バレンタインカップがダイドードリンコアイスアリーナで開催された。会場に集まったチームメイトの応援を受け、競技会には２級部門から５、６級部門まで４名が出場。エキシビションでは４年生２名が演技を披露した。
早大のトップバッターとして２級女子部門に登場したのは中村華（人２＝群馬・高崎女）。冒頭の２回転サルコウは着氷が乱れるも堪える。その後のエレメンツは、大きなミスなくまとめた。終始体を大きく使い、伸び伸びとした滑りを披露した中村。２級女子部門で２位に着けた。演技後は、少し悔しさをにじませるも、「２級部門では求められない２回転ジャンプに挑戦し、なんとか降りることができた」と語った。
続いて登場したのは３級女子部門の土屋凜菜（国教３＝東京・頌栄女学院）。序盤のアクセルジャンプを着氷し流れを作った土屋は、その後のジャンプも綺麗に着氷し、安定感を見せつけた。スピンなどのエレメンツでもミスを出さず、堂々とした滑りを披露。結果は、２位に大きな差をつけて優勝。それでも、「今できることを最大限に頑張りたい」と演技に臨んだ土屋は、「ジャンプやスピンは良かったものの、スケーティングができなかった」と反省点を挙げた。
笑顔で演技をする土屋
５、６級男子部門に出場した岡島右京（商２＝東京・早大学院）は、引き締まった表情で滑り出す。冒頭２本の２回転アクセルで転倒。今回初めて挑戦したという続く３回転トウループでも転倒し、苦しいスタートを切った。しかし、ジャッジ席にアピールするような振り付けを披露。ミスはあったものの、力強い滑りを見せた。演技後は、「フリーの練習があまりできていなくて、調子もあまり良くなかった。それが今回演技に出てしまったかなと思います」と振り返った。
正村瞭子（文構３＝東京・早実）は５級女子部門に登場。序盤のコンビネーションジャンプを着氷し、美しいスパイラルを披露するなど良いスタートを切る。しかし、曲調が変わった中盤からジャンプミスを連発するなど精彩を欠いた。それでもキレのある振り付けを披露し、力強い曲の世界観を存分に表した。ジャンプに苦しんだ今回の演技。演技後は「集中力が途中で切れてしまい、（ミスによって）精神的にも弱ってしまった」と肩を落とした。
力強い滑りを披露する岡島
佐々木風珠（政経４＝東京・早実）はエキシビションに参加。ゆったりとした曲調の洋楽に合わせて豊かな表情で滑り出した。不安だったと語ったジャンプを全て着氷し、美しいスピンも披露。情感たっぷりな優雅な滑りで会場を魅了した。４年生の佐々木にとって残り少ない演技の場であった今回のエキシビション。１回１回を大事にして滑りたいと臨んだ今回の演技を、「みんな応援してくれたのですごく楽しかった」と振り返った。
早大最後の滑走者は主将の石塚玲雄（スポ４＝東京・駒場学園）。今シーズンのＦＳ、『雨に唄えば』に合わせて、傘を持って登場した。氷上に立ったその瞬間から観客を引きこむ。演技中盤のスピンでは、途中で傘を開くパフォーマンスを披露。会場からは大きな歓声が沸き起こった。演技後は、「他の大学のみんなが見てくれている中滑ることができて楽しかった」と充実した表情で演技を振り返り、小道具の傘を差した時に上がった歓声にも喜びをあらわにした。
小道具の傘を持って登場した石塚
（記事 吉本朱里、写真 及川知世）
結果
▽２級女子
中村華
２位 21・34点
▽３級女子
土屋凜菜
１位 47・22点
▽５、６級男子
岡島右京
５位 51・57点
▽５級女子
正村瞭子
11位 39・69点
コメント
▽２級女子
中村華（人２＝群馬・高崎女）
――今日の目標は
私は３級のフリーがまだ受かっていないので、それを意識して、３級のフリーに入っている構成でダブルジャンプを１本にして、また、一番はミス無く滑るというのが目標でした。
――滑り終えてみていかがですか
ノーバリューの要素は無かったのですが、サルコウはちょっとバランスを崩してしまって、アクセルはなんとか耐えたという感じでした。スピンもテストとしては大丈夫だったのですが、当初の予定としては変形をする予定で、そこを入れることができなかったことが悔しく、全体的にも少し悔いの残る演技でした。
――最初のサルコウでは歓声も上がっていましたが
やはり２級だとあまりダブルジャンプは求められないので、あまり跳ぶ人はいないのですが、そこは挑戦したいなと思って入れて、なんとか降りることができました。
――WASEDA ON ICEへの意気込みをお願いします
