反撃実らず惜敗

アイスホッケー
大量失点後、頭をたれる中川

大量失点後、頭をたれる中川

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)開幕2連勝と波に乗る早大。この日も法大を相手に幸先よく先制点を決め、主導権を握ったかに見えた。しかし守備の乱れから逆転を許すと、反撃及ばず敗戦。さらに勢いを付けたい1戦だっただけに痛い黒星となった。

 前半戦は点の取り合いとなった。第1ピリオド(P)10分、羽刕銘主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)がパワープレーのチャンスで鋭いシュートを突き刺し先制。すると17分、法大も負けじと同点ゴールを奪う。1-1で迎えた第2P、早大は法大の猛攻にあう。3分に勝ち越し点を与えると、8分、16分にも相手FW陣の素早い攻撃を止められず追加点を許してしまう。その後も堰合芳貴(社1=青森・八戸工大一)のパスミスから得点されるなど、このピリオドだけで4失点を喫してしまう。一方何とか差を縮めたい早大は、6分にペナルティショット(PS)の機会を得るも松浦晃(人4=北海道・釧路工)が放ったパックが相手GKにはじかれるなど、決定機をものにできずにいた。それでも16分に期待のルーキー・金子立樹(スポ1=北海道・駒大苫小牧)のゴールで反撃を始めると、17分にも池田一騎(スポ3=北海道・駒大苫小牧)が押し込み、3-5で第2Pを終えた。

 2点を追う第3P。後がなくなった早大は「流れを変えよう」(羽刕)との意図からセットを変更して逆転を目指した。するとここから再三決定機が生まれる。そして14分、相手のペナルティから数的優位となると寺井敏博(国教1=米・チョートローズマリーホール高)が1点差に迫る得点を決め、さらに攻勢を強める。同点、そして逆転へ諦めない早大であったが17分、相手にゴール前にパスを通されるとこれをうまく流し込まれる。残り時間が3分と迫る中で決定的な1点を与えてしまった。その後は6人攻撃で勝負をかけるも、勝田貴之(国教4=米国・ライ高)がペナルティを課されるなどこの作戦も実らず、結局4-6で試合は幕を閉じた。

 試合後、草島武彦監督(昭62教卒=東京・早実)は「早大は守りのチーム」と語った。それを自負するだけにこの6失点という内容はチームにとって非常に悔しいものとなっただろう。また、PSをはじめ、決定機を決めきれなかったFW陣も多くの課題が見つかったに違いない。しかしまだ始まったばかりのリーグ戦。この試合を生かし、挽回するチャンスは多く残されている。まずは次の専大戦を制し、もう一度流れを取り戻したいところだ。悲願の優勝へ、ここから早大の逆襲が始まる。

(記事 伊藤広真 写真 高田麻里)

結果

●早大4-6法大

コメント

草島武彦監督(昭62教卒=東京・早実)

――きょうの試合を振りかえって

同じパターンから失点してしまって、そこは改善しなければいけません。まだリーグ戦も残りたくさんあるので、次に生かしたいと思います。

――序盤からペナルティーが多かったことはいかがですか

全部が全部ペナルティーかと言われると、そうでもないペナルティーもありましたが、それは仕方ないことです。昨季、リーグ戦全チームの中で最もペナルティーが少ないこともあり、ペナルティーをしないことを常に言っていますし、みんなで注意しながらやっていますけど、きょうは立ち上がりからペナルティーをやって流れを渡してしまいました。

――法大の印象は

法大はFWが得点力あって、速い印象があります。ワセダは守りのチームなので、打ち合いになったら向こうに分があるので、こういう展開にはしないで、ロースコアで勝ち切りたかったです。

――1敗しましたが、今後どのように戦っていきますか

リーグ戦全勝優勝が目標ですが、それは難しいことです。昨季も1次リーグで法大に負けましたが、そこから立て直して優勝できたので、今季もきょうの試合から反省、修正して負けないように優勝を引き続き目指したいです。

