早稲田大学スケート部フィギュア部門の新たな取り組みとして部員によるエキシビション、WASEDA ON ICE 2021が開催された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により無観客、オンライン配信での開催となった。初めての挑戦には多くの壁があったが、個人競技であるフィギュアスケートの部活としての魅力を存分に見せた。今回のエキシビションでは、グループナンバーに象徴されるように部員同士の信頼関係や仲の良さを伺うことのできる場面が多くあった。遠くに住む部員がオンラインで登場するなど部員一人一人を大切にする雰囲気が感じられた。また、今シーズンで引退する4年生の4人を送り出す場となり、後輩からプレゼント、先輩からメッセージを互いに送り合った。
第一滑走、部員とハイタッチをしてリンクに登場したのは土屋凛菜(国教2=東京・頌栄女学院)。最初のアクセルジャンプを流れるように着氷し、観客を引き付けた。笑顔あふれる演技で、会場はさらに明るい雰囲気になり、トップバッターとしての役目を果たした。 次に登場したのは、岡島右京(商1=東京・早大学院)。ダイナミックなジャンプと、音に合わせてエッジを細やかに使うステップをみせた。演技終盤では、チェンドンシェン(文構2=シンガポール・Macpherson Secondary School)選手が登場し、ワセダオンアイスならではの演出が見られた。 第三滑走は正村瞭子(文構2=東京・早実)。音楽に合わせ、長い手足を生かして表現していく。曲の変化も捉え、『キル・ビル』の音楽に合わせて表情を使いながらかっこよく最後のポーズを決めた。 続いて西浦穂香(スポ1=東京・都立墨田川)が演技を披露した。ジャンプではミスがあったものの、滑らかでスピードのあるスケーティング、そして美しいスピンを見せ元気に滑り切った。 第五滑走はアイスダンス高浪歩未(国教2=ケイ・インターナショナルスクール東京)がシングルで登場した。ジャンプ着氷後、手足の先など細かなところまで心のこもったアイスダンサーらしい演技を見せた。 色鮮やかな衣装をまとってリンクに上がったのは佐々木風珠(政経3=東京・早実)。柔軟力を生かした美しいスケートで現役生演技①を締めくくった。
6分間練習を挟み、始まった現役生第二グループ、一番に登場したのは西山真瑚(人通1=東京・目黒日大)。人前でシングルのプログラムを滑るのは約2年ぶりだという。出だしから表情豊かに演じ、高さのある3回転ジャンプや、流石というべき綺麗なツイズルを見せた。 第二滑走は川畑和愛(社1=沖縄・N高)。母親が作ってくれていたという青い衣装で昨シーズンのショートプログラムである『美しく青きドナウ』を披露。終始笑顔で優雅なスケーティングを見せた。 次に小室笑凛(スポ2=東京・開智日本橋学園)が登場。掛け声から始まる威勢の良い曲に乗せてスピードに乗ったジャンプを決める。後半、曲調が変わると、表情をガラリと変え、のびやかなスケーティングを見せた。 続いて演技を披露したのは石塚玲雄(スポ3=東京・駒場学園)。小道具のハットをかぶって登場。冒頭で音楽が流れないハプニングがあったが、セルフコレオだというプログラムを表情豊かに演じた。終盤のスピードの速いシットスピンでは会場から大きな拍手が送られた。 現在岡山にて練習する馬場はるあ(社1=東京・駒場学園)は事前収録の動画での出演。ピアノ曲に乗せて美しい2回転アクセルやレイバックスピンなどの技を次々と決めた。 スイスで練習する島田高志郎(人通1=岡山・就実)も同様に事前収録の演技を披露。同じリンクで練習するチームメイトらが映り込む場面も。全てのジャンプが1回転という構成だったが、情感のこもった演技で、細かく音に合わせたステップや美しいポジションのスピンが光った。
