【連載】『FEARLESS』第1回 東京出身 龍ノ口×森田×遠藤

アイスホッケー

 試合の流れを左右する第3セットで活躍する龍ノ口弘陽(社4=東京・早実)と森田哲朗(教3=東京・早実)。そして関東大学リーグ戦(リーグ戦)では1年生ながらGKとして先発出場し、大きな成長を遂げた遠藤秀至(社1=東京・早実)。今回は早実のアイスホッケー部として高校時代を東京で過ごした三人に、大学入学以前のエピソードや日本学生氷上競技選手権(インカレ)への意気込みを語っていただいた。

※この取材は12月8日に行われたものです。

「第3セットがカギ」(森田)

左から遠藤、森田、龍ノ口

――今季のリーグ戦を振り返って

龍ノ口 昨年は第1セットでプレーさせてもらって、今は第3セットということで、自分がやらなくてはいけないプレーというのが違うなというのは実感しています。4年生が一人しかいないセットで大変だったというのもあるんですけど、自分の満足できるプレーもそこまでできていないので、インカレに向けてあと一カ月しっかり練習して、インカレでは自分の満足できるプレーで優勝したいです。

森田 自分としては、昨年は得点に絡むことが多かったし、先輩や監督からの信頼も得られていてキルプレーでも試合に出させてもらっていたんですけど、ことしはあまり信頼を得られず失点するシーンも多かったので、出場機会もあまり多くはなかったです。2位ということもあったし、悔しいリーグ戦でした。

遠藤 リーグ戦では前半戦の途中くらいから先発で試合に出させてもらえるようになって、1年目で慣れないこともあって、試合の終盤で失点してしまって勝てる試合を勝ち切れないこともあったんですけど、後半は1点差で残り時間少ないところもしっかり守り切れました。特に最後の試合では、第1ピリオド(P)に崩れて失点してしまいましたが、それ以外は安定したプレーができました。結果は2位でしたが、自分は大学のアイスホッケーに最後の方はかなり適応することができたと思います。

――遠藤選手がリーグ戦の終盤にかけて成長できた要因はどこにありますか

遠藤 高校の時は、だいたいの試合が1P15分でした。この5分の差が最初のうちはかなり大きくて、最後の5分で集中力が切れてしまうことが多かったのですが、最後の方は最後の5分も集中力を切らさずプレーできるようになったので、そこが一番の要因だと思います。

――龍ノ口選手と森田選手は第3セットでプレーしていますが、セットとして今季を振り返るといかがですか

龍ノ口 セットごとに役割があって、第1、第2セットは得点を取って、第3セットは失点を防いで次のセットにつなげるというのが役割で、第3セットのメンバー内で共有していて、そこに関してはある程度できたと思います。でも、内容に関しては、攻め込まれたりする場面も多かったし、逆に攻め込まれてからのカウンターを狙う場面が少なかったし、もう少しできることはあったんじゃないかと思います。

森田 失点しないというのが第一で、後半はやっと落ち着いたんですけど前半は失点も多かったし、第1セットに良い流れでつながないといけないのに、攻め込まれる場面が多かったと思います。

――2位という結果でしたが、リーグ戦の良かった点、悪かった点を教えてください

龍ノ口 ワセダの良さっていうのは、自分たちのやるべきことを選手で考えて選手みんなで共有して戦えるというところだと思います。前半戦の悪かったところを自分たちで考えて、自分たちに足りない部分などを練習やミーティングで修正していって後半戦の良い成績につなげられたことは良かったです。前半戦は意識のずれだったり、チームより自分のしたいプレーを優先しちゃったりしたときに結果が悪くなることがあったのかなと思います。

森田 前の試合の悪かったところを次の試合に修正しようということを徹底した結果、後半戦に向けて徐々にプレーが上がっていくことにつながって、後半戦無敗という結果になって良かったです。でも、夏に悪いかたちで終わって、その反省ができていなかったわけでは無いのですが、前半戦は負けも引き分けも多くて、各セットの仕事がしっかりできていなかったのは反省点です。

