関東大学選手権(選手権)が開幕した。昨季の日本学生氷上競技選手権(インカレ)チャンピオンとして臨む早大。羽刕銘(平26スポ卒=現日本製紙クレインズ)や山田虎太朗(平26社卒=現王子イーグルス)を筆頭とする主力が多く卒業したが、今季ももちろん目指すものは優勝だ。シードにより2回戦から登場し、初陣は国士舘大との対戦となった。早大は試合が進むにつれて勢いを付け、ゴールを量産する。無失点に抑えて14-0で試合終了。新体制となって初の公式戦を、大差をつけての勝利で飾った。
今季主将としてチームをけん引する池田主将
第1ピリオド(P)の立ち上がりはやや精彩を欠いた。敵陣に攻め入り何度もシュートを打つが、なかなか得点に結び付かない。パスがうまくつながらずに好機を逃すことが続いた。そんな中で先制点を入れたのは、ルーキーのDF新井遥平(スポ1=北海道・駒大苫小牧)。5分42秒、自身初ゴールとなるロングシュートを決めた。その後も各々が随所に好プレーを見せて2点を加えるも、早大らしいホッケーを十分に見せることはできなかった。第2Pでも同じ状態が続く。「うまく試合に入れなかった」とFW森田哲朗(教4=東京・早実)が語るように、ペースをつかみ切れない。それでも変わらず優勢を保って着々と得点を重ね、6-0で第2Pを終えた。
迎えた第3Pで、エンジンがかかった。41分19秒に鮮やかなシュートで森田が今試合2点目を挙げたのを皮切りに、得点ラッシュが始まる。連携の取れた動きで相手のディフェンスをかわし、相手ペナルティによるパワープレー時には必ず加点。試合終了間際にはFW金子立樹(スポ2=北海道・駒大苫小牧)がGKの穴を狙って巧みにパックを運びゴールを果たした。前半戦に比べ、流れを完全にものにできた早大。第3Pでは8点を追加し、今季初戦は14-0の圧勝となった。
第2セットで活躍した森田
完封勝利、新戦力の台頭など様々な明るい材料が得られたこの試合。一方で、「細かいところができていなかった」(FW池田一騎主将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)と語るように、序盤では大事な場面での決定力に乏しかった。早大が求めるのは、あくまで優勝。これから上位チームを制していくには、ここで見つけた課題を全て克服しなければならないだろう。インカレ王者の誇りとプライドを懸け、選手権優勝を。そして関東大学リーグ戦、インカレも合わせた『三冠』を絶対に成し遂げてほしい。
(記事 大水渚、写真 森健悟)
関東大学選手権(2回戦) | ||
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早大 | ピリオド | 国士舘大 |
3(31) | 1st | 0(1) |
3(32) | 2nd | 0(2) |
8(22) | 3rd | 0(1) |
14(85) | 計 | 0(4) |
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
早大 | 05:42 | 新井 | 青木 | - | PP |
早大 | 10:20 | 佐藤 | 斜森 | 加賀美 | - |
早大 | 16:37 | 青木 | 石川 | - | - |
早大 | 23:56 | 青木 | 池田 | - | - |
早大 | 28:11 | 金子立 | 青木 | 池田 | - |
早大 | 28:18 | 森田 | 三浦 | 寺井 | - |
早大 | 41:19 | 森田 | 寺井 | 清 | - |
早大 | 41:31 | 三浦 | 寺井 | - | - |
早大 | 43:52 | 寺井 | 堰合 | - | PP |
早大 | 48:10 | 池田 | 青木 | 金子立 | - |
早大 | 51:58 | 青木 | 池田 | - | - |
早大 | 53:49 | 三浦 | 寺井 | - | PP |
早大 | 54:11 | 加賀美 | 坂本 | - | - |
早大 | 58:44 | 金子立 | 池田 | - | - |
※PKはキルプレー、PPはパワープレーを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 池田 | 金子立 | 青木 | 石川 | 新井 |
2 | 寺井 | 三浦 | 森田 | 堰合 | 清 |
3 | 佐藤 | 坂本 | 加賀美 | 横町 | 斜森 |
4 | 金子聖 | 瀬戸 | 吉田 | 村上 | 松本 | GK遠藤→中川 |
コメント
草島武彦監督(昭62教卒=東京・早実)
――試合を振り返って
