東日本学生選手権(東日本インカレ)から9日が経ったこの日、関東学生秋季交流戦(交流戦)が開かれた。日本学生氷上選手権(インカレ)出場権獲得者も複数エントリーし、公式戦に負けず劣らずの気迫のこもった演技を披露する。早大勢も健闘し、1級女子で熊田のぞみ(文構3=神奈川総合)が7位、3・4級女子で飯田裕貴主将(社4=東京・豊島学院)が3位、5・6級女子で宮下真梨子(国教1=米国・ミルバーン高)が5位という結果となった。
1級女子の熊田。体全体を使った振り付けで、美しい曲調に合わせて表現する。予定していたループからのコンビネーションが単独になってしまうなど、ジャンプに関しては細かい失敗もあった。しかし、関東学生フリースケーティング選手権(関カレ)からの確かな成長も実感する。関カレに比して、「スピードも出たし、決まるジャンプもあった」(熊田)と、今後に向けて明るい材料を得た。5・6級女子の宮下は、大会を通じての最終滑走。東日本インカレでは悔しい思いをし、この交流戦でリベンジに挑んだ。終盤は疲れもうかがえたが、それぞれの要素の精度は向上。特にジャンプは東日本インカレの際のような転倒もなくまとめ、熊田に続き宮下も進化を見せた。
ジャンプの精度を上げた宮下
一方3・4級女子の飯田主将には、課題が多く残った。東日本インカレからここまでの間、調子は上向きだったという。また、目立ったミスもなく3位入賞と、結果としては決して悪いものではない。しかし飯田主将は、「全然駄目でした」と振り返った。練習では決められていたダブルサルコウの着氷の乱れや、得意の表現面でも納得のいく踊りができなかったことなど、多くの反省点を挙げる。フィニッシュのポーズの前にバランスを崩して倒れてしまったこともあり、飯田主将の理想の演技とは程遠いものに。出場した3名のうちで、唯一インカレへの切符を手にしている飯田主将だったが、この日は悔しい試合内容となってしまった。
飯田主将はインカレに向けて課題を見つけた
4年生の飯田主将がいま見据えているのは、もちろん大学生活の集大成となるインカレ。「表彰台に何としてでも乗りたい」(飯田主将)。それを果たすためには、「毎日後悔ないように」(飯田主将)、日々の練習に全力で取り組む他に道はない。最後のインカレでは実力を出し切り、きっと有終の美を飾ってくれるはずだ。
(記事 大水渚、写真 中澤佑輔)
結果
▽1級女子
熊田のぞみ 7位
▽3・4級女子
飯田裕貴 3位
▽5・6級女子
宮下真梨子 5位
コメント
飯田裕貴主将(社4=東京・豊島学院)
――きょうの演技を振り返って
ちょっとひどかったかなと正直思います…。最後に転んでしまったのは何でだったのだろうというのもあるのですが、全体的に東日本インカレの方が集中もできてたし良かったかなというのは正直あります。
――東日本インカレと比べると、悪い出来だったということですか
< p>全然駄目でした。東日本インカレのときもそうだったのですが、6分間の練習のときに着氷がきれいに決まっていても、本番で今回も結局ダブルサルコウが乱れちゃって、そこは本当にクリーンに決めてプラスをもらうのがインカレに向けて大事で、課題かなと思っています。
――表現の面に関しては
表現も東日本インカレのときの方がアピールできたかなと思います。自分の中でなのですが、きょうはいまいちフィットしなかったです。全然スケーティングが伸びなかったので、少しもたついてしまったかなと思います。
――東日本インカレから今大会までの間の調子はいかがでしたか
調子はすごく良くて、これは交流戦は良い流れでいけるなと思っていたのですが、新横浜のリンクはきょねんの交流戦でも良い思い出がなくて、今年もそうなっちゃったかなという感じです。ぎりぎり3位に入れたので良かったのですが、内容的には東日本インカレの方が良かったかなと思います。
――インカレに向けて、意気込みをお願いします
練習ではジャンプもしっかり着氷できるので、それをいつも通り演技の2分半に出すことができれば、結果もついてきてくれるというのは練習から思っていて、うまくインカレのときに出し切れるようにしたいです。それとインカレでは、構成を変えてもっとジャンプの難易度も上げていくつもりで、西日本の選手は強いのですが、最後のインカレでは表彰台に何としてでも乗りたいなと思うので、毎日後悔ないように一生懸命練習していきます
熊田のぞみ(文構3=神奈川総合)
――きょうの演技を振り返って
入れたいジャンプが3つあって、そのうちの2つが自分の苦手なものというか、まだ跳べるかどうか確証がないもので、本当に直前までそのジャンプにしようかもっと難易度の低いものにしようか迷っていたのですが、結果的に入れました。それで、そのうちの1つはコンビネーションだったものがシングルになってしまって、もう1つは失敗してしまったので、自分の中ではとても悔いの残る演技になってしまいました。ですが、5月の大会(関カレ)よりはスピードも出たし、決まるジャンプもあったので、そこは良かったと思います。次は2月に大会があるので、それに向けて悔いのないように練習を行っていきたいです。
――今回使用した「ワルツ」の曲はどうして選んだのですか
この曲はサントラなのですが、小学生のときからすごく好きで頭に残っていた曲で、フィギュアをやろうと決める前から、何かで自分が表現できたらいいなとずっと思っていたので、この曲にしました。この曲は気に入っているので、次に級が上がったときに曲の分数も伸びるのですが、そのときも同じ曲でやろうかなと思っています。
――きょうの自分の演技の中で、アピールできたところはどこですか
さっきお話しした最後のコンビネーションジャンプで、シングルにはなってしまったのですが、シングルになってしまったジャンプは自分の中で出来が良かったかなと思います。
――これからに向けた目標を教えてください
次は上のクラスでできるように、ジャンプと、スピンと、全ての底上げをしたいと思います。
宮下真梨子(国教1=米国・ミルバーン高)
――きょうの演技を振り返って
この前の試合よりジャンプが良かったと思います。
――東日本インカレと比べて調子はいかがでしたか
あんまり緊張しないでできるようになりました。
――今大会に向けてどこに重点をおいて練習してきましたか
ジャンプですね。
――疲労が出てくる後半の演技はいかがでしたか
真ん中ぐらいから少しつらくなりました。
――課題は見つかりましたか
滑りをもうちょっと良くしていきたいです。
――今後の目標を教えてください
ノーミスでできるようになりたいです。