【連載】新体制特集『Braves』第4回 坂本龍平×中川悠輔×斜森敬太×村上晃平

アイスホッケー

 4年生としてラストシーズンを迎えた坂本龍平(スポ4=青森・八戸商)、中川悠輔(教4=東京・早実)、斜森敬太(教4=東京・西)、そして村上晃平(先理4=東京・早実)の四人。春季の振り返り、そして現在のチーム状況などをそれぞれの立場
から語ってもらった。

※この取材は5月11日に行われたものです。

「フレッシュな気持ちで臨むことができました」(坂本龍)

坂本龍

――始めに、お互いの印象を教えてください。まずは坂本選手の印象からお願いします

斜森 薄情なやつだと思います。

中川 間違いない(笑)。

斜森 日頃から「あ、こいつちょっと気が利かないな」って感じる場面があります。

村上 一つフォローを入れておくと、生粋の一人っ子なので、そういったことも関係あると思います。

斜森 実は彼とは同部屋なのですが、僕がエアコン嫌いなので、そこで争いになりますね。

坂本龍 普通、エアコンつけるでしょ。

中川 そこは坂本に同意だわ(笑)。

斜森 なんだかんだ言いましたが、まあいいやつなのは間違いないと思います。

――次に、村上さんに対する印象をお願いします

中川 しっかり者に見えて、実は一番変ですね。文系と理系の差なのか、根本的に考え方から違います。ホッケーをやっている方ってみんな熱を持ってプレーしているのですが、村上は論理的思考を持っています。

村上 別に熱を持ってないわけではないよ(笑)。

中川 その思考を持っているがゆえに、周りとズレが生じていることが多々ありますね。

――斜森さんの印象はいかがでしょうか

村上 高校の頃から知っているのですが、 斜森は大学に入ってとても太りましたね。

斜森 当初60kgで、今は80kgちょっとですかね。

村上 3年生の時にチーム全体として増量をしようということで、僕も10kg近く太ったんですけど。その間に彼はダブルスコア(笑)。

斜森 歯止めがきかなくなりました。

村上  まあ、自由奔放ですよね(笑)。食べたい時に食べたい物を食べ、寝たい時に寝て。

坂本龍  ただ、こう見えて実は努力家ですね。表には出さないけど、裏では頑張っています。

――最後に、中川さんの印象を教えてください

坂本龍 これは昔のことなのですが、ちょっと寝ている間がうるさかったですね(笑)。数年前に自分と中川は同部屋だったのですが、深夜の1時くらいに中川が寝言で「集合だよ」ってつぶやいたことがあって。それを聞いた僕は急いで着替えて朝の集合場所に向かったのですが、誰もいなかったという事件も発生しました(笑)。

斜森 まあなんだかんだやるべきことをしっかりとやっている、いいやつですね。

村上 寝言がうるさいっていうこともなんだかんだいいやつってことも、高校時代から変わってないですね。変わったところといえば、鼻歌が減ったこと(笑)。最近は全然鼻歌をしているところを見かけません。

中川

――皆さんの趣味は何でしょうか

斜森  趣味ではなくマイブームなのですが、最近は携帯ゲームにハマっていますね。ハマり過ぎています。この前は東伏見の居酒屋に坂本と二人で行って、お互いほぼ無言で携帯ゲームをやっていました。

坂本龍 寮にいることが多いので、テレビ番組を観ていますね。あとは最近ロードバイクを購入したので、たまに所沢キャンパスまで行くなど、乗り回しています。

村上 NHLっていうアメリカのプロアイスホッケーリーグのネット中継があるのですが、それの有料アカウントに登録してしまいました。だいたい朝起きた時には向こうは夜で試合をやっているので、朝にベッドで1時間くらい観ています。

中川 実は僕、趣味があまりありません。ですが、今は就活を頑張っていますね。ことしはシーズンと被っているため、部活と就活の両立が大変なので。時間の使い方が難しいです。

――村上さんは所属が理系の学部ということで、学業との両立が特に難しいと思いますが

村上 理系でアイスホッケーをやっていると言うと、周りから「大丈夫なんですか」ってよく聞かれます。1、2年生の時は本当に辛くて、ホッケーと勉強以外のことをやらなかったですね。遊びが無かったので、今にして思えば我ながらよく乗り切れたな、というのが正直な感想です(笑)。

