創部史上初の世界大会出場!

少林寺拳法

 各階級の世界一の拳士を決める世界大会が2日間にわたり大阪で開催された。東京都大会で優勝した組のみが予選に出場することができる今大会に、早大からは一般男女有段の部、一般男子4段の部など5部門に出場。初日に行われた1次予選では出場した5組全組が勝ち抜き2次予選に駒を進めた。翌日の2次予選は、女子初段の部で北川絵理(先理4=東京・富士見)・白井美聡(法2=東京・早実)組が、男女有段の部で日野翔太(社3=埼玉・川越東)・山本祐加(社1=兵庫・姫路商業)組がそれぞれ通過。世界大会本選に出場すると、北川・白井組が第3位に入賞し、世界でもその強さを発揮した。

 1次予選は、一般男子4段以上の部に森恒裕(商4=東京・城北)・江原明徳(教2=神奈川・桐蔭学園)組、一般男子3段の部に宮下亮介主将(社4=埼玉・川越東)・山本裕也(社3=埼玉・川越東)組、一般男女有段の部に日野・山本祐組、一般女子初段の部に北川・白井組、一般女子級拳士の部に長澤真菜(人3=静岡・浜松北)・伊藤早穂(文構2=千葉・柏)組が出場した。世界大会の予選という通常の大会とは異なる雰囲気ではあったものの、全組が2次予選へ進出。「普段の大会と同じような気持ちでやった」(宮下)と、その実力を見せつけた。

世界の舞台で迫真の演武を見せた北川・白井組

 翌日行われた2次予選。この予選で上位になると本選に出場することが可能となる。1次予選結果発表後わずか1時間ほどで2次予選が行われたため、「練習時間が少なくて不安しかなかった」(白井)と話したが、「いつも以上のパフォーマンスができた」(北川)と、見事1位で通過した。日野・山本祐組も「思いっきりできた」(日野)と、緊張をものともせず、迫力の演武を披露。日本代表として本選に進んだ。

 イギリスやアメリカ、インドネシアなど、地域を問わず22カ国から拳士たちが集結した本選。日本とは系統の異なる演武に「圧倒されてしまった」(北川)と、世界のレベルを痛感させられる。しかし、試合前には「ベストを尽くそう」と話しあい、第3位に入賞。世界大会という大舞台で存在感を十分に見せた。また、日野・山本祐組も第5位に入賞し、「悔いはなく楽しくできた」(山本祐)と、笑顔で大会を終えた。

惜しくも入賞を逃した日野・山本組

 次は4年後の2017年にアメリカで開催されるため、大学生として出場するのは最初で最後となった今大会。まだ歴史の浅い大会ではあるものの、日本の代表として世界と戦ったことで大きく成長することができただろう。出場できなかった拳士たちも、世界レベルの演武を目の当たりにし、刺激を受けたに違いない。11月に行われる全日本学生大会3連覇に向け、拳士たちの挑戦は続く。

(記事・写真 山口智子)

結果

▽一般女子初段の部
北川・白井組 本選第3位
▽一般男女有段の部
日野・山本祐組 本選第5位
▽一般男子4段の部
宮下・山本裕組 2次予選敗退
▽一般男子3段の部
森・江原組 2次予選敗退
▽一般女子級拳士の部
長澤・伊藤組 2次予選敗退

コメント

北川絵理(先理4=東京・富士見)・白井美聡(法2=東京・早実)組

――きょうの演武を振り返って

北川 朝の練習時間が少なくて焦ったのですが、いつも以上のパフォーマンスができてよかったと思います。

白井 本当に練習時間が少なくて不安しかなかったのですが、今までで1番いい演武ができたのでよかったです。

――世界大会ということで、何か異なる点はありましたか

北川 本戦になったら色々な国の人がいて、インドネシアの人と一緒のコートだったのですが、日本の拳士とは全く違う系統の演武だったので、すごいなと圧倒されてしまいました。でもそのあとは、自分たちの演武がしっかりできてよかったです。

白井 普段は学生だけの大会しか出ないので、インドネシアの拳士や大人の拳士の演武など初めて見て、驚いたし良い刺激になりました。

――試合前はどのような会話をしましたか

北川 ベストを尽くそう、と。それぐらいしか言わなかったです。ベストを尽くして結果がついてきたらいいな、と思ってて、あとは社会勉強のようなつもりで(笑)。

――構成はお二人で考えたのですか

白井 普段は規定などないのですが、今大会はいつも使わない技を使わなければいけないという規定があって、それをどう使うかなど2人で考えて決めました。

――今後の目標をお願いします

北川 私はもう11月で引退なので、最後悔いが無いように全力を出しきることと、後輩に教えて何か残せるように頑張りたいと思います。

白井 5月の関東学生大会では、組演武と団体の部両方で優勝できたので、全日本学生大会でも同じ結果を出せるように頑張ります。

日野翔太(社3=埼玉・川越東)・山本祐加(社1=兵庫・姫路商)組

――きょうの演武を振り返って

山本 先輩と組んで出る最後の演武だったので、悔いなく思いっきりできたかなと思います。結果はついてこなかったのですが、楽しくできたのでよかったです。

日野 世界大会ということで、多少緊張はしたのですが、悔いはなく楽しくできたのでよかったです。

――日本の大会と異なる点はありましたか

日野 インドネシアの人たちが本当にすごくて、学ぶことが多かったですね。

山本 スピードとか投げとかすごくきれいだったので、そういうところも自分自身もっと研究して頑張っていかなければいけないな、と思いました。

――試合前はどのような会話をされましたか

日野 とにかく気持ちだ、ということで、今まで練習してきたことを信じて、気持ちを高めていこうと話していました。

山本 私は先輩を全力で信じて、今までやってきたことを発揮するために、緊張せずに楽しんでできたので、本当に良かったです。

――いつごろから組み始めましたか

日野 東京都大会(7月7日)の1カ月前ぐらいから練習を始めました。

――夏合宿はいかがでしたか

日野 ほとんど体力づくりだったのですが、有意義に過ごすことができました。

山本 初日に怪我をしてしまったので、ずっと筋トレをしていたのですが、筋肉をつけて帰ってくることができたのでよかったです。

――今後の目標をお願いします

日野 同じ組で今後組んでいくのかはまだ分からないのですが、別々になっても全力を尽くして、全日本学生大会では総合優勝をします。

山本 日野先輩と組ませていただいて、学んだことを次に生かせるように頑張りたいと思います。