遠藤 春と夏の大会では、得点が少なかったんですけど、秋のリーグ戦ではその反省を生かして得点がしっかりできていたのは良かったと思います。ただ、ワセダは失点を抑えないと勝てないチームなので、前半戦は失点が多かったという点が反省点だと思います。

森田

――リーグ戦を通して一番印象に残っている試合はどれですか

龍ノ口 中大との2戦目の試合です。中大はここまで1位で突っ走ってきていて、でも自分たちもこの試合に勝てば優勝があるという状況で、すごくみんなも気合が入っていました。3点リードして押せ押せの展開だったんですけど、そこからどんどん差を縮められて、最後残り1分くらいで同点にされた試合でした。この試合で中大の強さとか、優勝するチームの土壇場での強さを実感して、昨季自分たちが優勝したときもこういう強さがあったなというのを改めて感じました。やはり中大を倒さないとインカレでは優勝できないと思ったし、こういう勝てる試合で逃げ切らないとインカレの優勝は無いなと痛感した試合でした。

森田 前半の明大戦で先制点を決められたことが印象に残っています。セットとかチームのことではないのですが、強い相手に得点を決められたというのは個人的に嬉しかったです。

遠藤 自分は東洋大の2戦目です。結果は5対2なんですけど、残り3分くらいまでは1点差で、今までの試合ではその1点差というのを守り切れなかったのですが、この試合では相手が6人攻撃を仕掛けてきても1点差を守って、味方が追加点を取ってくれて勝つことができたので、自分の中ではかなり大きな成長だと思いますし、チームとしても大きな勝ちだったと思います。

――インカレに向けての課題はありますか

龍ノ口 ワセダは全員が意識を統一して一つになったときに強さを発揮するんですけど、今はユニバーシアード代表で山田(虎太朗、社4=北海道・駒大苫小牧)と勝田(貴之、国教4=米国・ライ高)と池田(一騎、スポ3=北海道・駒大苫小牧)が、あとU20代表で一年生3人もいなくて、インカレまでの練習期間の半分くらいは全員がそろわない状況なので、セットプレーとかチームがちゃんとうまくはまった良いプレーができるかというのが少し不安要素だと思います。

森田 第1、第2セットの人たちは、実力のある人たちなので代表から帰ってきてもリーグ戦の後半みたいなプレーをしてくれると思うし、第3セットが底上げをすることによってチーム全体が上がると思うので、第3セットがカギになると思います。

遠藤 後半は良い流れで勝っていたのですが、失点が少ないと言える試合は少なかったので、失点を少なくしたいと思います。

――第3セットの4年生は龍ノ口選手お一人ですが、セットをまとめて試合で勝てるようにするために工夫したことはありますか

龍ノ口 第3セットは癖のある後輩が多くて。変な人ばかりなんですよ(笑)。怒ったら泣いちゃうやつとか、口が悪いやつとか(笑)。これは大変だな、自分しかまともな人間がいないなと思ったし難しかったんですけど、特に何をするというよりかは、話して打ち解けていくうちに、後半のプレーが良くなっていったと思います。第3セットの試合が良くないときはみんなで集まってビデオを見てお互いの悪いところを話し合うこともしました。あとは、自分は他の4年生と違って、後輩からいろいろ言いやすい先輩だと思うので…。

森田 自分で言ってる(笑)。

龍ノ口 いや、良い意味でね(笑)。いろいろ後輩から悪口とかも言われるので、それに怒らないようにして(笑)。垣根なくお互いに悪いところを言い合える関係を作ることができたと思います。

龍ノ口

――これに関して、後輩の森田選手から見ていかがですか

森田 自分は普通なんですけど、確かに自分以外の第3セットの後輩は癖のある感じなので、弘陽さん(龍ノ口)は大変だったと思います。弘陽さんはあまり注意できるタイプではないので、自分が弘陽さんはこう思っているんだろうな、ということを後輩に言ってあげたりしました。

