強豪校相手に敗北が続いていた早大。ここで勝利し、関東大学リーグ戦(リーグ戦)の3位に浮上したいところだった。ところが、幾度もチャンスをつくった一方で相手の堅い守備を崩すことができない。第2ピリオド(P)以降は度重なるペナルティーで数的不利なキルプレーになったこともあり、相手に得点を許してしまった。最終結果は0-4。3位の東洋大に勝ち点5の差をつけられ、リーグ戦の前半を終えた。
第1P開始早々から、激しいぶつかり合いが繰り広げられた。相手のチェックに阻まれ、なかなかチャンスをものにできない。早大も堅い守備を展開し、互いに得点のないまま時間が流れていく。15分22秒、相手のペナルティーで数的有利なパワープレーのチャンスが訪れた。ここで先制点を挙げたい早大は、ゴール前で慎重にパックを運びタイミングをうかがう。ところが、ついにゴールネットを揺らすことはできなかった。得点は挙げられなかったが、「まず第1Pは無失点でやっていこうと言っていて、その通りに終えることができた」とDF新井遥平副将(スポ3=北海道・駒大苫小牧)が振り返ったように0点で抑え、悪くないスタートを切った。
一次リーグを通し第1セットで活躍したFW飛田烈(商2=東京・早実)
第2Pはいきなり東洋大のペースになる。GK遠藤秀至(社4=東京・早実)の守備が光ったが、早大は我慢の時間が続いた。26分18秒、素早いパスの勢いそのままにシュートを決められ、初失点。巻き返しを図りたい場面で早大は立て続けにペナルティーをしてしまい、3人対5人と数的不利なキルプレーになってしまう。必死の守りもむなしく、2点目を献上。第2P終了間際、FW矢島雄吾(スポ2=北海道・駒大苫小牧)がリンクを駆け抜けゴールまであと一歩に迫ったが、ここでも1点目を奪うことはできなかった。第3Pの前半は互いに譲らない展開になる。早大は反旗を翻したいところだったが、ここで再び流れが相手に奪われてしまう。2点の追加を許し、0-4で試合を終えた。
ゴール前には迫るも、相手守備陣に阻まれる
一次リーグを4位で終えた早大。「内容は決して悪くない」(工藤哲也監督、昭63社卒=青森・八戸)。守りの良さは発揮したが、ペナルティーが響き決めきれない場面が見られた。来週からは二次リーグが始まる。得点力を上げ、一つでも上の順位をつかみ取りたい。
(記事 橋本望、写真 冨田千瑛、加藤佑紀乃)
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関東大学リーグ戦 | ||
---|---|---|
早大 | ピリオド | 東洋大 |
0(13) | 1st | 0(9) |
0(9) | 2nd | 2(20) |
0(12) | 3rd | 2(15) |
0(34) | 計 | 4(44) | ※( )内はシュート数 |
得点経過 | |||||
---|---|---|---|---|---|
チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
東洋大 | 26:18 | 渡邊 | 古川誠 | - | - |
東洋大 | 33:23 | 渡邊 | 人里 | 古川誠 | PK |
東洋大 | 51:50 | 出口 | 渡邊 | 古川誠 | - |
東洋大 | 55:26 | 阿部 | 田中 | 柴田 | - | ※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
---|---|---|---|---|---|
セット | FW | FW | FW | DF | DF/FW |
1 | 飛田 | 金子立 | 青木優 | 坂本 | 新井 |
2 | 寺井 | 青木孝 | 鈴木 | 堰合 | 羽場 |
3 | 田中 | 高橋 | 矢島 | 松本 | 格地 |
4 | 小澤田 | 瀬戸 | 加賀美太 | 志村 | 佐藤 | GK遠藤 |
コメント
工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)
――試合を振り返っていかがですか
第1Pの入りや第3Pも動きは良かったと思うので、結果として負けてしまいましたけど、内容的には良かったと思っています。
――やりたいホッケーはできたということでしょうか
第2Pは立ち上がりが少しふわっとしたところがありましたけど、それ以外の第1P、第3Pに関しては、内容は悪くはなかったと思います。
――そうなると、得点力不足が敗因に挙げられます