引退生の4人が笑顔でリンクに登場する。直前練習の前に円陣を組み、同期と共に滑る最後の練習を噛み締めているようだった。 引退生演技の先陣を切って登場したのは主務の東真子(法4= 埼玉・早大本庄)。『ラ・ラ・ランド』の軽快な音楽に合わせ、さわやかな青い衣装に身を包み生き生きとした表情で滑る。会場の温かな手拍子に背中を押され、ジャンプ、ステップ、スピンを終えるたびに笑顔が溢れる。大学から始めたフィギュアスケート、4年間で東が得たものが凝縮された演技だった。 続いて、谷川栞理(人4=岡山一宮)が黒い衣装で登場した。伸びやかなスケーティングと指先まで意識の届いた美しい上半身の使い方が光った。ビールマンポジションのレイバックスピンでは見事な柔軟性を披露する。『This is me』のだんだんと力強さを増していく壮大な曲調に合わせ、終始晴れやかな表情で滑り切った。 谷川とすれ違いざまに笑顔でハイタッチを交わして登場したのは、シンクロナイズドスケーティングでも活躍してきた齊藤聖果(商4=東京・早実)。この日は社交ダンスのものだという赤と黒のスタイリッシュな衣装を身につけて滑った。シンクロで培った高いスケーティング技術を存分に生かした、しなやかな演技を披露した。 引退生演技のラストを飾ったのは永井優香主将(社4=東京・駒場学園)。ワセダオンアイスに選んだのは、「自分の中で一番思い入れが深いプログラム」という『エデンの東』。「あの試合でこんなことがあったなみたいないろんなことが自然と思い出されて感慨深かった」と振り返ったステップでは美しさの中にも芯のある、自身を表すようなメロディーにのせて優雅に舞った。演技を終えると心からの拍手を送る会場の関係者、画面越しに見守るたくさんのファン、そして後輩たちに笑顔で手を振り、深々とお辞儀をした。演技中や直後、リンクサイドで旗を振ったり拍手を送ったりと永井を称える部の後輩たちの姿も印象的だった。
引退生の演技に先駆けて行われた一つ目のグループナンバーでは、3年生以下の部員が、選曲、振り付けまで全てを部員達自らが行ったというナンバーを披露。Make you Happyのダンスなど、普段とは違う可愛らしいパフォーマンスも見ることができた。 引退生演技の後、休憩を挟んで始まったSpecial Timeでは、部員がInstagramで募集したファンからの質問に答えていき、馬場、島田もリモートで出演。学業に関する質問から「お煎餅は塩派か醤油派か」といった質問まで幅広く答えていき、和やかな空気の流れる時間となった。 続いて行われたグループナンバーでは引退生がアイスホッケー部のユニフォームに白いスカートという衣装で登場。アイスホッケーの定期戦のために用意したというプログラムを披露し、終盤には3年生以下の部員も登場、部員全員で滑るフィナーレとなった。 その後氷上では、引退生より一言ずつ挨拶があり、現役生より花束が渡され、WASEDA ON ICEは終演となった。 全体として、演技する選手をリンクサイドで応援する部員の姿が見られたりと、部の仲の良い雰囲気が感じられたエキシビションとなった。主務として開催に尽力した東が述べていたように、やったことのないことを始めることと同じくらい、それを続けていくということはハードルが高い。W A S E D A O N I C Eが早稲田大学スケート部フィギュア部門の伝統として、来年以降も開催されていくことを期待したい。
また、WASEDA ON ICEの興奮が冷めやらぬ2日後、明治法政オンアイスに永井は出演した。 これまで一緒に頑張ってきた他大学の同期生とともに6分間練習に臨んだ。「練習が足りないようなのであと2分サービスすることになりました」といった放送が流れるなど、エキシビションならではの演出や選手同士のやり取りに学内を超えた大学スケート部全体の仲の良さが伝わってきた。 「14番永井優香さん早稲田大学」と最後のコールが会場に響くとリンク中央に立った。曲は今シーズンのSP『エリザベート』。永井のスケート人生の集大成といえる演技が始まった。持ち味の大きなジャンプを決めていくとスケーティングの一つ一つに繊細さ、そして美しさ、しなやかさが光る。最後のダブルアクセルを決めると、曲がどんどん盛り上がっていく。それに合わせて一つ一つの振りやエッジに力を込めて、大切に大切に滑っていく。力を出し切るようにスピンを回ると明るい笑顔で最後のポーズを決めた。 この明治法政オンアイスが現役最後の演技となった永井。4月からは損害保険の会社で働くという。「今まで支えていただくことが多かったので、これからは誰かを支える存在になって世の中に貢献していきたい」と語った。
