日本学生氷上競技選手権 1月8日~11日 東京辰巳アイスアリーナ
全国から大学生が集う大舞台、日本学生氷上競技選手権(以下インカレ)が開幕。3級から7・8級まで、幅広い選手たちがそれぞれの輝きを見せた。早大フィギュア部門からは全7名が出場。いよいよシーズンが終わりに近づく中、各々が積み重ねてきた力を発揮した。大会3、4日目の男女選手権には各1名が出場した。
★男子選手権SP

『Vivaldi : The Four Seasons -Summer』を演じる山田
男子選手権には山田琉伸(人通3=埼玉栄)が登場。直前の6分間練習ではスピンや振り付けの確認をする選手も多い中、何度もジャンプをチェックした。コーチとグータッチをしてリンクに立ち、『Vivaldi : The Four Seasons -Summer』のメロディーに乗って滑り出す。冒頭、何度もチェックしていた3回転フリップを着氷。流れに乗って続くジャンプも成功させた。しかし、3回転ルッツ+3回転トーループのコンビネーションジャンプは1本目で回転が抜けてしまう。なんとか繋げた2本目は、惜しくも転倒。それでも、盛り上がりをみせる音楽と共に鮮やかなステップやスピンを披露。演技のトリとなる足換えコンビネーションスピンではレベル4を獲得するなど、最後までしっかりと滑り切った。演技後は腰に手を当て、悔しげな表情。47・56点、ショート21位からフリーでの巻き返しを図る。
★女子選手権SP

『24のカプリース』を演じる穂積
真っ白な氷によく映える真紅の衣装をまとった穂積は、落ち着いた様子でリンクに上がった。『24のカプリース』は妖艶ながらもどこか可愛らしい穂積の魅力がたっぷり詰まったプログラム。はずむように滑り出すと、今シーズンなかなか成功のなかった3回転ループをコンビネーションで決め、笑顔を見せる。アクセルは回転が抜け1回転となったものの、後半の3回転サルコウは着氷させ、久しぶりに2つの3回転を大きなミスなくまとめた。複雑な動きが詰め込まれたステップも難なくこなし、歌うように踊る。不調からの脱却を感じさせる満面の笑みで滑りきった。得点は47・13点で16位につけ、「感覚がすごく戻ってきた。滑っていて自分でも楽しかった」と笑顔を見せた。
★男子選手権FS

『ピアノコンツェルト2番1楽章』を演じる山田
フリーでの巻き返しを図る山田は、6分間練習でも首をかしげるなどなかなか調子が合わない様子。「調子が悪い時の本番までの調整が未熟」といい、不安を抱えた状態での本番となった。冒頭の3回転ループは滑らかに成功。その後も確かめるように丁寧に滑っていき、大きな乱れなく演技を進めるが、後半は疲れからかスピードが落ち、コンビネーションジャンプの回転も抜けてしまう。それでもリンクサイドの仲間たちからの声援に押されるように、力強く前に進み、3回転ルッツ+3回転トーループにも挑む。「納得のいく演技とはほど遠かった」と落ち込んだが、最後まで強い気持ちで臨んだ。得点はフリー100・71点、総合148・27で19位。「体力的にも精神的にもしんどかった」という今シーズン。WOI、そして来シーズンでの再起を願いたい。
★女子選手権FS