龍ノ口 あ、俺のために言ってくれてたんだ(笑)。ありがとう。

森田 自分も弘陽さんとぶつかったりはしましたが、それがあったから後半戦に良くなっていったんだと思います。

早実の先輩・後輩

――東京の高校出身の3人ですが、アイスホッケーを始めたきっかけはなんですか

龍ノ口 父親がやっていたからです。大学のサークルでやっていて、社会人でも少しプレーしていました。自分は、小学1年生のときにそれを見に行って、かっこいいなと思って、自分からやりたいと言って始めました。

森田 両親が北海道出身で、自分も少し北海道に住んでいて、向こうでアイスホッケーをやっていて、東京に転勤になったときにそのまま続けてここまで来たという感じです。

遠藤 自分は長野県出身で、兄がアイスホッケーやっていたのと友達に誘われたのもあって始めました。東京に来たのはワセダに入りたかったからで、兄が2人いて2人ともワセダのアイスホッケー部でプレーをしていたので、小さい時からワセダでプレーしたいと思っていたし、ワセダのアイスホッケー部に憧れを持っていました。厳密にいえばワセダではないですけど、早実のアイスホッケー部で高校のうちからワセダの一員としてプレーしたかったので、早いうちから東京に来ました。

――高校での練習時間はどれくらいでしたか

龍ノ口 氷に乗る時間は週に2回か3回くらいで、朝か夜かでした。氷に乗らない日はひたすら走ったりウエートトレーニングをしたりという感じで、週6回とかもっと(氷に)乗っている北海道の高校と比べて全然少なかったですね。

――練習はつらかったですか

龍ノ口 監督が独自のホッケー理論を持っている人だったので、特殊な練習とかをめっちゃやるのでそこはきつかったですね。高校までにやったことのなかった練習ばかりで、多分今いる早実以外の選手はやったことのないような練習をしていたんで、そういう意味ではきつかったです(笑)。

――3人は早実の先輩、後輩の間柄ですがお互いのイメージはどうでしたか

龍ノ口 まず秀至(遠藤)は代が入れ違いでかぶっていないので早実の試合を見に行ったときの印象しかないんですけど、ちゃんとしたGKが入ってきたんだな、という感じでしたね。森田は小学生くらいから知っていて、そのころは田舎のヤンキーみたいな感じで腰パンとかしたりでこいつ大丈夫かよっていう感じでしたね(笑)。でもそこから僕がちゃんと更生させて、しっかり育て上げて今に至るので、第二の親みたいな感じで慕ってくれるんですけど。

森田 嘘はやめましょうよ(笑)。

龍ノ口 まあ今の第二の親っていうのは嘘です(笑)。けど、昔はヤンキーみたいな感じだったので、それに比べたら今は成長したなっていうのはあります。それもまあ、早実でトップでチームを引っ張ったという経験が良かったんじゃないかなと思います。変な道にそれなかったことに安心してます。

森田 秀至は弘陽さんも言ったように、自分が3年生のときに入ってきたんですけど、良いGK入ってきたな、まともなGK入ってきたなと思いましたね。普段の生活の中でも、あんまり友達がいないのかも分からないですけど昼休みとかも自分たちと一緒にいて、すごく高校のときから仲良かったです。いまも同じ部屋ですし。弘陽さんは、まず自分が高校入る前に誘ってくれたっていうのがあって。で、いざ入ってみると弘陽さんは試合では中心選手なんですけど普段の生活ではいるかいないか分からないくらい地味でした(笑)。それで、自分が2年生になった時に弘陽さんがキャプテンになったんですけど、あまり思っていることを言わないんですよ、後輩とかに。それなので弘陽さん弱気なのかな、とか思って僕が2年生だけど代わりに言ってましたね。だから、大学入ってから弘陽さんが強気で来るようになって、弘陽さんも成長したなって感じですね。

