3年前の日本学生氷上競技選手権(インカレ)で学生日本一に輝いた早大。しかしそれ以来、タイトルから長らく遠ざかっている。「1年生のころにインカレ優勝を4年生に味わわせてもらったので、今度は自分たちが後輩たちに経験させてあげたい」(FW金子立樹主将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)。インカレは、1年間つくり上げてきたチームの完成形を披露する舞台。金子立率いることしのチームは、今季の集大成で『覇者早稲田』の名をとどろかすことができるのか。
早大は、他の強豪校に比べタレントが少ない。個の力で劣る分、チーム力でカバーし戦ってきた。目指すは、守備重視のロースコアで勝つホッケー。しかし、今季はDF陣の層の薄さに苦しみ、実現できた試合が少なかった。ノックアウト方式であるインカレでは、1失点の重みが関東大学リーグ戦(リーグ戦)のときより一層増す。そのため、ディフェンダー全員が主役となることが求められるであろう。ゴールを守る最後の砦となるのが、GK遠藤秀至(社4=東京・早実)。1年次にチームをインカレ優勝に導いた守護神が、再び同じ舞台で躍動することに期待が寄せられる。一方、FW陣はことし得点力不足に苦しめられてきた。主力の4年生である金子立、FW寺井敏博副将(国教4=米国・チョートローズマリーホール高)、FW青木優之介(スポ4=埼玉栄)などを中心に、積極的に攻撃の起点をつくり出し、得点へとつなげていきたい。
ケガからの復帰戦となる金子立
頂上までの道のりは険しい。2回戦で対戦が予想されるのは、リーグ戦では早大の一つ下のディビジョンに属す大東大。ことしのリーグ戦優勝校であり、今勢いに乗っている大学だ。相手に合わせず早大ペースで試合を展開し、翌日に控える大一番へ弾みをつけたい。準々決勝では、強豪・明大との対決が予想される。今季は公式戦で一度も白星を挙げておらず、今大会の最大の鬼門となっている。明大の特徴は、個人スキルと攻撃力が非常に高いことだ。早大が誇るチーム力で相手の個の力を封じ、目標に掲げる『守り勝つホッケー』を体現することが、勝利のカギを握る。準決勝、決勝も高いカベが立ちはだかるが、ここで明大を下すことができれば、優勝にぐっと近づくことは間違いない。
今季も遠藤のファインセーブに何度も救われてきた
『Earn it(つかみ取れ)』というスローガンを掲げるも、今シーズンは苦しい戦いを強いられた早大。3冠を目指す中、関東大学選手権とリーグ戦では共に4位という成績に甘んじた。リーグ戦では連敗が続き、一時は自分たちのホッケースタイルを見失った。それでも、10人の4年生の下で再びチームをつくり上げてきた。残すタイトルは、インカレのみ。いざ、頂点へ。ワセダのホッケーを貫き、『優勝』をつかみ取れ。
(記事 中村ちひろ、写真 冨田千瑛、川浪康太郎)
★試合スケジュール
1回戦 1月5日(木)16:30~19:00 @白鳥王子アイスアリーナ
2回戦 1月6日(金)15:00~17:30 @新ときわスケートセンター
準々決勝 1月7日(土)15:00~17:30 @白鳥王子アイスアリーナ
準決勝 1月8日(日)15:30~18:00 @白鳥王子アイスアリーナ
決勝 1月9日(月)12:30~15:30 @白鳥王子アイスアリーナ