『the legend of 1900』を演じる穂積
早大最後の滑走者である穂積は、フリーでは1つ大きな決断をしていた。足の怪我以降試合への投入を回避していた3回転ルッツへの挑戦だ。12月に肋骨を骨折し万全とは言えないコンディションだったが、前に進むためにも組み込んだ。しかし冒頭のルッツは回転が抜け1回転に。それでも「やっていかなきゃ戻らない」と、後半再びチャレンジ。惜しくも転倒となったが、「戻すための第一歩になったじゃないかな」と振り返った。その後も転倒が続き体力的にもきつい状況となるが、最後まで諦めない姿に、観客から大きな声援が送られる。それに応えるように穂積も全身で『the legend of 1900』の繊細な音色を表現した。得点はフリー66・69点、総合113・82点で24位。「やってしまった」と悔やんだが、「(1番良かった過去に)戻ろうとするのではなく、それもあり今もあり進化した滑りがしたい」と前を見すえた。
(記事、写真 荘司紗奈、川田真央)
結果
▽男子選手権
山田琉伸
SP 21位 47・56点
FS 18位 100・71点
総合 19位 148・27点
▽女子選手権
穂積乃愛
SP 16位 47.13点
FS 24位 66・69点
総合 24位 113・82点
コメント
山田琉伸(人通3=埼玉栄)
――演技を振り返っていかがでしたか
そうですね。まあ納得のいく演技とは程遠かったかなと思います。
――この大会に向けて調子は整えられましたか
今シーズンジャンプの調子があんまり出てなかったので、いい時のものに戻せるように、東日本の後から調整してきたんですけど、まあちょっとうまくいかなかったかなっていうのはありますね。
――6分間練習が終わった後には首を傾げていましたが、直前にも調子は合いませんでしたか
なんだろう、ちょっとこれはこれから改善していかないとって思ってるんですけど、調子が悪い時の本番までの6分間練習とかその後とかの調整がちょっと未熟だなっていう風に感じてます。
――改善というのは、何を変えないといけないとか何をしたいとか、何か今ありますか
アップの仕方とかをトレーナーと話し合って、リンク入ってすぐいい調子が出せるように(したいです)。あとは靴の締め具合とかが結構繊細に感じちゃって。例えばちょっと左右に差があったら嫌だとか。気にせず跳べるとは思うんですけど、あんまり好きじゃないっていうのがあって。気にせず跳べるようにするのか、靴の結び方を変えるのか考えないとなと思います。
――次の試合に向けて
この試合まで結構トレーニングだったり練習だったり、体力的にも精神的にも結構しんどかったんですけど、あまり結果出せなかったので、まあ足りないんだろうなっていう風に思ったので。さらに練習積んでもっといい練習をして、また次の試合でいい演技ができるように頑張りたいと思います。
穂積乃愛(人通2=東京・駒場学園)
――SPとFSの演技、それぞれ振り返っていかがですか
SPは自分の中では感覚がすごく戻ってきたなっていう感じが強くて、滑っていて自分でも楽しかったですし、少し余裕が出てきたなという感じでした。反面FSなんですけど、FSでルッツを絶対に跳ぶっていうのは、東日本選手権が終わってからずっと言っていました。実は肋骨を12月ぐらいに折っていて、喘息によるものでスケートによるものではないんですけども、なかなかそれでまとまった練習ができない中でのインカレで。でも言ったからには跳ばなきゃいけないっていう気持ちが強くて、無理やり跳んだ形になってしまいました。
――後半の3回転ルッツの再チャレンジはその場で決めたのですか
1本目が力が入りすぎてすかしちゃった感じで。1本目が終わった時点で後半もう1本絶対跳ぼうって決めました。まあしんどい中盤ではあるんですけど、やっていかなきゃ戻らないと思ってるので。すごく残念な結果になってしまったいましたが、振り返ってみれば、もちろん悔しいのはあるんですけど、戻すための第一歩になったじゃないかなって思います。
――演技直後は何を感じていましたか
やってしまったなって、ぽかーんって感じで。今日すごく緊張していたので。もう、2日間気持ちを切らさずに終えることが私の今後の課題だなと思ってるんです。SPがよかったら1回そこで満足感に浸ってしまうし、逆にSPがダメだった時は燃えるからり行けるとか、そういう気持ちのムラをなくしていきたいと思いました。今はとにかく、緊張してぽかーんって感じのまま終わっちゃったっていうのが正直なところです。
――今大会で得た収穫もあると思いますが、来シーズンに向けてどうしていきたいですか
戻す戻すと言ってはいるんですけど、どちらかというとその過去に戻ろうとするのではなくて。高校 2年生の時が一番良かったっていうのは、自分の中でもあるんですけど、それ(過去)もあり、今もあり進化できたって滑りができたらいいなと思ってます。声をかけてくださるファンの方だったりいつも応援してくださる方は、身に染みて感じているので、その方たちに本当に良かったって思っていただけるような演技と、岡島先生にもよく頑張ったって言ってもらえるようなスケートができるようになりたいです。