回すということが厳しくなっているというコーチの判断で、今は5人で回しています。5人回しなのでセットがずれてくるので、あまり1つ目という意識はなくて、FWとセットごとのプレーしようと思っていました。

――試合前、明大に対してどのような印象を持っていましたか

個人技が光る選手が多いので、1対1で負けてはいけないということはすごく意識していました。あと、パス回しなども速くて崩されているチームが多かったので、一人一人がしっかり首を振ってマークをしないとすぐに失点してしまと思っていたので、そこは気を付けようと思っていました。

――第1Pの失点を振り返ってみて、それをどう捉えていますか

1点目は走ってくる相手を誰も見ていなかったということがあって、それは完全に自分たちのミスでした。2点目は結構不運なところもありましたが、仕方なかったのかなと思っています。

――第2Pは序盤立て続けに失点を許してしまいました

あの辺は崩されてしまったという印象があって、ピリオドの最初でしたし、気持ちの入り方が弱かったのかなと感じています。

――第3Pに関しては先ほどもあったように流れがいい方向に向かっていたと思います。その点はどう感じていますか

少しセットを入れ替えたり、フレッシュな選手を入れたりしました。そのかいもあってか足も動いていましたし、最後はワセダの意地を見せることができたと思います。

――試合の組み立て方を変えたりなどはなかったのでしょうか

それよりかは、『最後このままじゃ終われない』という精神的なところが大きかったです。

――個人的には明大の選手相手に自分のプレーを出すことはできましたか

たまたまきょうは2点目以外失点はありませんでしたが、相手が攻めてくるときに広くリンクを使ってくるので、サイドに寄ってしまい過ぎて真ん中にパスを通される場面が多かったです。味方からも注意されましたが、それを結構繰り返してしまったので、秀至さん(GK遠藤秀至、社4=東京・早実)が止めてくれたので良かったですが、危ないシーンもありました。そこは反省点だったと思います。

――その点をどのように改善していきたいですか

相手が入ってきたところに対して開き過ぎてしまったので、DF同士のコミュニケーションもありますし、もっと間を詰めてやっていきたいです。

――次戦の中大戦に向けて修正していきたいところはどこですか

ここ数試合はセットをかなり組み替えているので、セット同士でのコミュニケーションというのはすごく大事になってくると思いますし、固定されていないのでまだ難しいところもありますが、FWと毎回しっかりコミュニケーションを取っていければ、対応できない相手だと思うのでしっかりと準備をしていきたいと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

これからの中大戦、東洋大戦で勝たないと上位には食い込めないので、絶対負けないという強い気持ちを持ってやりたいと思います。

FW矢島雄吾(スポ2=北海道・駒大苫小牧)

――試合の主導権を握られ続ける展開となりました

第1Pの始めはすごく良かったのですが、立て続けに反則してしまって。そこから流れが持っていかれたのかなと思います。

――きょうの敗因についてどうお考えですか

失点のパターンを見ると自分たちのミスから反則したり、ターンオーバーだったりが多かったです。これから自分たちのミスをいかに少なくしていくかが大事だと思います。

――失点こそ重なりましたが、チームプレーが前節より徹底できている印象を受けました

秋リーグも残り少なくて、この3連戦が大事な試合ということで、チーム一丸となって勝ちに向かって頑張れたのではないかなと思います。

――矢島選手は、何度も好機をつくっていましたね

チャンスはあったんですけど、そこでシュートを外して逆に攻められた場面もあったので、反省するところは多々あるのかなと思います。

――4失点していた第2P後、チームで共有したことはありますか

「このままなめられて終わるか」ということで、「少しでもワセダの意地をみせよう」という指示がありました。

――第3Pはいい動きができていたように思います

第3Pはシュート数はこちらの方が多いですし、第3Pだけだと1ー0で終われたので、これを中大戦、東洋大戦につなげていけたらなと思います。

――FWとして、攻撃面における反省点はありますか

第3Pこそシュートは多かったのですが、第1P、第2Pのシュート数は大幅に負けていました。シュートを打たないと点数も入らないので、シュート数を増やしていかないといけないと思います。

――中大戦への意気込みをお願いします

一勝でもしないと上位に入れず、負けたら5位になってしまうので、上位を目指して頑張っていきたいと思います。