越えられなかった高きカベ…準々決勝で無念の敗退に

アイスホッケー

 前日の初戦で劇的な勝利を収めた早大。続く日本学生氷上競技選手権(インカレ)二日目は、ダブルヘッダーとなった。2回戦の慶大戦では、序盤より順調に得点を重ね8-3と圧勝。この勢いを保ちつつ臨んだ準々決勝・中大戦であったものの、立ち上がりから攻められ2失点を喫する。第2ピリオド(P)にはDF石川貴大主将(スポ4=埼玉栄)が1点を取り返すが、反撃もここまで。さらに点差を広げられ、1-3で敗北。インカレ制覇の夢は道半ばでついえることとなった。

 2回戦で慶大を下し、迎えた準々決勝。早大の相手は、今季関東大学選手権、関東大学リーグ戦を制している中大だ。高い実力を有している難敵に対し、早大は互角の戦いを繰り広げる。第1P開始5分にはFW高橋寛伎(国教1=東京インターハイスクール)が敵陣に切り込みシュートを放つなど、あくまでも攻めの姿勢を見せた。しかし10分52秒、ついに中大に失点を許してしまう。その後も1点を加えられ、第1P終了時に2点のビハインド。この差を埋めようと臨んだ第2Pでは、開始早々相手のミスにより数的有利のパワープレーの好機を獲得する。そして24分17秒、セットプレーから石川が確実にパックをゴールへと沈め、待望の1点を手にした。このまま流れを引き寄せたい早大。しかし、勝負はそう甘くなかった。33分35秒、中大に守備の合間を縫われ、痛恨の失点を許してしまう。1-3。点差を詰めることができないまま、試合は第3Pへ突入した。

1点を返し歓喜する選手たち

 第3Pに入っても、中大の優位は変わらなかった。攻めこまれ、自陣でのプレーが増加。我慢の時間帯が続く。しかし、その中でも守備陣が奮戦。46分31秒、GK遠藤秀至(社3=東京・早実)が好セーブを披露し、観衆を沸かせる。これで波に乗ったのか、早大は相手のミスを誘いパワープレーに。攻勢に転じる最大のチャンスが訪れた。ところが、相手の固い守備陣を崩すことができない。結局相手のゴールネットを揺らすことはかなわず、時間だけが刻一刻と過ぎていった。そして試合終了間際。GKをリンクから下げ、6人全員による攻撃を仕掛けた早大。しかし、中大にパックを奪われると、そのままシュートを放たれる。早大の希望を打ち砕くパックが、無情にもゴールへと吸い込まれていった。1-4。エンジを背負った選手たちの戦いが幕を閉じた。

無念の敗退となった

  ここ数年、中大に対し勝利していない早大。インカレという大舞台でも、またしても白星を手にすることはできなかった。しかしながら、「うちのやりたいホッケーはできた」と工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)が語った通り、早大も意地を見せたことは事実だ。今季のインカレで、早大は大きな悔しさを味わった。この悔しさを、下級生たちは来季以降どのように生かすことができるか。どうプレーへとつなげるか。この敗北は、決して無駄にならない。

(記事 落合修平、写真 進藤翔太、又坂美紀子)

日本学生氷上競技選手権
早大 ピリオド 中大
0(15) 1st 2(7)
1(16) 2nd 1(19)
0(8) 3rd 1(17)
1(32) 4(43)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
中大 10:52 中島

中大 17:37 鈴木 中島 蓑島
早大 24:17 石川 新井 青木 PP
中大 33:35 古橋
中大 59:41
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

うちのやりたいホッケーはできたと思います。ただ、中大とのこういった点数の差が生まれてしまった点は、やはり実力差があったのだろうと思います。

――やりたいホッケーは具体的にどういったものでしょうか

ロースコアに抑えることもそうですし、どんどんシュートを打つこと、そして体を張って守ること。ゲームの入りから、うちらしいホッケーができていたと感じます。

――実力差以外に敗因はありますか

細かいミスであったり、向こうは決めるときに決めている一方でこちらはチャンスを生かせなかったり。そういった小さなところの積み重ねがこういった結果になったのだと思います。

――第3Pのパワープレーなど、チャンスを生かせませんでした

流れはできていましたし、今季中大と戦った試合の中ではきょうは一番近づけた試合だったと思います。ですが、やはり勝ちにつなげられなかったのはそういった差だと思っています。

――早慶戦がまだ残っていますが、今季の振り返りをお願いします

今季はロースコアに持ち込んでワセダらしいホッケーをやるということで、春、秋、そしてインカレとやってきました。春に比べれば秋、秋に比べればインカレと徐々に力を上げてきていましたので、4年生がしっかりとリードしてくれて、それに下級生たちが付いていき、上級生を支える雰囲気になったのは本当に良かったと思います。