(記事 岡すなを 中島美穂 及川知世、写真 スケート部フィギュア部門提供)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
後輩から花束を受け取る引退生
感謝を述べる永井主将
集合写真でWポーズをする部員たち
この日の演技が現役最後の舞となった
挨拶をする永井
コメント
永井優香(社4=東京・駒場学園) ※囲み取材より抜粋
――今日(ワセダオンアイス)を終えていかがですか
トラブルもあったのですが、なんとか最後まで部員一同やりきることができたので、ほっとしているのと同時に、このような場を設けてもらってすごく幸せだったなという風に思っています。
――早稲田の仲間たちと滑ったショーというのはいかがでしたか
本当に楽しかった、の一言に尽きるかなと思っていて、自分の演技の時は緊張していたのですが、それを上回るくらい、最初から最後までずっと楽しかったです。
――ワセダオンアイスの話が上がってきた時にどう思いましたか、またどこがどう大変でしたか
話が上がってきたときは、4月位だったのですが、正直、私自身シーズンが目の前にあって、夢物語のような感じでした。しかし、主務の子を初め、本当にたくさんの部員が今日の日のために準備してきてくれたので、いつしかみんなで頑張るもの、みたいになっていました。大変だったことについては、やっぱりコロナの影響で3月13日にどのような状況で迎えられるのか、というのが分からず、その対策が大変でした。その点でも私よりも、主務の東が本当に頑張ってくれていたので、その子のおかげでちゃんと今日最初から最後まで出来上がったなという気持ちが強いです。本当に、もちろん私も大変なことはあったのですけど、東の方が1億倍くらい大変だったのではないかなと思っています。
――今日このプログラムを滑ろうと思った理由をお聞かせください
このプログラムを滑ろうと思った理由は、自分の中で一番思い入れが深いプログラムで、もう一回すべりたいなと思ったからです。あとは分数がちょうど良かったので、やらせて頂きました。
――今日の配信を見て、早稲田のスケート部に入りたいと思った人もいるのではないかと思いますが、主将の立場から見て早稲田のスケート部の魅力というのを教えてください
早稲田のスケート部の魅力は、今日の配信を見ていたら何か伝わったのではないかと思うのですが、いろんなバックグラウンドを持った選手たちがおり、いろいろなスケートへの向き合い方というのを見られることだと思います。スケートはテレビに出ている人たちが全てでは無いし、本当にみんな1日1日、目の前の目標に向かって努力している、それで今日のような演技をしているので、本当にいろんな選手がいて、いろんな種目をやっているというのが、我々早稲田大学スケート部の一番の魅力なのでは無いかという風に思っています。
――3月も中盤で、社会人へのカウントダウンが始まっていると思うのですが、改めて今後の人生について、どのようなことを頑張っていきたいかをお聞かせください
これからの人生、どのように生きていくかは未知の世界なのですが、目の前にあることは一つずつ乗り越えていって、また新しい目標をちゃんと見つけて、フィギュアで今まで頑張ってきたみたいに、これからの人生も何かに向かって頑張って、素敵な大人になっていけたら良いなという風に思っています。
西山真瑚(人通1=東京・目黒日大)※囲み取材より抜粋
――ワセダオンアイス参加してみていかがでしたか
初めてスケート部としての活動が、ようやくできたなという感じで、また、部としてみんなで作り上げていくものは本当に素晴らしいことだな、というふうに感じました。
――今日はシングルのプログラムを披露して頂きましたが、このプログラムはどんなプログラムですか
今シーズンもともと披露したいなと思っていたのですが披露できず、せっかく作った新しいショートプログラムを皆様に見てもらいたいな、と思って今日滑らせて頂きました。
――滑ってみていかがでしたか