羽刕銘主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

失点を抑えてワセダのペースに持ち込みたかったのですが、結果的に点の取り合いとなってしまいました。それがこの試合の反省点です。

――法政大学の印象はいかがでしたか

攻撃陣が強力なので、警戒していました。

――きょうの試合ではミスが目立ちましたが

ミスを減らそうと何度も声をかけましたが、同じようなミスを繰り返してしまうのがいまのワセダの現状なのだと思います。

――第三ピリオドでセットが変わりましたが、どのような意図があったのでしょうか

これ以上失点できない状況だったので、なんとかチームの流れを変えようとしました。

――ペナルティを減らすことが今季のチーム目標ですが、この試合ではペナルティが多くなってしまいました

明らかなペナルティは減らさなければなりません。普段の練習からそういう意識で取り組んでいきます。

――次戦に向けての意気込みをどうぞ

土曜日ときょうの反省を生かし、良い状態で試合に臨めるようにしたいです。

山田虎太朗副将(社4=北海道・駒大苫小牧)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

やっぱり6失点では勝てないと思いますし、もうちょっと自分たちのプレースタイル的にロースコアで展開しなくてはいけないところでした。こう多く失点してしまうとやっぱり負けてしまうんだということを選手全員分かったゲームだったと思います。

――シュートの数はあまり変わりませんでしたが2点差となりました

いいところからシュートを打っているのと、外から打っているのでは、いいところから打っている方が得点につながると思いますし、そういうところは法大の方がうまくできていたと思います。逆にうちは外から打たされているという感じだったので、そういうところでシュート数とは別に点差がついてしまったのだと思います。

――セットはこのままいく予定ですか

そうですね。基本的には。それぞれのセットに役割があるので、その役割を各セットがしっかり遂行していけばこのセットでも十分戦えると思っています。

――第2ピリオド(P)に4失点を喫してしまいましたが、第2Pと第3Pの間にはどのような話をしましたか

ああいうふうに数的不利な状況を作ってしまうとどうしても失点に結びついてしまうので、しっかりFWも戻ってきて相手の攻撃を同じ数で守れるようにしようと話し合っていました。

――残りの試合への意気込みをお願いします

本当に負けられないと思うので、落ち込んでいてもすぐ来週また試合が始まりますし切り替えて次から頑張っていきたいと思います。

石川貴大(スポ2=埼玉栄)

――きょうの試合を振り返って

慶大との試合はなくなっちゃって、いま秋リーグ戦2勝しているのですが、(この試合を)9月のヤマの試合みたいな感じで位置付けていました。きょねんもスタートの試合で負けていたので、負けられない戦いということで挑んだのですが、結果的に自分たちの守りの崩れなどが原因で失点が多くなってしまって、失点が多くなると僕たちのチームは駄目なので、失点を抑え切れなかったというのが残念なところで、それが敗因だったかなと思います。

――法大の印象は

攻めが特に良いので、得点を取らせないようにしっかり守りからやろうといことだったのですが、それをはねのけられたというか、より攻められてしまったのが残念なところです。

――個人としての反省点は

僕は3セット目でプレーしていて、セットとして試合を通して失点0にしようということだったのですが、失点に絡んでしまったというのがやっぱり一番の残念なところで、次の試合からは失点をしないセットを作っていって、自分ももっと足を動かしてプレーしていきたいと思います。

――セットに関してですが、下級生と同じセットでプレーしてみていかがですか

きょねんから、同じセットではどんどん試合中もベンチの中にいるときもコミュニケーションをとって、プレーのことでもどんどん話していこうということだったので、みんな話しやすいですし、僕も堰合(芳貴、社1=八戸工大一)とは夏からずっと組んでいて、やりやすいと言ったら上からになってしまうかもしれないのですが、良いコミュニケーションをとってできていると思います。

――きょうの第3ピリオドではセットが変わったようでしたが

第3ピリオドが始まるときに2点差で、スタッフとキャプテンとアシスタントキャプテンと話して、ここは勝負をかけにいかないとずるずると終わっちゃうということで、第3ピリオドはDF5人回しで勝負をかけにいったという方向です。最後もDF2つ回しになって勝負をかけにいったのですが、残念な結果に終わってしまったのが現状です。

――次戦に向けて、どういったことを重点的に練習していきたいですか

次の試合は、きょうの試合のように失点を多くしないように、主にFWとDFの守りのコミュニケーションをとるようなことやバックチェックなどを重点的に練習して、最小失点で、というか失点0で勝てる試合ができるようにしていきたいと思います。