きょうの相手は勝って当たり前という相手だったのですが、今シーズン公式戦初戦ということで良いかたちで勝たなければいけないということを意識してやっていました。反則0、完封、被シュート数0を目標にしていたんですが、完封できたというのと、それなりのシュート数も打てたので、まずまずのスタートかなと思います。しかし課題が数多くあったので、そこは反省して修正していきたいと思います。
――いまのチーム状況はいかがですか
きょねんの4年生が抜けていますけれど、新たに1年生が入って、チーム内の競争が出てきています。それぞれが頑張らないと試合に出られないので、毎年同じですが、1試合1試合しっかりやらないといけないと思います。
――1年間を通しての目標をお願いします
この大会を優勝することが直近の目標です。最終的には全部の大会のタイトルを獲ることですね。
FW池田一騎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
――きょうの試合を振り返って
初戦で、失礼ですが自分たちと同じレベルというよりは格下の相手ということで、その中でしっかり自分たちのホッケーができるようにという話をしていたのですが、それができていなかった選手が多かったことが反省点です。次の試合につながる試合にはならなかったかなと思います。
――具体的にどのようなところで、できていなかったと感じましたか
< p>やはり相手のプレッシャーが遅い中で、パスを出したりレシーブをしっかりするなどの細かいところができていなかったかなと思います。
――今大会が始まるまで、どのような練習をしてきましたか
氷に慣れてからはすぐに実践につながる練習を多くしてきました。
――新体制となりましたが、チームの雰囲気はいかがですか
やはりまだ仲良しというか、悪い意味で仲良いホッケーというか馴れ合いになってしまっているので、そうあうところでしっかりメリハリをつけていかなければいけないのかなと思います。
――第1セットには1年生のDF新井遥平(スポ1=北海道・駒大苫小牧)が入りましたが、プレーしてみていかがでしたか
体力もありますしスピードもすごくあって、まだ高校生から上がってきてすぐなので、すごく期待はしています。
――今季の意気込みをお願いします
春(関東大学選手権)優勝という目標を掲げたので、一つ一つの試合を大事にして、しっかり優勝したいと思います。
FW森田哲朗(教4=東京・早実)
――今季初戦でしたが、試合を振り返っていかがでしたか
第1ピリオド(P)、第2Pとうまく試合に入れなくて、スタッフからもCAからも厳しい言葉を掛けたんですけど、それで第3Pは良くなったので、それが来週につながればいいと思います。
――うまく試合に入れなかったということですが具体的な反省点は
相手に合わせてしまったというのもありますし、スコアも決め切れてないので、そういうところですね。
――2得点の活躍でしたが、ご自身プレーを振り返っていかがですか
昨年までは3セット目でプレーしていて、ことし2セット目に上がったんですが、三浦(亮、教4=青森・八戸商)だったりトシ(寺井敏博、国教2=米国・チョートローズマリーホール高)だったりの良いサポートがあってとてもやりやすいです。
――今シーズンの目標を教えてください
まずは春のタイトルを獲るためにチーム一丸となってやっているので、秋(関東大学リーグ戦)やインカレ(日本学生氷上競技選手権)よりもいまは春の一番近い目標を達成したいです。
DF新井遥平(スポ1=北海道・駒大苫小牧)
――ご自身の大学で初の試合でした。どのような思いで試合に臨みましたか
まずは1年生らしくがつがつして、ミスを恐れず前向きにやっていこうと思っていました。
――試合を振り返っていかがでしたか
個人としてはあまりパックが手につかなくて、先輩たちに助けてもらいながらやっていました。チーム全体としては、1、2Pがシュート数の割に得点が少なくて、そこを3P以降改善できたので最終的には良かったと思います。
――完封勝利でした。DFの立場で振り返っていかがでしたか
きょうの目標は、無失点はもちろんなのですが、シュートを撃たせないということでした。それはまあまあできたのではないかと思います。
――第1セットに入って、周りの選手との相性などはいかがでしたか
自分が足を引っ張るかたちになってしまったのですが、先輩たちがフォローしてくれて助かりました。
――寮生活や大学の授業など、環境の変化には慣れてきましたか
そうですね。少しずつ慣れてきました。
――大学4年間での抱負は
大学生になっても変わらずに、現状維持ではなくてどんどん前進していきたいと思います。