2年ぶりくらいの人前で滑るシングルだったので、緊張もありながら、でも一人で滑れる楽しさ、といったものもあり、すごく充実した2分50秒を過ごせたなと思いました。
――来シーズンに向けてはどのように考えていますか
まずはアイスダンスで新しいパートナーを見つけて、その選手と一生懸命目標に向かってがんばって世界を目指していきたいなと思っているのが一つと、シングルは思いっきり楽しんで、またお客さんの前で滑れたら良いなと思います。※3月14日に高浪歩未(国教2=ケイ・インターナショナルスクール東京)とのカップル結成を発表
――大学生活はどうですか
自分が進んでいるのは人間科学部のe-スクールという通信過程なので、もともとそんなに大学生活感というのは無い学部なのかなと考えてはいます。しかし去年、また今年含めて1年間日本に、残念ながらではありますが、いたことでいたことで部の活動だったり、このワセダオンアイスに出演することもできたので、大学に入ってスケート部フィギュア部門に入れてよかったなという風に思っています。
――現在の練習環境はどうですか
拠点のトロントは、今カナダの国境が閉まっていていけないので、東京での練習が一年続いているのですが、カナダの国境が早く開けば良いなという風に考えています。カナダの国境が開けばすぐにカナダに入って練習を開始したいなと思っています。
――自分がアイスダンスをやったことでシングルに生きたなという実感はありましたか
アイスダンスでありがたいことにすごく大きい大会にたくさん出させていただいたので、試合前や人前で披露する前の気持ちのコントロールの仕方を学べたと思っています。またテクニカル面では、アイスダンスでのステップを意識しないといけないということが、シングルでも自動的に意識できて、すごくためになっているなと思ったり、スケーティングの伸びも生きているのかなと思います。
――グループナンバーのBTSのダイナマイトが素晴らしかったのですが、あれはご自身がこれでやりたいという風に言ったのですか
部員みんなで相談をして、去年人気だった曲でやろうか、となり、みんなでやっぱダイナマイトだよね、という感じで決まりました。個人的にもBTSが好きで、ダイナマイトのMVも見ていたので楽しんでできました。
齊藤聖果(商4=東京・早実)
――ワセダオンアイスが無事終了しました。感想をお聞かせください。
本当に暖かい空気の中滑らせて頂くことができて幸せでした。見ていただいていた方よりも滑っている自分が一番楽しんでいたと思います。
――ワセダオンアイスが、最後の演技ということで間違いないでしょうか。スケーターを引退されるということですが、実感は湧いてきましたか
まだあまりないです。当分ないのかなーと思います。笑
――シンクロで共に頑張ってきた佐々木選手からお花とメッセージカードを受け取った際、どんなお気持ちでしたか
全て含めてありがとう、という気持ちしかなかったです。ホームリンクも高校もシンクロでも一緒で、スケートでもプライベートでもふうじゅとの思い出は語り切れないです。後輩だけど同い年か先輩のようで、本当にたくさん助けてもらったなと思います。
――早スポでも取材させていただきましたが、シンクロナイズドスケーティングの魅力をお聞かせください
16人だからこそ出せる演技の世界観、見ていて飽きない次々と変わるフォーメーション、そしてチームの呼吸があった時の迫力は他では出せません。引退してもシンクロが大好きです!
――早稲田のスケート部フィギュア部門に入部してよかったと思えることは何ですか
どんなときも暖かい場所であり続けてくれたことです。早稲田スケート部を通して関わらせて頂いた方皆に感謝しています。
――印象的な思い出はありますか
パッと思い浮かんだのが、私たちが一年生の時の予餞会かな?話を聞き終わるや否やすぐに同期みんなケータリングを取りに行き、最後まで食べ続けていたのを思い出します(笑)
――同期生の3名へ伝えたいことは何ですか
頼れて、尊敬出来て、会うとなぜか安心する大好きな三人と同期になれて本当に幸せ者です。たくさん支えてくれて引っ張ってくれてありがとう!プライベートではボケの渋滞な三人の話を聞いているのが面白すぎました(笑)会う機会は減ってしまうけどこれからも集まろうね!
