新シーズンの開幕を告げる、東日本学生選手権兼関東学生選手権予選会が、爽やかな新緑に囲まれた長瀞射撃場で開催された。団体戦では男子部・女子部ともに総合団体4位の成績を収めた。また、個人では数多くの選手が好記録を撃ち、各々がオフシーズン中の成果を遺憾なく発揮する結果となった。
新主将に就任した宮本
男子部は新シーズンに入り、レギュラーメンバーを刷新。10m立射60発競技では、一昨季からレギュラーを務める宮本裕喜主将(政経4=東京・早稲田)に加え、廣島温弓(法4=東京・早実)、岡本健人(教育2=千葉・専大松戸)をレギュラーに選出。50m三姿勢60発競技では昨季までにレギュラー経験のある吉間民音(教育4=岡山・津山) 、松本零(社4=東京・早稲田)に、渡辺泰央(教育4=神奈川・逗子開成)を加えて大会に臨んだ。
10m立射60発競技では、宮本が流石の実力を発揮。序盤こそやや違和感を覚えながらの射撃になったと話すが、「一回銃を置いて考えた結果、少し構える重心の位置が違うのかなと思って。(最終的に)なんとか自己ベストに近いような点数まで戻った」と、競技中にしっかりと修正し597.0点を記録した。廣島、岡本もそれぞれ592.5点、593.1点を撃ち、3選手の次戦以降の600点代突入に大いに期待がかかる結果となった。
50m三姿勢60発競技のレギュラー陣で輝きを放ったのは吉間だ。553点の好記録を撃ったことに加え、個人参加となった10m立射60発競技においても596.9点を記録。「SB(スモールボアライフル)のS(立射)を最近頑張っていた。その技術の向上がAR(エアライフル、10m立射60発競技)でも活きた」と振り返った。松本は532点を撃ち「自己ベストに近い点数が出たが、去年からずっと課題にしている、撃発が怖いというのがまだ乗り越えられていない」と語る。4年生として迎える最後のシーズンでの克服に期待したい。
50m三姿勢60発競技に取り組む杉山
女子部は昨季まで不動のレギュラーを務めていた前田留那(令4スポ卒)、鈴木志佳(令4人卒)が卒業。杉山瑞季(スポ4=神奈川・横須賀学院)、小久保綾華(人3=東京・創価)に、10m立射60発競技ではレギュラー常連となりつつある紙田梨華子(社3=茨城・清真学園)を、50m三姿勢60発競技には初レギュラーの陶山絹香(法4=東京・早実)を加えて団体戦に臨んだ。
チームのポイントゲッターとなったのは杉山だ。10m立射60発競技では614.7点を、50m三姿勢60発競技では566点を記録。「(先輩の卒業に際し)自分が引っ張っていかなきゃという思いが強くなって。引っ張っていく先輩になれるように」という覚悟を、好成績で体現した格好となった。
小久保は4月半ばに始めたという50m三姿勢60発競技にて554点を撃つ、衝撃のデビュー。「姿勢や銃のセッティングが定まっていない状態で撃っていた」というだけに、伸び代は十分だ。また小久保は10m立射60発競技でも自己新記録を記録。「自分に勝つというスポーツ。自分に勝つということを今回大会は意識していた」と、心構えを新たに好記録を打ち出しており、今後の躍進にも期待がかかる。
紙田は10m立射60発競技において607.5点を記録。「4シリーズ目がブレーキになってしまった」と悔やむが、一方で5、6シリーズ目にはしっかりと立て直し、安定した実力を発揮する。オフシーズン中には「調子が悪い時もあえて60発撃って、調子が悪い時にどんなふうに調整したらいいのかを練習していた」と語っており、練習の成果が競技に現れた格好となった。
個人参加となる10mエアピストル立射60発競技には佐藤琳(スポ2=東京・成立学園)が出場。559点を撃ち、個人優勝を達成した。
50m三姿勢60発競技で初のレギュラーを務めた陶山
「セレクションがいなくてもセレクションがいるチームに近い点を出す、そしてそれを超えられるようなチームにしていきたい」と新主将の宮本。「後輩たちにはエアライフルで610点を撃てる子がいますし、今までと同じ点数が狙える、それよりも上を撃てるように頑張れるチーム」と手応えも十分だ。今大会で初レギュラーを務めた岡本ら、期待の新星の力も武器に、さらなる飛躍を目指す。