そうですね。得点力もそうですし、失点を取られた後、前の週の中大戦もそうでしたが反則が重なって。数は多くないんですけど、同じタイミングで(人数が)3対5になって点を取られたということは反省点だなと思います。
――一次リーグ全体を振り返っていかがですか
一つ一つのゲームでそれぞれ反省することがあったりだとか、点が取れなくて勝ち切れなかった部分はありましたが、もう一次リーグは終わったことだし、また来週から二次リーグが始まるということなので、一つ一つ勝てるように準備をしていきたいと思います。
――昨年のワセダの強みであった第3ピリオドの勝負強さがことしはあまり見られない印象です
去年はどちらかというと立ち上がりが悪くて、第2P、第3Pと慌てて一生懸命やるようになって、第3Pで結果を出せたんですけど。ことしは逆に第1Pはいい立ち上がりをしているし、極端に第3Pが悪いという訳ではないと思っています。
――一次リーグを通して良かった点を教えてください
良かった点は守りの面です。第1Pは去年に比べたら改善されていたりだとか、守りの意識はチームで共有できているのかなと。去年試合に出ていなかった選手や1年生も含めていい経験ができているのかなと思うので、そこは強みとしてまた来週から戦っていきたいと思います。
――DFが不足している現状についてどうお考えですか
コマがちょっと不足しているのはしょうがないことです。ただ人数はいるので、試合に出て活躍できるように、意識を変えていければいいかなと思います。
――一次リーグを終え、4位という順位についています
勝ち点とかを見ると去年などに比べれば苦戦しているなと思いますけど、内容は決して悪くはないので。そこは勝ち点とかをあまり気にせずに、また一つ一つずつ勝っていくということを実践していきたいと思います。
――強豪校に勝つために、これから必要なことは何であるとお考えですか
意識のところで守りを中心で、ロースコアで守り勝つというところは変える必要はないと思うんですけど、細かい反則だとか連携のミスだとかそういったところをなくしていくことです。あとは得点力を含めたかたちで、スペシャルプレーの強化をしていく必要があると思います。
FW金子立樹主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
最終的に点数0では勝てないので、FWが点数を取れなかったところが、DFとキーパーに負担をかけていますし、そこが敗因かなと思います。
――無得点に終わった原因は何だと考えていますか
第1Pはゴールに向かう意識があったのですが、第2P、第3Pではそれが少しなくなっていた部分が無得点につながったのかなと思います。
――ワセダのやりたいホッケーというのは、この試合ではどのくらいできましたか
第1Pまではすごい相手と互角の勝負でできていたと思いますが、第2Pの反則以降少し流れが悪くなってしまって。そこで立て直せずにズルズルいってしまったのかなと思います。
――一次リーグが全て終了しましたが、一次リーグを全体を振り返っていかがですか
上位校には一勝もできていませんし、ちょっと優勝も厳しくなってきていて。ワセダが目指しているホッケーというのはまだまだできてないかなと思いました。
――一次リーグで良かった点と悪かった点を挙げるとしたら何がありますか
良かった点はあまりなくて、悪かった点は先制点をほとんど取れてないのでそこは課題かなと思います。
――4位という現状についてはどのように考えていますか
一つでも順位を上げられるように、次からの後半戦はまた1からという気持ちでしっかりやろうというのはきょうのミーティングで話したので、また新たな気持ちでやっていければいいかなと思っています。
――今のワセダにとって、強豪校に勝つために必要なことは何だと考えていますか
立ち上がりの部分は毎試合の課題になっているので、そこをもう少し修正できれば強豪校にもいい試合ができるのかなと思います。
――二次リーグに向けての意気込みをお願いします
本当に1つでも順位が上がるように、1試合1試合戦っていきたいと思います。
DF新井遥平副将(スポ3=北海道・駒大苫小牧)
――今回の試合を振り返っていかがですか
きょう勝たないと優勝は厳しいという状況にあったので、勝つことができなくて正直悔しいです。
――4位という現状についてはどうお考えですか
順位を下げることなく、ここから上の順位を目指してやっていきたいという気持ちです。
――4失点という結果についてはどのようにお考えですか