――また後輩の皆様に伝えたいことは何ですか
まず引退の場を作ってくれてありがとう!皆のおかげで本当に幸せでした。自分は先輩感がなさすぎて申し訳なかったです。私の何倍もしっかりしている後輩たちなのでこれからもっと素晴らしい部になることに間違いないです。何よりスケートを楽しんで!たまに遊びに行っても嫌がらないでね!
――最後にファンの皆様にメッセージをお願いします
シンクロ、シングル、どちらもたくさんの応援をありがとうございました!スケートをしていて幸せだなと思えたのは、こんな名もない自分に暖かい声を届けてくださった方々のおかげです。本当に感謝しかありません。是非これからも神宮アイスメッセンジャーズと早稲田スケート部フィギュア部門の応援をよろしくお願いします!!
谷川栞理 (人4=岡山一宮)
――ワセダオンアイスが無事終了しました。感想をお聞かせください。
開催すること自体危うい時期もありましたが、無事ワセダオンアイスを開催することができて本当に嬉しかったです。また自身が引退する場を設けていただいたことに感謝しています。
――ワセダオンアイスが、最後の演技ということで間違いないでしょうか。スケーターを引退されるということですが実感は湧いてきましたか。
はい、最後の演技でした。ワセダオンアイス当日はまだ次の日からも滑るような気がしていて、全く実感が湧いていませんでした。しかし引退して数日後にスケート用ズボンやヘアピンを見て、もう今後はこれらを使うことはないのだなと思うと引退した実感が湧いてきたとともに寂しさを感じました。
――谷川選手にとって、フィギュアスケートはどのような存在でしたか
フィギュアスケートは「私の人生を豊かにしてくれたもの」だと思います。スケートをしていたからこそ様々な出会いがあったり、嬉しい思いも悲しい思いも経験させてもらうことができました。私にとってスケートを続けた13年間は一生の思い出であり宝物です。
――土屋選手からお花とメッセージカードを受け取った際、互いに涙ぐんでいる様子でしたが、どんなお気持ちでしたか。
りなちゃん(土屋選手)は唯一同じリンクで練習していた後輩だったので、一緒に練習するなど接する機会が多く同期のように感じてしまう後輩でした。また3級クラスの試合に一緒に出場した時には互いに演技を応援し合ったり、練習後にはリンクの更衣室で笑い合ったりしたことなど、りなちゃんとは沢山の思い出があります。そんなりなちゃんと氷に乗ることも最後なのかなと思うと悲しくて涙が出てきました。
――早稲田のスケート部フィギュア部門に入部してよかったと思えることは何ですか。
部員とともに「インカレ団体優勝」という目標を掲げ、1つの目標に向かって一緒に頑張ることができたことです。高校生までは個人で練習に励むという感覚だったので、スケート部に所属したことで団体競技のような経験をできたことが嬉しかったです!
