今回で55回目の開催となった伝統ある一戦、早慶定期戦が早稲田アリーナで開催された。今年は例年とは異なり、無観客で行われた。例年のようなOG・OBらによる声援はなかったものの、代表戦にもつれ込む接戦に、両校の部員から熱い応援が飛び交った。新人の部、本戦ともに運用法による各6試合が行われ、激しい攻防が行われた。結果は新人の部が2勝2敗2引き分け、本戦の部でも3勝3敗の引き分けとなり、勝負は代表戦に持ち越しとなる。しかし、代表戦で早大は主将の井上将(基理3=城北埼玉)で挑むも、惜しくも破れ、勝利を手にすることができなかった
まず、はじめに行われたのが新人の部。先鋒小圷紗愛(法1=茨城=水戸第一)が0−2で敗れるも、続く次鋒宇田樹(教育1=東京・早実)は積極的に攻め5―0と相手を圧倒。中堅三森菜々香(法1=東京・早実)は攻めようとするもなかなか決めきれず1―1と引き分ける。三将遠藤直(文構1=東京・早実)は確実にポイントを重ね4―1とリードをつけ快勝。副将、大将戦で勝利を確実にしたい早大だったが、藤井陸(社1=東京・早実)が1−1と引き分け、氏平鷹子(政経2=千葉・船橋)が粘りを見せるも1−3で敗れた。2勝2敗2引き分けと、勝利することができなかったものの、井上主将が「しっかりと実力が発揮できていて良かった」と語るように、新人拳士がそれぞれの持ち味を発揮。特に次鋒の宇田は積極的な攻撃で、ポイントを稼ぎ、相手に攻撃する隙を与えず圧倒的な強さを見せつけた。
圧倒的な強さを見せた宇田
続く本戦でも熱い戦いが続く。先鋒芝田健自(商3=東京・城北)が0−5とリードを広げられ敗れるも、次鋒籾美吹(社2=大阪産業大付)が終始攻め続け、この早慶定期戦最多となる10ポイントのリードを奪い、12−2で完勝する。続く中堅下村裕太郎(政経3=神奈川・聖光学院)が0−2で敗れるも、三将上重美桜(商3=新潟・長岡)が5―0で勝利し巻き返す。続く副将笠井直樹(政経3=東京・駒場東邦)も接戦の末1−0で勝利し、3勝2敗と一歩リードする。引き分け以上で早大の勝利が確実となる大将戦。チームを背負い勝負に臨んだ主将井上だったが、相手の攻撃に捕まりリードを許す。井上主将も反撃を試み2ポイントを取るも追いつけず、2−5で敗退し、勝敗は代表選へ持ち越しとなった。大将戦と同じ対戦カードとなった代表戦。大将戦の雪辱をなんとか晴らしたい井上主将だったが、一進一退の攻防の末、1−2と惜しくも敗れ、慶大の勝利となった。
最後は全員で集合写真
今回は代表選の上、惜しくも敗れてしまった早大だが、井上主将は「今まで培ってきたところが出せていたので、あまり悔いなかったかなと思います。」振り返った。また、「この早慶戦で新たな課題も見つかったので、その課題に向けてしっかりやっていかない」とチームとして改善が必要な課題も見つかったと語る。まだ始まったばかりの新体制。目標の全日本選手権制覇に向け、新たな船出が始まる。
(記事 工藤竜輔、写真 工藤竜輔)
コメント
井上将(基理3=城北埼玉)
――個人として今回の早慶戦を振り返っていかがでしたか
大将として、どんな状況であれ勝たなければならなかったのですが、実力不足で勝ちきれずに、続くサドンデスでも負けてしまい、大変悔しい気持ちでいっぱいです。
――チーム全体として早慶戦を振り返っていかがですか
新人戦は勝ちにはつながらなかったのですが、しっかりと実力が発揮できて、すごく良かったなと思います。本戦は負けてはしまったのですが、今まで培ってきたところが出せていたので、あまり悔いなかったかなと思います。
――昨シーズンを振り返っていかかがですか
4月から3ヶ月ほど競技ができない時期があり、その期間が部員たちそれぞれが少林寺に向き合う期間となったので良かったかなと思います。また、この早慶戦で新たな課題も見つかったので、その課題に向けてしっかりやっていかないといけないなと思いました。
――見つかった課題は具体的にはどのようなものですか
今回ルールが変わり、場外によって反則になってしまい、慶応がそこを攻めてくるのが上手でした。その中で僕たちは受けに回ってしまい、どうしても押され負けてしまう状況になってしまいました。こちら側からどんどん攻めていくようにしなくてはいけないというのが課題かなと思います。
――目標と抱負をお願いします
全日本学生大会と関東学生大会の総合優勝を目標にしています。その中で運用法がすごく大事になってくるので、今回の結果を踏まえ、もう一度運用法を見直すと同時に、基本的な技術も見直し、すべての勝利に繋げられるようにして行きたいです。