男女ともに上々の船出

射撃

 早大射撃部の新シーズンが幕を開けた。埼玉・長瀞総合射撃場で行われた関東学生選手権春季大会。多くの種目で個人入賞者を出し、さらには部内新記録も複数生まれるなど実り多きスタートとなった。

 ことしも女子部の勢いは止まらない。まず圧巻の強さを見せたのは長島遥(スポ4=埼玉・栄北)だ。50m伏射60発部門で優勝を果たすと50m三姿勢60発部門でもファイナルに進出し2位入賞。ラストイヤーを迎えた長島がチームを活気づけると後輩たちもそれに続くように躍動する。千葉朔海(スポ2=埼玉・栄北)は10m立射40発部門でファイナルに駒を進めると、ファイナルではラスト2射で逆転し悲願の優勝を果たす。さらにはルーキー田中美沙(スポ1=埼玉・栄北)も入学後初の公式戦ながら同種目で堂々7位に入った。下級生2人の活躍もあり女子部はこの種目で団体2位に入るとともに部内新記録を更新。総合団体でも一部校内4位に入り、今後に向けてさらなる期待を持たせてくれる結果となった。

ルーキーながら7位に入った田中

 一方の男子部も負けてはいない。谷川諒(スポ4=早稲田渋谷シンガポール)は50m三姿勢120発部門で7位に入賞し勢いに乗ると、50m伏射60発部門では615.8点の部内新記録を樹立する。同種目では、主将となった金子将之(創理4=東京・早実)もファイナルに進出。「あまり自分らしい射撃ができなかった」、「自分で把握できていない問題点がある」と苦しみ8位に終わったものの、主将としての確かな存在感を示した。総合団体順位は女子部と同じく一部校内4位。昨年の同大会で一部復帰、昨季秋季大会6位、そして今大会は4位と、男子部は着実に力を伸ばしてきている。

谷川は2種目で入賞し、チームに大きく貢献した

 1年生を迎え入れ、新たなスタートを切った早大射撃部。今大会でいきなりの入賞を果たした期待のルーキー、田中の存在は女子部内の競争を激しくするだろう。また男子部も新たな風を取り込み、金子や谷川を中心としてより一層総合力を増していくことが期待される。学年間、男女間で共に刺激し、高め合うことでどこまでチーム力を伸ばすことができるか。今後の行方に注目したい。

(記事、写真 大庭開)

入賞を果たした4年生3人。左から谷川、金子、長島

結果

【男子50m伏射60発部門】

▽団体 1810.2点(4位)

谷川  諒 615.8点 部内新記録  ※ファイナル139.2点(個人5位)

眞城 永稔 604.8点

建部 紘男 589.6点

▽個人

金子 将之 610.5点  ※ファイナル77.9点(個人8位)

松井 信衞 597.7点

松尾 悠佑 596.9点

加藤  一 580.4点

戸井田勇介 572.9点

牧野 恭尚 DNS

【男子50m三姿勢120発部門】

▽団体 3338点(4位)部内新記録

谷川  諒 1125点  ※ファイナル380.4点(個人7位)

松尾 悠佑 1109点

金子 将之 1104点

▽個人

眞城 永稔 1078点

松井 信衞 1071点

建部 紘男 1024点

【男子10m立射60発部門】

▽団体 1782.1点(5位)

松尾 悠佑 597.1点

谷川  諒 594.4点

金子 将之 590.6点

▽個人

藤井 尭彬 590.0点

早川 航生 587.9点

田曽 雅也 580.2点

北嶋 亮太 579.3点

三鍋  亘 575.9点

眞城 永稔 575.8点

加藤  一 573.3点

松井 信衞 573.2点

尾花 駿輔 572.7点

亀山 祥吾 572.5点

守田 慶亮 568.9点

伊澤 昌平 562.9点

小林 凌馬 562.1点

加藤 勇佑 560.3点

波多 秀馬 559.6点

岡村 祐生 550.6点

【女子50m伏射60発部門】

▽個人

長島  遥 615.5点(個人優勝)

末本 佳耶 590.4点

中里 志穏 588.5点

【女子50m三姿勢60発部門】

▽団体 1630点(4位)

長島  遥 565点  ※ファイナル438.4点(個人2位)

千葉 朔海 546点

中里 志穏 519点

▽個人

末本 佳耶 541点

【女子10m立射40発部門】

▽団体 1222.8点(2位)部内新記録

千葉 朔海 409.5点  ※ファイナル205.4点(個人優勝)

田中 美沙 408.5点  ※ファイナル98.9点(個人7位)

末本 佳耶 404.8点

▽個人

長島  遥 400.8点

毛利 綾花 395.3点

中里 志穏 390.9点

佐藤 史江 388.7点

◆総合団体順位

男子総合団体 6930.3点(一部校内4位)

女子総合団体 2852.8点(一部校内4位)

コメント

金子将之主将(創理4=東京・早実)

――きょうのP60ファイナルを振りかえっていかがですか

ファイナルはインカレ以来2回目の出場でしたが、あまり自分らしい射撃ができなかったなと思います。

――具体的に何が良くなかったのでしょうか

自分でも何が悪かったかというのはまだ把握しきれていないのですが、最近はそういった自分で把握できない問題点というのがあるので、次の大会までには解決していきたいと思っています。

――新しく入ってきた1年生の印象を教えてください

部員の数自体は多くはないですが、田中をはじめ実力がある選手が入りましたし、みんな真面目で練習から真剣に射撃に取り組んでいるなという印象があります。

――新入生が加わった今のチームの雰囲気はどうでしょうか

今回の大会で入賞者が多かったというのは本当にいいことだと思いますし、新入生も今後試合にどんどんからんでいくことが増えると思いますので、今後是非期待していただければと思います。

――集大成となるシーズンに向け意気込みをお願いします

目指すところとしてはインカレで昨年より良い成績を残すことなので、個人でもそうですが団体でしっかりと点を取れるようなチームの雰囲気を作っていきたいと思います。

田中美沙(スポ1=埼玉・栄北)

――S40ファイナルで7位に入りましたが、振り返っていかがですか

大学に入って初めての試合だったのでとても緊張しました。

――きょう、特に意識したことは何でしょうか

とりあえず落ち着いて撃っていこうと思いました。

――この結果をご自身でどのように評価していますか

まだまだ満足できないと思いますが、大学で初めて(の試合)だったので、ちょっとは自分を褒めたいなと思います。

――ワセダ射撃部という新たな環境にはもう慣れましたか

はい、もう慣れました。

――高校生の時とは何か違った点はありますか

授業と授業の間に練習ができるところとかは高校と違うなと思います。

――今後4年間でどのような選手になりたいですか

きょう優勝していた長島さんや千葉さんのように、大会で優勝できる選手になりたいです。