(記事、写真 橋口遼太郎)
全出場選手結果
【男子10m立射60発競技】
▽団体 1782.6点(7位)
岡本 健人 593.1点
廣島 温弓 592.5点
宮本 裕喜 597.0点
▽個人
吉間 民音 596.9点
松本 零 596.1点
久保木智也 579.9点
小林 大輔 578.8点
小野 颯 575.4点
柴 拓夢 543.5点
上村 直輝 538.6点
渡辺 泰央 533.0点
【女子10m立射60発競技】
▽団体 1829.1点(3位)
杉山 瑞季 614.7点 個人8位
小久保綾華 606.9点
紙田梨華子 607.5点
▽個人
岡部 藍 603.3点
陶山 絹香 586.2点
鳴海 彩音 580.0点
鈴木 妙 576.1点
橋本 人美 567.2点
中島 依澄 561.9点
高築あずさ 551.7点
神田 笑里 531.1点
【男子50m伏射60発競技】
▽個人
宮本 裕喜 602.4点
吉間 民音 593.1点
須田 智晴 589.2点
松本 零 580.8点
【女子50m伏射60発競技】
▽個人
杉山 瑞季 596.2点
陶山 絹香 572.8点
【男子50m三姿勢60発競技】
▽団体 1558点(4位)
吉間 民音 553点 個人8位
松本 零 532点
渡辺 泰央 473点
▽個人
須田 智晴 504点
【女子50m三姿勢60発競技】
▽団体 1645点(6位)
陶山 絹香 525点
小久保綾華 554点
杉山 瑞季 566点 個人6位
【女子エアピストル10m立射60発競技】
▽個人
佐藤 琳 559点 個人優勝
男子総合団体 3340.6点(4位) 女子総合団体 3474.1点(4位)
コメント
宮本裕喜(政経4=東京・早稲田)
――木曜日の伏射から今大会はスタートでした。伏射を振り返ってください
伏射は事前の感覚とかも結構良くて、今回は自己ベストを出そうと思って臨んだんですけど、実際始まってみると感覚がいつもと違くて。振り返ってみると、パーツの高さを変えるべきところを、ちょっと勇気が出しきれず変えないまま本射に入ってしまって。耐えながら撃つみたいなのが続いてしまったので、自己ベストを出そうと思って臨んだ割には点数が低くなってしまいました。
――試射の時点で違和感を抱いていたのですか
試射の時に若干の違和感があって、いつもよりも多く立ち上がって構え直すみたいなことをして。ギリギリこれなら行けるかも、みたいな姿勢で始めてしまったという感じです。
――その部分には若干の後悔が残りますか
そうですね、変えるべきでした。今思うと。
――土曜日にエアライフルとなりました。いかがでしたか
エアライフルも同じで。最近本当に調子が良くて。今回自己ベストを超えるぞと思って臨んだのですが、エアライフルはこの射場(長瀞)で撃つのが去年のインカレぶり、半年ぶりくらいだったので、その環境の違いに慣れていなかったです。4年目にしていうことではないですが、少し大きかったかなと思います。2シリーズ目の途中まで、こちらも練習場でやるのと違う感覚だなと思いながらも原因が分からない状態でやっていて。ただ、8点を2連続で撃ってしまったところで、これは一回落ち着かなければいけないと思って。射座を離れるではないですが、一回銃を置いて考えた結果、少し構える重心の位置が違うのかなと思って(もう一度射座に)入ったら、そこから10点代が6連続くらいで続いて、これがいつもの調子だなと思いました。(最終的に)なんとか自己ベストに近いような点数までは戻ったのかな、という感じでした。
――東伏見の練習場と、この長瀞や伊勢原はやはり違いますか
人によって言うことは違うのですが、僕は「違うな」と思って入ってしまうタイプなので、尚更その影響は出やすいのかなと思います。
――前のシーズンが終わってからこの半年、どのように過ごしていましたか
就職活動などもあった中で、本当に今年の1月などは、練習に行くことにしていましたが以前と比べると行けていなくて。4月に入ってからはこれから始まる春シーズンに向けてしっかり準備するために、練習にかなりシフトチェンジができたと思います。練習不足という言い訳はできないです。
