大会の中止や縮小開催が続くフィギュア界。8月26日からの4日間開催される予定だった関東・サマートロフィーも参加人数を絞り2日間の縮小開催となった。そんな中ジュニア男子部門に、2週連続の試合となった廣田聖幸(スポ1=千葉・東邦大東邦)が出場。ショートプログラム、フリースケーティング共に5位、総合6位という結果でブロック大会前最後の実戦を終えた。
ショートプログラムの曲は『Overtake』。見所として挙げていた冒頭の手を使った特徴的な振り付けから滑り出す。そのまま、今シーズンの試合では安定して決めている、3回転サルコウと2回転トウループのコンビネーションジャンプをこの試合でも着氷する。スピンの後、曲調が変わるとステップシークエンスへ。本人は苦手だというステップだがスピードを落とさずに大きな動きで滑りきった。後半に入ってからの3回転フリップは前週の夏季競技大会で転倒し、次こそは決めたいと意気込んでいたジャンプ。しかし、今回も転倒、そして回転不足の判定となってしまった。その後しっかりと立て直し、最後の2回転アクセルは危なげなく決めた。最後のコンビネーションスピンが0点の判定となってしまったことや、中盤のスピンでレベルを落としたミスも響き、点数は伸びなかった。だが、今シーズンの以前の試合では取れていなかったステップのレベル2が取れたことなどを振り返り、「練習の成果が少しずつ点数として現れ始めたので、収穫もあった」と語った。
翌日のフリーもショートと同じ2番滑走で登場。コールされる前は笑顔も見られ、リラックスした様子でスタート位置についた。『JONGARA』の曲に乗って勢いよく滑り出すと、冒頭のサルコウを空中で少し傾きながらも着氷する。次のジャンプは本人も降りることができてうれしかったと語った3回転ルッツ。続く3連続ジャンプも決め、序盤のジャンプは全て着氷。演技中盤のステップシークエンスでは、ピアノとストリングスを基調とする曲の調べに乗せて丁寧なスケーティングを見せた。終盤は、「体力的にとてもキツかった」と話すように、少し疲れが見え始め、ジャンプミスが続く。コンビネーションの2本目のジャンプが1回転になってしまい、最後の3回転トウループでは転倒もあった。それでも最後まで伸びやかに滑り切り、「それなりに形にできた」と手応えを口にした。
廣田をはじめフィギュア部門の多くの選手は今後ブロック大会に挑んでいくことになる。夏の競技会での収穫を秋以降の大会に生かしていけるか。フィギュアスケートのシーズンはここからが山場だ。
(記事 及川知世)
結果
▽ジュニア男子
廣田聖幸
SP 5位 37・29点
FS 5位 72・11点
総合6位 109・40点
コメント
廣田聖幸(スポ1=千葉・東邦大東邦)
――東京夏季競技大会から1週間ほどでの試合となりました。疲労の具合や調整はいかがでしたか
感覚的にはやることは変わらなかったので、調整は楽でした。ただ、東京夏季大会の次の日がバッジテストで、実質試合1試合分多く滑っているので、さすがに疲れました
――今大会の演技内容や点数、順位はどう捉えていますか
点数は自分が思っているよりも伸びなかったです。今回はジャッジがかなり厳しめで、フリーにおいて加点等はほとんどと言っていいほど無かったので、実際にはもう少し点数が伸びるとポジティブに考えています。でも、今までで合計点は2番目に高かったので、少しうれしさもあります。順位はほとんど気にしていません。
ショートではトリプルフリップをまた転んでしまい、東京夏季大会でレベル4を取れたフライングシットスピンがレベル3であったり、コンビネーションスピンがノーカウントになってしまったりと、悪いところはあったものの、重点的に練習をした苦手のステップでレベル2が取れ、加点もちゃんともらえたりと練習の成果が少しずつ点数として現れ始めたので、収穫もありました。
フリーでは、トリプルルッツを降りられたので、とても嬉しかったです!フリーはあまり練習を積めていなかったので、後半は体力的にとてもキツかったですが、それなりに形にできたので、ブロックに向けて自信になりました。
ただ、ショートフリーともに言えることとして、ファイブコンポーネンツの低さが夏季大会に続き露呈してしまったので、ブロックまでにはもっと点数を上げられるようにまた練習を積んでいきたいです。
――今後の目標を教えてください
今年の東京ブロックのジュニア男子はとても人数が多く、東日本(東日本選手権)に進めない人が出るかもしれないので、まずは東日本に進むこと、そして、その先の全日本ジュニア(全日本ジュニア選手権)の出場を目標にして、また頑張ります。そして今シーズン中に7級は絶対に取得したいです!