初戦の国士舘大で大量得点し、このまま良い流れに乗りたい早大。青学大を相手に関東大学選手権(選手権)2戦目を迎えた。しかし立ち上がりで精彩を欠き、なかなか点数を奪うことができない。後半では調子を取り戻して5-0で完封勝利し準決勝進出を決めたものの、ペナルティが多発するなど課題も残る試合となった。
先制点を奪った青木
第1ピリオド(P)開始後、早大は積極的にゴールを狙う。途中ペナルティにより相手選手が2人抜け幾多ものチャンスが巡ってきたが、得点には結びつかず。決定的なチャンスをつかめないままこう着状態が続いた。続く第2P。悪い流れを断ち切ったのはFW青木優之介(スポ2=埼玉栄)だ。27分10秒、DF新井遥平(スポ1=北海道・駒大苫小牧)のパスを受け、待望の先制点を挙げた。攻守が目まぐるしく入れ替わり、激しい展開となった第2P後半。このような中で、観客を魅了したのは主将のFW池田一騎(スポ4=北海道・駒大苫小牧)。GKと1対1の場面で確実にゴールを決め、主将としての貫録を示した。その後は一時ペナルティが重なり選手2人を欠く苦境に立たされたが、GK遠藤秀至(社2=東京・早実)の鉄壁の防御や3人の選手の連携により、キルプレーを物ともせず、相手の得点を許さなかった。
第3PではFW金子立樹(スポ2=北海道・駒大苫小牧)のゴールを皮切りに、寺井敏博(国教2=米国・チョートローズマリーホール高)が2点を連取するなど、早大のゴールラッシュが続いた。その理由を「次の試合に向けて頑張っていこう。この点差では駄目だ。と第3Pのインターバルの間に池田先輩に言われ、みんなゴールへの執着心が強くなった」と語った金子。第3Pで早大は3得点を挙げ、5-0で試合を終えた。
積極的なプレーを見せる寺井
勝利したと同時に、課題も見えたこの日の試合。寺井が「パワープレーの成功率をもっと上げていかないと」と試合を振り返ったように、パワープレーの成功率が次戦のカギとなるだろう。次の相手は、昨シーズン日本学生氷上競技選手権(インカレ)の決勝で激戦を繰り広げた明大。主将の池田は明大戦に向けて「シーソーゲームにならずに0点に近いロースコアの展開にもっていく」と意気込みを見せた。簡単には点を得られないであろう明大戦。優勝を目標とする早大にとって決して負けられない戦いとなる。
(記事 種村春歩、写真 角田望)
関東大学選手権(準々決勝) | ||
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早大 | ピリオド | 青学大 |
0(14) | 1st | 0(5) |
2(15) | 2nd | 0(8) |
3(19) | 3rd | 0(9) |
5(48) | 計 | 0(22) |
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
早大 | 27:10 | 青木 | 新井 | - | - |
早大 | 36:06 | 池田 | - | - | PK |
早大 | 43:44 | 金子立 | 池田 | 石川 | - |
早大 | 53:29 | 寺井 | 森田 | 堰合 | - |
早大 | 58:03 | 寺井 | 堰合 | 斜森 | - |
※PKはキルプレー、PPはパワープレーを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 池田 | 金子立 | 青木 | 石川 | 新井 |
2 | 寺井 | 三浦 | 森田 | 堰合 | 清 |
3 | 加賀美 | 坂本 | 佐藤 | 横町 | 松本 |
4 | 金子聖 | 瀬戸 | 田中 | 斜森 | 格地 | GK遠藤→中川 |
コメント
FW池田一騎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
——試合を振り返って
もうちょっと点差をつけて勝つというゲームプランだったので、少し物足りないかなという感じです。
——第1ピリオド(P)は無得点でしたが、試合の立ち上がりはいかがでしたか
舐めてかかっていないと思っていてもどこかでそういう気持ちがあったのかなというのがチーム全体に見えたので、そういうことが原因だと思います。
——主将として他の選手にどんな声を掛けましたか
まだこの試合で終わりではないので、次につながるプレーをしようということは試合を通して言っていました。
——ペナルティが多くありましたが
全部が絶対に取られる反則というわけではなくてアンラッキーなペナルティもあったんですけど、今回の相手に対してスティックを使ったりと反則するようでは次につながらないと思います。もっと足を動かせば反則も減ってくると思いますし、次は足を動かしてプレーすることを意識したいです。
——1アシスト1ゴールの活躍でしたがご自身のプレーをどのように評価していますか
もっともっとできたと思うので、次の明大に向けて1週間トレーニングしてコンディションの良い状態でやりたいなと思います。
——GKと1対1の場面で鮮やかなゴールを決めていましたが、その得点シーンを振り返って
パックを持っていく途中でノーマークになったと思ったときは、GKの近くまで行こうと思ったんですけど、GKのポジションを見て打てば入るなと思って、結果決めることができたという感じです。
——来週の明大戦に向けて
優勝を目標にしているので、タイトな試合になると思うんですけど、そこは我慢比べですね。相手は攻めの部分で良いものを持っているチームなので、シーソーゲームにならずに0点に近いロースコアの展開にもっていけるように、個人個人意識して守りからしっかりやっていきたいと思います。
FW森田哲朗(教4=東京・早実)
――きょうの試合を振り返って
第1Pで点が取れなくて、第2P第3Pで点が入りました。無失点に抑えられたことは良かったですが、来週の明大戦につながる内容ではなかったと思うので、もう一週間で修正したいと思います。