――印象的な思い出はありますか
ワセダオンアイスで同期4人で滑ったグループナンバーです。1年次から同期4人でエキシビションに出たいと思っていたので、最後の最後に実現させることができて良かったです。
――同期生の3名へ伝えたいことは何ですか
心からのありがとう、と今後もよろしくね!!です。
――また後輩の皆様に伝えたいことは何ですか
数年間ありがとうございました。後輩は一人ひとり個性豊かで、その個性が本当に魅力的でした。部員数が増えていき今後大変だなと感じることがあっても、お互いに尊重し合ってさらに素敵なスケート部にしていってほしいなと思っています。
――最後にファンの皆様にメッセージをお願いします
今まで応援していただき本当にありがとうございました。どんな時も応援していただいたおかげで成績が伸び悩んでいた時期も乗り越えられました。社会人になり、いつかお会いした時には今よりも成長した姿をお見せすることができるよう、新しい環境で日々努力したいと思います。今後とも早稲田大学スケート部フィギュア部門の応援を宜しくお願い致します。
東真子(法4= 埼玉・早大本庄)
――ワセダオンアイスが無事終了しました。感想をお聞かせください。
初めての試みで、当日もそれ以前も様々な壁がありましたが、早稲田のスケーターの素敵さをより多くの方にお届けすることができ、嬉しいです。そして何より、無事終了出来たことにほっとしています。
――ワセダオンアイスが、最後の演技ということで間違いないでしょうか。スケーターを引退されるということで実感は湧いてきましたか
はい。これが最後でした。ほとんどの私大生は2月までで引退する中で、私だけずっと毎日練習することになるんじゃないかと感じていましたが笑 そんなことは全くなかったです。 ワセダオンアイス当日も、演技を終えても引退の実感はあまりなかったのですが、引退生からあいさつをさせていただき、後輩からお花とアルバムを頂いた時、本当に終わるんだなと感じました。そしてなにより、朝練のために始発に乗ることもなく、そんな日が数日続いた今、1番引退を実感しています。笑
――東選手は企画、運営に大きく関わられたということですが、やはり開催までには大変なことがたくさんあったのではないでしょうか
初めての試みかつこのような難しい情勢だったので、正直かなり大変でした。観客を入れたいとギリギリまで粘りましたが、緊急事態宣言が延長されて実現できなかったり、遠くに住むスケーターの参加方法としてもっと何か出来るのではと考えたり、ここ2ヶ月ほど頭の中にずっとワセダオンアイスがいました。笑 しかし、本当に多くの方に助けられ、なんとか開催できました。
――ワセダオンアイスでこだわった点などありますか
お客さん(配信を見てくださっている方)に向けては、個性豊かな早稲田にしかない色を見せることにこだわりました。グループナンバーは、まさにそれが表れているものになったと思います。 そして、部員に向けては、どこにいても、どんなレベルでも早稲田の一員だということを実感して欲しいという思いがありました。フィギュアスケートは個人競技ですが、部活に所属してフィギュアスケートをするなら、部活でしか体験できないことに触れて欲しいと考えていました。結果的には、遠く離れた部員にもリアルタイムで参加してもらったり、レベルに関わらずお互いに拍手を送り合うことでリスペクトを感じられたりと、全員参加の素敵な部活だなと思える部分がたくさん見られ、とても嬉しいです。
――東選手は大学からスケートを始められたと伺っております。実際に自分がスケーターになるということで何かフィギュアスケートの印象は変わりましたか
ファンとしてテレビや試合、アイスショーの会場で観るフィギュアスケートは、基本的にはとても華やかなものです。しかし、その華やかさの裏には信じられないくらいの地道な練習と、気持ちの葛藤があるのだと知りました。また、小さい頃から習わないと意味が無い、敷居の高いスポーツと思っていましたが、大人になってからも始められて、生涯スポーツとしても楽しめる、見るだけでなくする魅力もあるスポーツだと感じました
――主務として活動されていた中で大変だったこと、嬉しかったことを教えてください
ワセダオンアイスの企画運営以外の部分でいえば、1年次に本当になんでも出来る先輩から主務を引き継いだのでプレッシャーがすごかったです。でも、それ以外は同期や先輩、後輩などの支えがあったので、大変だったことはあまりないのかな?と思います。忘れているだけかもしれません笑 嬉しかったことは、部員のいい演技ができた!という表情を見た時、試合で部員の努力が報われた時。勝手に自分のことのように嬉しくなります。また、早稲田のみんなは、主務がこつこつやっている仕事をしっかり見ていてくれて、やってもらって当たり前、という思いが全くないようで。そんなみんなからの感謝の言葉は、いつも励みになっていました。
