フィギュアスケートシーズンの到来と共に、ことしも日本学生氷上競技選手権(インカレ)への切符を懸けた戦いが幕を開けた。第9回東日本学生選手権1日目は、早大から4名が出場。各選手が苦戦を強いられる中、女子Bクラスの土橋美菜海(国教2=ドイツ・インターナショナルスクールオブデュッセルドルフ)が7位に入りインカレ出場権を獲得した。
見事二年連続のインカレ出場を決めた土橋
先陣を切ったのは女子Cクラスの小林里紗主将(社4=東京・三輪田学園)。部員からの大きな拍手と声援を背にリンクへ向かった。2度のコンビネーションジャンプを成功させるも、得意なフライングシットを失敗するなどスピンのミスが露呈する。17.91点と伸び悩み、氷上に笑顔の花を咲かせることはできなかった。また、女子Bクラスのグループで滑走した宮下真梨子(国教3=米国・ミルバーン高)も厳しい現実を突きつけられる。ジャンプで2度の転倒があったほか、演技終了間近のステップでもまさかの転倒。「すごく緊張して焦っていた」と振り返った今大会は、34.50点で34位と悔しい結果に終わった。
一方、輝きを放ったのは同じく女子Bクラスに登場した古橋遥南(政経2=東京・早実)。鮮やかな真紅の衣装をまとい、新プログラム『篤姫』に臨んだ。冒頭のビールマンスピンを決め波に乗ると、「いつもよりは表現や手の動きを気にしてできた」という和のテイスト漂う華麗な演技で観客を魅了。ジャンプも2回転-2回転が2回転-1回転になるといった場面はあったものの、大きなミスなく終える。結果は46.65点で21位であったが、課題と収穫を得た充実した内容となった。2年連続のインカレ出場を狙う土橋は、今春から取り入れた『水百景』に乗せたプログラムで滑走した。序盤でダブルアクセル-ダブルトーループのコンビネーションを決めるなど、本人も重点的に取り組んだというアクセルジャンプが光る。それ以外のジャンプではミスが目立ち終盤は疲れも見えたが、「演技やステップには前よりも余裕があった」と表現面で補い56.08点をマーク。万全の出来とはいかなかったが、7位入賞で次のステージへ駒を進めた。
新たなプログラムで精彩を放った古橋
個人成績では明暗が分かれたが、「仲良く励まし合ったり応援しあったりしていて良い環境」と小林が語るようにチーム状況は良好。あすはエース松嶋那奈(スポ2=東京・駒場学園)ら3選手が出場する。個人競技ではあるが、早大はチーム一丸となって栄光を目指す。
(記事 川浪康太郎、写真 又坂美紀子)
結果
▽女子Cクラス
小林里紗 23位(17.91点)
▽女子Bクラス
土橋美菜海 7位(56.08点)
古橋遥南 21位(46.65点)
宮下真梨子 34位(34.50点)
小林里紗主将(社4=東京・三輪田学園)
――本日の試合を振り返っていかがでしたか
スピンがほぼ全滅で、公式練習の時は一番得意なフライングシットが成功していたんですけど、6分間練習のときに上手くタイミングが合わなくて転倒してばかりで本番になってしまって、それがそのままフライングシットのミスにつながってしまったのでそこが一番悔しいところです。
――2度のコンビネーションジャンプを含め、ジャンプはほとんど成功されていたと思うのですが、その点はいかがですか
ジャンプに関してはアクセル以外は一応ちゃんと降りて成功したと思うのですが、アクセルは多分回転が足りなくてマイナスされると思うのでそこが課題ですね。
――この試合に向けて重点的に練習したことはありますか
技と技のつなぎですとか、スピンが終わった後に目が回ってしまってその後にふらつくことが多かったのでそこを重点的にやってきたのと、やはりスピンを確実に決めようと思ってやってきたんですけど、そこはまだ今後も課題です。
――次の試合に向けて意気込みをお願いします
まずスピンを全て確実に決めることと、練習でできていても試合でできなければ意味がないのでそこはきっちりと試合でも決められるようにしたいと思います。
――最後に主将から見た今のチーム状況について教えて下さい
個人競技なので普段なかなか皆で集まることはないんですけど、試合の時や部員総会の時に久々に会って、皆仲良く励まし合ったり応援し合ったりしていていい環境だと思います。
宮下真梨子(国教3=米国・ミルバーン高)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
全然ダメでした。ジャンプも飛べなくてステップも転んだので残念でした。
――関カレの際に、いつも試合で緊張するという話をされていましたがきょうも緊張されましたか
久しぶりの試合だったので緊張しました。
――今回のプログラムは初めて使用されたのでしょうか
一ヶ月前に変えたばかりなので、まだあまり慣れていないです。
――曲名について教えて下さい
「アメリー」という映画の曲です。
――選曲した理由について教えて下さい
他の人が使っていてすごくいいなと思って決めました。
