法大にリベンジ果たす!

アイスホッケー

 先週の中大戦を引き分け、関東大学リーグ戦(リーグ戦)優勝の夢がついえてしまった早大。次なる目標は2位以上に与えられる全日本選手権への出場権獲得だ。この日の相手は1次リーグで黒星を喫した法大。試合は先制を許すなど序盤は劣勢に立たされるがなんとか持ちこたえ、第3ピリオド(P)開始直後に勝ち越し。その後も得点を重ね、6-3の逆転勝利を飾った。

 序盤から互いに一歩も譲らない、白熱した展開となった。この日の早大はなかなかシステムが機能しない。2分にGK遠藤秀至(社1=東京・早実)のパスミスを相手FWに拾われ、先制点を決められてしまう。8分に同点に追いついたものの、15分にまたしても、パスをカットされてからカウンターで勝ち越し点を奪われる。その後池田一騎(スポ3=北海道・駒大苫小牧)がゴールへうまく流し込み、2-2として第1Pを終える。第2Pに入っても法大に攻め込まれる場面が目立つ。11分に松浦晃(人4=北海道・釧路工)の正確なパスから、フリーになっていた石川貴大(スポ2=埼玉栄)が鋭いシュートを相手ゴールに突き刺す。少ないチャンスをものにし、この試合初めてのリードを奪った。しかしその直後、2人が反則を取られキルプレーとなると33分に同点ゴールを押し込まれ第2Pを終える。

ゴールを決めて喜ぶ石川

 そして迎えた第3P。この雌雄を決する終盤で、早大が本来の力を見せつけた。パワープレーのチャンスで40分45秒、右サイドから勝田貴之(国教4=米国・ライ高)が持ち込みシュート。パックが相手GKの股下を抜け、勝ち越し点となる。するとこのゴールから流れをつかむ。今までの劣勢からは信じられないほどの早大ペースで試合が進む。42分には前半からいい動きを見せていた加賀美太一(商1=東京・早実)が貴重な追加点を決め、差を広げる。さらに46分にも山田虎太朗(社4=駒大苫小牧)が駄目押しとなる6点目。立て続けに3点を奪い、試合を決めた。

得点を決めるなど、いい動きを見せた加賀美

 逆転勝利で前回のリベンジを果たした早大。しかし「反省点の多い試合だった」と羽刕銘主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)が振り返る通り、ミスが多く満足できる内容ではなかった。次戦は順延となっている慶大との対戦。実力差のある相手だが気を緩めることなく、もう一度基本に立ち返り勝利を目指したい。

(記事 伊藤広真、写真 北田ゆず、末永響子)

関東大学リーグ戦
早大 ピリオド 法大
1st
2nd
3rd
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 KP/PP
法大 02:25 18 PP
早大 08:11 石川 羽刕 松浦 PP
法大 15:32 90 17 16
早大 16:42 池田 青木 山田
早大 31:46 石川 松浦 山田
法大 33:15 17 18 KP
早大 40:45 勝田 山田 堰合 PP
早大 42:23 加賀美 寺井
早大 44:36 山田 坂本
GK遠藤(60分)

メンバー
セット FW FW FW DF DF
勝田 池田 青木 山田 堰合
松浦 寺井 加賀美 羽刕 石川
坂本 森田 金子立 龍ノ口
吉田 横町 佐藤 斜森 松本
コメント

草島武彦監督(昭62教卒=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って

前回の対戦で法大には2点差で負けているので、リーグ戦を終えたときの当該校同士の成績を考えると3点差をつけて勝たなければいけなかったのですが、その通りになってよかったです。失点を少なくして勝利するというプランニングだったのですが、序盤打ち合いになってしまいました。第3ピリオドでいい流れが来ましたが、どちらに転んでもおかしくない展開だったと思います。

――1失点目はGK遠藤選手の難しい場面での判断ミスからの失点となってしまいましたが

明らかなミスでした。しかし、それを引きずらずに切り替えられたのはよかったと思います。1年生として、きょうのような大事な試合に出場することへのプレッシャーはあったと思いますが、持ち直せてよかったです。