――新体制になってからのチームの状態は
ことしは1年生が少ししか試合にでていないということもあって、まだ1年生が上級生とコミュニケーションできていない状態が続いているので、それがきょねんと違うところだと思います。その部分を今後なんとかしていきたいと思います。
――パワープレーでの決定力不足が見受けられましたが
練習でもPP(パワープレー)には長い時間を使っているのですが、まだ新体制になって日も浅いのでこれから修正できればと思います。
――4点目のアシストについて
理想の形でトシ(寺井敏博、国教2=米国・チョートローズマリーホール高)が入ってきてくれたので、最後は渡すだけだったので、決めてくれて良かったです。それでもチャンスで決め切れないところが何度かあったのでそれが反省点です。
――第2セットの調子は
途中で清(俊輔、スポ3=八戸工大一)が抜けてしまって、いつもと違うセットになったのですが、FW3人でうまくコミュニケーションが取れていると思うので、もう少し状態が上がれば来週はもっと良いプレーができると思います。
――来週の明大戦への意気込みは
きょねんインカレ(日本学生氷上選手権)の決勝で、すごい試合をした相手なので、それに続いてまた勝って、決勝に進出できるように頑張りたいと思います。
DF石川貴大(スポ3=埼玉栄)
――きょうの試合を振り返って
結果的に失点0というかたちで終われたのはチームとして目標にしていたことなので良かったです。
――守備面で良かった点は
ゴール前でDFがGKとコミュニケーションをとって、リバウンドの距離だったり、GKがフリーズするところはフリーズしたり出来たところが良かったと思います。
――序盤はなかなか得点を奪えませんでした
スコアリングチャンスがある中で得点できないというのは、来週明大と試合する上で勝ち切れなかったり、負けてしまう場合もあると思います。なので、しっかり狙ったシュートは狙う、リバウンドを出すシュートはリバウンドを出すなど、得点につながるようなプレーをチームで心がけるように意識を変えていかないといけないと思います。
――ここ2試合無失点が続いていますが要因は
ここ2試合失点をしてないチームはベスト4だとワセダと中大だけだと思います。試合前に全員が無失点でいこうという目標を持って、それを意識しながらプレーしていることが守りを良くする上で良い方向につながっていると思います。
――昨シーズンと守備の意識などで変わった部分はありますか
きょねんは前主将だった羽刕銘さん(平26スポ卒=現日本製紙クレインズ)や山田さん(虎太朗、平26社卒=現王子イーグルス)が絶対的な存在だったんですけど、ことしは絶対的な存在がいないので、逆に一人一人が責任感を持ってプレーしているのが0という結果につながっているんじゃないかと思います。
――明大戦への意気込みをお願いします
僕たちが目標にしているのは優勝なので。4試合という試合数ですけど、一戦一戦しっかり戦って失点をしないで、少ない得点でも勝ち切れる試合展開にしたいと思います。
FW金子立樹(スポ2=北海道・駒大苫小牧)
――きょうの試合を振り返って
きょうは、次につながる試合をしようという風にチームで話していて、第1P、第2P第3Pと色々あって、ワセダらしいホッケーをすることができなかったので、次に向けてしっかり準備をしようと思いました。
――早大らしいプレーができなかった原因は
最初から足を動かしていこうと思っていたのですが、気持ちの準備がしっかりできていなかったことが原因だと思います。
――自身の第3Pでのゴールについて
第1Pで同じような場面があって、その時は外してしまったのですが、その後に池田先輩(一輝、スポ4=北海道・駒大苫小牧)にこういう風にやったらいいよ、と助言をもらって、その通りにやったらゴールを決められました。池田さんに感謝しています(笑)
――第1P第2Pではなかなか点が取れず、第3Pから良い流れになったが、その流れが変わった理由とは
次の試合に向けて頑張っていこう、この点差ではだめだ、と第2Pと第3Pのインターバルの間に池田先輩に言われて、それでみんなゴールへの執着心が強くなってゴールがたくさん決まっていたのだと思います。
――来週の準決勝に向けての意気込みは
来週まであと一週間しかありませんが、絶対勝てるようにしっかり内容の濃い練習をしたいと思います。
FW寺井敏博(国教2=米国・チョートローズマリーホール高)
――きょうの試合への意気込みをお願いします
きょうの試合にちゃんと勝って、次の試合につなげられるようにいい内容にしようと意気込んだのですが、出だしが少し遅くなってしまいました。
――第1Pではなかなか点が決まりませんでしたが、どのようなことが原因だったと思いますか
第1Pは5対4のチャンスも5対3のチャンスもあったんですけど決められなくて。やっぱりああいうパワープレーのチャンスをちゃんと決めていかないと、次の試合の明大とかと戦う時に厳しくなってくるので、パワープレーの成功率をもっと上げていかないと駄目だと思いました。
――先週の試合で大量点を取ったのはきょうの試合に影響しましたか
前の試合もきょうも、普通にやれば勝てる相手だったので点を取れたのですが、こういう試合でもチャンスを確実に決めていけないと今後厳しくなるなと感じました。
――自身の2ゴールを振り返って
1点目は森田さん(哲朗、教4=東京・早実)のいいパスが来て決めることができて、2点目は斜森さん(敬太、教3=東京・西)のシュートに合わせることができて決められたので良かったと思います。でもシュートチャンスがもっとあったのでもうちょっと決められたと思います。
――新チームで2連勝となりましたが、雰囲気はどうですか
ことしの4年生もみんな良い方ばかりで、雰囲気をつくれてきていると思うので、次の明大戦ではパワープレーの成功率を上げたり、チームを盛り上げたりできるように、さらに良い雰囲気で臨めるようにしたいと思います。