金子立がハットトリックを達成!逆転勝利を収める

アイスホッケー

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)一次リーグが終結し、迎えた二次リーグ初戦。一次リーグ終盤で2連敗した早大は、法大相手に快勝し流れを取り戻したいところだ。試合開始早々、法大に点を入れられ雲行きが怪しくなったものの、その後は攻守が激しく入れ替わるシーソーゲームとなった。両校一歩も譲らぬまま同点で迎えた第3ピリオド(P)。FW金子立樹副将(スポ3=北海道・駒大苫小牧)が4点目を入れたのを皮切りに3連続でゴールを決め、ハットトリックを達成。見事早大を勝利へと導き、2次リーグ初戦を6-4の白星で飾った。

 「立ち上がりが課題だった」という金子立の言葉通り、開始2分15秒、守備が手薄になったところを狙われ法大に点を許してしまう。追いつきたい早大は各々がゴールに向かって果敢に攻めるも、ペースがつかめずなかなか得点に結びつかない。しかし、9分12秒、焦る早大に転機が訪れた。相手の一瞬の隙をついたFW田中創一郎(政経2=東京・早実)がスティック一閃、ゴールネットを揺らし待望の一点目を獲得。この流れにのってさらなる追加点を挙げたいところだったが、相手の守備に阻まれゴール前までたどり着けず第1Pが終了した。続く第2Pでは両校とも早々にペナルティーがでるなど、時間が経過するにつれ白熱していく展開に。数的有利となるパワープレーではFW寺井敏博(国教3=米国・チョートローズマリーホール高)が金子立の好アシストを受けゴール右に強烈なシュートを叩き込んだ。流れに乗った早大は15分54秒、DF新井遥平(スポ2=北海道・駒大苫小牧)が相手GKと1対1の状況で正面からパックを押し込む。3-3で第2Pを終えた。

ハットトリックを達成した金子立

 第3Pでは、終了間際に会場全体が湧く逆転劇が起こった。序盤は攻守が激しく入れ替わる状態が続き、早大が点を決めるもすぐさま法大が反撃に出て失点を喫すなど、こう着状態が続く。4-4と同点のまま試合終了まで残り1分を切ったその時、早大の副将が動いた。「ゴールに向かう意識が強かった」(金子立)。ゴール前のパックをうまく拾ったFW青木優之介(スポ3=埼玉栄)が金子立へと好パスを渡し、混戦を潜り抜けた金子立は決勝点をゴールへ。その後も、「攻撃陣の中心として、しっかり働いてくれました」と工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)が語った通り、残り16秒で無人のゴールネットへ金子立がとどめをさしハットトリックを達成。早大に勝利を引き寄せた。

笑みを浮かべる選手たち

 二次リーグ初戦を勝利で終えたのは大きな収穫であるものの、「失点が多かった」(DF石川貴大主将、スポ4=埼玉栄)、「足が動いていなかった」(工藤監督)など、ロースコアを目指す早大にとって課題は尽きない。また、チーム全体のプレーだけでなく個々のプレーを見直す必要もあるだろう。次戦は三日後というハードスケジュールではあるが、練習で課題点をどれだけ克服できるのか。悲願のリーグ戦制覇へと向けて、早大の戦いは続く。

 

(記事 種村春歩、写真 又坂美紀子)

関東大学リーグ戦
早大 ピリオド 法大
1(9) 1st 1(13)
2(19) 2nd 2(13)
3(15) 3rd 1(20)
6(43) 4(46)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
法大 03:30 末廣 松本力 木戸
早大 09:12 田中
法大 23:23 松本力 横山 木戸 PK
早大 28:00 寺井 金子立 PP
法大 35:43 沼田 西口
早大 35:54 新井
早大 47:55 金子立 寺井 青木
法大 53:00 横山 木戸 松本力
早大 59:18 金子立 鈴木 青木
早大 59:44 金子立 寺井 青木
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
青木 金子立 寺井 新井 石川
金子聖 瀬戸 鈴木 ハリデー
矢島 坂本龍 田中 松本 堰合
加賀美 高橋 佐藤 斜森 格地
GK遠藤
関東大学リーグ戦ディビジョンIグループA順位表(11月2日時点)
順位 校名 勝点 試合数
中大 20
明大 19
早大 18
東洋大 16
法大
日体大
慶大
日大
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コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――きょうは追う展開となりました

ロースコアに持ち込むという、当初予定していたゲームプランとは違った内容となってしまいました。足も動いておらず、追う展開になってしまったのは反省点ですね。

――先制点を取られてしまう試合が続いています

ゲームの入り方に気をつけることはチームとして意識を共有できていますが、たまたま先制点を取られるケースもありますし、一方できょうのように足が動いていなくて取られるケースもあります。きょうのような先制点の取られ方は無くしていきたいですね。