――第2ピリオド終盤で追いつかれてしまい、引き分けに終わった前戦の中大戦を思い出させる場面でしたが

勝ち切ることの難しさを(引き分けに終わった)明大戦、中大戦で痛感しました。その中で「どう勝ち切るか」をみんなで話し合い、守りのゾーンでのプレーの時間を短くして、攻めのゾーンで長くプレーするように心がけました。その結果が出てよかったです。

――きょうは三浦亮選手(教3=青森・八戸商)がケガでベンチを外れるなど、シーズン後半に向けてケガにも注意しなければなりませんが

当たりの激しい競技なので、ケガは致し方ない部分もあります。ただ、このような場面で、きょうも加賀美が結果を出すなど、巡ってきたチャンスを活かしていました。ケガ人は痛いですが、普段出られない選手が活躍できる場でもありますね。

――次戦の慶大戦に向けて

平日に行われますが、慶大とは前回いい形で勝利できたので、今回も勝利して残りの東洋大と明大の2試合に備えたいです。

DF羽刕銘主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――試合全体を振り返って

結果的には勝ちましたけど、反省点の多い試合だったかなと思います。

――反省点とは具体的にどのような部分ですか

第1ピリオド(P)、第2Pは相手に多くシュートを打たれていますし、ディフェンディングゾーンのところで相手に長くパックを支配されていたかなと思います。

――パワープレー時の失点もありましたが

DFとGKのコミュニケーションミスかなと思います。GKがパックをキャリーして真ん中に出してしまったんですけど、もう少し左右に振ることもできたと思いますし、もう少しどうにかできたプレーだったんじゃないかと思います。

――第3Pに入る前、GKとどのような話をされていたのですか

切り替えていこうっていうことと、相手はワセダの選手の陰からでも打ってくるので、極力それを見るようにと。

――相手は攻撃的なチームでしたが、どのような対策を立てて臨みましたか

DFも結構ジャンプアップしてくるチームなのでバックチェックをしっかりやるのと、誰がどこにバックチェックしているのかをしっかり確認するっていう対策を立てていました。

――中盤まで点数の取り合いとなりましたが、しっかりと勝ちきれた要因はどこにあると思いますか

4点目を取られるとまた流れが変わったと思うんですけど、4点目を取った後5点目、6点目と取れたので、それで法大も多少勢いがなくなったかなと思います。

――第3Pはワセダのペースで試合を運べていました

そうですね。第3P、ワセダは結構足が動いていたので、そこの差かなと思います。

――次戦に向けて

慶大に関しては前回勝っていますけど、2回目はどうなるか分からないのでより完璧に近い内容で試合を終えたいと思います。

DF山田虎太朗(社4=北海道・駒大苫小牧)

――きょうの試合を振り返って

スタートは良くなかったんですけど、第3ピリオドで悪い部分を修訂して立ち直すことができたので、そういう面ではよかったなと思います。

――悪かった点は具体的にどういうことですか

ニュートラルゾンでの難しいパスだったりとか辛いプレーだったり、いくつかピンチをつけられた部分があったので、第3ピリオドではそういう所をもう一回初心に戻ってシンプルにプレーしようとしました。

――法政の印象はいかがてしたか

やっぱりいいホッケーしてくるチームですし、攻撃力に関して大学リーグの中でも本当にトップの攻撃力のチームだと思いますし、そういう相手に対して少ない失点で抑えられたのはよかったと思います。

――ご自身もゴールに絡みましたが振り返っていかがてすか

前にスペースがあったので、思い切って打ったら入ったって感じです。チームにちょっとでも貢献できたのはよかったと思います。

――リーグ戦も残り3試合となりました

そうですね。自力で優勝することは難しいですけど、その中でも自分たちの精一杯の力を出して頑張っていきたいです。

FW勝田貴之(国教4=米国・ライ高)

――きょうの試合を振り返って

スタートはよくありませんでしたが、第3ピリオドが始まる前にロッカールームで「流れを取り戻そう」と話し合いました。結果として第3ピリオドをいい形で終えることが出来てよかったです。