まだサルコウを入れるかトウループを入れるかは決めていないのですが、ダブルは２本入れたいと思っているので、ダブルジャンプ２本とアクセルを決めて、自分も楽しく、滑りの部分ももう少し磨きをかけていきたいと思っています。
▽３級女子
土屋凜菜（国教３＝東京・頌栄女学院）
――今日の目標は
あまり難しいジャンプはチャレンジせずに、今自分ができることを最大限に頑張ろう、というのを目標にしていました。
――その目標は達成できましたか
ジャンプやスピンは自分の中で良い感じだったのですが、滑りのところやコレオが反省点で、普段から先生と一緒に練習していたのにも関わらずできなかったので、次回はきちんとできるようにしたいなと思います。
――部員が近くで応援しているような試合も久々だったと思いますが、大会の雰囲気等も含めて振り返るといかがですか
部員もそうですし、他大のスケーターも、みんながいる環境がすごく久しぶりだったので、やはり一人で滑るよりすごく心強くて、緊張も全くせずに楽しく滑れたかなと思います。
――WASEDA ON ICEへの意気込みをお願いします
WASEDA ON ICEまでは１か月も無いので、構成をどこまで変えるかは分からないのですが、おそらくいろんな方が見ると思うので、自分が楽しく、そしてお客さんを魅了するというところを一番大切にして練習に励みたいなと思っています。
▽５、６級男子
岡島右京（商２＝東京・早大学院）
――今日の演技を振り返ってどうでしたか
正直、１月のインカレが終わってからあまりフリーの練習ができてなくて、WASEDA ON ICE用に作ったプログラムを重点的に練習してきたので、なかなか時間を取るのが難しかったです。調子もあまり良くなかったので、それが今回演技に出てしまったかなと思います。でも、今回初めて３回転ジャンプに、形として挑戦することができたので、そこは一つクリアできたところかなと思います。
――今日の演技を踏まえて、これからの課題を教えてください
まだアクセルが安定していないのですが、序盤にアクセルを二つ入れていて、そこが決まらないと全体的な流れも作れないので、まずは、前半の２本のアクセルをきちんと決めた上で、トリプルに集中して挑戦できるような流れを作ることができたらなと思います。
――WASEDA ON ICEへの意気込みをお願いします
ショートプログラムをやる予定なのですが、ドラゴン桜の曲を滑る予定です。すごく振り付けもかっこよくしてくださったので、ジャンプなどよりも、振り付けをアピールして少しでもインパクトを残せるような演技をしたいなと思っています。
▽５級女子
正村瞭子（文構３＝東京・早実）
――今日の目標を教えてください
今日の目標は、練習でルッツジャンプをあまりうまく跳べていなかったので、ルッツジャンプしっかり降りるということと、ノーミスの演技でした。
――今日の演技を振り返ってどうでしたか
結構スケーティングでのミスもあって、集中力も途中で切れてしまいました。あまり思うように行きませんでした。また失敗で精神的にも弱ってしまったと思います。
――WASEDA ON ICEへの意気込みをお願いします
試合形式ではないので、楽しんでできればいいなと思います。自分が一番楽しんで滑りたいと思います。
▽エキシビション
佐々木風珠（政経４＝東京・早実）
――演技を振り返っていかがですか
残り３回しか滑る機会が無いので、１回１回を大事にしようと思って滑りました。不安だったジャンプがなんとか立てたので、すごく楽しく演技できまて、みんな応援してくれたので、すごく楽しかったです。
――残りの大会、演技への意気込みをお願いします
今までの中のベストを最後の２回で出せるようにしっかり練習します！
石塚玲雄（スポ４＝東京・駒場学園）
――滑り終わった感想を教えてください
こんなに他の大学のみんなが見てくれているエキシビションは珍しいと思うのですが、みんなに見てもらえて、滑っていて楽しかったです。あと、傘を使ってスピンなどもできたのでそこがすごく楽しかったです。
――傘を差した時には歓声が上がっていました
うっすら聞こえていて、よっしゃーと思いました(笑)。
――残りの演技への意気込みをお願いします
今もしっかり練習をしているので、今日もすごく良い演技ができたのですが、更にジャンプの難易度を上げたり、もっとノーミスしたり、まだまだやりたいことがたくさんあるので、もっと良い演技ができるように頑張ります。