――そこは就活もセーブしつつやってきたという感じですか
バランスよくというか。就活だけをやっていてもメンタル的にキツいので、練習にも行きつつという感じでやっていました。
――4年生になり、主将にも就任しました。まずは個人としてどんなシーズンにしたいですか
個人の目標として掲げているのは、インカレで三姿勢60発と伏射で入賞ということを目標に掲げて、そこに向けて練習しています。
――チームとしてはいかがでしょう
チームとしての大きな目標は早慶戦の4連覇がかかっていて。負けなしの代になれる可能性があるというので、そこを掲げています。また、同じくインカレで男子は3位入賞を目指して頑張っているので、チームとしての目標はそこになるかなと思います。
――今シーズンのチームはどんなチームですか
ライフルのセレクション(推薦)組がひとりもいない代で、それが何年ぶりかは分からないのですが、それでも後輩たちにはエアライフルで610点を撃てる子がいますし、今までと同じ点数が狙えるチームだと思います。それよりも上(の点数)を撃てるように頑張れるチームだと思います。
――今シーズン、主将として「こうしていきたい」というものはありますか
ひとつ下の代が少ないということもあるのですが、やっぱりまずは、これが早稲田の射撃だ、というか。セレクションがいなくてもセレクションがいるチームに近い点を出す、そしてそれを超えられるようなチームにしていきたいです。
杉山瑞季(スポ4=神奈川・横須賀学院)
――木曜日のエアからスタートでした。いかがでしたか
エアライフルはルールが今年度から変わって、準備時間が今までよりも10分も短くなって。準備をちゃんとしてから射座入りするということに慣れておかないといけなくて。最近、自分は個人で全日本とかも出ていて。外部の大会にも結構頻繁に出ていたので、ルール変更になってからも、自分の中では結構落ち着いて射座入りができて。試射も最初から結構順調に撃てていて、自分の中では本射になっても順調に撃てていたのですが、59発目に「何点いくかな、615は超えるな」って思っちゃったらちょっと力んじゃって。8.5点を撃っちゃったので、そういうところはまだまだちゃんとしていかないと行けないところかな、というのが今回の反省点です。ただ、自分の中でやれることは全部ちゃんとやったな、という感じの試合でした。
――お話ありましたが、614.7点の高得点となりました
最近練習で620近く撃てるようになってきていたのですが、試合だとなんとなく力んでいるとかもあって。いつも5点くらい下がっちゃったりします。それでも自分の中ではそんなにひどすぎない、納得できる点数ではありました。
――土曜日には伏射がありました。伏射はいかがでしたか
伏射はとにかくとても苦手で。いつも600点を超えるのが目標みたいな感覚で。今回もとりあえず600点は越えようという目標で出場しました。最近トリガリングを、ガッと前は引いちゃってたのを、スムーズに、自分の中でも引いてるか引いてないか分からないくらいの感覚で引けるように、というのを意識してプローン(伏射)をやっていて。それをずっと意識して60発撃てて。そういう引きミスみたいなのはかなり減らせていたのですが…、風が強くて(笑)。今のちゃんと撃っただろう、と思ったのが結構飛んじゃっていたりもあったんですけど(笑)。やっぱり意識はしていたのですが、たまにガッと引いちゃって8点とかも1回撃っちゃったりもあったので。プローンもまだまだ改善をしなきゃ行けないなという感じです。
――その中でもここまでの改善はかなり得点につながっているという感覚でしょうか
はい。600点超えられたので(笑)。
――SBはいかがでしたか