――先ほどジャンプの転倒について話しがありましたが、後半は少し立て直されたようにも見受けられました。その点はいかがですか
後半はコンビネーションが入らなかったので、そこをもう少し練習しなければと思いました。
――演技修了の直前にも転倒がありましたがどういったミスだったのでしょうか
すごく緊張して焦っていたので最後にも転んでしまいました。
――表現についてはいかがでしたか
もう少し表現も練習しなければと思いました。
――最後に、今後に向けた意気込みをお願いします
新しいプログラムをもっと練習して、次の関東学生秋季交流戦に向けてまた頑張っていきたいと思います。
土橋美菜海(国教2=ドイツ・インターナショナルスクールオブデュッセルドルフ)
――今大会に向けて重点的に強化してきたことはありますか
ダブルアクセルを2本飛びたいと思っていたのでジャンプを中心に練習しました。あと、表現力も伸ばそうと思ったので更に表現力を磨けるように練習しました。
――6分間練習では一つ一つを確かめるように練習されていたと思うんですけど、練習での感触はいかがでしたか
リンクが違うと氷も違うので氷に慣れるっていうことと、やはりしっかりと調整して確認するつもりで練習しました。
――きょうのジャンプの出来はいかがでしたか
朝の公式練習では曲でアクセルが入らなくて、気持ち的に不安な部分もあったんですけど、本番では2つとも成功することができてすごくうれしかったです。一つ、いつも飛べるジャンプを失敗してしまったので、そこはまた改善していきたいです。
――以前、3回転ジャンプを組み込みたいとおっしゃられていたと思うのですが、その点はいかがですか
ずっと3回転を試合で入れたいと言ってはいるのですが、なかなかそこまでいけなくて試合で入れるほど(成功の)確率を上げることができていないので、今後練習する時はトリプルを中心に頑張りたいです。
――きょうのコンビネーションジャンプの出来はいかがでしたか
コンビネーションジャンプについては、ダブルアクセルにつけたコンビネーションジャンプは上手くつけることができたんですけど、失敗したジャンプがもう1つのコンビネーションジャンプだったので、これからの練習でコンビネーションジャンプも強化していきたいです。
――表現面であったり、スピンの出来はいかがでしたか
もちろんジャンプも大事なんですが、スピンや表現も大事なので、きょうはフライングセットを失敗してしまったんですけど本番でジャンプばかりに集中しないようにスピンも次の演技では綺麗にできるように頑張りたいです。
――少しぐらつくなど、終盤でやや疲れが見受けられましたがその点はいかがでしたか
そうですね。体力が試合だと練習よりも奪われるというのと、リンクが練習の時と違うので最後の方は結構ぐらついてしまったのでそこを強化していきたいです。
――5月の関東学生フリースケーティング選手権(関カレ)と同じプログラムでしたが比較して出来はいかがでしたか
関カレは今回のプログラムで初めて滑っていたんですけど、きょうは2回目だったので心にも少し余裕があって、プログラムにもだいぶ慣れてきたので演技やステップには前よりも余裕があったかなと思います。
――次の大会に向けて意気込みをお願いします
次こそはトリプルを入れられるように練習を頑張ってスピンや表現力も更に伸ばしていけたらと思います。
古橋遥南(政経2=東京・早実)
――きょうの演技を振り返って
いつも試合になると本当にミスばかりしてしまっていたのです 、きょうは大きなミスなく終われたのでよかったと思います。
――5月の関カレ以降、重点的に練習してきたことはありますか
曲を変えたので、その中でジャンプが入るようにというのと、ステップなども曲に合わせてできるように曲をかけての練習を多く行いました。
――新しい曲名は
「篤姫」です。衣装もそれに合わせて少し和風にしました。
――試合前のコンディションはいかがでしたか
公式練習のときはあまりジャンプが入らなくて、5分くらいで疲れてしまい不安だったのですが、直前の6分間練習では落ち着いてできたので、いつもよりはよかったと思います。
――ジャンプについて
とりあえず転ばなかったのはよかったのですが、本当は2回転―2回転にしたいところが2回転―1回転になってしまったり、3連続を予定していたところが連続にならなかったりしたので、これからまた直していきたいと思います。
――表現面について
いつもよりは表現や手の動きを気にしてできたと思うのですが、まだまだなのでこれから頑張っていきたいと思います。
――今後の目標は
本番になるとスピンの回転数が足りなかったり、ぐらついてしまったりしてレベルが取れないので、曲の中でスピンが完璧にできるようにということと、ステップももっと深く体を使って踏めるようにということ、それからもちろんジャンプも、練習からしっかりとできるようにしていきたいです。