――先制はされましたが、相手にリードを与える時間は少なかったですね

得点を取られてもすぐに切り替えて取り返すことが出来ました。諦めないプレーがよかったです。

――自身の勝ち越しゴールを振り返って

パワープレー中に山田虎太朗からがいいシュートを打ったリバウンドを相手GKの股下を抜いて入れました。気持ちよかったです。

――開幕の東洋大戦も勝田選手のゴールで勝ち越すなど、勝負強さが光っているように思えますが

第1セットでプレーしていることもあり、チームが得点を欲しいときに取れるようにプレーを心がけています。

――次戦の慶大戦に向けて

木曜日に試合があるので、2回しか練習できないのですが、コンディションを整えて絶対に勝ちます。

FW池田一騎(スポ3=北海道・駒大苫小牧)

――きょうの試合を振り返って

最初あまり良くなかったんですけど、第3ピリオド(P)で持ち直せたので、そこで切り替えられたのが良かったと思います。

――第2Pまでと第3Pではどのような変化がありましたか

相手に好きなようにやられたり、こっちのミスであまりパックが出なくてすごく攻め続けられてしまったことが、失点につながったりいい流れにならなかったと思うので、それを第3Pで切り替えられました。

――法大にリベンジが果たせましたが

こっちの守りとかシステムがしっかりしていれば負ける相手ではないというか、得点力はすごくあるんですけれどそんなに圧倒的に強い相手でもないので、しっかりシステムとかを確認できたことが勝利につながったと思います。

――序盤はパスがつながらずカウンターで点を取られたりもしましたがどこが悪かったですか

スタートからシンプルにプレーしていこうということだったんですけれど、それができなかったことで相手にパスがわたってしまったりして、それが失点につながってしまったと思います。

――自身の同点ゴールを振り返って

青木(優之介、スポ1=埼玉栄)がしっかりと僕のポジションを見ていてくれたので、そこで嘘くさいゴールでしたがしっかりスコアできたので良かったと思います。

――次の慶大戦への意気込みをお願いします

あっちは早慶戦という意識で気持ちがすごく入ってくると思うんですけど、こっちは気持ちを整えるくらいで、あまりガチガチに固めてチームのプレーも固まっていかないようにして、しっかり今までやってきたプレーをやっていければ勝てると思います。

DF石川貴大(スポ2=埼玉栄)

――きょうの試合を振り返って

前回負けている相手で、少ない失点でという目標で、前回の反省で3点差以上はつけなくてはいけないと思い臨んだのですが、3失点してしまったのですが、その分点を取れたのでそういう意味では良かったと思います。でもこれから先はさらに強い相手とやらなくてはいけないので、もっと失点を減らしていこうと思います。

――法大との前回の対戦からなにか変えていることはありますか

前回は6失点していて、ゴールの入れあいではうちは勝てないので、失点を減らそうと言っていて、目標は1失点だったのですが、勝てて良かったと思います。

――2ゴールの活躍と調子の良さを感じましたが

得点は皆のサポートもあって、水物だと思いながらプレーしていました。自分はDFなので失点しないようにしっかりプレーしたいと思います。

――法大の印象は

攻撃面ではタレントもそろっていて、3番手4番手の攻撃という部分が前回も良かったので、攻撃の幅がとても広いチームだと思います。

――きょう得た課題と収穫は

個人的には一対一をもっとしっかり守れるようにして、チーム全体としては、できるだけ失点を少なくして一試合一試合やっていきたいと思います。

――来週の二試合に向けて意気込みを

不規則な日程で、自分たちのコンディションを維持するのは難しいと思いますが、それを言い訳にせず、全日本選手権への切符をしっかり取れるように、勝ちに行きたいと思います。

FW加賀美太一(商1=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

無我夢中でした。すごくパスが通って楽しかったです。

――貴重な追加点を挙げたことについて

チャンスがあれば狙っていこうと思っていました。うまくパスが来たのでシュートを打ったら入って、すごく嬉しかったです。チームの勝利に貢献できて良かったです。

――最近の試合では、1年生ながら第2セットでプレーしていることについて

入部してから今まで出場機会がなかったのですが、チャンスがあれば活躍してやろうと思ってしっかり準備はしていたので、あまり慌てずにプレーできています。

――第2セットの調子はどうですか

練習からいろいろと話をして、かなり理解を深め合っているので、調子は良いと思います。

――残りの試合に向けての意気込みお願いします

三浦さん(亮、教3=青森・八戸商業)がケガで今は欠場しているのですが、三浦さんが戻った後もチームに何かしらで貢献できるように、しっかり練習したいと思います。