きょうは、すごく射座入り前に自信がなくて。ずっとソワソワしてて。試射もあんまり自分の中ではうまく当たらなくて。ずっと姿勢もあんまりという感じだったのですが、ちょっと本射に入る前にゴタゴタがあってなかなか本射に入らなくて。その間に自分の中で空打ちとかして姿勢を作り直したりして見直せたので、その間にいつもの自分の安定した姿勢を取れるようになって。一応自分の中では目標を達成したかなという感じのK(膝射)から始まりました。Pも試射がすごく良くて、試射から1シリーズ目までは良かったのですが、2シリーズ目で明らかに姿勢が崩れてしまいました。ただ、立ってもう一度姿勢を作り直す勇気がなくて、立てなくて。そのまま93という点数を撃ってしまったので、そこが反省点です。次からちゃんと立つ勇気をつけようと思いました(笑)。
――競技を終えて、思うところがあったということですね
そうですね。Sもめちゃくちゃ試射が良くて。試射だけだったら10発撃って、そのうち8発くらいは10点に入っていた、という感じで。「きょう大丈夫かも」と思って試射から本射に移ったら、突然9点しか出なくなるみたいな。すごく苦しくて。とりあえずなんとか1シリーズ目はくんよん(94点)を撃ったんですけど、2シリーズ目で姿勢が崩れてしまったのと、ちょっと試合の終わりになってきて気持ち的にも焦り出しちゃって。そしたら8点を2回も撃ってしまったので、Sももう少し焦らずに撃つのが目標というか。これから気にしていく点だと思いました。
――前日までのエアライフルや伏射で好成績を残しながら、SBに入るときにはソワソワしてしまうものなのですか
なんだろう…、本射に変わるとやっぱり点数が。試射はとりあえず撃って自分のいつもの姿勢を作ろうと思っていられるのですが、本射になると急に点数取らなきゃと思っちゃって、そうすると力んじゃって、みたいなのが多くて。そこの試合経験をもっと積みたいなと感じます。
――前シーズンの11月の大会からこの大会まで、どんなことに注力して取り組んでこられましたか
自分の中ではエアライフル中心にやってきていて。エアでSの姿勢を固めて、それをSBにも応用できたらな、という思いで、ずっとエアを中心にやっていました。ただ最近全日本で50mのさんかけ(三姿勢60発競技)に出場したのですが、そこで自分の中でSが結構いい感覚でちゃんと撃てていたので、そこから今回の大会でもちゃんとそのままでできるように、練習でも力を入れないで撃つなどを意識してずっとやっていました。
――結構SBのSとARは相乗効果があるとおっしゃる方は多いですよね
そうですね、かなり。最初SBをやり始めたばかりだと、ARが軽くなりすぎて持っちゃう、とかもあるのですが、最近そこに慣れてきて。逆にARって結構繊細で。ギュってトリガー引いちゃうとすごくズレるのですが、それをすごく気をつけていたらSBでも応用できるようになってきて。Sの点数も必然的に上がってきてというので。相乗効果でだんだんお互いに点数が上がってきてという感じです。
――4年生になりました。気持ちに変化はありますか
4年生になって、今回のレギュラーに関してもARは3年生2人と私で組むという感じで。自分が引っ張っていかなきゃという感じは強くなって。後は後輩に負けない点数を取ろうというので、前よりレギュラーに対しての思いは強くなりましたね。
――去年はレギュラーに2人の4年生がいらっしゃって。やはりかなり変わりますよね
お2人がすごく頼りになる先輩だったので、自分は自分が好きなように撃てばいい、という感覚だったのですが、その考えじゃもうダメなのかなというのがちょっとあって。そこで2人みたいに引っ張っていく先輩になれるように、頑張ろうかなと思っています。
――今回大会、かなり皆さん好成績を残されている印象があります。今年のチームの雰囲気はいかがですか
みんな4年生は就活で忙しかったりもするのですが、試合前とかはちゃんと準備をしていたりとか。どうしたらいいのかをお互いに教え合ったりとかもできていて。2年生3年生にもすごく上手い子が多くて。4年生もそれに負けじとという感じで。お互いに伸ばし合えているのかなと思います。
――今シーズンの目標、また直近で目指しているものを教えてください
直近の目標が、次の本戦でファイナルが復活する予定なので。
――ついに復活するのですね!私自身も初めてです