一同 (笑)。

森田 本当に静かな人だったんですけど、大学生になって変わってしまって、寂しい気もしますし嬉しい気もします。

遠藤 弘陽さんはかぶってないんですけど、弘陽さんの代の早実は変な人が多くて、OBとかが試合を見に来たんですけど他の人が目立っていて弘陽さんはあまり印象に残ってないですね。弘陽さんのお父さんにはお世話になったんですけど、弘陽さん自身とはあまり関わりがなかったです。森田さんは1年生の時、3年生でキャプテンでした。で、他の高校とかはホッケーをずっとやってきて思い入れとかもあって考え方が似たりとかしているんですけど、早実のホッケー部っていうのは高校から始めた人が多いんですよ。それで考え方もいろいろ違っていたんですけど、その中で森田さんがチームをしっかりまとめていてすごいカリスマのある人だなと思いましたね。高1のときはすごく尊敬してました。仲良くもさせてもらいましたし。

――同じポジションの中川悠輔選手(教2=東京・早実)とは高校時代はどのような関係でしたか

遠藤 早実のときは(出場機会は)半分ずつくらいだったんですけど全国高校選抜とか出たときは自分が出てました。私生活では、高校のときは結構まともな人だと思ってたんですけど、大学入ってからこの人おかしいなと思って。GKって結構変な人が多いんですけど、高校のとき、その中でもこの人は結構まともな人だと思ったんですけど、大学入ってすごい面白い人になりましたね。

――早実のアイスホッケー部の面白かったエピソードはありますか

遠藤 自分が高校1年生のときなんですけど、1つ上の吉田さん(洋平、文2=東京・早実)が東大和のリンクのすぐ近くに住んでたんですね。それで、僕は兄のところに住ませてもらっていたんですけど、朝練の時はリンクのところへ行くバスがなかったので吉田さんの家にたまに泊めてもらっていたんですよ。そのときに、寝てるとたまに弘陽さんが来るんですよ。弘陽さんも東大和に住んでいるのにわざわざ吉田さんの家に来て、次の朝見ると吉田さんのユニフォームを布団代わりに寝てるんですよね。

一同 (笑)。

龍ノ口 印象あるんじゃん(笑)。

遠藤

――早実のアイスホッケー部に入って良かったことは

龍ノ口 大学でホッケーを続けるつもりはなかったんですよ。中学生のときにあんなレベル高いところ無理だと思って。早実は8割9割高校からホッケーを始める人で正直今みたいに楽しいホッケーじゃなかったんですけど、まあ高校でホッケーできるしいいやという感じで最初はやってました。けど、だんだん全国大会に行って決勝とか準決勝とかの試合見るじゃないですか。そこで熱い試合とか見て、日本一を目指すっていいなとか、こういう舞台に立ちたいなと思い始めて、大学でやろうかなと思えましたね。良かった点としては自分が先頭でチームを引っ張ってやるっていう経験ができたということで、その経験はかなり自分にとって大きかったと思います。あとは独自のホッケー理論を持っている監督がいて、その人のホッケーに触れられたというのは良かったと思います。泥臭くて気持ちの入ったプレーが大好きで、そういうプレーをやれとかなり言う、他にはないような人に出会えたというのが。

森田 早実のアイスホッケー部で良かったことは、下級生のときは高校からホッケーを始めた人が多くいる中でどう勝っていくのか、というのを、遠藤さん(高平、平25商卒=東京・早実)や弘陽さんがキャプテンのときに見ることができました。そういう人をどう生かしていけばいいのかとかを考えていたので。そう考えると、人間的な面が養われたのかなと思います。

遠藤 ホッケー面に関しては、GKとしての環境は良くなかったとは思います。コーチがいるわけでもないし、練習で受けるシュートが強いわけでもないし。でも試合では責められっぱなしで常にシュートを受けている状態だったので、劣勢の中でプレーをするというのは良い経験になったと思います。

――北海道から来た選手たちというのはホッケーについて違いは感じますか

龍ノ口 かなり感じますね。ホッケーって結構形が決まってて、こういう場面ではこうするというセオリーみたいのがあると思うんですけど、早実の初心者とやっているとそれが全くないので、そういう戦術的な知識の面ではかなり差があると思います。大学入ってすぐのときはすごく感じましたね。

森田 自分も、同期にトップレベルでやれるような実力を持つ一騎(池田)がいますけど、パス、レシーブといった基本から全然違いますし、ホッケーについて自分たちが知らないことを知ってたりと全然違いますね。

