総合準優勝 全員が入賞果たす

少林寺拳法

 今年も聖地・日本武道館にて全日本学生大会が開催された。1年間の集大成となる今大会に、総合優勝を目指して臨んだ早大。結果は惜しくも総合準優勝となったが、女子では総合1位を獲得、さらに10年ぶりに出場した拳士全員が入賞を果たす快挙を達成した。

チームを率いた籾主将

 技を披露する演武と、実際に防具をつけて戦う立合評価法の二つからなる今大会。演武では女子初段の部で小圷紗愛(法3=茨城・水戸第一)、橋本あかり(法3=福岡雙葉)が2位、女子二段の部で氏平鷹子(政経4=千葉・船橋)、関音葉(文構3=東京・西)が1位を獲得し、女子の総合1位に大きく貢献した。男女初段の部では小林 果鈴(文4=ミシガン州・ハリソン)、江川 小次郎(商3=東京・保善)が1位に輝くと、男女二段以上の部では籾美吹主将(社4=大阪産業大付)、門田 憲樹(商2=広島城北)が関東大会に引き続き1位を獲得。「この1年間は同じ組相手でやってきたなかで、本番でベストを出せたことが本当によかった」(籾)と振り返った。団体の部でも男子が4位、女子が2位と実力を発揮した。 

 出場した選手全員が入賞を果たした今大会。1年生の新人拳士も躍動し、女子白帯緑帯の部で上田結麻(先理1=静岡)、村田佳鈴(文構1=東京・雙葉)が1位を獲得。単独白帯緑帯の部では吉田桃子(文構1=早稲田佐賀)が4位入賞を果たした。防具をつけて勝敗を争う立合評価法では女子軽量級で籾主将が堂々の1位に輝くと、女子中量級では氏平も本選出場を果たす大健闘を見せた。全ての結果が総合的に判断された結果、早大は総合準優勝、女子総合1位という結果で大会を終えた。

集合写真に収まる選手たち

 4年生は今大会をもって引退となる。60年以上続く早大少林寺部で初の女性主将となった籾にとって、この1年間は苦難の連続だった。時には部活に行きたくないと思うほど思い悩んだこともあったが、「今回の大会で今までの努力が全て報われた」と笑顔で振り返る。来月行われる早慶戦からは新体制がスタートするが、後輩に対して「4年間達成したからこそ味わえることがあると思うので、悔いの残らないように最後までやり切ってほしい」にエールを送った籾主将。そのエールに胸に、来年度も活躍する拳士たちの姿を見たい。

(記事 玉置理沙子、写真 部提供)

※掲載が遅くなり、大変申し訳ありません

結果

▽演武

【単独白帯緑帯の部】

吉田【第4位】

【単独茶帯の部】

小川【第5位】

【単独有段の部】

久保田【第4位】

【女子白帯緑帯の部】

上田、村田【第1位】

【女子初段の部】

小圷、橋本【第2位】

【男女初段の部】

小林、江川【第1位】

【女子二段の部】

氏平、関【第1位】

【男子二段の部】

藤井、福島【第5位】

【女子三段以上の部】

遠藤、三森【第4位】

【男子三段以上の部】

宇田、高橋【第5位】

【男女二段以上の部】

籾、門田【第1位】

【団体の部】

氏平、籾、宇田、江川、藤井、門田、高橋、福島【第4位】

【女子団体の部】

小林、遠藤、関、橋本、三森、久保田【第2位】

【立合評価法女子の部】

籾【第1位】氏平【本選出場】

コメント

――今大会はどのような目標を持って臨まれましたか

 私達はずっと全日本学生大会で総合優勝するっていうことを目標に掲げて1年間やってきたので、本当に今回は総合優勝を目標にしていました。

――今回の大会をチーム全体として振り返るといかがでしょうか

 今年は10年ぶりに出場した選手全員が入賞することができたので、そこは本当に嬉しく思っています。また練習期間は、部員全員がどうしたら自分たちの演武が良くなって点数が上がるのか、各自で考えて行動していて。そういう試行錯誤を繰り返していた組が多くいたというところで、全員が成長することができたなと思っています。主将という立場からも頼りがいのある後輩になったと思っています。