ついに。初めてファイナルが復活する予定なので、絶対にそのファイナルにはまず出られるように練習して行こうかなというのと。インカレでまずはあの2人の先輩が抜けてしまった状態でも、今まで通りやそれ以上の結果や順位を残せるように頑張りたいなと思っています。
――一般試合ではファイナルをやっていたりはするのですか
一般試合はファイナル自体はやっているのですが、私はまだまだそこにいける点数ではないので、一般試合でも結果が残せるように頑張ります。
――もし本戦でファイナルに出場することになるとかなりドキドキでしょうか
そうですね(笑)。全然慣れてないし、やったこともないので。ファイナルは独特な雰囲気があります。
松本零(社4=東京・早稲田)
――金曜日のSBを振り返ってください
自己ベストに近い点数が出たとは思うのですが、去年からずっと課題にしている、撃発が怖いというのがまだ乗り越えられていないのかなというところで、少し課題点が残る射撃になったかなと思います。
――撃発について少し詳しく教えてください
SBの場合は火薬を使っているので、弾が出たときに爆発の衝撃が体にくるので、そこがまだやっぱり怖いというのがあります。
――伏射はいかがでしたか
伏射も自己ベストに近い点数なのですが、やはり撃発が怖いというところが課題で。その中ではベストを尽くせたのかなと思います。
――ARに関してはいかがですか
ARもレギュラーは今回やっていないのですが、レギュラーを目指すことができる点数だと考えています。
――4年生になって、思いの変化はありますか
頼れる上級生がいなくなってしまったので、今度は自分たちが引っ張っていかなきゃ行けないと感じています。
――昨シーズンを終えてから今大会を迎えるまで、どんなことに取り組んでこられましたか
まずは体を止めること、というところで、そこは今クリアできつつあるので、ずっと課題だった撃発への怖さに対処しているのですが、なかなか形としてうまくできていないので、今後も重点的に取り組んでいきたいと思います。
――撃発に対して、どのように克服していくものなのでしょうか
気にしない、ということをしないといけないのですが…、気にしてしまっているというところですかね…。
――なかなか直すことは難しいことですか
どうなんですかね…。僕以外にここで悩んでいる人が部にはいないので難しいところではあるのですが、普段の練習で実弾を使って練習をしていないので、普段の練習では当たるんですけど、実弾になると変わってしまいます。今後はもっと実弾を使って練習をしていきたいなと思います。
――今シーズンの目標、意気込みを聞かせてください
今まで上級生の方々が取ってきた点数を超えられるような射撃をしていきたいなと思います。
――具体的な点数の目標はありますか
SBは550点が最低ラインで、ARは605点を目標にやっていきたいと思います。
吉間民音(教育4=岡山・津山)
――木曜日のSBからスタートでした。振り返ってください
まずまず目標としている点数かなと思います。昨年の自己最高点が555点くらいだったので、それくらいかそれ以上の点数を期待していたのですが、色々ゴタゴタした部分などもあり、今シーズン序盤ということもあり、553点というのは悪くない点数なのかなと思います。
――ご自身の中ではまずまず満足感がある内容でしょうか
そうですね、最低限というか。良かったなという思いがあります。安心ができる点でした。
――金曜日は伏射がありました
2シリーズ目で92点くらいを撃ってしまって、それ以外の点数はいつも通りというかちょっといいというところもあったので、そのシリーズだけいつも通りに撃てていれば目標だった602、3、4点という点に届きました。将来的には605点とか610点以上を撃ちたいと思っているので、そういったところへのステップアップにしたかったのですが、今回は2シリーズでコケてしまったので、その分点数が下がってしまいました。早慶戦まではレギュラー種目ではないので、じっくりやっていければいいと思っていますが、もう少し頑張れたらなと思います。
――2シリーズ目で少し点数は振るいませんでしたが、3シリーズ目以降ではしっかりと持ち直しました。その辺りはいかがでしたか