――最終学年を迎えて一ヶ月以上経過しましたが、心境の変化などはありましたか

坂本龍 下の学年は上の学年を見ていると思うので、そういった意味でもしっかりしないといけないと思いますね。個人的には寮での生活など、アイスホッケー以外の面でも常に最終学年らしい振る舞いを心がけています。

村上 基本的にはきょねんと大きく変わったところは無いですね。ですが、きょねんは自分たちの上の学年がいるということで少し甘えのようなものがあったので、自分の行動に責任があることを自覚し、気にかける場面が増えました。

斜森 もちろん二人が言ってくれたようなことも思っていますが、僕としてはあまり後輩から飲みに誘われないので。そこは寂しいですよね。

坂本龍 寂しいってさ(笑)。

中川 僕は人を立てるようになりましたかね。きょねんまでは先輩を立てていたのですが、ことしは同期も立てようかな、と。ただ今いい人キャンペーンの実施中なので。

村上 あまり立ててもらった記憶はないなあ(笑)。

斜森 実は一ヶ月くらい前から実施されているよ。

中川 特に主将である石川(貴大、スポ4=埼玉栄)を中心としてチームをまとめていく際に、どのように石川を立てていくべきか、ということを意識していますね。

――同期という立場から見て、石川主将の印象はいかがですか

斜森 僕は中学校の時から石川のことを知っているのですが、当時からクレバーなプレーが多かったです。大学で同じチームになってからは、プレー面以外でも普段から色々考えて行動していていることがよく分かりますね。

中川 部屋が占領されています(笑)。僕は石川と同部屋なのですが、占領具合が石川と僕で8対2くらいですね。徐々に占領されてきています。

坂本龍 1年生の頃からリーダーシップはありましたね。

斜森 きょねんはDF陣に4年生が少なかったので、ずっとディフェンスリーダーとして頑張っていました。そういった意味では、あまりプレー面で変わったところは少ないのかもしれません。

斜森

――ことしの1年生に関してはいかがですか

村上 僕は筋トレのペアが坂本之麿(社1=青森・八戸工大一)と羽場健太(政経1=東京・早実)なのですが、羽場くんがシャイで無口なので。とにかく羽場くんともっと仲を深めていきたいですね。

斜森 僕は鈴木ロイ(教1=北海道・苫小牧東)と高橋寛伎(国教1=東京インターハイスクール)がそれぞれ昔のチームでの後輩なので、仲良くなっていきたいです。

坂本龍 自分は矢島雄吾(スポ1=北海道・駒大苫小牧)と選手権でセットが同じだったので、交流を深めていきたいと思います。

中川 自分はなんとなく後輩からなめられることが多いのですが、ことしの1年生にはまだなめられていないと思うので、このままのポジションを維持したいです(笑)。

――先日行われました関東大学選手権(選手権)をそれぞれの立場から振り返って、いかがでしたか

坂本龍 新体制ということで、フレッシュな気持ちで臨むことができましたね。それでも、勝ち切るべき場面で勝ち切ることができなかったのは反省しなければならないですし、今後このチームに対し慣れも生まれてくるので、常に気持ちを引き締めていきたいです。

村上 結果的には4位で望んでいた結果ではなかったのですが、逆に敗れこそしたものの、準決勝で明大に対し善戦できたことはチームにとって自信につながったと思います。少なくとも、僕らが新チームとして進めてきたことが間違いではないと分かったので。秋以降のことを考えると、シーズン序盤としては悪くない出来だと思います。

斜森 僕は他の4年生と比べて一歩引いた立場からチームを見ることができているのですが、明大や法大に対し善戦できる実力があるにも関わらず、東洋大に大敗を喫してしまったことが一番印象に残っています。そういうチームの振り幅がある以上、これから僕たちがどのようにしてチームを常に100%に近い状態に保つかが大きな課題になってくると思います。

中川 1年生の活躍が目立ちましたね。今まで1年生はどちらかと言うとお客さんといった扱いでしたが、ことしはチーム事情もあり、1年生がどんどん前に出てきていますね。ことしのカギを握るのは1年生だと言っても過言ではないと思います。

「いい意味でチーム全員が危機感を持ってやれている」(村上)

村上

――先週行われた春の早慶定期戦(早慶戦)に関してはいかがですか

中川 早慶戦は何十年間も早大の勝利が続いていますが、それでも無失点で終えることができたのはGKとして自信につながりますし、伝統の一戦に出場できたことが何よりも嬉しいですね。MVPを獲得できたのはたまたまなのですが、今後はそれに恥じないプレーをしようと気を引き締めています。

