【連載】新体制特集『VISION』第1回 池田主将×森田副将×三浦×横町

アイスホッケー

 チームの初陣である関東大学選手権を4位で終え、今季をスタートさせたスケート部アイスホッケー部門。今回は勝負の秋、そして冬本番に向けてチームを引っ張る4人の4年生、池田一騎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)、森田哲朗副将(教4=東京・早実)、三浦亮(教4=青森・八戸商)、横町翔太(スポ4=青森・八戸工大一)にさまざまなお話を伺った。

※この取材は5月12日に行ったものです。

「アットホームな感じ」(横町)

左から横町、三浦、森田副将、池田主将

――ゴールデンウィークはオフだったと伺ったのですが、何をして過ごされていたのでしょうか

三浦 早実の練習に出て一生懸命やっていました。あとは友達と映画を見に行きましたね。

横町 4日連続で飲みに行っていました。

森田 就活と、友達の家に泊まりに行ったりしました。あとはきょねん卒業した先輩が来てくださったので、飲みに連れて行ってもらったりもしました。

池田 それは僕も一緒に行きました。あとは練習したり、遊園地にも行きました。買い物も行きました。

――オフを同期や後輩と過ごされることはありますか

森田 池田とは後輩の誕生日プレゼントを買いに行きました。

池田 金子立樹(スポ2=北海道・駒大苫小牧)のです。

――部員同士で誕生日をお祝いされるのですか

森田 そうですね。同期には予算1万円で好きなものを買っています。それぞれが3000円ちょっとずつ出して、という感じです。

池田 僕はゲームをもらったことがあります。あとは翔太(横町)がコーヒーメーカー、三浦がハーゲンダッツをもらいました。

森田 みんな予算1万円だったのに、こいつ(三浦)は300円ぐらいで済みました(笑)。

三浦 誕生日がちょうど韓国遠征といつも重なっていて。買えるものが何もないので、アイス買ってもらいました。それが1年のときで、2年のときは足のマッサージ機をもらいました。

――後輩の方とは仲がいいですか

三浦 一緒にふざけたりしています。

横町 アットホームな感じなので。

森田 みんな、学年関係なしに仲良いですね。

――マイブームはありますか

横町 僕はラインのゲームみたいなものをやっています。

森田 たくさんポイントの通知が来る。

池田 僕は読書しています。

横町 なんかずるくない?(笑)。

森田 何読んでた?

池田 なんかいろいろな本。

一同 (笑)

横町 じゃあ僕も読書でお願いします(笑)。

――好きな芸能人はいらっしゃいますか

森田 翔太は松井玲奈(SKE48)の握手会に行きました。

横町 行かせていただきました。CDを買ったのではなくて、ケータイで応募するようなやつで、同期に頼んでみんなで応募したら、森田が当ててくれました。

森田 すごく感謝されました。「本当にありがとう」って。

勝てるチームに

主将であり、絶対的エースでもある池田

――最高学年になって変わったことはありますか

横町 いま4年生が4人しかいなくて下級生の方が各学年僕らよりも人数が多いので、昨年までと違って上級生が思っていることを浸透させることがなかなか難しいとは思っています。4年生になるとそういう部分が増えてくるので、ちょっと難しいですね。

森田 昨年の4年生からも「もっと後輩に言っても良いよ」と言われていたのでそこはあまり変わっていないのですが、それでも上の存在はすごく大切だったというか大きかったです。上がいなくなって、チームをまとめるというかみんなを同じ方向に向かせるというのは難しいことだと痛感しています。

池田 3年生までは自分のことばかり考えていて、自分が得点を決めればそれがチームのためになるということを意識して好き勝手やっていました。主将になってからは、チームに自分が言いすぎると士気が下がっていくので、後輩への伝え方などがすごく変わってきてそれが難しいです。大会(関東大学選手権)も優勝できなかったので、いまのやり方では駄目なのかなと試行錯誤しています。