よく言われることですが、ちゃんと1回銃を置いて、姿勢を作り直して。1回呼吸を整えるではないですが、やり直せたのが大きかったかなと思います。
――きょうはARがありました。いかがでしたか
最高でした(笑)。590点以上を撃ったのが全体練習の点取りとかでしかなかったので、実際に春関とか、こういった大きな試合で590点以上、しかも600点に近い点数を撃てたのはかなりうれしかったです。
――ご自身の中で、きょうイケるぞ、みたいな思いはあったんですか
正直就活でSBの練習しかできていなくて。SBのSを最近頑張って直していたので、ARを一切練習できていなかったのですが、SBのSをしっかりと修正し直していて、その技術の向上がARでも活きたのかなと思っていて。その賜物というか。ラッキーな部分もあったかと思います。若干時間ができてきているので、ARにも時間を割いて、600点、610点にいけるような選手になりたいと思います。
――SBの練習の成果がARで出てきましたね
そうですね、相乗効果ではないですけど、良かったかなと思います。
――4年生になり、気持ちの変化はありますか
先輩がいなくなって、当事者というか。自分たちの代でなんとかしなくてはいけないとう責任感が大きくなってきています。インカレや早慶戦ではもちろんですが、そういった大会で同期を含めて、下級生を引っ張れるような点数をしっかりと撃っていかないといけないと思っているので。今後もしっかり頑張っていきたいです。
――目下の目標と、今シーズンの目標を聞かせてください
SBさんかけ(三姿勢60発競技)が特にレギュラーとして出ることが多いと思うのですが、その中で553点を撃ったので、しっかりと560点、565点と5点ずつでもいいので、刻んで刻んで、上達の実感を得ることができればいいなと思います。ARも今までレギュラー圏内ではなかったので、正直自分本位で頑張れば良かったのですが、今回レギュラーになり得そうな点数を撃て始めたので、AR・SBの両方の練習をしっかりとしていけたらいいのかなと思っています。点数で具体的にいうと、ARは試合で600点以上を撃ちたいと思っています。
――ARはかなり、レギュラーが見えてきていますね
さっき宮本ともLINEしたんですけど、今後のレギュラー決め難しくなったな、と笑って言っていたので(笑)。彼にとってうれしい悩みになればいいなと思います。
紙田梨華子(社3=茨城・清真学園)
――競技を振り返ってください
点数的にはいつもと同じくらいを出せて。でも610点に乗せたいなというのはあるので、4シリーズ目がブレーキになってしまいました。そういったミスをなくしていけたらいいなと思います。
――お話の通り、4シリーズ目で少し点数を落とした中で、しっかりと5シリーズ目で持ち直した印象もあります。いかがでしたか
そうですね。結構5シリーズ目に気合を入れたというか。1回落ち着いて、リセットして、5シリーズ目に臨んだという感じです。
――紙田さんはどのように気持ちを切り替えるのですか
1回忘れるというか(笑)。1回そこでもう区切る。というように、前までのをずるずると引きずらないで、いったん頭の中をすっきりさせて、リセットさせて。また5シリーズ目は新しくスタート、というふうに気持ちを切り替えています。
――そういった形で、競技中に持ち直せるタイプですか
割と切替はできるかなと思います。
――競技の最後の数発、なかなか引き金が弾けない姿が見られました。どんなことが起こっていたのですか
特に60発目がなかなか撃てなくて。でもしっかり、諦めて撃つんじゃなくてしっかりと置いて、というのができて。結果的に最後、10.6点で終われたので、その部分はきょう良かったなと思います。
――昨シーズンが終わってから、どんなことに注力してここまで練習をしてきましたか
試合の経験が、高校からやっていた人に比べると少ないというのがありますし、銃を持ったのが遅いというのもあって、試合経験が周りに比べると少ないので、毎回試合と同じように60発を撃って、点数を毎回出して、今自分がどれだけ撃てるのかを確認していました。また、調子が悪い時もあえて60発撃って、調子が悪い時にどんなふうに調整したらいいのかを練習していました。