――金子立選手がハットトリックを達成しました

攻撃陣の中心として、しっかり働いてくれました。

DF石川貴大主将(スポ4=埼玉栄)

――前回の試合から少し間がありましたが、どのようなことを意識して臨まれましたか

2週間あったのですが、1週目はどちらかというと一次リーグのリフレッシュというか、アイスタイムの少ない選手も交えて練習することが多かったです。2週目は法大戦、慶大戦に向けた練習をしてきました。一次リーグで、うちはスコアリングが他の大学に比べて低い方だったので、チャンスをしっかり生かすというところに焦点を当てながらやってきたつもりです。それはFWに限らず、DFの攻撃参加であったり、DFからのシュートのゴール前のバトルであったりというところも意識して練習をしてきました。

――きょうはシーソーゲームとなりましたが、展開を振り返っていかがですか

失点に関しては、特に第1P、第2Pは自分たちの無責任なプレーがその原因になってしまったと思っています。最終的には相手にいいところから打たれているのですが、そこまでの過程で、自分たちの不用意なパスや無責任なパスがあったのでシーソーゲームになってしまったのかなと。逆にFWはゴール前で頑張ってくれましたが。点数は何点取ってもいいのですが、失点がきょうは少し多かったので、そこは残念です。

――きょうに関しては立ち上がりもあまりよくなかったということですか

チームとしてというより個として、無責任なプレーが少しあって、ふわっとした気持ちでいたのかなと感じています。

――前回に法大と対戦したときと比べて違いはありましたか

点数が多く取れたというところですね。エンプティもありましたが、結果的には前回の倍の点数を取れているので、そうしたスコアリングはよかったのではないかと思います。逆に失点に関しては、前回は2失点で今回は4失点。スコアで良さと悪さが両方出てしまっているので、そこが大きく変わったところです。法大の絶対的エースと言われている選手もプレーしているので、そういった点でも試合の流れが大きく変わるだろうと思いながら試合をしていました。

――第3Pで巻き返しがありましたが、その前にチームで何を話し合いましたか

負けて第2Pが終わっているわけではなかったので、もう失点しないでいこう、1点取ってしっかり守れば勝てるんだぞという意識でいました。僕らはロースコアの試合を望んでいるので、1点差でも2点差でも問題ないからしっかり守っていこうという話はしていました。

――終盤の試合展開は思い通りでしたか

2得点で1失点ですが、最終的に勝てたのはよかったです。ただ試合全体を通して、失点を2点ないしは3点までに抑えていければいいなとは思います。

――3日後の次戦に向けて意気込みをお願いします

1次リーグでもそうでしたが、例年と異なり、連戦や短い間隔での試合が多いので、他の大学もそうですがコンディション作りが非常に難しくなってくると思います。そういったところに一人一人が責任を持って励んで、ベストな状態で次の試合でいいパフォーマンスを出せればいい。そういう風な雰囲気を作っていきたいと思います。そして最終的にしっかり白星を取りたいです。

FW金子立樹(スポ3=北海道・駒大苫小牧)

――きょうの試合を振り返って

失点が少し多く、厳しい試合となりましたが、試合に勝ち、勝ち点を取れたことは評価できることだと思います。

――第1Pでは開始直後に点を取られてしまいました。立ち上がりについてどう思われますか

一次リーグも本当に第1P、第2Pの立ち上がりが課題になっていたのですが、二次リーグの最初の試合がこのようになってしまったので、次の試合以降は本当に第1Pが重要になってくるので、この点を集中していきたいと思います。

――第2Pで同点に追いつきましたが、第2Pと第3Pの間の休憩で何を話し合われたのですか

まずは、同点に追いつこうという話をしていました。そこで、相手に点を取られながらもワセダも点を入れることができ、粘れたことは完璧で良かったと思います。

――金子選手ご自身は第3Pでハットトリックを決められました。3点入れたことを振り返っていかがですか

ゴールに向かう意識が強かったので、これが点に結びついて結果としてチームが勝てたので本当に良かったです。

――逆転打の5点目を入れられた際に、混戦の中からパスがうまく連携したように見受けられました。

そうですね。ゴール前は強く行こうというのは練習の時からチームみんなで意識していて、今回のゴールでは青木が良いパスをくれたので最後は押し込むだけでした。

――次戦への意気込みをお願いします。

試合間隔があまりないので、失点を少なくするというのを練習から意識して次の試合を頑張っていきたいと思います。