――池田主将は同期のみなさんから見てどのような方ですか

森田 氷上に立つと大学界屈指のプレーヤーなので誰もがついていくし、誰もが尊敬する存在です。陸上のトレーニングでも自分で追い込みますし、人が見ていないところでもすごくやっているので、そこは同期でもすごく尊敬できるところだと思います。だけど、昨年のキャプテンは口がうまい人で、それと比べると、「あそこは怒ったらちょっと(いけなかった)」とか「あそこはもっと怒って良いんじゃないかな」というところがあります。でもそこはまだ始まったばかりですし、これからだと思います。

三浦 さっき哲朗(森田)が言ったみたいに、良い雰囲気でやるところと厳しくやるところをどう分けるのかということが多分本人としてはすごく難しいと思います。ただやはり一騎(池田)自身はホッケーに懸けてきて、これからも上でやっていくような選手で、ホッケーに対する考え方のレベルがすごく高いので、そのレベルまでいかに早くチーム全体が行けるかということが秋勝てるかということにつながるし、みんながそういう考え方を持てればもっと一騎も引っ張りやすいと思うので、そこを他の4年生がうまくサポートしていけたらなと思います。

横町 本当は一騎にはもっとのびのびとやってほしいのですが、うちのチームはどちらかというと練習や私生活を学生主導でやってきたチームカラーなので、それが少し重荷になっているのかなと同じ4年生から見ても思える部分があります。それを重荷と思ってほしくなくて、チームをまとめたりいろいろ試行錯誤してチームを良くしていこうという気持ちをプラスアルファにしてもらって、より上のレベルを目指してほしいです。うまく回らない部分もあると思うのですが、うまくサポートしていきたいなと思っています。

冷静にチームを分析している三浦

――新体制となってからは、どのような練習に力を入れていますか

横町  始まったときから僕たちが口うるさく言っていたのは、パスレシーブなどの当たり前のことをしっかりやろうということと、考えてプレーしようということです。時間や点差など刻一刻とゲームの状況が変わっていく中で、自分で考えてベストなプレーを選択できるようになっていかないと、やはり勝てないのかなと。シーズンが始まる前から4年生4人と選手1人ずつを呼んで面談をしたりする場面でも、「いま君に求められているのはこういうことだろう」とか、「こういうふうにやったらもっと良いかもよ」ということを言っていました。

――面談はことしから導入されたのですか

森田 スタッフとの面談はあったのですが、4年生対1人というのは初めてです。

――誰がやろうと提案したのですか

一同 一騎です。

池田 それぞれその人のプレースタイルがあって、そのプレースタイルをただ乱暴に扱うだけではなく、みんなが同じところに向いていかなくてはいけないので、まずは一つにしようという意図です。また春優勝を目標にしていて時間がなかったので、早く自分の長所や短所を見つけて、それにアドバイスやヒントを与えて改善して、よりチームの質を高めるという意図でやりました。

――ことしのスローガンが『VISION』だということですが、どのような思いが込められているのですか

池田 結果という意味でのビジョンと、そこに向かうプロセスという意味でのビジョンが両方あるという考え方で、そのビジョンに向けてどういうふうにやるかということを毎日常に考えながらやっていってほしいということです。何よりもまずはホッケーなんだということを頭の中心に置きながらやっていってほしいという思いがありました。

――どういうチームを目指していきたいですか

横町 勝てるチームが第一だと思います。もちろんプロセスも大切ですが、他のチームより努力して結果的に勝てなかったらそれは何だったんだという話になってしまいます。欲を言えば、全員自分がやりたいプレーをやってその結果として優勝できれば良いのですが、なかなかそううまくはいかないと思うので、部員が同じ方向を向いて、優勝するためにやっていかなければいけないと思います。とにかく勝てるチームにしていきたいです。