ミーティングでまず第1Pは無失点でやっていこうと言っていて。その中で第1Pはその通りに終えることができたんですけど。第2Pで失点してしまって、その後僕の反則で流れを悪くしてしまったかなと思います。
――強豪校に勝つために今必要なことは何であるとお考えですか
4失点してるので、守りの意識であったり失点しないことと、無得点で終わってしまってるので、得点力を上げることが大事になってくるかなと思います。
――二次リーグへ向けて意気込みをお願いします
来週の日体大戦は二次リーグの初戦なので、そこでワセダらしいホッケーをして、失点は少なく、得点はなるべく多くとって。勝って二次リーグいいスタートを切れるようにしたいと思います。
DF坂本之麿(社2=青森・八戸工大一)
――きょうの試合全体を振り返っていかがですか
チャンスはあったんですけどそれを決めきれず、結果的に0点に抑えられてしまいました。0点では勝てないので、失点もそうですが得点力も上げていかなければならないと思います。
――ワセダのやりたいホッケーはどのくらいできたと思いますか
いいプレーはあったと思うんですけど、要所で失点や反則が見られたので30%くらいだと思います。
――DFとして、4失点はどのように受け止めていますか
DFのミスもあったので、それは真摯(しんし)に受け止めなければいけないと思っています。FWとのコミュニケーションもとても重要なので、しっかりとやっていきたいと思います。
――一次リーグ全体を振り返っていかがですか
いいスタートダッシュを切れたのは良かったと思うのですが、後半上位校に負けが続いてしまって、勝ち点をあまり稼げなかった点が悪かったと思います。
――強豪校に勝つために今チームには何が必要だと思いますか
ホッケー的には負けていないと思うので、あとはチーム力や雰囲気を良くしていって、みんなで勝ちにこだわれたらなと思います。
――一次リーグを通して、第1セットとして戦ってみていかがでしたか
得点が期待されているセットにいるので、得点できるようにアシストなどしていきたいと思っています。最近は得点できずに失点してしまい、チームに貢献できていないので、二次リーグに向けて改善していきたいです。
――チームのDF不足についてはいかがですか
けがとかは仕方がないのでやるしかないと思いますし、言い訳はできないと思うので、みんなで力を合わせて競争意識を持ってやっていきたいと思います。
――一次リーグを終えて現在4位ですが、その点についてはいかがですか
誰も4位は目標にしていないと思いますし、ふがいない結果だと思います。一つでも順位を上げられるように、二次リーグも力を合わせて頑張っていきます。
FW飛田烈(商2=東京・早実)
――試合を振り返っていかがですか
きょうはチームで絶対勝ち点3を取ろうというふうに言って入ったんですけど、結果的に勝ち点を取れなくて非常に残念です。
――ワセダのやりたいホッケーはどれくらいできましたか
東洋大はフィジカル的に強く来ると分かっていたので、ワセダは足を動かしてどんどん進んでいこうというホッケーだったんですけど、それはできたと思います。
――FWとして無得点という結果についてはどうお考えですか
自分たちのセットで点を取らなくてはいけなかったんですけど、取ることができなくてふがいないです。
――一次リーグ全体を振り返っていかがですか
ケイオー戦で引き分けてしまったことが痛かったのかなと思います。
――一次リーグを通して、飛田選手は第1セットで活躍していました
もっと得点に絡まなくてはいけないなという感想です。
――第1セットのチームワークはいかがでしたか
決して悪くないと思います。二次リーグはこのセットでやるかはまだ分かりませんが、1セット目で結果を残していきたいです。
――昨年の強みであった第3ピリオドの強さが、ことしはあまり見られない印象を受けました
陸トレを含め、みんなの体力的な部分があるのかなと思います。
――一次リーグを通して良かった点は挙げられますか
昨年は立ち上がりが悪いというのが課題にあって、ことしはきょうも含め立ち上がりはそんな悪いところはなかったかなと思います。そこは修正できたかなと思います。
――現在4位につけています
もう少し上の順位で折り返して優勝が狙える位置にいたかったんですけど、ここから一つでも順位を上げられるように頑張りたいです。
――強豪校に勝つために必要なことは何であるとお考えですか
強豪校相手に得点できる力をつけたいと思います。