――個人として振り返られると今回の大会はいかがだったでしょうか

今回はやっぱり最後の大会っていうこともあって、一層記憶に残る大会になったなと思っています。私達の代は女子3人しかいなくて、幹部女子3人でここまでやってくるのに結構苦労したというか大変だった思いをしてた部分があって。1年生のときに私達3人は優勝することができたんですが、コロナになって大会がなくなってしまって。なので今大会が1年生以来のちゃんとしたかたちでの全日本学生大会だったので、3人で優勝して終わろうねっていう話をしていました。その同期3人と約束していた通り、全員が優勝することができたので本当によかったなと思ってます。

――男女二段以上の部で1位を獲得されましたが

 主将を務めているっていうこともあって、なんか早稲田の看板を背負ってる感じがあったので、大会出場まで緊張しました。あと関東学生大会のときも同じ組で出場して、そこでも優勝させていただいているので、それのプレッシャーが結構すごくて。当日までモヤモヤしたりというか、やっぱりいろんな人の圧じゃないですけど、プレッシャーがあって緊張していました。同期とか、OBの先輩方とかがいろいろ励ましてくれたり、ご指導をいただくことができたので、結果的に本当に良い結果になったなと思います。男女の部で最高段位の部門で優勝できたこともそうですし、やっぱりこの1年間は同じ組相手でやってきたなかで、本番でベストを出せたことが本当によかったなと思います。

――今まで一緒にやってきた同期の方々に向けて何か言葉を伝えるとしたらどんなことを伝えたいですか。

 同期にはもう本当に感謝しかなくて。私はもともと主将になるような人柄っていうか人格ではなかったんですけど、でもその中でも私が主将としてやっていけるように、同期2人が支えていてくれた部分が大きくありました。私が知っているところでもすごい努力して、部のためにということを一番に考えてってくれてるのもありますし、私が知らないところでも2人はいろいろ働いてくれていると思うので、本当に感謝しかないです。ここまで私自身も成長できたと思っているのですが、成長させてくれたのは、その2人がいたからだと思っています。

――主将としてチームを引っ張ってきた1年を振り返ると

 1年生の頃から覚悟はしていたんですけど、覚悟してるのと実際になるのとではまた全然違くて。実際なるとやっぱり自分が先頭に立ってみんなを守っていかなくてはいけないというか、先導していかないといけないという気持ちで最初は挑んでいたんですが、主将になってすぐに、部員の中でも何かいろいろいざこざというか問題になっちゃって。それについてどう解決しようとか考えたりする中で、なんか本当に初めて部活に行きたくないなって思ってしまいました。そういうようなこと乗り越えてきたり、やっぱ技術的にも自分が一番上手くならないととか、練習量についても背中で示さなきゃということだったりを気にしてやってきて、その中で今回の大会で今までの努力が全て報われたなという風に思います。やっぱりそれができたのは、先輩方に頼って相談のってもらったり、ご意見いただいたりということがあったからだと思っているので、いろんな人に支えられた1年だったなって思います。

――後輩の方々へメッセージをお願いします。

 女子だけの幹部が初めてのことだったので結構頼りない部分もあったのかなとは思うんですけど、ここまでついてきてくれてありがとうと伝えたいです。あとは3年生にとってはやっぱり初めてのことが多くなると思うので、それがつらいことも結構今後出てくると思うんですけど、私達がOBOGの先輩方に支えてもらったように、私達もやっぱ後輩のために動けていけたらいいなと思うのでぜひ頼ってほしいと思います。あとは引退間近になって思うことは、やっぱり部活動に入っていてよかったなっていうか。4年間達成したからこそ味わえることがあると思うので、悔いの残らないように最後までやり切ってほしいなと思ってます。