入賞多数も、課題の残る結果に

少林寺拳法

 関東の学生拳士が一堂に会し、磨かれた技を披露しあう今大会。早大からは13組が本戦に出場し、武道館という大舞台で己の実力を試した。うち11組が入賞を果たし、男子白帯緑帯の部の赤岡拓(創理2=埼玉・川越)・山本裕貴(先理2=千葉・渋谷幕張)組、女子白帯緑帯の部の浅見凛(人2=東京・富士)・秋光萌(創理2=広島大附属)組が見事優勝。また立合評価法においても男子個人の部で3人が入賞。男子団体の部では1位を獲得するという好成績を収める。しかし前回大会で獲得した総合優勝の座をことしは東大に譲るなど悔しさの残る部分も見られ、今後へ課題を残す結果となった。

力強い演武を披露する田部井祐介・山本裕也組

 昨季の全日本学生大会(全日)で男子白帯緑帯の部、女子白帯緑帯の部に出場した赤岡・山本裕貴組と浅見・秋光組は今大会でも同部門に出場。全日での優勝をほうふつとさせる完成度の高い演武を見せ、再び頂点を勝ち取った。立合評価法では男子個人の部に出場した江原明徳(教3=神奈川・桐蔭学園)、大森浩真(社3=大阪・高津)、山本裕也副将(社4=埼玉・川越東)が力強く、また的確な技を繰り出しそれぞれ入賞。男子団体の部でも1位に輝く。山本は「昨年よりもよい結果を個人、団体共に出すことができた」とその喜びを語った。

 男女2段以上の部で本戦出場を果たしたのは日野翔太主将(社4=埼玉・川越東)・山本祐加(社2=兵庫・姫路商)組。キレと迫力のある演武を披露し、2位入賞を勝ち取るものの「1位を狙っていた。納得のいく結果が出なかったことは少し残念だった」(日野)と語るその表情には悔しさがにじみ出ていた。また総合優勝の証である松平杯、演武と立合評価法において優秀な成績を収めた大学に贈られるOB杯獲得に前回王者として期待が懸る早大であったが、惜しくも両杯を東大に獲得されるかたちとなってしまった。

立合評価法で鋭い蹴りを繰り出す山本裕也副将

 入賞者は多かったものの、快勝とは言い切れない結果となった今大会。しかし、いつまでも落ち込んでいるわけにはいかない。「基本的な動作がまだまだ甘いなという部分があるので、基礎の基礎から改善していきたい」「全日が僕たちの最大の目標なのでそこに向かってしっかりと課題を解決して取り組んで、再スタートしてやっていきたい」と語る日野の目には、早くも今後の大会への闘志が映し出されていた。己の実力と弱点を知った拳士たち。さらなる進化へ向け、戦いは続いていく――。

(記事 松崎はるか、写真 山本葵、三井田雄一)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません。

結果

▽単独段外

第5位 矢内卓(スポ2=早稲田渋谷シンガポール)

▽単独有段

第5位 松本悠(創理4=カナダ・RidleyCollege)

▽男子白帯緑帯の部

第1位 赤岡拓(創理2=埼玉・川越)・山本祐貴(先理2=千葉・渋谷幕張)

▽女子白帯緑帯の部

第1位 浅見凜(人2=東京・富士)・秋光萌(創理2=広島大附属)

▽男子茶帯の部

第4位 内海純平(人3=北海道・開智)・熊本圭介(社3=埼玉・春日部)

▽女子初段の部

第4位 吉田咲樹(政経4=東京・雙葉学園)・伊藤早穂(文構3=千葉・柏)

▽男女初段の部

第3位 長澤真菜(人4=静岡・浜松北)・原悠人(教3=群馬・桐生)

▽男子二段以上の部

第2位 山本裕也(社4=埼玉・川越東)・田部井祐介(創理2=東京・早実)

▽男女二段以上の部

第2位 日野翔太(社4=埼玉・川越東)・山本祐加(社2=兵庫・姫路商)

▽三人掛の部

第4位 江原明徳(教3=神奈川・桐蔭学園)・今井悠二創理2=東京・芝)・森久輝(法2=東京・城北)

▽男子団体の部

第2位 日野・山本裕也・松本・江原・田部井・今井・森・久保田準(人1=埼玉・川越東)

▽立合評価法男子個人の部

第2位 山本裕也

第3位 大森浩真(社3=大阪・高津)

第4位 江原

▽立合評価法男子団体の部

第1位 山本裕也・大森・江原

コメント

日野翔太主将(社4=埼玉・川越東)

――男女二段以上の部で2位に入賞されましたが

1位を狙っていましたがやはり課題が多いところがありまして、納得のいく結果は出なかったことが少し残念でした。

――男子団体の部も2位入賞という結果でした

男子団体の部も日本体育大学に取られてしまいました。全体的に練習時間が足りなかったというのもあるのですが、やはり少し考え方というのを変えなくてはいけないなということをすごく感じました。

――全体的な結果は主将という立場から見ていかがですか

まだまだだなというふうに思いました。自分たちは総合優勝を一番の目標としてやってきましたが、今回東大に取られてしまいましたし、主将としてはすごくふがいない結果だなと感じています。全日本学生大会(全日)が僕たちの最大の目標なのでそこに向かってしっかりと課題を解決して取り組んで、再スタートしてやっていきたいです。

――その具体的な課題というのは

やはり演武など、実践をやる前の突きや蹴りなどの基本的な動作がまだまだ甘いなという部分があるので、基礎の基礎から改善していきたいなと思います。

――結果を踏まえての今後の目標や抱負をお願いします

今季は全日、早慶戦に勝つというところで全日総合優勝、早慶戦優勝を狙っていきたいなと思います。まだまだ自分たちは至らないところばかりなのでしっかり改善して、全日では勝っていきたいなと思います。

山本裕也副将(社4=埼玉・川越東)

――今大会を振り返って

演武に関しては昨年よりも結果的には悪くなってしまったので、また伸ばしていかなければいけないところかな、と思います。運用法に関しては、昨年よりもよい結果を個人、団体共に出すことができたので、そこは継続して残していきたいです。

――副将として迎えた大会でしたが

個人よりも全体を見て練習をすることが多くなったので、もっともっと後輩の力を伸ばしていけたらいいな、と考えています。

――松平杯を逃してしまいましたが

3連覇していたので、非常に悔しいです。取り返さなければいけないので、来年に向けてこの悔しさをぶつけていきたいと思います。

――今シーズン重点的に取り組んできたことは

基本的には演武と運用法の両方を強化することを目標としていたので、いつもよりは運用法に力をいれて取り組んでいたと思います。

――ラストイヤーとなりますが、今後の意気込みをお願いします

個人として活躍するのはもちろんですが、やはり全体が勝つことが1番の目標なので、全日本学生大会(全日)では優勝できるように、頑張っていきたいと思います。