全日本デビューのあずしん組、見事首位発進! /アイスダンスRD

フィギュアスケート

 今季結成のアイスダンスカップル、田中梓沙(オリエンタルバイオ)と早大の西山真瑚(オリエンタルバイオ/人通4=東京・目黒日大)(以下田中・西山組、あずしん組)が全日本デビューを果たした。予選会では銀メダル、12月に開催された海外試合では四大陸選手権、世界選手権のミニマムスコアを獲得するなど順調に成績を残してきた2人。22日に行われたリズムダンス(RD)では大きなミスなく演じ切り、71・08点で首位につけた。

★アイスダンスリズムダンス(RD)

 当日朝の公式練習では細かなミスがあり、コーチと話し込む様子や入念にエレメンツを確認する姿が見られた田中・西山組。「(日本に戻ってきてから)調子をコントロールするのが難しかった」(西山)という中、RD本番、2人は堂々とした面持ちでリンクに現れた。名前がコールされるとコミカルな動きで登場し、観客を「スーパーマリオブラザーズ」の世界観に引き込んだ。
 ゲーム音楽とともに、「あずしん」のRDはスタートした。序盤からマリオの有名なサウンドトラックに合わせてパターンダンスタイプステップを披露。まさに兄弟のように、息がぴったり合った動きで魅せた。練習で苦戦していたツイズルでは、2つ目で田中が少しバランスを崩すも、まとめ上げる。その後のコレオリズムシークエンスでは、大舞台での緊張や不安を感じさせない動きを見せ、3・64点という高い加点を獲得。プログラムが盛り上がる演技後半もスピードを落とさずに演技を続けた2人。「すごく楽しい曲で、楽しく演技がいつもできる」という西山の言葉通り、満面の笑みで楽しげに、かつ丁寧にエレメンツを披露した。ゲームクリアの音楽が鳴り響くと腕を組み、凛々しく自信あふれる表情でフィニッシュ。観客から温かな拍手が送られると、安堵の表情を浮かべて声を掛け合った。

笑顔で演技をする田中(左)と西山

 10月末の予選会から衣装やリフトポジションの変更などもあり、バージョンアップした『スーパーマリオブラザーズ』の演技を披露した田中・西山組。会場入りしてから不安げな表情を見せる場面が見られたものの、それを感じさせないフレッシュで堂々とした演技で存在感を放った。得点は71・08点と予選会の点数を3点以上上回り、RD1位に。「すごくありがたい」(田中)、「まさかこんなに高い評価をしていただけるとは」(西山)と、喜びと充実感をにじませた。フリーダンス(FD)では、ロマンティック・バレエの名作、『ジゼル』を演じる。今度はしっとりとした切なげな「あずしん組」に注目だ。

コミカルな動きで魅せた田中と西山

(記事 吉本朱里、写真 及川知世)

結果

▽アイスダンスRD


田中・西山組

 

RD 1位 71・08点

コメント

※RD後、囲み取材より抜粋

田中梓沙(オリエンタルバイオ)・西山真瑚(オリエンタルバイオ/人通4=東京・目黒日大)

――素晴らしい滑りで勢いもありましたが、滑りを振り返ってみていかがですか

田中 まずは無事2人でこの全日本選手権で、ショート(リズムダンス)を迎えられて良かったなと思っています。

西山 こっちに来てからあまり調子が優れていなかったのですが、自分たちで緊張や体調をコントロールして、良い演技ができてすごく嬉しいです。

――日本の試合で71点を超えたことを振り返っていかがですか

田中 やっぱりすごくありがたいなと思っています。

西山 まさかこんなに高い評価をしていただけるとは思っていなかったので、率直にすごく嬉しいです。

――西山選手の持ち味でいうと、ゆったりした曲が多かった中で、今回このような攻めのプログラムになった理由、滑ってみた心地など教えてください

西山 理由は、本当にもう、ロマン先生がこの曲を持ってきてくれたというので。初めて聞いた時はすごくびっくりしたのですが、でも面白い試みだなと思って。自分としても、梓沙ちゃんにとっても多分すごく新しい試みだったと思うので、ちょっと新しい自分たちを開拓するという意味でも、チャレンジしてみようと思いました。実際に滑ってみて、振り付けしている時や練習している時、すごく楽しい曲で、楽しく演技がいつもできるので、この曲にして良かったなと思っています。

――特に意識してきた、磨いてきた部分はどこですか

田中 まずは、ゴールデンスピンの派遣をしていただいて、国際試合を経験させていただき、自分たちの中でスケーティングスキルやスピードがまだまだ足りていないなという風に課題が見つかったので、全日本まではスケーティングやスピードだったり、もっと深く乗るというのを考えること、ゴールデンスピンで出し切れなかった力を出すというのが目標だったので、それを中心に練習してきました。

西山 全日本予選会が終わって、また、ゴールデンスピンも経て、自分たちの弱点がスケーティングスキルだったり、下のコンポーネンツのところにもあるなと強く感じたので、そこに向けて、短い期間だったのですが、スケーティングスキルやフリーレッグ、スピードなど、そういう部分を意識して練習してきました。

――昨年シングルで出場し、こうしてアイスダンスで(全日本に)帰ってこれたことに関しては

西山 昨年全日本に出場した時は、来年の全日本にアイスダンスで戻ってこれるかなという不安な気持ちがたくさんあったのですが、こうして梓沙ちゃんと組めて、全日本の舞台に戻ってこれて、良い演技を披露することができたのですごく嬉しいです。

――緊張や調子に不安があったというお話がありましたが、どういうお話をして、どう演技に持っていきましたか

田中 日本に帰ってきてから調子が、悪かったというわけではないのですが、ちょくちょくと小さなミスが重なることが多くて。でも試合本番は、とりあえずもう「大丈夫、大丈夫」と2人で言い聞かせて挑みました。

西山 ゴールデンスピンが終わって、1週間カナダに戻って、すぐに日本に戻ってくるという、割とタイトなスケジュールの中で長野にやってきて、なかなか自分の中ではこう、まあ最悪ではなかったのですが、調子をコントロールするのが難しかったのですが、とにかく練習を、あとは先生の言っていることを信じてと、朝の公式練習が終わってから本番まで自分に言い聞かせていたので、それがうまくかたちに繋がって良かったなと思います。

――最後、終わってからどういうお話をされましたか

田中 とりあえず良かったなという風に言っていました。

――フリーに向けて一言お願いします

西山 今日のマリオとは違った『ジゼル』、バレエを演じるので、ファンのみなさん、日本のみなさんに、自分たちの今日とは違った一面を見せて、良い演技を見せられるといいなと思っています。