――紙田さんは撃つ前に何度か銃を持ち上げるルーティンがあります。これはいつ頃からですか
上級生の方がやっていたからというのがあると思います。特に意識してというのはないのですが、やはり志佳さん(鈴木志佳、令4人卒)だったり、杉山さんだったりもしているかな…。今思い返して、そう思います。
――あまり男性陣はやらないイメージがあります
そうかもしれないです。(先輩方が)憧れの方たちなので、参考にさせていただいてというのがあります。
――今シーズンのご自身の目標を聞かせてください
自己ベストをどんどん更新していきたいというのがひとつ、自分の目標になるのですが、後輩も増えてきて。自分のことで今までは精一杯だったのですが、今年度から後輩もしっかり見ていってあげて、自分たちが一番上の代になった時にも勝てるようなチームが作れるように準備していきたいなと思います。
――先ほど、上村直輝(社2=千葉 薬園台)さんの後ろに紙田さんがついているのを拝見し、宮本さんに「上級生も選手の後ろにつくのですね」と伺ったら、「初めての時は上級生なんです」と教えていただきました。上級生になり、後輩育成も必要になりますね
やっぱり自分の代が少ないというのもあるので、後輩と一緒に頑張っていかなければなりません。一緒に頑張っていけたらなと思っています。
小久保綾華(人3=東京・創価)
――初日、伏射からのスタートでした。振り返ってください
伏射は、最近(SBを)持ったばかりで、練習時間はすごく短かったのですが、覚えた姿勢で精一杯撃ちました。
――きょうのSBはいかがでしたか
きょうは、撃てたのですが、要所要所でサイトが定まっていなかったり、レンズがまだ付けられていなくて眼鏡でやってしまっていたり、姿勢とか銃のセッティングが定まっていない状態で撃っていたのですが、それも含めて今後たくさん練習をして、いい点が撃てるようにしたいです。
――点数としてはかなり上々のように感じます
4日前に行った点取りよりかは30点くらい上がりました。
――SBを持ち始めたのはいつ頃なのですか
練習をし始めたのは4月の中旬くらいからなので、1か月も経っていなくて。まだ10回くらいしか練習をしていない状態で撃ったので、その割にはすごく高い点数だったと思います。
――ARはいかがでしたか
ARは自己新で。練習ではもう少し高い点数を取れていたのですが、大会になると緊張してしまったり、いつものコンディションじゃないのであまり点数が出なかったのですが、今回は大会での緊張が割とほぐれて、落ち着いて集中して撃てたかなと思います。
――全体を通してかなり満足感の高い大会でしたか
そうですね、今回全部で自己新を出せたので、結構満足度は高いです。
――難しいですが、その要因は何かありますか
オフシーズンもちゃんと練習をし続けたということと、前日にしっかりと意識的に休息を取ったことかなと思います。
――今回大会ではARとSBのどちらでもレギュラーになっています。そのあたり、モチベーションへの影響だったり、思いの変化がありますか
あります。先程の話にも付け加えると、意識したのは、他人の点数を意識するのではなくて、自分の点数を意識して。自分に勝つというスポーツなので、それを今回大会は意識していました。自分に勝つということを意識して撃ったら、緊張せず撃つことができました。
――去年もレギュラーを務めたことがありますが、その時とはやはり違っていますか
その時は経験値がなかったので、慣れてきて、という感じです。
――今シーズンの目標を聞かせてください
今シーズンの目標は、これからもARとSBのレギュラーを務めるので、しっかりと毎回毎回質の高い練習をして、練習の頻度も取って。ARは他のレギュラーの2人よりも点数が低いので、それに近づけていくとか、自己新を出し続けるというのを目標にして。SBはセッティングとか姿勢作りというのを固めて、レギュラーに恥ない点数を取っていきたいと思います。