北海道釧路市で開催されている、日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)。大会2日目の1月7日からは、女子Aクラスの競技が行われた。早大からはルーキーの松嶋那奈(スポ1=東京・駒場学園)が出場。初出場ながら堂々とした演技を披露し、5位入賞と健闘した。
ショートプログラムでのステップ
初日のショートプログラム(SP)。今季は東日本選手権、全日本選手権とSPで自己最高得点を更新し続け、好調だった。冒頭の3回転トーループ-3回転トーループは回転不足となるも、着氷をこらえる。以前から苦手意識があるというサルコーは、「先生が見てる」という気持ちで緊張感を持って挑み、見事に成功させた。後半のステップシークエンスは「スピードが出なかったので、もう少し体が動かせるようになれたらいいなと思う」と振り返ったが、メロディーに合わせた舞は会場を沸かせた。自己ベストには及ばないものの47.45点という高得点を獲得し、4位でフリープログラムへ折り返した。
フリープログラムにも平常心で臨んだ
翌日のフリーでは最終滑走。重圧がかかりがちなところだが、日ごろから緊張しづらいタイプである松嶋は「プレッシャーはなかった」という。6分間練習から時間が空いてしまうため、一度スケート靴を脱いでランニングするなどして体を温め演技に臨んだ。見せ場は序盤、SPと同じ構成のコンビネーションジャンプ。しかし、2回目でバランスを崩し転倒してしまう。それでも「落ち着いてやろう」と気持ちで立て直し、直後の3連続ジャンプを成功させる。優雅な旋律に乗せた足換えのスピンで観客を魅了し、笑顔でフリーを締めくくった。結果は総合135.63点で5位。惜しくも表彰台には届かなかったが、鮮やかにインカレデビューを飾った。
残り少ない今シーズン。松嶋にはまだ、今月28日から開催される国民体育大会(国体)が残されている。「あと1か月もないですが、ちょっとずつでもレベルアップできるように頑張りたいです」。全日本選手権、インカレを経験し、強さを増した松嶋。今季に得た課題を糧に、さらなる高みを目指す。
(記事 又坂美紀子、写真 芝原健輔、末永響子)
表彰台に上がる松嶋
結果
▽女子Aクラス
松嶋那奈 5位(135.63点)
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コメント
松嶋那奈(スポ1=東京・駒場学園)
――初めてのインカレでしたが、緊張はありましたか
緊張はなかったです。
――先月末の全日本選手権から10日ほどですが、調整は大変でしたか
一応オフも作って、あんまり曲を通していなかったのでちょっと心配はあったんですけど、調子悪くなったりはしなかったので、大丈夫だったと思います。
――ショートプログラム冒頭のコンビネーションジャンプを成功させていましたが
1つ目でちょっと詰まってしまって、大丈夫かなと思って無理やり回したんですけど…。(回転が)ちょっと足りなかったんですけど、何とか下りられたので(よかったです)。
――以前、一番心配だとおっしゃっていたサルコーについてはいかがですか
跳ぶ前に「先生が見てる」って思って、緊張感を持って跳んだので、安心して跳べました。
――曲の表現についてはいかがですか
ステップでやっぱりスピードが出なかったので、もう少しスピードが出て、体が動かせるようになれたらいいなと思っています。
――フリープログラムにはどのような気持ちで臨まれましたか
いつも通りやればいいかなと思って、落ち着いてやろうと思いました。
――きょうは最終滑走でしたが、プレッシャーはありましたか
いや、プレッシャーはなかったです。
――あまり緊張しないタイプなのですか
はい、そうです。
――最終滑走だと6分間練習から時間が空いてしまうので、体の温めが大変かと思いますが
そうですね、靴を1回脱いでちょっと走ったりしました。
――フリーのジャンプ全般についていかがですか
冒頭転んでしまって、ちょっと不安もあったんですけど、いままで練習してきたので、落ち着いて一つ一つやろうと思って、ちゃんとできたのでよかったです。
――ステップでは手拍子を受けていましたが、やはり支えになるものですか
そうですね、もうちょっとだから頑張ろうっていうのはありました。
――フリーは長いですが、スタミナ面強化のために何かやっていることはありますか
曲かけを通すしかないですね。
――今季の試合はあと何がありますか
国体が群馬県であります。
――シーズンは残り少ないですが、目標などあればお願いします
国体は2人組のペアで戦うので、相手と一緒にシードを取れたらいいなと思っているので、このままあと1か月もないですが、ちょっとずつでもレベルアップできるように練習していきたいです。