早大射撃部は、今シーズン最後となる早慶定期戦(早慶戦)を迎える。この伝統ある戦いにおいて近年勝ちを手にできていないワセダはその流れを払拭すべく今大会に挑んだ。試合は3×20部門で長島遥(スポ2=埼玉・栄北)、P60部門で前田崇弘(政経3=横浜・緑ヶ丘)、S60部門で末本佳那(スポ1=福岡・太宰府)が2位入賞を果たす。この流れに乗って総合優勝を飾りたい早大であったが、全体得点が思うように伸びず勝利はまたしても来季への持ち越しとなった。
来季に向け期待がかかる末本
射撃部全体で団体を組み、戦いを繰り広げる早慶戦。P60部門では前田が601,0点で全体の2位につけ、それに続くように末本もS60部門において611,8点を叩き出し総合2位の座を手にする。午後に迎えた3×20部門では時折激しい雨が降り続く。しかしそのような悪天候にも関わらず、長島が落ち着いたプレーで566点ときょねんに引き続く好成績で2位に。3×20部門では慶大を倒すも、今大会で最後となる安達瑛香(文4=徳島・城南)、蛯原綾乃(スポ4=茨城・竜ケ崎)らが思うように得点を伸ばすことができず、今季も伝統の一戦を制することはできなかった。
1年間、部の先頭を走り続けた安達
「このような結果に愕然としている」(安達)というように勝つことだけを考え迎えた今大会であっただけに予想外の結果に肩を落とした選手たち。これで4年生は射撃部を引退することとなる。「(4年間を通して)かなり楽しく射撃をすることができた」(山村英介、基理4=静岡聖光学院)、「射撃部でいられることができてよかった」(安達)と射撃部にかける思いは強い。今季を振り返って、全日本学生選手権(インカレ)では女子部3P部門団体で総合1位を手にするなど、昨季から大きな進化を遂げた早大射撃部。「次こそは慶大の優勝旗を取り返す」(末本)といった次世代の意気込みにもさらなる成長の兆しがうかがえる。4月に再び始まるシーズンに向け、どのようにコンディションを整えていくのか。世代交代し気持ちを入れ替えた早大射撃部の新たな挑戦が始まろうとしている。
(記事 渡部歩美、写真 網代祐希)
結果
【団体伏射60発部門】2位
山村 591,6点
熊田隆信(基理3=宮城・尚絅学院) 585,7点
前田 601,0点
【団体3P部門】1位
安達 554点
塚田恵美(スポ3=埼玉・栄北)550点
長島 566点
【団体エアーライフル60発部門】2位
蛯原 599,0点
金子将之(創理2=東京・早実) 592,7点
末本 611,8点
【個人伏射60発部門】
山本浩史(法4=東京・早大学院) 578,3点
辛島喬任(法3=東京・青山学院) 591,3点
松井信衛(基理2=東京・桐明) 580,6点
【個人3P部門】
中村若菜(人4=東京・国学院久我山) 523点
眞部優人(社4=東京・早大学院) 515点
久保田優衣(先理3=東京・共立女) 517点
【個人エアーライフル60発部門】
米田 哲(社4=千葉・東邦大東邦) 476,1点
小川智裕(スポ3=東京学芸大付) 581,8点
皆川 芳(法3=神奈川大付) 552,3点
大岡海登(教2=東京・駒場東邦) 563,7点
小林稜馬(先理2=早稲田佐賀) 589,2点
清水学志(法2=愛知・海陽) 560,6点
建部紘男(基理2=愛知・春日丘) 575,9点
谷川 諒(スポ2=シンガポール・早稲田渋谷シンガポール) 596,3点
戸井田勇介(スポ2=東京・国学院) 580,4点
早川航生(教2=東京・城北学園) 565,3点
牧野恭尚(法2=東京・早稲田) 585,6点
伊澤昌平(基理1=東京・早稲田) 532,4点
尾花駿輔(教1=東京・国学院久我山) 548,0点
佐藤史江(文1=東京・吉祥女) 578,4点
中里志穏(スポ1=埼玉・浦和一女) 596,8点
松尾悠佑(文構1=埼玉・栄東) 589,1点
三鍋 亘(文構1=東京・桜修館) 563,6点
◆団体総合順位
早大 2位
コメント
安達瑛香(文4=徳島・城南)
――今大会を振り返って
まず団体としては勝つことが目標というか、勝つのはほぼ確定だったという試合と言えた感じだったのでこのような結果になってびっくりというか愕然としています。
――4年目となる早慶戦でしたがどのような意気込みで臨みましたか
3年間負け続けてきていたのでことしこそは、と思っていました。
――主将としてのこの1年間を振り返って
部としては、きょねんよりもレベルが上がっていると思うのでらいねん以降後輩たちは頑張ってくれるといいな、と思います。
――射撃部として活動してきた4年間はいかがでしたか
いろいろなことがありましたし、楽しかったこともあればそうじゃなかったこともありますけど4年間この部でいることができてよかったなと思います。
――後輩に向けてのメッセージをお願いします
射撃部に入るのはたまたまとかいう人が多くて、かなり縁があってこの部に入っていると思うのでしっかりそれを楽しんで競技のほうでも頑張ってほしいです。
山村英介(基理4=静岡聖光学院)
――今大会を振り返っていかがですか
私個人として点数が予想よりもだいぶ低く出てしまい部に貢献できなかったことを非常に残念に思っています。
――今シーズンを振り返っていかがですか
今シーズンは学生最後の年としてできる限り集中することを念頭に置いていました。結果があまり伴わなかったというのが正直なところですがいくつかの種目では自己新記録が出せていたのである程度の結果は残せたと思っています。
――4年間を振り返っていかがですか
あまり射撃に打ち込めたとは言い切れないと思いますがかなり楽しく射撃をすることができました。卒業してからも射撃を続けたいと思いますしまたここで得た仲間はとても良いものだと思っています。
――今大会で引退となりますが今のお気持ちを教えてください
まだ終わってしまうということをなかなか実感していませんしまだ卒業するわけでもないのでもうちょっと銃と触れ合っていけたらなと思います。
――後輩へのメッセージをお願いします
私たちの代が抜けてからも気を抜かず頑張ってください。
末本佳那(スポ1=福岡・大宰府)
――今大会を振り返っていかがですか
勝って臨んでいたのですが個人戦でも僅差で2位になってしまったのですごく悔しいです。
――今シーズンを振り返っていかがですか
今シーズンはやはりなかなか自分の思うような点数が出なくてすごく悩んだシーズンだったなと思います。
――初めての早慶戦でしたがどうでしたか、緊張しましたか
緊張はそんなにしなかったですね。いつも通りの、定期戦という感じでリラックスして撃てました。
――引退される4年生に向けて何か思いはありますか
この大会で勝ちをプレゼントというか勝って終わってほしかったので少し申し訳ない気持ちもあるのですが正直にお疲れ様でしたと言いたいです。
――来年への意気込みをお願いします
まずは自分の調子を取り戻すこともなんですが団体としては今シーズンよりもいい結果をだして来年の今頃は、次こそは慶應の優勝旗を取り返せたらなと思います。