遠藤 技術的なところがまず全然違います。北海道の人たちはスケーティングがまずうまいので、走っているところだけでも東京の人とは違うなって思いますし。あとは体もやっぱり。北海道出身の選手で言えば虎太朗さん(山田)と銘さん(羽刕、スポ4=北海道・駒大苫小牧)は大きいですけど、それ以外の人も体が大きいです。体格も全然違うなって。

――アメリカでプレーしていた寺井敏博選手(国教1=米国・チョートローズマリーホール高)や勝田選手とも違いは感じますか

龍ノ口 あの2人はアメリカのホッケーと日本のホッケーがかなり違うらしくて、最初は戸惑ったっていうことを言っているので、また自分たちとは別の違いのようなものを感じているんじゃないかなと思います。

――東京の人たちにとってアイスホッケーはあまりなじみがないと思いますが、それらの人たちにアイスホッケーを身近に思ってもらうためにはどうすればいいと思いますか

龍ノ口 きょねんの就活で同じことを聞かれました(笑)。一回試合を見に来てくれた人たちは必ず面白いと言ってくれるので、まず一回見に来てもらうために何かしなければいけないと思います。早慶戦に関してはマネージャーがすごい宣伝を頑張ってくれてお客さんがいっぱい入ってくれて、しかも来てくれた人はアイスホッケー楽しいと言ってくれました。なので、アイスホッケーは楽しいということを告知して、その話を広げていけばいいんじゃないかと思っています。

森田 女子アイスホッケーがソチ五輪に決まり、テレビでアイスホッケーを見られる機会も増えていくと思うので、早慶戦など大きい試合に合わせて近くでアイスホッケーを見られるんだよ、と早大生や慶大生に宣伝していけば、だんだん大学生たちが試合見に行こうかって言ってくれる機会も増えていくと思います。ソチ五輪に乗っかっていくことが大事だと思います。

遠藤 森田さんと同じなんですけど、女子が五輪を決めて今が一番関心を持ってもらえる時期なので、ことしの早慶戦が重要になってくると思います。しっかり自分の知り合いとか友達にSNSなどを使って宣伝していこうと思います。アイスホッケーを知ってもらうためにしっかり各所で告知をしていけばいいと思います。

――森田選手と遠藤選手は寮で同部屋ということですが、部屋の雰囲気や寮での過ごし方というのは

森田 あまり秀至は部屋にいないんですよね。

遠藤 他の人もそうなんですけど、階段上がってすぐの2階の部屋が堰合(芳貴、社1=青森・八戸工大一)と青木(優之介、スポ1=埼玉栄)の部屋なので、みんな1年生はそこに集まりますね。1年生でそこで遊ぶので部屋にはあまりいないですね。いるときはゲームするときか寝るときくらいで。

森田 自分はちょっと寝るのが早いので、10時半とかに寝てしまうことが多くて。だからベッドのところのカーテン締めて、秀至が帰って来たのか知らないで朝を迎える感じです。

龍ノ口 僕は勝田と同じ部屋なんですけど、彼がゲーム大好きなんでホッケーゲーム誘ってくるんですよ。だから付き合ってあげてます(笑)。

――オフの日はどのように過ごされていますか

龍ノ口 オフの日は真面目に勉強して過ごしてます。

森田 嘘はやめましょ(笑)。

一同 (笑)。

森田 自分も、やっぱり勉強ですね(笑)。まあ暇なときは寮にいる誰か誘って飲みに行ったり、あとは学校の友達と飲み行ったりカラオケ行ったりですかね。

遠藤 基本寝てますね。疲れてるんで。リーグ戦中は本当に試合がつらかったんで基本的に寝てるか体のケアしたりしてました。

龍ノ口 やっぱり普段の練習のときは3時半起きであんまり寝られないので、結構オフの日はがっつり寝てますね。

――部内で仲の良い選手や尊敬している選手は

龍ノ口 仲良いのはやっぱり勝田。ゲームめっちゃ誘ってくれるので。尊敬しているのは、同期のみんなは尊敬してます。それというのは、大学入る前はあそこまでうまいのでわがままな感じとか我が強い感じとか、ホッケー下手な奴は知らない、という風になりがちかなと思っていたんですけど、そんなこと全然なくて。チームのことをすごく考えていますし、ホッケーできない選手とかも大事にしてますし、考え方もすごく大人で、人間性できてるし。そういった人間的な部分、ホッケーうまいっていう部分全部合わせてあまり直接言ったことはないですけど尊敬していますね。