三浦 とりあえず早大のアイスホッケー部なので、チーム全員が早大のアイスホッケー部なのだという気持ち、プライドを持ってやってもらいたいです。人や周りがどうこうではなく、自分の姿をもう一度見つめ直してもらって、早大のアイスホッケー部として見たときにどうなんだろうということを、ホッケーに対して考えてもらいたいです。夏に向けて一人一人が取り組んで秋に結果を出すということを全員に考えてほしいし、僕自身も考えなくてはいけないと思います

池田 「きょうの試合は楽しもう」と言うことが昨年やおととしはよくあったのですが、結局勝たなければ楽しくないので、やはり勝つチームというのは大前提にしていきたいと思います。あとはやはり観客が楽しめるホッケーを個人的にもやっていきたいですし、早大のように下馬評が低いと言われているチームが昨年のインカレ(日本学生氷上競技選手権)のように優勝すれば周りがすごく喜んだり盛り上がったりすると思うので、良い意味で期待を裏切れるチームにしていきたいなと思います。

「ことしもやれる」(森田)

                  

強い気持ちでプレーする森田

――春の関東大学選手権はインカレ優勝チームとして臨む大会でしたがそれに対するプレッシャーなどはありましたか

池田 チームが変わったので、プレッシャーというよりどういうチームかなという気持ちでした。大事な試合や仲間内だけじゃない試合でどういうプレーをするのかということを見ることができたので良かったです。目標は優勝だったので負けてしまったのは残念でしたが、次につながる良い大会だったのではないかと思います。

森田 昨年の4年生はすごい選手が多かったので、そういう選手が抜けて、プレッシャーというか不安でした。ですが、ことしもやれるというところを発見できたので、そういう面では良い大会だったと思います。

三浦 プレッシャーはそんなになかったのですが、結果を出せなかったので残念ではありました。それでも思ったよりはずっとやれたし、いまのチーム状況でもこれだけ戦えたので、時間もあってチャンスもあってまだまだ伸びる選手もいるので、前向きに捉えて次に向けて頑張りたいと思います。

横町 最上学年としてプレーしていく上でのプレッシャーというか、一つの負けやプレーでのミスを自分で受け止めなければならなかったです。準決勝も3位決定戦も負けてしまって、その負けを次にどうつなげていくかをチームとしても個人としても改善しなければいけないので、そういった意味では、負けてしまいましたが収穫の多い大会だったと思いました。

――期待したい下級生は誰ですか

森田 1年生では、新井(遥平、スポ1=駒大苫小牧)が第1セットに、瀬戸(公大、スポ1=北海道・白樺学園高)が坂本(龍平、スポ3=青森・八戸商)のケガの代わりに出ていて、その2人はやはり成長してもらわないとチームが逆に困りますし、これから関東大学リーグ戦(リーグ戦)とインカレで勝つために必要な存在だと思うので、期待しています。

横町 いま第4セットの選手は、ベンチ入りはできていますが春はなかなかチャンスを与えられませんでした。チームの底上げという部分で、出られるか出られないかの瀬戸際にいる選手たちがどう頑張ってくれるか、この夏の間にどう変わってくれるのかを一番楽しみにしています。

――関東大学選手権で最もポイントとなった試合はどれですか

池田 明大戦で短い時間の中で何点も取られてしまいました。第1ピリオド(P)は勝っていたのにその終わり際に失点した場面などで、時間などを考えながらプレーすることが本当に重要だと一人一人に意識付けできたのかなと思います。次の東洋大戦では、結果は負けたのですが、ロースコアの試合で大きなミスが絡んだ失点がなかったので、すぐに次に生かすことができたということで、(明大戦が)チームがすごく変われた試合だったと思っています。

――横町選手は今シーズンからDFにコンバートされましたが

横町 僕自身としてはいろいろ他人に迷惑はかけていることは自覚しているので、自分が納得できるようにすると同時に、周りに納得してもらえるようなプレーをしなければなりませんでしたが、もっとうまくなれるかなとは思いました。手応えもあった大会だったので今後はもう少しチームのためになれるような良いDFとしてプレーしていきたいです。