斜森 早慶戦は毎年どの会場でも人がたくさん来てくださって。そういう中で試合に出ることができたのは本当に嬉しいですし、僕や村上のようなDFの立場からすると、内容的にも無失点に出来たことが良かったと思います。

村上 僕は選手権でメンバーに入っておらず、早慶戦でも出場できるか分からなかったので、出させてもらったことにまず感謝したいですね。また、それで出られなくなる選手もいるので、その選手たちのためにと言いますか、その選手たちに恥ずかしくなるようなプレーはしないように意識していました。失点しなかったことは気持ち良かったです。

坂本龍 早慶戦独特の熱気ある雰囲気の中でプレーできたことを嬉しく思います。また、こういった環境でプレーすることができるのは部の方や地域の方々などの協力が不可欠でしたので、そういった方々に感謝したいです。

――きょねんと比べてチームの変化はありましたか

斜森 主将もDFですし、守りの人が増えましたね。きょねんから守り勝つことは言われていたのですが、それがよりメンバーの意識に浸透してきたのかな、というのが選手権を終えての感想です。

坂本龍 自分たちはことし『for…』をスローガンに掲げ、チームのために、勝つために、そして優勝するために何ができるか、ということを常に意識しています。選手権ではその意識がよく現れていたので、良かったと思いますね。

村上 きょねんまではチームに絶対的なエースが存在したので、辛い場面でも得点してくれるっていう甘えみたいなものがどこかにあったと思います。でもことしは4年生がほとんどDFですので、いい意味でチーム全員が危機感を持ってやれていることが伝わってきますね。

中川 僕からはプレーではなく私生活面について言わせてもらいます。きょねんまでは意外と期限を守らない人が多くて、その後の主務や主将の仕事に支障が出ることがあったのですが、ことしはスムーズに行うことができています。それが案外プレーにも影響を及ぼしているのではないでしょうか。

――夏季トレーニングで意識したいことと、秋季の意気込みをお願いします

斜森 痩せたいですね、本気で。痩せてある程度走れるようになって、夏季トレーニングでは4年生としてチームを引っ張って。そして秋はプレー面でもっとチームに貢献していきたいと思います。

村上 夏の陸トレ期間ではあまり考え過ぎずどのメニューも全力でこなし、後半までモチベーションを保ちたいですね。そうすれば自分の中でも成長することができると思うので。春はチームにいい影響を与えられなかったので、秋はもっとチームに影響を与えるプレーをしたいです。

中川 ことしから新トレーナーを迎えまして、自分たちがどんなメニューをこなすのか未知なのですが、しっかりと言われたことをこなして秋を迎えたいです。それと共に、どうしても就活で時間を取られてしまうと思うので、それで後輩たちに悪い影響を与えないように頑張っていきたいですね。

坂本龍 個人的にピンチの時に状況を打開できるような力が欲しいですね。スピードも体力もテクニックもまだまだ足りていないので、夏季トレーニングで成長していきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 落合修平)

四人の仲の良さが伝わってくる一枚です

◆坂本龍平(さかもと・りゅうへい)(※写真中央左)

1993(平5)年4月7日生まれ。170センチ、70キロ。青森・八戸商高出身。スポーツ科学部4年。常にりりしい表情で対談に臨んでいただいた坂本龍選手。過去にはケガの影響で試合出られない日々が続きました。その悔しさをバネに、ことしは数多くの得点を狙います!

◆中川悠輔(なかがわ・ゆうすけ)(※写真右)

1993(平5)年7月28日生まれ。171センチ、73キロ。東京・早実高出身。教育学部4年。プレー以外の面でもチームをまとめあげていることが伝わってきた中川選手。対談では主にツッコミ役として活躍していただきました。その柔軟かつカバー範囲の広い話術は、就活で培われたものなのでしょうか(笑)。

◆斜森敬太(ななもり・けいた)(※写真中央右)

1994(平6)年1月15日生まれ。177センチ、80キロ。東京・西高出身。教育学部4年。対談では村上選手との見事な掛け合いを披露してくださった斜森選手。その冷静な語り口から飛び出してくるユーモアあふれるエピソードは、掲載しきれないものも含めどれも秀逸なものでした(笑)。

◆村上晃平(むらかみ・こうへい)(※写真左)

1993(平5)年11月13日生まれ。182センチ、80キロ。東京・早実高出身。先進理工学部4年。理系学部である村上選手からは、学業との両立にまつわるお話をうかがうことができました。熱血さと論理的思考を兼ね備え、チームに一味違った風を吹き込みます!