森田 自分は一番仲良いのは一騎で、同時に尊敬しているのも一騎ですね。マネジャーも含めて4年生はもちろん尊敬していますし。弘陽さんもギリギリ含めて(笑)。ホッケーに関してもですし、生活についても生活からホッケーにつなげていっている人たちなので。一騎は目指しているところが実業団なので、トレーニング終わってから、またトレーニングに自分を誘ってくれたりして。普段は甘えん坊でわがままでゲームばっかしているやつなんですけど、そういうトレーニングのときなどは本当に尊敬してますね。

遠藤 一番仲良いのは1年の青木ですね。青木はチームは一緒じゃなかったんですけど、小中って同じ長野県出身で県選抜のときとかは一緒にプレーしたりしていたので。高校のときはあいつは埼玉栄に行って、ちょくちょく練習試合とかで会ったりしたんですけど、小中一緒にやっていたので一番仲良いかなと。尊敬している人はキャプテンの羽刕銘さん。今ワセダが成り立っているのもあの人のおかげかなと。ホッケーの面でも尊敬しているんですけど、人間的な面でもすごく尊敬できる人で、チームをすごくうまくまとめてくれているし。プレーとかでもホッケーに詳しくて、試合中駄目だった部分とかも試合の中でしっかり修正してくれるしキーパーをやっていても銘さんがディフェンスにいるとすごく安心しますし本当に偉大な選手だと思います。

――チーム内で意識している選手はいますか

龍ノ口 ポジションが一緒の羽刕、山田は1年生からずっと4年間見てきて、ライバルとかそういう感じではないですけど、ああいうプレーをしたいと意識しています。彼らから吸収してちょっとでも追いつけたらという気持ちです。

森田 自分は同期の三浦(亮、教3=青森・八戸商)と横町(翔太、スポ3=青森・八戸工大一)です。彼らはずっと青森でやって入ってきた人たちなので、自分よりは基本のシュートなどがうまいので、負けたくないという気持ちがあります。

遠藤  中川さんですね。自分が調子を落としたらすぐに中川さんが出てくるので気が抜けないし、中川さんと自分は実力でいったらほぼ同じだと思うので、試合に向けてしっかり準備をしないといつ変えられてもおかしくない状況なので、試合は毎回集中して臨んでいます。ずっと自分が試合に出るんだという気持ち、努力をしなければいけないという気持ちにさせてくれる人なので意識しています。

「チームが一つになることが大事」(龍ノ口)

――インカレが近づいてきましたが、それぞれの目標を教えてください

龍ノ口 チーム全体の目標はもちろん絶対に優勝です。第1セットと第2セットはしっかりと点を取ってきてくれるセットなので自分たち第3セットの目標としては全試合無失点で第1セット、第2セットに良い流れでつなげるようなそういうセットにしていきたいです。そして、自分は今回のインカレで引退なので、4年生として先頭に立ってそのようなセット作りをしていきたいです。

森田 無失点だけではなくて、フォワードで点数を狙っていきたいと思います。

遠藤 全試合無失点というは厳しいかもしれないですが、最少失点に抑えればワセダのFWはしっかり点を取ってきてくれる選手がそろっているので、自分が失点を抑えることだけを考えて優勝できるように頑張っていきたいです。

――遠藤選手は大学に入って初めてのインカレですが、意気込みは

遠藤 兄がインカレで戦っている姿を見てきたので、リーグ戦と違って短い期間で何試合もやるつらい試合になると思うんですけど、ことし秋リーグ戦の最後の方は調子が良かったので特に不安もあまりないですし、すごく憧れの舞台ではあるんですけど、特に意識せずにしっかりいつも通り戦って行きたいです。