――コンバートする決断の経緯は

横町 昨年まではケガもあり実力が足りない部分もあって、FWでの出場機会がほとんどなかった状況で、試合に出たいなというエゴがありました。また昨年の4年生の羽刕さん(銘、平26スポ卒=現日本製紙クレインズ)や山田さん(虎太朗、平26社卒=現王子イーグルス)や龍ノ口さん(弘陽、平26社卒)などDFで核となる選手が抜けて、いまの4年生はみんなFWで、正直試合でDFの核としてやってくれているのも3年生の石川(貴大、スポ3=埼玉栄)なので、そういったチーム状況の中で僕ができることは何かな、と考えたときに、DFにコンバートして試合に出ることが僕の中で一番の妥協点というか、納得できるかたちでした。

ラストシーズンをDFとして戦う横町

――秋に向けて特に強化したい部分は

三浦 個人的にはもう少し走れるようにしたいです。もともと運動量の多いポジションですし、(走れないと)選手として怖くないと思うので、アジリティなどを強化できるように練習していきたいと思います。

横町 毎年言っているのですが体重を増やしたいです。

――これから厳しい陸上トレーニングの期間が始まりますね

横町 チームとしてこれから2カ月くらい陸トレ期間が続きますが、そういう苦しい状況を全員で乗り切ることが秋以降の試合の中で厳しい状況になった時に、生きてくるのではないかと思います。

――秋、冬に向けての意気込みは

横町 これから秋に向けて僕たち選手は頑張って練習していくので、ぜひ応援に来ていただければと思います。記事のスペースも大きくお願いします(笑)。

三浦 チーム全体として考え方の次元を上げる。前向きに頑張るなんていうのは当たり前で、それにプラスで自分が努力していってそれができた選手が試合に出るというのが早大のアイスホッケーなので、それを選手全員が理解して、4年生がしっかりホッケーも普段の生活も引っ張っていって良いチームにしていきたいです。

森田 2年生の時に秋のリーグ戦で優勝して、3年生のインカレで優勝してきているので、どちらかと言わずどちらも取れるようにまずは個人個人の意識からだと思います。まだ時間もあるので、一つ一つ小さな問題から取り組んでいきたいと思います。

池田 もともと大会が多くないので、大きい大会は秋のリーグ戦とインカレだとみんな意識しているとは思うのですが、一番近いのは夏の大会(大学交流戦苫小牧大会)なのでまずはそこでチームを大きく成長させて、秋冬につなげたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 大水渚、辻玲乃、土屋佳織)

手にしているのは早慶戦に勝利したときのトロフィーです!

◆池田一騎(いけだ・いっき)※写真右

1992年(平4)10月27日生まれ。178センチ。80キロ。北海道・駒大苫小牧高出身。スポーツ科学部4年。マイブームを尋ねたところ、読書と答えていた池田選手。スポーツから、歴史や政治に関するものまで幅広く読むそうです。文武両道な一面を見せてくれました!

◆三浦亮(みうら・りょう)※写真中央左

1992年(平4)8月27日生まれ。168センチ。71キロ。青森・八戸商業高出身。教育学部4年。後輩からとても慕われているという三浦選手。三浦選手の部屋には普段からたくさんの後輩たちが訪ねて来るそうです。

◆森田哲郎(もりた・てつろう)※写真中央右

1992年(平4)4月15日生まれ。164センチ、64キロ。東京・早実高出身。教育学部4年。誕生日には後輩から西野カナのファンブックをもらったそう。取材中は積極的に会話を盛り上げてくださいました。

◆横町翔太(よこまち・しょうた)※写真左

1992年(平4)7月26日生まれ。178センチ、68キロ。青森・八戸工大一高出身。スポーツ科学部4年。「面白い選手は?」との質問に、他の3人全員から名前を挙げられていた横町選手。今季は新たなポジションDFでのプレーだけでなく、「笑い王」としての活躍にも注目です!