――早稲田のスケート部フィギュア部門に入部してよかったと思えることは何ですか
大好きなフィギュアスケートに携わり、少しだけですが貢献できたかな?と思えたことです。 でも、1番は素敵な先輩後輩に恵まれたこと、大好きで信頼出来る同期に出逢えたことです。スケートに携わることはほかの大学でも出来たことかもしれませんが、人との出会いは早稲田だったからこそです。
――印象的な思い出はありますか
ひとつ選ぶなら、1年次のインカレのとき、同期4人みんなで4年のインカレに出よう!と誓い合ったことです。4年のインカレは無くなってしまいましたが、この時の会話が私のモチベーションとなり、最後まで頑張れたのだと思います。
――同期生の3名へ伝えたいことは何ですか
みんなに言えることは、いつもバタバタ走り回っている私を心配してくれて、見守ってくれてありがとうということです。会えば体を心配してくれる同期、なかなかいないと思います。笑 そして、OGになっても末長くよろしくね、ということです! せいかには、私の一番最初のプログラムの振り付けをしてくれて、プログラムを滑ることの楽しさを教えてくれてありがとうと、 しおりには、同じリンクで、会えばいつもにこにこで癒してくれて、かつ努力し続ける背中を見せてくれてありがとうと、 ゆうかには、主将として部を引っ張ってくれて、そして重たい相談をいつも聞いてくれてありがとうと 伝えたいです!
――また後輩の皆様に伝えたいことは何ですか
みんなが、そしてみんなのスケートが大好きなので、それぞれが定める目標を達成すべくこれからも頑張って欲しいなということ、部活の一員ということを忘れず、お互いに高めあって欲しいということです!
――最後にファンの皆様にメッセージをお願いします
こんな私を応援して頂き、本当にありがとうございました。4年間1度もパーフェクトな演技は出来ず、いつも悔しい顔で演技を終える私に、こんな所が良かった、上手くなってた、だから次は絶対できるよと様々な形で伝えてくださるみなさんの存在は、私の中で大変大きいものでした。そんなみなさんにいつか演技でお礼をしたいという思いは、最後まで私の力になりました。早稲田の部員としては異端児だったと思いますが、こんな私も受け入れてくれて、さらに最高のスケーターしかいない素敵な部活を、今後とも応援よろしくお願い致します。
永井優香(社4=東京・駒場学園)
――明治×法政オンアイス、お疲れ様でした。これが本当に最後の演技でお間違いないでしょうか。演技を終えて感想をお願いします
人前で滑るのは本当に最後でした。練習不足だったので不安はありましたが、結局とても楽しんで滑ることができました。最後に楽しいと思って滑れたので良かったです。
――今シーズンSPの『エリザベート』が最後の演技ということで、最後の演技のプログラムはどのように決められたのですか(お母様のお好きな曲ということも関係しているのでしょうか)
2月のイベントでエリザベートを滑っていたので、早稲田オンアイスではエデンの東、最後はエリザベートと交互に滑りました。
――6分間練習の際に、睡眠がとれるようになってハッピーだけど、練習が少なくなって大変と言ったようなコメントがありました。やはり生活リズムは変わりましたか
変わりました。4月から新生活が始まるので、また変わるはずです。
――今回のエキシビションは、引退生が多く出演されていました。一緒に頑張ってきた選手とこうして最後滑ることができたことはどうでしたか
語彙力が足りないのですが、嬉しいという気持ちでいっぱいでした。最後に同期と一緒に終えられたら素晴らしい景色が見られるのではないかと思って、辛いことも乗り越えられてきたのですが、想像以上の景色を見ることができたからです。
――引退するという実感は湧きましたか
正直湧かなかったです。ただ、お世話になった方々に手紙を書いているときや、イベント終了後に家族とこれまでのスケートを振り返った時は寂しくなりました
――永井選手の今までもこれからも応援しているファンの皆様へメッセージをお願いします
長い間応援していただきありがとうございました。皆様からの温かい応援のおかげで、どんな時でも幸せを感じながら競技を続けてこられました。今後は、これまで受けてきたご恩や大切な思い出を忘れずに、社会に良い影響を与えられる人間になれるよう精進して参ります。本当にありがとうございました。