――龍ノ口選手にとっては最後のインカレとなりますが

龍ノ口 インカレは自分が入る前の年に優勝して、それ以降この4年間は優勝していなくて、秋リーグの優勝は昨年したんですけど日本一とはなっていないので、最後は日本一になってめちゃめちゃハッピーになって終わりたいです。絶対優勝して後輩たちにあの代はすごかったなと言われるような感じの終わりにしたいです。また、学校というものを背負ったり、ちゃんとしたホッケーをする、というのも最後なのでそれらを大事にして、楽しみながら一回一回大事に試合したいと思います。

――森田選手はどのような気持ちでインカレに臨みますか

森田 3年間お世話になった4年生の最後の大会なので、4年生のために自分ら3年生が1、2年生を引っ張って4年生の助けになるように頑張っていきたいです。

――ワセダの目指すホッケーとはどのようなものだと思いますか

龍ノ口 全員が一つになってどのような動きをするかなど、そういう意識を共有した時に強さを発揮するので、そういう意味ではチームが一つになっていくことが大事だと思います。試合に出ない選手、ベンチに入れない選手、マネージャーとスタッフ、監督も含めて全員が一つになって戦っていくことがワセダの目指すホッケーだと思います。

森田 ワセダの良いところは選手間で話し合って反省して次につなげていくことです。なので、銘さんを中心にことしやってきたホッケーを分析してインカレにつなげてやっていきたいと思います。

遠藤 弘陽さんが言っていたこととほとんど同じなんですけど、ワセダは人だけで見たら他の大学よりも良い選手がそろっているとは言えないです。だけどチームみんなが仲良くて、すごくまとまりがあるので、更にまとりまりを持てるようにチームが一つになって、一つになれば他の大学に絶対勝てると思います。

――インカレの注目選手を挙げるとすればどなたですか

森田 7番DFの龍ノ口弘陽さんだと思います。第3セットを引っ張ってくれる存在なので。第3セットが機能したときに勝てるチームなので活躍してほしいです。

遠藤 自分も同じく龍ノ口さんです。やっぱり1、2セット目はうまい人がそろっていますし当然のように活躍してくれるので、3セット目がしっかりやってくれればワセダの不安要素はなくなると思います。しっかりその3セット目の最年長である弘陽さんが頑張ってくれればみんなも頑張って良いチームとなると思うので、一番の注目選手だと思います。

龍ノ口 頑張ります(笑)。自分は、4年生全員が注目選手だと思います。最後の年に懸ける思いがもちろんありますし、最後のリーグ戦が2位で終わってから一カ月間どうやっていけば最後のインカレで優勝できるか話し合いました。そういう意味ではやっぱり最後の大会に懸ける思いは強いですし、最後の大会は4年生が活躍して勝つ、というイメージが結構あるので4年生が最後に引っ張って勝っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 高田麻里、伊藤広真、種村春歩)

左から遠藤、龍ノ口、森田。雑誌を意識したポーズだそうです。

◆龍ノ口弘陽(たつのくち・こうよう)(※写真中央)

1991(平3)年5月31日生まれ。180センチ、75キロ。東京・早実高出身。社会科学部4年。森田選手や遠藤選手との息の合ったやりとりから、話しやすい先輩として後輩に慕われていることが伝わってきました。インカレでは第3セットのまとめ役として奮闘する姿に注目です

◆森田哲朗(もりた・てつろう)(※写真右)

1992(平4)年4月15日生まれ。164センチ、64キロ。東京・早実高出身。教育学部3年。対談中はムードメーカーとして場を盛り上げていましたが、氷上では目の色を変え、気迫に満ちたプレーでゴールを狙う森田選手。早実時代に培ったキャプテンシーはチームの団結に不可欠です

◆遠藤秀至(えんどう・しゅうじ)(※写真左)

1994(平6)年4月23日生まれ。168センチ、64キロ。東京・早実高出身。社会科学部1年。オフの日は寝ていることが多いという遠藤選手。先輩二人から友達がいないのではとからかわれていましたが、やはりリーグ戦の疲労は相当のものだったようです。今季チームに大きく貢献した若き守護神に今後も期待がかかります