新人拳士がデビュー! 全日本に向け収穫を得る

少林寺拳法

 この日、東京武道館にて東京都大会が行われた。今大会は小学生から社会人まで幅広い年齢層が出場するため、学生大会とは一線を画す大会だ。そのような大会に「部員の成長」を最大の目標に掲げて臨んだ早大。各々の部員が課題を見つけ、1年の集大成となる11月の全日本学生大会(全日本)に向けて、大きな収穫を得た大会となった。

 技を披露する演武と、実際に防具をつけて戦う運用法の二つからなる今大会。演舞では一般女子三段以上の部で久保田羽菜(教2=東京・早実)が東京大塚所属の山内友里加とともに3位の好成績を納めた。また大学生女子の部でも秋山果凛(教1=千葉・志学館)、遠藤直(文構3=東京・早実)が5位に入賞を果たした。部員の成長を目標に掲げた今大会では、「個人でも、団体でも必ず先輩と後輩で組むようにした」(宇田樹主将、教4=東京・早実)と言うように、学年の異なるペアで試合に臨み、練習から低学年拳士の成長に力をいれた。

 

61代少林寺拳法部として初めて全員で臨んだ大会となった

 運用法では男子の部で宇田主将が1位に輝いた。早大の最後の出場者となった宇田は、「部員の皆が観客席から見ている状態の中で、部員を鼓舞したいなという気持ちで頑張ることができた」と圧巻の技を披露。女子の部でも橋本あかり(法4=福岡雙葉)が5位に入賞し、結果を残した。

 今大会では新人拳士もデビューを果たし、初めて61代全員で臨んだ大会となった。早大が最大の目標としている全日本総合優勝に向けて、各々の部員が課題を認識することができただけではなく、チームの団結力も確かに高めることができた。今年の部のスローガンは「早稲田に入ってシアワセだ」。早大少林寺部に入って幸せだと思うためには、「結果にも、それまでの過程にも満足できるようにしたい」と宇田主将は語る。今大会を通してチームは一つになりつつある。あとは全日本大会で結果を出すだけだ。11月に向けて、今から戦いが始まる。

(記事 玉置理沙子、写真 部提供)

※掲載が遅くなり、大変申し訳ありません

結果

▽演武

【大学生女子の部】

秋山、遠藤【第5位】

【一般女子三段以上の部】

久保田、山内【第3位】

▽運用法

【運用法女子の部】

橋本【第5位】

【運用法男子の部】

宇田【第1位】

コメント

宇田樹主将(教4=東京・早実)

――今大会はどのような目標を持って臨まれましたか

 今大会は部員の成長を一番にして臨んだ大会でした。1年間でいろいろな大会に出させていただいていますが、ほとんどが学生大会です。ですがこの東京都大会だけは学生大会ではなくて、幅広い年齢層の人が参加する大会なので、部では伝統的に部員の成長を目標に臨んでいます。部員同士で組む場合も、必ず先輩と後輩で組むようにしていて、団体でも個人の組でもそのようにしています。また1年生が初めて挑戦するという大会でもありました。

――部員の成長といったことも含めて、チーム全体の結果を振り返るといかがでしょうか

 都大会期間は本当に部員の成長が著しかったなと思います。特に1年生はやる気にあふれた子が多くて、例えば練習が終わった後でも、自ら自主錬にやる気をもって取り組んでくれたりしていました。あとは61代少林寺拳法部として初めて全員で臨んだ大会だったので、チームとして一つになりましたし、全日本に向けて各々の課題やライバルとの差も分かったので、ものすごく良い大会になったと思います。

――チームの雰囲気は全体的に良さそうですね

 そうですね。1年生は本当にやる気にあふれていて、部活を活気づけてくれているなと思います。2年生はフレッシュさを忘れずに、でも2年生になって後輩も入って大人になってきてくれているなと思います。3年生は部活の居心地の良さと成長のどちらも両立させるような部活の運営をしてくれているので、本当に助かっています。

――宇田主将個人の結果を振り返るといかがでしょうか

 僕はもともと運用法が得意なわけではなかったんですが、今大会では早稲田の出場者としては僕が最後で、みんな観客席から見ている状態の中で、部員を鼓舞したいなという気持ちで頑張ることができました。苦手意識がある僕が頑張る姿を見せることで、「俺もがんばろう」と思ってくれるかなと思って力を発揮することができました。

――今まではあまり積極的に参加していなかったんでしょうか

 僕は1年生の終わりに主将になると決まってから、全部頑張らなければならないと思っていたので、逆に積極的に参加するようにしていました。それで練習を続けていく中で、3年生の時に関東で優勝することができて、そこからもしかしたらいけるかなという気持ちで頑張ることができました。

――全日本学生大会に向けて

 僕たちは全日本でチーム総合優勝を狙っています。でもチーム総合優勝って以外と難しくて、1人が1位とってもだめで、部員の平均順位が高くないと難しいんですよね。ライバルとして考えられるのは日体と明治なんですが、日体は部員数が多くて母数が違くて、明治は毎年1位だった高校生がスポーツ推薦で入学します。早稲田はスポーツ推薦がなくて努力で勝つしかないという状況です。

今年のスローガンは「早稲田に入ってシアワセだ」というものにしたんですが、成績が良くても部員の仲が良くなければ幸せではないし、逆に部員の仲が良くても成績が良くなければ同じように幸せではないなと思います。そう考えたときに、結果にも、それまでの過程にも満足できるようにしなければいけないなと思っています。

今は、今大会も含めて部活は一つになっていて過程というところでは順調に来ているので、あとは全日本大会で結果を出すだけだなと思っています。オフが明けた9月、10月、11月はライバル大学に負けないような努力量で臨んでいきたいと思います。